ゆうべのことば

2019年04月23日(火) 孤独の窓辺

昨夜見た悪夢は枕元に置き去り
蜂蜜をひと匙垂らした紅茶が香る部屋

重いカーテンの隙間から差す
針よりも細く鋭い一筋の光

それが私の心臓を貫かんとする
悪魔の毒牙でない事を
何人たりとも証明し得ない

それが如何ほど私の心を
惨めたらしく暗澹とさせるか
何人たりとも理解し得ない

目覚めなければ良かった
目覚めなければ良かった

甲高く囀り続ける鳥たちが
硝子玉の目で此方を見張っている

布団の内では何者かが息衝き
私は差し込む朝日に背を向けて
ひとり窓辺で首を垂れる


 < 過去  INDEX  


小石ゆうべ [MAIL]

My追加