はねごころ。
はねひと



 リップクリーム。

リップクリームを使う度に、
唇に意識が行くたびに、
Kのことを思い出してしまう。

あの日以来。

たった1度の関係。

1度ヤったくらいで、
付き合わなきゃいけないとか思うほどには、
もう子供じゃない。

向こうも
オイラのことが好きで求めてきたのか良く分からないし。

でも、
正直嬉しかった。

1年前はすっごい好きだったから。
思い出してはドキドキしてたし。

でも、
「今更」なんだよなぁ。

今日1日考えてたけど、
やっぱりマチャコのことも好き。

Kがオイラを好きって言ってくれれば、
オイラも楽なのになぁ。

何かモヤモヤ。



2005年10月04日(火)



 突然に。

日曜日に、
パソコンで出会ったTさんに
新宿に連れて行ってもらった。

Tさんがオイラに気がないことを祈りつつ。

ほとんど二丁目に飲みに行くことのないオイラにとっては、
新鮮な体験だった。

もう朝方になった3軒目。
オイラが知ってるお店へ。

昔好きだったKが働いてるお店。


Kとは、
1年位前にそのお店で出会った。

当時、
オイラには冷め切った関係のカノジョがいたけど、
Kのことが好きになった。

教育実習中でも、
夜に会いに行ったりした。

でも、
何度も会うにつれ、
オイラとKの関係は、
お客と店員以上にはならないんだろうと感じた。

自分の中で、整理がついた。

日曜も、
Kに会うのは半年振りくらいだった。


久々に会ったKは、
連日忙しかったみたいで、
結構酔いが回って辛そうだった。
朝方に行ったのもあるけど。

ウチらの後にも、
何組か常連さんが来て、
一気ゲームが始まったりで大盛り上がり。


途中ふとKを見たら、
下向いて辛そうにしていて、
スタッフルームに引っ込んだ。

店子の癖にだらしないなぁと思いつつも心配で、
店の外の廊下につながっているスタッフルームの
扉越しに声をかけた。

2、3度声をかけたら、
本当に辛そうな顔でKが出てきた。


近くのコンビニで水でも買おうと、
2人でエレベーターに乗った。


エレベーターの中で、
キスされた。

求められて
断らなかった。

1階に着いて扉が開くまで
キスしてた。

非常階段に移って、
少しの時間2人でいた。

お店には、
まだTさんがいるっていうのに。

オイラはまだマチャコが好きだというのに。



2005年10月03日(月)
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