Monologue

2008年08月17日(日) 螢たちの帰還

先日『靖国神社』で特攻隊を題材にした野外劇を観た。

特攻隊員役で二人の友人が出演していた。

その内の一人は以前、別の舞台でも特攻隊員役を演じていて、
それを観た時も感じたのだが、
もし時間軸が60年ずれていたら、
大切な二人の友人達が戦地に赴くのを、私達は『現実』に見送らなければならなかったのだ。

舞台の様に、
カーテンコールで挨拶してくれる事も、
終演後に
「いやぁ、今回は役作り大変でしたよ」等と、
何事も無かった様な笑顔でニコニコ話してくれる事も無かっただろう。

「ななか(仮名)さんが二人に差し入れを渡すのを見て、
もし今が60年前だったら、あれは最後の餞別になっていたのかもしれない・・・と想ったら、何だか哀しくなってしまいました」と云う一緒に観劇した友人の言葉が胸にこたえた。

爆撃や空襲に怯える事も無く、大切な人達を奪われる事も無い・・・
戦争が無い時代に生きていられる幸福に感謝しなければ、と想う反面、
「誰でもイイから人を殺してみたかった」と云う人達の生きる世界に戦争が起これば、人間の生命が理不尽に喪われる事の恐ろしさが骨身に染みて、哀しい事件が減るのででは無いか?と想ったりもする。


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ななか [HOMEPAGE]