2002年01月08日(火) |
なぜか財布に一億円が… |
まったく昨日は大変な目に遭いました。 今日起きてみると世界はちゃんと戻っていたのですが、 なぜか財布に一億円だけ残っています。 ほっとくと消えてしまうかもしれません。さっさと使いましょう。
…でも、一億円もなんに使おうか?
まず100%牛乳風呂なんてどうでしょう。 ……ホットミルクなだけですね。 あっ!やばいです皮がはってきて自分まで固まりそうです! 逃げます。
次にチョコパフェ死ぬほど食ってみましょうか。 ……。 死ぬかと思いました。
やっぱ自分のために使ってもアホなことになるだけです。 誰かにあげましょう。 そうだ、この寒いのに外でがんばってるホームレスの方にあげましょうか。
おじさーん!ほらたき火なんてしてないで! これあげますから、なんかあったかいものでも。 「ありがとよ」 いやいやそんなあ〜!どうせ私のじゃないんです……って、 ああああっ?! ちょ、なに燃やしてんですかっ???! 「ぬくいのう」 いやっ……じゃなくて! ……でもまあ、いいか。あげたんだし。欲のないおじさんです。 さあ、燃えのこりの一枚で、一緒にラーメンでも食べに行きましょうよ。(完)
まずは、ご報告遅れたことお詫びします。
というのも実は、昨日からラーメン屋に監禁されているのです。 そう…私とおじさんが入ったラーメン屋はただのラーメン屋ではなく、 全国十万店の博多ラーメン屋を総括する 「博多ラーメン協会本部ラーメン事業部」だったのです!
今ケータイから書いてます。見つかったらたぶん没収でしょう。
……そもそも店を入ったときから妙だと思ったんです。 そう、テーブルではなく「受付」にまわされ、「問診表」を書かされたときから。 「Q1、あなたは一日に博多ラーメンを平均何杯食べますか?」 無茶いうな。そんな毎日食べるわけでもなし… 適当に0.0685とかって書いとこ。 「Q2、ラーメンの具に適当なものを次から選びなさい」 …えーと…… メンマとうもろこしもやしチャーシューたまごやき… 「Q3、最終学歴および卒論のテーマ、この店を志望した理由を述べよ」 ?! なんでラーメン屋にそんなこと言わなきゃあかんの?! 思わず顔を上げると受付のお姉さんはにっこり、 「恐れ入りますがこちら15枚の必要書類、全てご記入いただかないと」。 とほほ… 15枚も何書かされるんだよ…
──そしてこの書類が、私たちの後の運命を左右することになったのです。 ああ、早くラーメンを食べたい。
……目ざとい方ならおわかりでしょう。 私はラーメンの具に「たまごやき」と答えてしまいました! (正解はゆでたまご) そんなわけで今 私は不審人物として捕まって、 本当にラーメン客なのかどうか、尋問を受けているわけです。
「吐け!お前の狙いはなんだ!」 「だから…ラーメンです」 「経歴・品行・顔を鑑みればとてもラーメンにふさわしい人間とはいえん」 「そんなの鑑みないでください!しかも顔ってなんですか!」 「ロールシャッハテストでも、この絵をやきそばと答えたそうだな! ラーメン客ならばラーメンと答えてしかるべきところを!」 「だってアオノリかかってたんすよ」 「アオノリ?!…やはり釈放はならんようだな。さあ差し入れのチャーハンだ!」 「そんな!ラーメンを食わせてください!これじゃ“ン”しか合ってません!」
果たして私はラーメンを食えるのでしょうか。 そして、連れだということで捕まったおじさんは無事でいるのでしょうか…。
「おお兄ちゃん、無事だったかい」
あ、噂をすればあのおじさんです! 聞けば彼は讃岐出身だったらしく、うどん協会のスパイと間違われ これまた尋問を受けていたそうです。 「心配すんでねえ。黙っていたが…わし、スーパーマンなんじゃ!」 じゃあさっそく! 「そしたらな、電話ボックス持ってないか?」 それが…あいにくケータイしかないんです。 「しけてんのう」 すいません。…と? チャッチャチャー♪ どっからともなくテーマソングが流れ、華麗にマント翻すおじさんは空へ! って!!ねえ待って!おいていかないで! 「すまない。スーパーマン組合法で 美女及び老人子供犬猫しか救ってはならないと定められておるのだ」 ……は? 「さらばだ」 言って天井突き破り、スーパーマンはどこか彼方へ飛んでいってしまいました。
あの、オレ…どうしたらいいんですか?
2002年01月11日(金) |
奇跡の脱出劇、そして! |
ふう…はあ…ひい…。 みなさん!!私はとうとうラーメン屋を逃げ出しました!! どうやって逃げたのかって? ええ、ええ。それが。
部屋の隅に「あれ」があることに、もっと早く気づくべきでした。 すなわち──ゴミ箱。 私はおじさんの残していったぼろい衣装を身にまとい、 身体をちぢこめてゴミに変装したのです。 朝になれば掃除屋さんが持っていってくれますからね。 生ゴミと一緒にされたのはむろん計算外でしたが。
そして私の演技の完璧さに(というか寝てた)! なんとそのままゴミ集積場まで来てしまったらしい。
うう…。 しかも生ゴミくさい… え、早く出ればよかったのにって? いや…それなんですがね…。どうも、こう、身体が、
入れられたダンボールにジャストフィットしてしまって。
つまるところ、出られないんです。 ああ、ホント、ここ、どこなんでしょう…。ホント、どうしたらいいのか……。
そんなわけで、ダンボールにはまってしまった私です。
でもいつまでもここにいるわけにもいきません。 がんばって、足を伸ばします。と…なんとか地につきました。歩けそうです。 ちょうど体育すわりが前かがみになった姿勢で、 私はゴミ山を降りていきます。はたから見ればダンボールに足がはえたかんじ。 これは恥ずかしかった。 しかも家に帰るにはまだ電車とバスを乗り継いでいかねばならないのに…
そこで私、一計を案じました。
そこらのコンビニに行って、自宅まで宅配してもらうのです!! …荷物が自ら運ばれにくるなんて。店員さんはとても感心してくれました。 私は送り先の記入を済ませ、黒猫だか何だかのトラックに載ります。 そうそう、忘れちゃいけない、「ナマモノ」のシールを貼って――
…。 また間違えてしまいました。いやある意味では合ってるんだろうけど! おおおお寒い寒い寒い 冷蔵車に載せられてしまったらしいのです!
おかげで手がかじかんで、この日記書くのにまる一日かかってしまいました。 …「コワレモノ」を貼っとくべきだった…
2002年01月13日(日) |
トラック運送中に凍死!? |
まったくどうして私はこんなろくでもない目に遭うのでしょう。 ええ。私はまだ冷蔵トラックの荷台にいます。 さしものセールスドライバーさんも、まったく気づいてくれません。
…そのかわり私が、えらいことに気がつきました。 運送トラックの荷台は、冷蔵と冷凍がいっしょになってるんです。 クーラーに近いのが冷凍、遠いのが冷蔵、ってんです。 …隙間から覗けば、どうやら私のダンボールはその中間にいるらしい。
えらいこっちゃ!
こんな状態で凍死なんてことになったら、 明日のスポーツ新聞のトップは 「覚悟の自殺?!男子学生、トラック運送中に凍死!」 でいただきです! ちがうちがう、いただいちゃダメなんです! 水曜日までに書かなきゃいけない実験レポートもあるし、 こんなとこで死んでる場合じゃないんですよ!
なんとか脱出しないと。 私は中からダンボールをぶち破ろうとしますが、 運送会社の人はこれまたしっかり梱包してくれていました。 ならば! 飛び込み前転の要領で、私はダンボールを転がし始めました。 そしてトラックの後ろの戸の前まできて… そう。トラックが止まった瞬間に、この戸を破ればいい!
あとは、タイミング。 まだかまだか。私がじりじりしていると、 キキキ――――ッ!! 突然の急ブレーキ!! 衝撃で開いた戸から、私は外へ放り出されてしまいました。
そして…ああ…ここは…橋の上だったんですね… さらば、陸!! バシャ――――ン。ダンボールは、海へ沈んでいきました。
2002年01月14日(月) |
その名も、リバティミドリガメハウス |
今日 目を覚ますと、海の中にいた。
いったいどこでどうしてこうなったのか、まったく憶えていない。 憶えているのは、自分がミドリガメであることと、 あさって期限の実験レポートはK教授なので絶対遅れられないことだけ…。
…待てよ? ミドリガメに実験レポートってあるか? よくわからないので、忘れることにした。忘れちゃいけないような気もした。
ええと、それからね。 今日は仲良しのウミウシくんに会いに行った。 外見はだらけてるかんじの子だけど、本当はもっとだらけてるんだ。 しゃべるのも億劫だというので、 黙って横に座り、一緒にイワシの群れの白い腹がきらきら流れるのを見てた。
しばらくしてボクはそれも飽きたので、 今度はヤドカリくんと友達になろうと思った。
「こんにちは。いいお海気ですね」 「あんちゃん、ええもん持っとるのう」
実はヤドカリくんはやり手のヤドカシだった。 百戦錬磨の営業トークにボクはこの甲羅をアパートとして貸す契約を結ばされ、 かわりだといって長靴を押しつけられてしまった。
この姿…カメだなんて誰も信じてくれない…。 ボクは今、アイデンティティー崩壊の危機にさらされていた。
|