Subterranean Homesick Blues...YANG(ヤン)

 

 

最終話 今日も素敵だブライアン - 2002年03月31日(日)

ここは、東京。
国際フォーラム。
ブライアン、リンダ、そして、バンドのメンバーが
リハーサルを続けていた。
世界ツアーは無事すすみ、ここ日本が最後の
ステージであった。
「リンダ、僕はしあわせだよ。」
「わたしもよ、ブライアン。」
ステージの幕が開き、最後のライブが始まった。
数々の名曲が演奏されていった。
バックは最高のメンバーだった。
特にデーブのファルセットはとろけるほどの
心地よさだった。
ごきげんのブライアンは、曲が終わるたびに
観客に手を振って「ありがとう。」とこたえた。
リンダはすぐ後ろで、バックコーラスをつとめ、
最高の巨乳をゆっさゆっさとゆらしていた。
観客のほとんどは、ブライアンより
リンダに夢中だったことはブライアンはもちろん
気づかなかった。
リンダのナイスバディを見ながら、最高の音楽を
聞く、これは観客にとってたまらない興奮だった。
そんなコンサートも最後の曲を終え、大盛況で
幕を閉じた。

ブライアンは満足していた。
「僕は歌えたよ。リンダ。歌ったんだ。」
「そうよ、ブライアン。」
二人は抱き合った。

そして、いつにもまして熱く二人は愛をたしかめあうのであった。


終わり




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第22話 太っちょデーブ - 2002年03月30日(土)

アルの手はずである日、ブライアンの家に
巨漢というよりただのデブの男がやってきた。
「はじめまして、僕、デーブっていいます。
昔からビーチボーイズのファンなんです。アルさん
から歌ってくれって言われて。」
ブライアンは、自分が昔太ってたこともわすれて、
「デブはだめ。」
一言で切り捨てようとした。
そこへ、リンダがとめにはいった。
「もう少し話をきいてみましょうよ。」
アルを含め4人はピアノの回りにやってきた。
「じゃあ、この曲ね。」
ブライアンは、ドンワリベイビーを弾き始めた。
すると、デーブはどこから声をだしているのか
わからないほど、というより、ほんとにデーブが
歌っているのかと疑いたいほどの美しい声で
歌いだしたのであった。
それは若かりしブライアンの
声そのものであった。
アルが言った。
「ブライアン、君の高い声を今よみがえらせるには
もってこいだろう。」
そのとおりであった。
これで、もっとも困難であろうパートが完璧なものとなった。

そしてバンドメンバーが世界中からあつめられていった。


つづく




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第21話 大好きなバナナ - 2002年03月29日(金)

「だれ、そこにいるのは、ブライアンなの。」
「そうだよ、ぼくだよ、ブライアンだよ。」
その声は明らかにアルの声だった。
「キャー何のぞいてんのよ。助けてブライアン。」
ブライアンがすぐさま飛んできた。
そして、アルの首根っこをつかまえ、
「アル、どういうつもりだ。」
「ごめんよ、だって、俺、もうたまんなくって。」
「そうだったのか、しょうがないな。
罰として、今日のバナナは抜きだ。」
アルはバナナがあれば他に何もいらないほどの
バナナクレイジーだったから、これは地獄のような
仕打ちだった。
「うわー、かんべんしてよ!」
泣きながらアルは頼んだが、ブライアンは許さなかった。
アルの頭の中はもうバナナのことだらけ。
でも、ツアーに向け3人は着々といろんな手はずを
整えていったのであった。


つづく


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第20話 世界ツアー - 2002年03月28日(木)

目覚めた、そう、この感覚、
しばらくわすれていた、とっても大切な気持ちなのに。
ブライアンとリンダは歌いつづけていた。
そして、ベッドの上で野獣のように
からまることも忘れなかった。
ある日、二人の生活に一人の男が
加わることになった。
ビーチボーイズのアルジャーディンだ。
やる気になったブライアンにとって最高の
片腕だった。
アルは手際よくブライアンのサポートをしてくれた。
あっという間に世界ツアーのスケジュールを整えていった。
ブライアンにとっての最高の理解者。
マイクラブとのいさかいの中でアルはいつも二人の
仲をとりもってくれた男だった。
ブライアンはわかっていた、自分がやりたいこと、
そして、世界が自分にとって何を望んでいるのかを。
ツアーの準備は着々と進んでいった。
アルとブライアンは毎晩語り合った。
「ブライアン、君はまだ十分歌える。でも、
リンダへの君の愛情は異常だ。このツアーを成功させる
ために彼女としばらく距離をおいたほうがいいと思うよ。」
思いがけないアルの助言だった。
ブライアンは即座に答えた。
「やってみせるよ、アル、僕にとってリンダは必要な存在だ。」
アルはうかない顔をした。
しかし、アルもひきさがらない。
実は、アルもリンダの巨乳に夢中になっていたのであった。
いつのまにか、アルの興味はリンダのカラダに向けられていた。
「ああ、あの胸に顔をうずめたい。」
そう思うアルであった。

危ないリンダ、すべての男を虜にするリンダのカラダ。
無事ツアーは成功するのだろうか。
そんなことを気づかずに下着のまま二人の間を
微笑みながら歩き回るリンダであった。


つづく





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第19話 異常な興奮 - 2002年03月27日(水)

朝一番のお仕事いえば、
リンダの巨乳へホットミルクを吐き出すこと、
そして、食卓でリンダと一緒にトーストとホットミルク
を飲むことだった。
それが今は違う。
二人の愛欲の生活にひとつのリズムが加わった。
ピアノに向かい二人で歌う。
仲良く腰かけ時に笑い、時には真剣になって
二人は歌った。
リンダの歌は小鳥の羽のように軽やかで、
ブライアンの声から一定の距離をおいて飛び回った。

そんなある日リンダが大好きなオザケンの歌を
歌った。
「誰の歌なんだい。」
「日本人の歌よ。」
「日本人?」
ブライアンはしばらく黙ったあと、
突然さけんだ。
「そうだ。日本だ。ツアーだ。」
そういうとリンダの肩に手をかけ、
「リンダ、僕、今なら歌えるよ。もう一度、
歌うよ。いや、歌いたいんだ。」
「ブライアン、聞かせて、あなたの歌を。」

ブライアンは興奮していた。
息があらくなり、どうしたらいいかわからなく
なってきたブライアン。
そして、リンダの巨乳をわしづかみにすると、
そのまま、ピアノの上に倒し、荒々しくリンダを
抱いたのであった。
高まる期待を、
性欲とごっちゃにしてしまっていたのであった。


つづく


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第18話 リンダの秘密 - 2002年03月26日(火)

いつものように朝がきて、
二人は白いシーツの中で朝の一仕事を終えた。
ブライアンは快楽の後の疲労感につつまれていた。
リビングからリンダの弾く静かなピアノの音色
が聞こえてきた。
聞いたことのないメロディ。
いや、忘れていたメロディ。
ブライアンは、はっとした。
「この曲は!」
ベッドから抜け出し、リンダのもとに駆け寄った。
「どうしてこの曲を。」
「母に小さな頃教えてもらったの。」
「リンダ、君はキャロラインの娘なのかい、
そうなんだろう?」
リンダは小さくうなづいた。
この曲はキャロラインにブライアンがプレゼントした曲だった。

運命とは不思議なものだ。
キャロラインはブライアンが22歳だった頃、
出会い、世界でただ一人愛した女だった。
だが、当時ビーチボーイズは売れに売れ、
仕事に追われる毎日のブライアンからキャロラインは
去っていったのである。
キャロラインも長い髪、そして、巨乳、抜群のナイスバディだった。
リンダとそっくりである。

「ママは10年前に死んだの。
ママが愛した人はブライアンあなただけだったのよ。」
ブライアンの瞳から涙がこぼれた。
「でも、ママはもう関係ないわ。
わたしはママよりもあなたが好き。」
リンダはそう言ってブライアンにとびついてきた。
リンダの巨乳が顔をふさぎ、ブライアンは窒息するかと思った。
ブライアンはうれしかった。
「リンダ、ぼくのリンダ。」

二人は今新しい始まりを迎えた。


つづく








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第17話 男が目覚める - 2002年03月25日(月)

何もかも忘れていた。
すべてのしがらみ、背負ってたものを捨てることができた。
もともと、ブライアンには背負うなんてことは
考えてもいなかったが。
ただ、流され妻との生活を送っていただけだった。
今は違う、自分に忠実だった。
リンダはブライアンを頼っていた。
もともと自分のことしか考えないブライアンであったが、
リンダとの愛欲生活の中で変わっていた。
頼られる男。
自分が男としてまだ何かできる女を見つけたこと。
これはブライアンに強い力を与えていた。
なにしろ、アメリカの女は強すぎた。
ブライアンは、覚醒していった。
リンダのためならやれる。
リンダとともに生きていく。
そう心の中で誓ったのであった。
そして、リンダの巨乳にうずもれて眠った。
冬の終わり、春間近の頃であった。


つづく


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第16話 ほしいもの - 2002年03月21日(木)

「欲しいものを全部いいなよ♪
時計や靴だとか♪」
つたない歌声が聞こえる。
リンダがラジオから流れる歌に合わせて歌っている。
日本の小沢健二のマイナーな曲だ。
リンダはこれがお気に入りだった。
もちろん、意味なんてわからない。
リンダに欲しいものなんてなかった。
ブライアンがいればそれでいい。
そう思っていた。
ブライアンといえば、リンダの腰に
手をからめてお昼寝中だ。


幸せってこういうことですか。
ねえ、ブライアン。


つづく


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春がくる 新シリーズ続々登場 - 2002年03月20日(水)

春といえば、幸せの代名詞。
今までのことがなかったことのように
始まるすばらしい季節。
四季のあるこの国の心温まる季節。
さあ、はじまるよ。
4月から月9の木村拓哉に対抗して新シリーズ登場。


・ヤンの素敵にフォーリンラブ
・ヤンによるヤンのための立ち上がれヤン
・おはようヤン
・笑顔が素敵だ私のヤン
・ヤンの猿の惑星
・ヤンの無人島漂流記
・ヤンと藤原紀香がおくる愛の密林
・ヤンのCNNヘッドライン
・ヤンの世界の女
・お前もかヤン
・ヤンの僕の子猫ちゃん
・ヤンのまたですか、これ。

素敵にブライアンは、いよいよ最終回間近だ。
見逃すな。

なお、私的都合により内容が変更になる可能性
があります。
ご了承ください。





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第15話 溺れる - 2002年03月19日(火)

欲望はつきない。
快楽はおしよせてくる。
そんな日々が続いたらどうする。
溺れるしかないだろうか。
もし逃れるとしたら?
ひとつだけ方法がある、別の快楽を見つけることだ。
しかし、それに気づく者はまずいない。

ここに溺れている男がいる。ブライアンだ。
立ち上がれブライアン。
リンダのカラダはそんなにすごいのか。
ブライアンはリンダなら何回でもOKだった。
リンダのカラダは、萎えた男を一気に復活させた。
恐るべき女、リンダ。
おまえは何者だ。


つづく



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第14話 ここは天国か - 2002年03月14日(木)

それから何日がたっただろう。
二人は部屋から一歩もでなかった。
食事はデリバリーですまし、
食べて、寝て、抱きあう。
これの繰り返しだ。
逃げているのはブライアンだけではなかった。
リンダも同じだった。
彼女にとっても光のもとにさらけだすには
勇気のいる事実であった。
ブライアンといえば、すっかり20代の頃の調子を
思い出していた、セックスとドラッグの毎日。
ドラッグこそないがリンダの体はそれに匹敵する
ほどの上物だった。
そして、リンダにとってのブライアンも同じであった。
ブライアンのそれは、ふだんのブライアンからは
想像ができないほどのエゴイストであった。
そこがリンダにはたまらなかった。
二人は薬なしでの純粋な快楽の追求をやめなかった。
ただ、気持ちよかったということだ。

ピアノから転げ落ちた一枚の写真、
二人はどこへいこうとしているのか。
このままでいいのか。
いい気もする。
いいんじゃないか?


つづく


-

第13話 快楽 - 2002年03月13日(水)

鍵盤の上を転がる二人。
でたらめの音色が二人の混乱した
状況を語っていた。
じょじょに盛り上がる二人。
快感におぼれていく二人。
「あああっっっ。」
リンダの口からもれる声は
激しさを増していった。
そして、数時間が過ぎ
ブライアンのホットミルクは打ち止めになった。
もうこれ以上は無理だった。
一気にやつれたブライアン。
しかし、リンダはまだ元気だ。
「ねえ、もう終わりなの。」
興奮をとめられないリンダは執拗に
ブライアンを求めてくる。
「リンダ、待ってくれ、ぼくのホットミミミ・・・。」
終わることのない快楽へと二人は
落ちていくのであった。


つづく


-

第12話 やわらかなピアノ - 2002年03月12日(火)

ピアノに向かい鍵盤をたたき
続けるリンダ。
なにかを語るかのようにかもし出されるメロディ。
リンダはピアノと対照的な真っ白な
シャツを着ていた。
それは、着ているというより
ただ、のっかている、そっと息を吹きかければ
飛んでしまいそうなたたずまい。
その横で写真を見つめ呆然としているブライアン。
いたずらな風が二人の間を駆け抜ける。
白いシャツからそれよりも更に白い乳房が転げ出た。
混乱していたブライアンの頭がはじけた。
ブライアンはリンダの乳房にむしゃぶりついた。
「おーーーxxxxxxっ」。
野獣のように叫ぶブライアン。
「やめてブライアン。」
しかし、ブライアンはとまらない。
リンダの体はピアノの上にたたきだされ、
ブライアンの両手で野生のメロディを奏でるのであった。
写真に秘められた秘密から逃げたかった。
触れてはいけないとブライアンはわかっていたのだ。
そして、ブライアンはリンダを弾きつづけるのであった。


逃げるなブライアン。
立ち向かえブライアン。

写真の秘密とはいったい?


つづく





-

第11話 朝がやってきた - 2002年03月11日(月)

街が静かに息をはじめた。
朝の光はすべてをはっきりとさせていく。
夢から現実へと。

だが、ブライアンはまだ夢の中。
あったかい毛布にくるまったまま。
目覚めたのはブライアンの下半身だけ。
野獣のように、それはリンダを無意識に
探した。
しかし、リンダはベッドにはいなかった。

隣の部屋にはグランドピアノが置かれている。
そのピアノに向かい、ひとつの甘いメロディを
奏でる小さな手。
やがてそのメロディは、部屋を飛び出し、風にのり、
ニューヨークの空へととけていった。

ブライアンはピアノの音色に惹かれ、
寝室から隣の部屋に入っていった。
ピアノに向かい引き続けるリンダがそこにはいた。
そして、リンダの視線は、ピアノの上にそそがれ、
そこには、色あせた、一枚の写真が収められていた。

にこやかに笑う男女、それは、若かりしブライアンと
キャロラインだった。
ブライアンの下半身は一気になえてしまった。


どうした、ブライアン。
朝からちょっと重い雰囲気だぞ。
リンダはいったい誰なんだ。
やばいぞ、もしかして?


つづく



-

第10話 嵐 - 2002年03月10日(日)

小さなランプに照らされたベッドルーム。
ひとつになっ男と女が二人の愛を確かめ合っていた。
生きることとは今を楽しむこと。
二人にはわかっていた。
この時間はなにごとにも変えられないことを。

ベッドのブライアンは完璧な大人だった。
経験豊かなリンダにとっても初めての体験だった。
ブライアンは荒々しくあばれまくるリンダをいとも
簡単に、嵐の中を行く船の艦長のようにさっそうとあやつっていた。
リンダはブライアンにすべてをまかせていた。
やがて二人は港につき静かな眠りについた。

しかし、幸せに眠る二人には、
運命としか呼べない大きな嵐
が待ち受けていたのであった。


つづく




-

第9話 男と女 - 2002年03月07日(木)

夜は長く欲望はその扉をゆっくりと開いていく。
隠しこんでいた秘密がそっと顔をだす。
古いスピーカーからオールドロックが流れている。
5杯目のホットミルクが運ばれてきた。
「もう飲めない。おなかがパンパン。」
ブライアンはここがどこなのか、いったい今
いつの時代なのかもわからなくなっていた。
ウエイトレスのリンダは豊満な胸を巧みに
利用し、ブライアンに何度もはなしかけてきた。
しかし、本人は何の興味もないようだ。
リンダもあきらめかけていた。
今まで何人の男を誘惑してきた彼女だが、
ブライアンには何の効果もなかった。
リンダは結んであったポニーテールをほどいた。
美しい金色のロングヘアーがブライアンの顔をかすめた。
そのとき、ブライアンの目が大きく開いた。
顔を上げ、リンダの顔を見た。
ブライアンは金髪ロングヘアーフェチだった。
いままで、惚れた女はいつもロングヘアーだった。
彼の心に火がついた。
「髪にふててもいいかい。」
「どうしたの。やっとお目覚め。」
ブライアンはリンダの髪にふれた。
興奮を抑えきれなかった。
饒舌になったブライアンはまるでジェットリーのように
マシンガントークをはじめた。
二人はわけもなく笑い、夜はふけていった。
こんな夜の男と女がいきつくところは決まっていた。
二人は静かにバーをあとにした。


いったいどこにいくんだい、ブライアン。
お楽しみかい。
うらやましいぞ。
歌どころではないのはよくわかる。
だが、それでいいのかブライアン。

立ち上がれブライアン、歌ってブライアン。


つづく









-

第8話 リンダ - 2002年03月03日(日)

夜がやってきた。
街は昼の顔とはまったく違う怪しげな
顔で語りかけてくる。
凶暴な情熱がニューヨークの夜をかけていく。
そして、一人の男が場末のバーの重い扉を
押し開け、カウンターに倒れこむようにして
腰をおろした。

「ホットミルク、ひとつ。」
ブライアンだ。

娘の誕生日プレゼントを買いにニューヨークに
やってきたのはいいが、結局プレゼントを買う
どころか家にも帰れなくなってしまった。
ブライアンはもうへとへとだった。
そこへ、どんな服を着ても隠し切れないナイスバディ
のウエイトレスがホットミルクを持ってきた。
「どうしたの、疲れてるみたいね、
あたしのホットミルクでも飲んで元気だして。」
意味深な言葉だった。
女は胸元を大きくはだけ、ブライアンの頬に近づけてきた。
女の名前はリンダ。
幼児期のある影響で、若い男には興味がいかない不幸な女。
リンダはブライアンをあらゆる手で誘惑するつもりだ。
ブライアンはカウンターに手を放り出し、
お疲れモード。

あぶない、ブライアン。いや、ラッキーブライアン。
しかし、どうする。
こんなことをしていていいのか。
立ち上がれブライアン、歌ってお願いブライアン。


つづく



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第7話 アメリカ - 2002年03月02日(土)

「ぼくは風よりも早く、空をかける ララララ♪
宇宙一の力もち♪ どんなやつでもかっかってこい♪」

世界唯一の超大国アメリカ、
アメリカ英語は中国語を押さえ込み、
世界の共用語として機能している。まるで世界を支配するかのように。

そのアメリカの中心、ニューヨーク、セントラルパークの中を
1台の自転車が走り抜けていく。
しかし、かなり遅い。
さらに、その車輪の両側には補助輪がついている。
陽気に歌うその歌声、どこかで聞いたことのあるメロディ。
確かこれは、ビーチボーイズのサーフィンUSA.
替え歌だ。

そして、歌っているのはもちろん、ぼくらのブライアン。
彼はかなりのスピードでこのニューヨークを走り抜けて
いるつもりだったが、ジョギングしている70を越えると思わ
れる老人夫婦にあっというまにぬかれていった。
今日のブライアンはお買い物。
愛する娘への誕生日プレゼントを買いに街にやってきた。
しかし、もう日が暮れる。朝の7時に家をでたブライアン。
セントラルパークをぬけるのはいったいいつになるのやら。

アメリカが生んだ偉大な才能が今ニューヨークをかけていく。


急げ、ブライアン。ニューヨークの夜は厳しいぞ。
アメリカの誇りを取り戻せ。
思い出せブライアン、歌ってブライアン。


つづく



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