■映画の感想です。映画館で観たもの中心。普通にネタバレしてるのでお気をつけください。
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2003年12月26日(金) フル・フロンタル

二年くらい前に「ソダーバーグが『セックスと嘘とビデオテープ』の続編を撮る気らしい!」というまことしやかな噂があって(→参考1→参考2)、ならばひょっとして十余年の時を経てジェームズ・スペイダー召還か?!と我々ファンは色めき立ったものですが(笑)、それってどうやらこの映画のことだったらしいですね。もちろん実際には続編なんかじゃなくて(だからジェームズ・スペイダーも出てません<当たり前だ…)、監督自身「今『セ・嘘・ビ』を撮れば『フル・フロンタル』になっていただろう」と語っているという、ただそれだけのことでしたが。

ということで、本作は“ソダーバーグ原点回帰”と銘打ったインディ系狙いの作品です。ハリウッドのある大物プロデューサーの40歳の誕生パーティ当日を描いた群像劇。彼の新作に関わった人々それぞれが繰り広げる人間ドラマ。公式サイトは→コチラ!
構成的には二重三重の作りというか、そのプロデューサーの新作とされている映画が劇中劇としてランダムに挿入されて本筋と同時進行する作りになってます。最初はあれ?って思うんだけど映像にはっきり区別がつけられてるし(劇中劇は普通のフィルム映像、それ以外はドキュメンタリーなデジカメ映像)、カラクリがわかってしまえば観るのに何ら問題なし。二重三重と言ったのは、例えばジュリア・ロバーツは本編中でも女優という設定で映画の中で映画に出てるわけで、さらに本来のジュリア・ロバーツとして(この『フル・フロンタル』の役柄に対して)答えたコメントを映画の中で使われたりしてるのね。ってなんだかよくわかんないですよね。あー上手く説明できなくてすみません。

お話そのものよりも特徴的なのは舞台裏で、必要最小限のクルーで全編オールロケ、撮影期間はたった18日という強行突破だったらしいです。さらに出演者に対してルールを課し、その内容というのが、◇現場には自力で来ること ◇ヘア・メイクは自分でやること ◇衣装も自前 ◇アドリブ推奨 …って、ほらほら、これってアレですよ! こないだの『HOTEL』! あれと同じでしょ。あれも映画を題材にしてたし実際の印象としても似通ったところがあるんだけど、ただしこっちは『HOTEL』よりもずっと甘めでした。甘いっていうのは、“ツメが甘い”っていうのと“sweet”っていうのと両方の意味でね。『フル・フロンタル』は、何となく、インディ系を装ったハリウッド映画って感じだったんだよなあ。出てる人が有名人ばっかりだったからかなあ。ソダーバーグが身内を集めて仲間内で盛り上がって作ったような。つーかそれがインディ映画じゃん!と言われればそれはその通りなのですが…(笑)。いや、私はマイク・フィギスなんて意味不明オヤジは好きでもなんでもないけどやっぱ『HOTEL』のインパクトはそれなりにすごかったと思うわけ。あのイッちゃってる加減というか、観る人を問答無用で当惑させるムードはかなり堂に入ってたと思います。

それにしても、今更だけど、ソダーバーグって結構純粋に愛を求めている人なのではないでしょうか。必要以上に恥ずかしがり屋さんだし(観ればわかる)。ファインダー越しに人の心を裸にして昇華させるというコンセプトは確かに『セ・嘘・ビ』と通じるものがあって、こういう後味は私は決して嫌いじゃないです。好きか嫌いかという基準で言ったらそりゃ『HOTEL』より断然『フル・フロンタル』が好きですよ(笑)。


あーそれと、これを言わねば話にならん! みんな聞いて! やっぱりブラピは超絶カッコイイです! この人って、たいしたことやってるわけじゃなくてもつい見とれてしまうのは何故なんだろう?やっぱカッコイイからだよな!うん!(自己完結) なんかオーシャンズの時みたく可愛格好良かったです。ちょっとしか出てこなかったけど久々にスクリーンで見られて嬉しかったー。この映画、ブラピファンは特に、最後の最後まで席を立ってはダメですよ!




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フル・フロンタル 【FULL FRONTAL】

2002年 アメリカ / 日本公開 2003年
監督:スティーヴン・ソダーバーグ
出演:ジュリア・ロバーツ、デヴィッド・ドゥカヴニー、キャサリン・キーナー、
ブレア・アンダーウッド、デヴィッド・ハイド・ピアース、ニッキー・カット
(その他ブラッド・ピットとかデヴィッド・フィンチャーなんかも出てます)
(劇場鑑賞)


2003年12月25日(木) ラスト サムライ

 ※ ネタバレ大いに含みます。まだ観てない人は読んじゃダメ!



明治維新の頃には横浜からあんなに大きく富士山が見えたのか!とか、勝元の村がぜんぜん吉野に見えないYO!(というか日本に見えないYO!)とか、そもそも筋金入りの保守サムライ勝元が何故あんな流暢に英語を話すんだ?とか、やはり鳥居とニンジャはいまだ日本描写に欠かせぬアイテムなのか┐(´ー`)┌ ヤレヤレ…等々、細かいツッコミ所はあるものの、総合的には面白かったです。というかむしろいいじゃんコレ!賛否両論あるみたいだけど私は擁護派だな。いやほら、だってフィクションですから。例えば制作側が「西南戦争の映画化である!」とでも豪語してるんならこっちも反撃するに吝かではありませんが(笑)、本作が娯楽性を多分に含む完全なフィクションであることは監督自らきっぱり明言していることですし、日本史学的な真の武士道というものが何であれ(そんなことは私だってよくわからん)、少なくともこのアメリカ人監督がサムライスピリットというものをどう捉えどこに美学を感じているかということは伝わってきたのでその健闘ぶりは評価すべきだと思うわけです。
反面、肝心なところが手薄というか、オールグレンと勝元が何故あんなに強い絆で結ばれたのか、そしてオールグレンとたかがなぜ互いに惹かれ合ったのか、物語の核となるそのあたりの過程にいまいち説得力がなかったのが残念でしたけど。
しかしまあ、ラストに明治天皇が「朕が目指す国家とは…」などと言い出したのには若干興醒めというか(笑)、いかにもアメリカ的ハリウッド的なまとめ方だなあという気がしました。あの弾丸嵐の中で一人奇跡的に生き残っちゃうところもお約束だし(笑)、この映画あくまで主人公はオールグレンなんだよね。日本の武士道をモチーフにした、彼自身のセルフ名誉回復物語。もちろんそういう映画なんだからこれでいいと思います。私こういうの大好きです。


あーあとトム・クルーズが意外に(失礼な)良かったなあ。ていうか、うわあトムクルかっこいいー!とか普通に思ってしまった自分に驚き。一体どうしちゃったのかしら最近の私!今更トム・クルーズにときめいたなんて恥ずかしくて人に言えないよぅ(言ってるけど)。でも実際どうだろう?結構格好良かったよね?二刀流も袴姿もサマになってたと思うんですが。 やっぱり日本人に近い体型だから …あ、いえ、ええっと、男の人の、こういう、全体的に長めでザクッと切ったような髪型が私は非常に好きなので、その辺もツボだったのかもしれません。あるいは単に甲冑萌えかもしれません(あるのかそんなの!)。日本語話す時何故か「自分は…」と高倉健風一人称になるところも素敵でした。あと泣き顔もめっちゃ素敵でした。色々良かったよトム。
渡辺謙の存在感は噂通りそれは見事で、さっきどうして侍が英語をペラペラ話せるんだよ!とかツッコミ入れましたけど、ほんとはそんなことちっとも気にならないくらいに台詞をモノにしていて素晴らしかったです。ゴールデングローブ賞ノミネートだそうで。やったね〜!
真田広之も、役柄上ロイヤルシェイクスピアカンパニー仕込みの英語をご披露いただけなかったのは残念でしたが、清兵衛の時とはまた違ったワイルドな侍っぷりがとても良かったです。桜をバックに、馬に乗ったトムと謙さんと真田広之がばんばんばーん!と並んでたりして、そんないい男スリーショットを拝めただけでも満足な一作でありました。相変わらず単純ですみません。

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それから、内容とは本当に全然関係ないんだけど、あのトムの見張り役の寡黙な侍、最初に名前を聞かれて答えなくて「じゃあボブだ」っていうやりとりに友人と私は二人して異様にウケてしまって、その後この人が画面にうつるたびに「ボブだ!ボブだ!」とか思って笑いをこらえるのが大変でした。しかも最後の最後まで思いっきり「ボォーーーーブ!」とか呼ばれてるし!
私は知らなかったんですが、この福本清三さんって有名な方なのだそうですね。大部屋俳優として44年のキャリアを誇る日本一の斬られ役。さっそく自伝本を読んでみたところ非常に面白かったです。ご本人たいへん謙虚なお人柄で、含羞のひと、と書き手の方が表現されてますが、まったくそんな感じ。トム・クルーズと共演ですね、と言われて「共演なんて、そんなそんな、私がやることなんか、たいしたことありまへんがな。共演なんて言ったら、トムさんが気を悪くしますがな」と(笑)。

↓これ



文庫になってます。〔→bk1〕



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ラスト サムライ 【THE LAST SAMURAI】

2003年 アメリカ / 日本公開 2003年
監督:エドワード・ズウィック
出演:トム・クルーズ、渡辺謙、真田広之
ティモシー・スポール、小雪
(劇場鑑賞)


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