vol.23 高槻ジャズストリートその1 - 2002年05月06日(月) 5月5日子どもの日。「子供の日」って書いちゃいけないそうだ。これは修士論文書いてたころ教わった。子どもは大人に供えるものではないので、人格を尊重して「子ども」と表記すべきなのだと。 あ、そうなの、いけないの、でもひらがなにしただけじゃん。だったら呼び方から変えたら?「生意気ワルガキ」とか「甘ったれクソガキ」とか「軟弱ハナタレ小僧」とか…って言いたくなるな。やれ、子どもの権利だとか人権とかいうから「少年法」なんて訳のわからんのが出来るのよ。 …って、私のミニバイクを半殺しにして昼間女一人でも危ない藪にほったらかしにしたガキどもに怒ってるだけかもしれないけどさ、、、まぁ、アラファト議長もカメラを前に吠えとったしな。世界中怒れる人々で溢れかえっておる… 先日あるところで大阪は高槻で行われる毎年恒例の「第4回高槻JAZZ STREET」のパンフレットをみつけ、私の師匠も出るんじゃないかと思って見てみたら、やはり出演する事になっていた。彼のトリオと、あと歌の人と、2コマも。師匠とは音信普通になっていたので、なにも聞かされていなかった。 で、レッスン再開のことについて師匠にメールを送る必要があり、彼からの返事にさらに返事をするとき、「高槻でのライブを楽しみにしています」と書いた。すると、思いがけずまた返事が来た。別のライブの宣伝とともに……だからか。 「あっこさんのリサイタル、楽しみにしています」と言って来てくれなかった師匠だ。よほど私も行くのやめたろか、と思ったりしたけど、そういう態度がいかん。弟子がそういう態度じゃいかんのだ、師匠はとてもプライドのある人なので、じゃあ聴いてやろうじゃないの、っていうのとともに、単に素直に聴いてみたいのもあった。 で、2:00から○○ライブハウスで始るということだったので、デザイナーをしている友人と一緒に15分前くらいについた。ところが、である。メチャクチャ並んでいて、なんと私の前に並んでいた人までで定員いっぱいになった。「立ち見でもいっぱいなんですよ」って店の人が。 「え゛〜私の師匠なんですゥ〜」「本人に行くって言ってあるのに」「次の師匠の出番は伴奏やから参考にならんし〜」と何度粘っても入れてくれなかった。 がっかりした。でも仕方がない。次に師匠が出るお店で前もって待っておこうとそこへ行った。おネエちゃんが映画音楽ばっかり歌っていた。アヴェ・マリアまで歌ってた。つまんないの。なにもこんなとこでポピュラーの発声のクラシック聴かなくってもいいのにさ。ピアノの人は女の人で上手いのか下手なのかわからない。なんかとにかくガンガン頑張って弾いてるんだけど、置いてあるピアノは、背の低い玩具みたいなピアノだった。見るからにタッチは浅そうだし、低音は出ないし、最低。おネエちゃんの歌が終わってから、次のコマの3人組みの時間になった。これもおネエちゃんの歌だ。でも、こっちのおネエちゃんのほうが歌もトークも上手いし、ハスキーで好みだな。ちゃんとジャズ歌ってたし。けっこう楽しくてあっという間に終わった。 次が師匠が伴奏で出る番だ。お店に入ってきた師匠にニッコリ会釈すると、こんなイイ女がsmile at youしているのに、師匠は私を誰だかわからなかったぞ…ま、仕方ないか、4回レッスン受けただけで休んでしまったのだもの。第一、レッスンのときは二人とも譜面代に向かって座ってるしね。 名前を言うと「あぁ!!さっき…?〈来てくれてました?〉」と私に言う。私もはじめてのレッスンのときに「リサイタル来てくれてました?」って聞けばよかったかな、などとカワイクないことを思いながら、定員でいっぱいで入場できなかったことを告げた。すると、「立ち見でいっぱいで、おかげでチップのカゴをまわすことがゼンゼン出来なくて、チップゼロで終わってしまったんですよ」と言ってた。仕方ない、今ここで買ってあげよう、と師匠のCD2500円を1枚だけ買った。「CDもね、さっきは結局誰も買ってくれなくて、知り合いが数人買ってくれただけだったんですよ」と笑っていた。 JAZZの人たちって簡単に(と言っちゃあ怒られるか)CDを作るような気がする。JAZZ人口よりもクラック人口の方がずっと少ないけれど、JAZピアノ弾いて仕事してるジャズピアニスト人口よりも音大のピアノ科出てる人と言う意味でのピアニスト人口の方が圧倒的に多いと思う。でも、クラシックでCDを出す人なんてほんの一握りだ。0.1パーセントにも満たないんじゃないだろうか? 彼は「クラシック聴くみたいに聴いてもらうと困ります…ミスノートとかあったりするのも見逃してください」と恥ずかしそうに言う。基本的に彼は悪い人ではないんだな。クラシックの仕事をしていると言う意味では私は師匠と対等に話をしたいけど、ジャズピアニストとしては彼をとても尊重しているつもりだし(え?これでも?)ホント、それはウソじゃない。何しろ私は弟子なのだ。 だいたい、テンションのことがしっかり頭に入ってないばかりか、覚えたと思ったらすっかりアタマから出てしまっているのに、ミスノートなんて分かるわけないじゃん。「そんなの、ワタシにはわかりませんよぉ」と返事した。 友人が「このCDはどんなJAZZなんですか?」と聞く。 「全部スタンダードジャズです」と彼が答える。 「先生はもともとスタンダードをされる人なの」とワタシが友人に説明すると、 師匠は「セ、センセイだなんて…」とまた恥ずかしそうに言う。やっぱり基本的にはいい人なんだ。。。 「先生、このピアノね、最悪ですよ。おもちゃみたい。低音は鳴らないし、音もワルいし」と言ってあげると、師匠はちょこっと触ってみて「鍵盤が浅くて、奥行きも狭いです」と言った。「じゃぁ手が、つっかえません(笑)?」と言うと、「それはたぶん大丈夫でしょう(笑)」とのことだった。 で、演奏が始まる。まず1曲目はベースの人と師匠の二人だけのセッションだった。あら、まぁ!さっきの玩具みたいなピアノ、ちがう!!それに師匠上手い!さっきの女性ピアニストよりも音が自然に鳴ってる。男で手が大きくて腕の重さもあるからなのかな?いや、でもやっぱり師匠、うまいやんかぁ!なんか嬉しくなった。 で、歌のおネエちゃんが歌う番になった。厚化粧なだけでカワイクないし(前述の二人はそれぞれに可愛かった)、話し方も男に媚び売るみたいでなんか感じわるー。で、いざ歌い出すと、こいつーメチャクチャ下手やんか!うわ、なんで師匠が伴奏なんかすんの?こんなんで「歌手」やったら、私だってすぐになれるワイ、と思うくらい何を歌っても同じにしか聞こえなかった。しかも、その前のおネエちゃんの歌った曲と同じものまで歌ったけど、ゼンゼン違う曲にしか聞こえなかった。しかもトークが全くなく、ひたすら歌ばかり。飽きてきた。師匠の伴奏はさっきの女性ピアニストよりもずっと趣味のいいアレンジになってるというのに、なんじゃこれは。こんなんでライブハウスでお客一人につき1000円以上のチャージもらって歌ってゴハン食べてるなんて、許されへん。私の周りには、優秀なクラシックミュージシャンがたくさんいて不遇なのに、彼女みたいに何歌っても同じ音楽にしか聞こえない人が音楽でゴハン食べてるって???? お財布の中に10円玉がいくつかと、五千円札しかなかったので、チップが払えなかった。師匠には悪いなぁと思ったけど、あの歌には絶対払いたくなかった。 師匠に「先生が弾くとピアノが変わりました」と言って、お店を出た。 あと、別のお店で以前から気になっていたピアニストの演奏があったので、時間を稼いだあと聴きに言った。 その感想と師匠のCDの感想については、また次回。 ... vol.22 そろそろ再開 - 2002年04月30日(火) あれからはっきり言って理論書を読んでない。なぜかというとメチャクチャわかりにくく書いてあるからだ。ダメだな、あの本は。 辛うじてCDだけは聴くようにしていた。するとびっくりしたのは、作曲の宿題がなぜかジャズっぽくなってしまう。これはいいのか悪いのか、、、やっとのことで「普通の曲」を書く。お稽古に行く…でもやっぱり影響されていた。今回の私の曲の和声進行には無理があるところが多いらしい。 実はもう一人、ジャズを仕事にしていた事のある知り合いがいる。今まで私がジャズをはじめたことはゼッタイ黙っていた。なぜならいつかいきなりジャズを弾いて彼を驚かそうと思っていたからだった。しかし、さすがにこの頃は参っているので、先日会った時に思いきって彼に私の抱えている問題を少し話してみた。 すると、Jからよりももっと有意義な?話を得る事が出来た。彼はもともとクラシックの作曲学科を出ている。在学中に学校のカリキュラムとしてジャズをしなければいけなかったのだ。彼もやはりクラシック出身でないバリバリのジャズマンに教わった事があって、そのジャズマンの言ってることがサッパリわからなかったのだそうだ。 「やっぱりなぁ、クラシックから転向した人に教わった方が、僕らは合ってるってぇ」 と彼は言った。そして、 「和声で伴奏づけするとき、開離で弾いたらええねん。たとえば、Cの和音やったら、左手でドとソをひいて、右手の1の指で第3音のミを弾くねん。あと余った右手の指でテンションの音とかメロディーを弾いたらええねん。まずそこからはじめるねん」 なのだそうだ。 私の持っている理論書がどこのものであるかをいうと、「あ、それ、わかりにくい本やで」と、すぐに答えが返ってきた。で、進めてくれたのが稲森メソッドだった。 そういや、聞いた事がある。いいのかどうか良く知らなかった。後でわかったことだが、メソッドを開発した事でその世界ではメチャクチャに有名な人なのだそうだ。自分の無知を思い知らされる。 彼の話を聞いていると、やっぱり最初から彼に相談すれば良かったのだなぁと後悔した。だってさ〜、彼が普段ハマっているキャバクラ通いのことや女のコの口説き方の話ばっかり聞かされてる方としては、相談する気にはなれないのがフツーだろー?(←つまり彼はワタシを女としてみていない証拠) で、昨日彼に本を借りた。4冊も持ってきてくれた。Jが貸してくれた本もなかなか有意義だったけど、彼が貸してくれた本はもっとわかりやすい。それもそのはず、稲森氏は東京芸大作曲科で研鑚をつんだ人。クラシックにどっぷり漬かっている者のアタマの中を熟知している。 彼が貸してくれたのは、理論書2冊と伴奏づけのトレーニングの本、膨大な数のフレーズ集だった。このトレーニングの本がまた、かったるいほどに同じパターンを繰り返す事で、実にたくさんの曲の伴奏づけが出来るようになっている。正直、弾くのが恥ずかしいくらいなのだが、ひたすらしつこく課題を変えてたくさん弾いていくうちに、初歩の和声が会得できる?ということらしい。今日、さっそくやってみた。これなら続きそうだ。 でも結局みんな共通して言うのは、「コピーから入るのが有効である」ということ。 しかしね、いくら好きでもアート・テイタムのをコピーするのはしんどい。 テイタムだけに「手痛む」よ。 こりゃまた、失礼しました〜。 レッスン再開にむけて、とにかくやるしかないのである。 ... vol.21 ちょっとした発見 - 2002年04月13日(土) …理論書なんて結局読んでもわかったようなわからないような、、、あと2週間くらいしか猶予はない。 友人Jに連絡をとろうと思いつつ、たまたま若い頃にJAZZを仕事で弾いていたという人を知ったので、Jよりももっと詳しいかも、と思ってつてを頼った。 すると返事は以下のようであったらしい。 「あら、仕事じゃないわよ、趣味よ。音大出身のピアノの先生?やだ、そんな人に教えるほど高度なこと私は持ってないわよ。確かにコードはややこしいけど、覚えきれないから私はその都度本で確かめて弾いてたわよ。何がわからないのかしらねぇ?音楽大学出てはるんなら、学校でコードも作曲もやってるはずだから、わからないことはないはずだと思うけどぉ?」 これでやっとわかった。音楽大学というところは音楽の全てを学ぶ所だと、部外者はみんな?思いこんでいるのだ。 ちがうってば。作曲は作曲専攻の人がするんだし、コードなんてクラシック音楽では使わないんだから、習うわけないじゃん。 うちの師匠もやはり私が音大でコードについて奇習したと思いこんでいるに違いない。そうじゃなくても系統立てて教えてくれてるようではないし、やっぱりJAZZってジャンキーなのね。 ... vol.20 昨日の続き - 2002年03月25日(月) …そしてその2週間後、卒業後に知り合った母校の後輩のリサイタルに行った。彼は現代音楽や、超絶技巧主義?のマニアックな言い方をすると「体育会系」のものに陶酔?している。 その日の晩も「20世紀のピアノ音楽」と題して私の知らないものばかり演奏した。例えばローゼンブラットや、JAZZのエッセンスのあるカプスチンなど。 恥ずかしながら、現代音楽の演奏会に行くのはこれでまだたったの2度目なのである。私が現代音楽を書けないのは、ここにも原因があるだろうな。で、正直、ピアノだけの現代音楽ばかり、というのはいささか辛かった。どれも大変テクニックが要求されるものばかりの割には、その良さが伝わりにくい。それは彼のテクニックが足りないのではなく、やはり曲そのものに問題があるのかと思った。もし、素晴らしいものであるなら、もっとメジャーなところのプログラムに載っても良いはず。彼自身はテクニシャンだし、彼なりの選曲で思い入れもあるのだろう、プログラムの曲目解説は充実していた。カプスチンは彼が機会あるごとに人前で弾いていた曲?ということもあっていちばん良かったけど。ちょっとプログラム欲張りすぎたかな?彼としては不満の残る演奏だったようだけど、直前まで彼も義理であちこち顔をだしていたので、疲れたのかも。 更に1週間後、こんどは観世流の能「船弁慶」を観に行った。能の研究をしている後輩が、その研究活動の関係で招待券をGETとかで誘ってくれたのだ。義経役はまだ子供だった。弁慶は大槻文蔵、船頭と の二役を茂山千之丞が演じた。解説は茂山千之丞と、劇団女優のわかぎえふだった。大槻文蔵の声はとても渋くて良い声だった。圧巻は茂山千之丞で、船頭が竿一つで演じる場面にものすごい気迫があった。小船を襲う大波と船頭のからみが竿一つであんなにもリアルに表現されるのかと、とても奥深いものを感じた。 当夜の主催者である団体に後輩が関係しているということで、上演中は彼女を挟んでわかぎえふと3人並んで座っていた。私はわかぎえふとは喋らなかったが、テレビで見る「カワイイ」えふさんじゃなくて「美しい」えふさんだった。女優って、ホントに綺麗なんだな。 …くだらないが、舞台の始まる時、お囃子の太鼓の人が「いよーぉっ!」とやるのだが、「お囃子のまねをするタモリ」みたいに思えてならなかった(笑)。っていうか、「お囃子の物まねをするタモリ、の真似をしているお囃子の人」という感じがして、何と下世話な自分だと少し反省した。 あとほかに、ひとつだけいつものピアノの演奏会に行ったのだが、誰が何を弾いたかどうしても思い出せない。他の4つがあまりにもインパクトがありすぎて、印象が薄れているらしい。 スタンダードなクラシックが損をする瞬間かな。こういうの。 ...
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