Subterranean Homesick Blues...YANG(ヤン)

 

 

23時の攻防 - 2004年05月14日(金)

夜は熟しはじめていた
人々の興奮は徐々にスピードをあげ
その頂点を目指しまっしぐらに進んでいく

時間は22時15分
店を飛び出した彼女が戻ってくる
目を合わせない
困惑しているのかもしれない
「23時までには戻ってくるわ」という言葉を
残し、店を出て行く

23時は待つまでもなく、あっという間に
やってくる
彼女の足音は聞こえない
彼女の声は聞こえてこない

きっと何かがあったんだろうと、たくさんの
理由を考える
いくつも いくつも

23時半、最新の理由をつくりあげる
これならいけるかもしれない

23時45分、山となった理由を見上げていると
それが幻想であることがわかってきた
理由などいらない、事実だけを見つめるんだ
何度も言い聞かせる
やっとわかってくれた自分にほっとする

23時50分店を出る

わかっているはずなのに、
やりきれない思いをごみ箱に捨てるのに
さらに1日以上の時間が必要になるとは
思ってもいなかった











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