| 2003年11月17日(月) |
ズルイ女 /嫌いというか苦手というか |
女性と言葉のやり取りをしていると、ときに「応えてくれない」ということがあります。言いにくいのか繕おうとしているのか、その核心はつかみきれないものの、僕の胸のうちには、えもいえぬ嫌な感覚が残るものです。 これまで、果たしてどれほどの数の女性とメールで言葉を交わしてきたのかわかりませんが、僕の文字ひとつひとつをきちんと読んで返事をくれる人と、明らかに「避けてるな」と感じられる言葉を返してくる人とがいました。「避けてる」とは僕自身を避けているのではなくて、ある特定の話題を避けているという意味ですよ……。 おこがましい気はしますが、僕だってれっきとした大人です。相手が嫌がるような質問は極力しないよう心がけていますし、それが故に、ある意味ズバっと切り込めない性格だとも自己認識しています。相手が「じれったいわね」と思うほど慎重に対応する僕の性質は、言葉を交わした方ならおそらく肯いていただけることでしょう。 例えば、通常の会話のなかで相手が何かを望んだとします。それに対して僕は、素直に言葉を返します。そこには、相手に僕のなかにあるものを伝えたいという想いと同時に、それを受け取った相手がどんな反応をするだろうかという楽しみもあるわけです。ところが意に反して、相手は何事もなかったかのようにそこを素通りするんです。つまり、投げ返したボールを、どこかに仕舞いこんでしまうわけです。 僕は筋が通らないことが嫌いです。親しき仲にも礼儀は必要だと、骨の芯から思い込んでいる男でもあります。それだけに、「望んだからに返してやったのに、どうしてひとことも返してこないんだ」という憤懣たる想いが、僕のなかには残ってしまうんです。 ひとつには、どう返してよいかわからないという理由はあるかと推測します。言葉のやり取りというのは、ある程度はそこに「予測」というものが付きまとうものでしょう。相手の反応を少なからず予測して、実際との違いを自分のなかで解析認識することで、僕は自分と他人との区別をつけているような気すらします。 もしその予測が大きく外れたら。やはり返す言葉を失う場面にも、ときに遭遇するかもしれませんね。その気持ちはわかる気がします。けれどそんなときであっても、一言くらいは何か返してあげてもいいでしょう。相手は言葉を待っているのですから。それは礼儀であろうと僕は思います。 もうひとつ、自分をよく見せたいがために、繕おうとしてその場を避けるという理由もあるかもしれませんね。人に嫌われることを怖れない者など、そうそういるものでもありません。誰だって自分と何らかの縁を持った相手には好かれたいと願うでしょうし、そのために自分をよく見せようとする心が働くことも理解できます。しかし、であるならばなおさらのこと、相手の心を無下にするような行動は慎むべきでしょう。 この手の女性の背後には、自己中心的な心が見え隠れする気がします。自分のことはアピールするくせに、相手のアピールには中途半端に受け答えするんです。自分に対する感想や評価には耳を傾けるくせに、相手に送る言葉を持ち合わせていないんです。嫌な女です、まったく。 もちろん、相手のことを慮ってとか、ふたりのこと考えてという理由もあろうかと思います。人間関係においては、とかく波風を立てないことのほうがいい場合も少なくありません。自分のためでなく、相手のためにという気持ちは、一概に批判できるものでもないでしょう。 されど、そんな気持ちもどこか自己中心的な気はしませんか。相手のためとはいえ、ふたりのためとはいえ、それはあなたが考えるところであって、相手の考えではないからです。痛みをあえて分かち合いたい、醜さも本当の姿として受け止めて欲しい、そう願う男もいるということを思えば、心ともいえる言葉を無視するほど辛い仕打ちはないでしょう。 見て見ぬふりは、確かに大人の嗜みに近いものがあるようにも思えます。僕だって時にそうすることも少なくありません。けれど、こちらから求めて投げ返されたものは、確実に僕の心でお返しすることが、投げたものの責任であり義務であるとすら考えています。それだけに、そのような場面で素通りする女をみると、なんとも嫌な気持ちに包まれてしまうんです。 多くはいらないんです。ほんの一言、受け取りましたという言葉だけでいいんです。それができない女は、そして男は、僕にはどうしても悲しい存在に思えてしまいます。 ----Information-------------------- メインコラム更新再開に伴い、当面の間、各コンテンツの更新予定を以下のように目標設定しました……目標です、目標。 月曜日と木曜日:ヲトナごっこメインコラム 火曜日と金曜日:デジカメコラム「撮ってもデジタル」 水曜日 :Photo(ただし、ネタがあるときのみ) メインコラムを優先しますので、メインコラム更新予定日が祝祭日の場合は翌日に順延し、デジカメコラムはその週は一度の更新となります。デジカメコラム更新予定日が祝祭日の場合は、その日はお休みとなります。 連載中のデジカメコラムも、どうやら年内に収拾付きそうにありませんので、とりあえず年内はこのペースで運営していく予定です。って、毎日更新じゃん……大丈夫かね。
| 2003年11月04日(火) |
衣替え:ヲトナごっこリニューアル |
衣装ケースからかすかに防腐剤の香る洋服を取り出し、半日風通ししたあとに、洋服ダンスの引き出しに仕舞いこむ。一枚ずつ丁寧にたたみながらも、今年が最後かなどと成長の証に見入るひととき……本日、ヲトナごっこを衣替えしました。 ウェブコンテンツを作るようになって五年半、これまで十数回に及ぶサイトのリメイク作業を経験してきました。ヲトナごっこに関しては、昨年二月に開設して以来、これが二度目のリメイクとなります。初秋の風が吹く頃に、写真を使ったコンテンツをひとつ増やそうと思いついたのを契機に、サイト全体のイメージを刷新しつつ内容を再確認してみようと考えたわけです。 今回のリメイクのポイントは、骨格として「トップページ一枚で、サイト内にあるコンテンツの様子をある程度把握できるものにする」ということと、新たな写真コンテンツ登場にあわせて「画像を軸とした構成を心がける」ということでした。これまでのヲトナごっこでは、どちらかというとテキストサイトというイメージを大切にしてきました。無用な画像や色を使わず、テキストをシンプルに見せることを心がけていたわけです。しかし今回はその辺が、見た目にも大きく変化していると思えます。 新たな写真コンテンツ「Photo」に関して、少々書き留めておきます。過去にも、コラムの片隅に自分が撮った写真を挿入していた時期があったのですが、趣味のひとつとして、写真は僕が親しんできたものでもあります。写真そのものはかなり若い頃から好きだったのですが、ある意味で開眼したのはここ数年でしょうか。現在では一眼レフデジカメを手に、季節の移ろいを追うのが楽しみにもなっています。 単に写真が好きだから公開するという理由なら、僕はヲトナごっこで写真を出したりはしなかったと思います。されど写真コンテンツを作ろうと思い立ったのは、ヲトナごっこで構築しようと僕が目論んでいるビジョンのなかに、写真という媒体が発揮してくれるであろう効果を、僕なりに期待したからです。それはまだ試みという段階に違いないのですが、恋愛やセックスをテーマとしたコラムにも通ずる「Photo」のニュアンスを感じていただけるよう、コンテンツの制作に力を入れていきたいと考えています。 「Photo」の更新は不定期です。どこに更新報告するつもりもありませんので、時々覗いていただければ、その際にもしかすると新作が出ているかもしれません。いまのところは、一枚の写真に短い言葉(五七調)を添えた形で進めるつもりですが、いずれ連作も登場するかもしれませんね。その辺は今後の展開をみながらになるでしょう。 写真コンテンツをはじめるにあたって、デジカメに関するコラムをそちらのコンテンツ内で連載することにしました。メインコラムとは意図的に趣を変えるつもりで執筆していますので、また違った僕の文章世界をそちらでもご覧になれるかと思います。これも「Photo」同様に、更新報告もせず、不定期連載という形で進めようと考えています。写真に興味がある方、デジカメに興味がある方、これからデジカメ、特に一眼レフデジカメの購入を考えている方などに、できれば読んでいただきたいですね。 メインコラムに関しては、特に変更点もありません。すべてのデータを「MovableType」というシステムでデータベース管理していますので、テンプレートを今回の体裁に作り変えただけです。移行作業に伴い、検索機能を停止していましたが、それも復活させていますので全文検索が可能となっています。 小説は、これまで二篇をごっこコンテンツとして、四篇をポップアップウィンドウで表示される「The Novel」として出していましたが、「The Novel」の四篇をサイト内コンテンツとして整理し、以前の二篇は今後折をみて改訂してから、それら四篇の公開方法と同じ方法で再公開しようと考えています。 掲示板はこれまでのままです。もちろん体裁は新たなものになっていますが、機能もデータもそのまま移行しますので、どうぞこれまで通りご利用ください。ただし、設置アドレスが若干変更されますので、これまでのcookieは無効となるはずです。その旨ご了承ください。 私書箱としてご利用いただいていたパンドラの箱は、システムを新しいものへ入れ替えました。変更理由は単に管理しやすいからというだけですが、これまでのものよりも使いやすくなっていると思います。なお、旧パンドラの箱にデータが残っていて未保存の方は、どうぞ新たなパンドラの箱を経由してお申し出ください。古いシステムもしばらくは残しておきますので、そちらのアドレスをご連絡します。 ここ数週間、リメイク作業に没頭していましたので、メインコラムのストックも底をついてしまいました。そこで、2〜3週間を目安に骨休めさせていただこうと思っています。リメイクして疲れたという理由もありますが、その間に気分を一新して、コラムを書き溜めていこうという算段でもあります。 甚だ調子の良い物言いではありますが、その間に、過去コラムや新たなコンテンツを楽しんでいただければと思っております。僕が書いているものは日記でもありませんし、ましてや連載コラムでもありません。前後の脈絡はほとんどありませんので、どこから読んでも問題なかろうと思います。そしてなによりも、これまで書き綴って蓄積したコラムそのものが、僕自身に他ならないわけですから……。 それとエンピツ日記に関してですが、こちらは過去コラムの表示方法以外は変更しません。僕の本音は、ヲトナごっこのトップ画面を開いて欲しいのですが、エンピツ日記での読者も結構な数になりますし、そう無理もいえないと思っています。これまで通り、エンピツ版のほうもよろしくお願いします。 最後になりますが、単にコラムを読むだけでなく、そこから広がるヲトナごっこの世界、僕が創作しようと思っている世界を感じ取ってくださることを心から祈りつつ、リニューアルの報告とさせていただきます。
ひとごみに君の影を追う いないとわかっていても ひとつずつ ゆっくりと 僕のなかに刻まれた 君の感触を探しつづける 君のことを考えている時間は とても穏やかで とても温かくて 胸の片隅にある痛みですら 忘れさせてくれる気がする 傍にいて欲しいとか 僕だけをみて欲しいとか そんなことは思わない 君には君の世界があって 僕には僕の世界があって ただ僕は 君を探す時間のなかに 身を委ねていたいだけ 君をみつけるためでなく 君を抱き締めるためでなく 君を想いつづけるために 僕は君の影を追う ひとごみのなかに 君の影を追う
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