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2002年12月30日(月) 4Knightsコンサート

最初に。このコンサート感想でのかずきは、
完全に、斜めな戸井勝海ファンモードです。
読み終わった後で「他の人は?!」とか思いそうなら、
あまり読まれないことをお勧めします(^^;


行って良かったなあ・・(*^^*)と、ゆったり満足。
最初のうちは少し、寂しい気分になったりしてたんです。
だって私は、戸井勝海ファンとして彼を観に行ったのに、
石井一孝・岡幸二郎・吉野圭吾という3人と並ぶと、
戸井さんって、ちっちゃいしオジさんに見えてしまう。

かっこ良く歌い踊っちゃう3人と比べてしまうと、
華もないし声量も足りないし、ボケキャラとしても
テンポが悪くて突っ込みにくく、会話じゃ独りになりがち。
岡さん曰く4Knightの意味は「華麗なダンス、軽快なリズム、
華美な衣装(^^;、滑稽なキャラクター」だそうですが、
戸井さんって、突っ込まれキャラとしても、
何かイマイチ真面目すぎて難しいんだよなぁ・・・。

例えば絵麻緒さんが出てきて、皆が盛り上げようとしている時、
段取りどおり戸井さんが「それじゃ、質問しましょう」と。
一孝「唐突だねー。次はそうだけど。じゃあ何か質問ある人」
戸井「はい!」一孝「何だ、自分が聞きたかったのね(笑)」。
会場にも笑い。その間に戸井さん、速攻で最初の質問を聞く。
多分これは台本通りだろうけど、戸井さんの間、悪すぎ(-_-;)
一孝さんがオチつけてくれてるんだから、もうちょい待て。
皆が笑ってるのに質問するんじゃないよぉ、まったくもう。

歌もね、岡・一孝は派手な声量で好きな曲を歌いこなすし、
圭吾君も、毎日『モーツァルト!』で歌いまくっていた上に
自分の魅力を活かしたダンス系の曲で動き回ったり、
あまりイメージのついていない選曲だったせいもあってか
違和感なく楽しく聞けていたんだけれど、戸井さんのは、
JCSのヘロデ王と、エビータのチェという選曲。
どちらも華やかなクセを持った役者でイメージついてるせいで
正直、物足りない気分があったり。キャラ違わない?と。
♪All I Ask Of Youのデュエットは、歌う前から
「なんちゃって」と言ってたから辛うじて許せる程度。

でもね。自分が間違っていたことを思い知らされました。
戸井さん最後の曲は♪BUI DOI。泣きましたよ、本気で私は。
この説得力は、一体どこから来るんだろう?と思いながら。
真面目に私、「彼らは皆、私たちの子供だ」と思ったし、
その場にあれば誰かの里親になってたと思うから。

私が彼の何を好きになったのか、泣きながら思い出しました。
器用さや目を奪う華やかさや圧倒的な力なんかじゃなくて。
物を語り伝える力。歌手ではなく役者としての表現力。歌。
最初はグランやコンブの小さな演技に惹かれたんだけれど、
最終的に落ちたのは、2度目のマリウスが本物だったこと。
前にライブでも思ったけれど、決して歌が上手くない彼が、
何かを伝えようと歌いこんで歌いこんで歌いこんだ時に
ようやく現れるものに、私はどうしようもなく弱いらしい。
戸井さんはストレートの方が上手だと思うし、やってほしい。
ミュージカルでも『PIANO BAR』なんかは良かったと思う。
でも時々は、無理に無理を重ねても、レミゼやサイゴンのような
歌ドラマをやってほしいなと思ってしまいました。

それから、後日談。
終演後に友人と飲みに行って、自分の視野の狭さを感じたこと。
「戸井さんの曲って、それだけ取り出しても成り立つものを
選んだってことなんでしょ?」と、あっさり言われたこと。
一つ一つ思い返してみて・・・・ホントだ。納得。
私は、戸井さんがキャラ的に歌いこなせてないことばかりに
目が行ってしまって、その選曲の意図を考えられてなかった。

禅さんが前に「ミュージカルの中の曲は、話の流れがあって、
その中での言葉だから、それだけ取り出して歌うのは難しい」
と言っていたことを、今更ながらに思い出していました。
問題は何かといえば、禅さんは、単体で歌える歌だけを
選んでも、キャラに合わせて歌いこなせる力があるけど、
戸井さんの場合は、その辺がどうも下手なところだよな。

でも「一孝さんなんて、他にも歌える曲たくさんあるんだから、
戸井さんが歌いこんでる♪カフェ・ソングは 譲ってくれたって
いいのになぁ」とか思っていた自分を、この言葉で恥じましたね。
誰しも いきなりあの場でマリウスになれるわけもないのだから、
全編演ってマリウスにならなくても歌える一孝さんが歌って正解。
自分のキャラに合わせるよりも、話全体にリンクしていなくて、
それだけ取り出しても役になって、それが本来伝えるべきものを
伝えられる可能性のある曲を、あえて選んだんだと思うと、
改めて、戸井さん好きかもー(^^)と思った次第でした。

そういう拘りで選んだ曲が、きっちり歌いこなせるようになれば、
もっともっと自信を持って戸井ファンになれるんだけど・・と、
思ってしまう部分はあるけれど、そんな訳で、結構相当 満足。
絵麻緒さんは、退団したんなら女声で歌って欲しいなぁと
無理のある低い男役声の歌を聞きながら思ってしまったし、
♪What You Ownに関しては、自分的にRENTで一番の
泣きのシーンだけに、全然ノリが違うのが悔しかったけれど、
笑顔が可愛らしい指揮の竹本泰蔵さんも、なかなか好感度大だし、
もちろん、シカネーダーで惚れまくってた圭吾君は魅力的だし、
岡さんも幸せそうにピンクの羽ふりふり衣装とか着てたし、
一孝さんの声も よく伸びて気持ち良かったし、幸せでした。
今年のシメとしては、なかなか良かったかな〜(*^^*)


<曲目リスト>

♪君住む街で(マイ・フェア・レディ)4人
♪カフェ・ソング(レ・ミゼラブル)石井一孝
♪星よ(レ・ミゼラブル)岡幸二郎
♪クロス・ザ・ライン(ビッグ)吉野圭吾
♪ヘロデ王の歌(JCS)戸井勝海
♪世界が終わる夜のように(Miss Saigon)石井一孝&シルビア・グラブ
♪ユー・アンド・ミー(Victor Victoria)吉野圭吾&小野妃香里
♪オペラ座の怪人のテーマ(オペラ座の怪人)岡幸二郎&吉岡小鼓音
♪All I Ask Of You(オペラ座の怪人)戸井勝海&森奈みはる
<2/16>↑デュエットの女性のお名前を訂正。大変 失礼しました。
♪マリア(West Side Story)石井一孝
♪こいつはサーカス(エビータ)戸井勝海
♪I Am What I Am(ラ・カージュ〜)岡幸二郎
♪シーズンズ・オブ・ラブ(RENT)
シルビア、吉岡、森奈、さけもとあきら、広田勇司、高野絹也
♪ホワット・ユー・オウン(RENT)石井一孝&吉野圭吾
♪メドレー
・I Got Rhythm(吉野圭吾)
・Music of the Night(岡幸二郎)
・Any Dream Will Do(戸井勝海)
・This is the Moment(石井一孝)
・I Got Rhythm(4人)
♪闇が広がる(エリザベート)岡幸二郎&絵麻緒ゆう
♪ラック・ビー・ア・レディ(Guys & Dolls)絵麻緒ゆう(?)
♪BUI DOI(ミス・サイゴン)戸井勝海
♪サンセット・ブールバード(Sunset Boulvard)吉野圭吾
♪A New Life(ジキル&ハイド)岡幸二郎
♪アクエリアス(ヘアー)石井一孝
♪民衆の歌(レ・ミゼラブル)全員


2002年12月29日(日) 『モーツァルト!』大楽

28、29日と『モーツァルト!』の中川&井上楽に行ってました。
友人が泊まりに来ているので何も書けていませんが、
とにかく、楽しかった!!そして、すごーーく疲れた(^^;
こんなに眠くては仕事にならないと、30日現在、困ってます。


でも、最後の最後の中川-鶴岡コンビはもちろん、
大楽は、井上君も明音ちゃんも、今までで最高だったかも。
2週間ほど前は、笑顔など見せていて悲しかった明音アマデも、
日生での無表情とも全く違う、襲いかかるような恐さを見せて。
気を抜いたら のっとられそうな、人間的だけれど本当に恐い
アマデを見せてくれて、井上ヴォルフと素晴らしい一対だった。

井上ヴォルフは「僕はこんな奴なんだーー!!」と遊んでおいて、
「こんな僕だけど、愛してほしいんだ。お願い。」と訴え、
「こんな奴じゃ、やっぱりダメか・・・」と引く劣等感が好き。
パパの望むように育てなかった事が、相当 負担なのね、多分。
パパに絶縁された後、家に戻ってコンスに「ごめん」と言う時、
俯いて完全に目を逸らしている姿に泣いた奴は、私です・・。
「きっとこんな僕、コンスにも愛されるわけないんだ」って。
そんなに嫌われるのが恐いなら、遊ばなきゃいいのに、
それはできなくて、できない自分も好きで嫌いなのよね(苦笑)
それこそ、根が真面目な子なんだなと感じる役の作り方。
そういう感情って私は すごーーく共感できるので嬉しい。
モーツァルトってそういう人間じゃないとは思うけれど、
共感できる人物を1人、彼は作り出していたと思う。好き。

中川ヴォルフが好きで好きで、
その歌声の圧倒的パワーに、本物の才能を感じていました。
整った顔で、下目づかいに見下ろす神の才能・鶴岡アマデと
神の音楽を背負ってしまったヴォルフって、まさにそうだと、
ヴォルフの生涯の煌きと理不尽さのドラマに魅せられていた。
でも、中川楽が終わって、光と影の余韻に浸りながらも、
心のどこかで、突出した力に目を奪われてしまうあまりに、
他の人が見えなくなることのない舞台を求める気持ちもあった。
この役だからこそ合う彼だけでなく「演劇」も観たくなった。
そこを、井上君は丹念に作り上げたヴォルフで埋めてくれました。

2人の全く違うヴォルフがいたから出来た舞台なんだと、
本当に、しみじみと思えた2つの楽が、嬉しかったです。
しかもその2人の仲良さまで見せつけられてしまったし(^^)
大楽だからと羽目を外しすぎず、シカネーダーの場面だけで、
気持ちよく遊んでくれたアンサンブルにも盛り上がった。
結構 客席は、「舞台が好きな人いる?」と言われるたびに
「はい!」って言いたい気分に駆られていただろうし、
「誰だか知ってるかな?」と言われれば答えたかったと思う。
それを、最後の最後でやってくれて、すごーーい満足(*^^*)
「私も有名になったものだ」って圭吾君の切り返しも◎。
ホントに知らなかったの?って思うほど鮮やかでした。
本編内でのお遊びは、それだけ。嬉しかったなー。
2階から観ていたので、声が辛そうな人とかは感じたけれど、
伸びやかに歌い切り演じ切り、幸せな舞台でした。有難う♪

後は、自分のために、私の心を奪った鶴岡君 言動集(苦笑)
中川楽挨拶「明後日には普通の小学生に戻ります」
大楽挨拶「先のことは分かりません」
中川楽で。後ろから中川お兄ちゃんに高い高いされた後、
鶴岡君の前に出てしゃがんだ中川君の冗談に乗って
彼を抱き上げようと、真面目に手を伸ばすしぐさをしてた。
大楽で。アマデ3人で演出家を迎えに行く手はずを、
タイミングを間違えて 早めに出てしまったのかな?
1人トテトテと下手へ早歩きしていき、そのまま戻ってきて、
市村さんや中川君に頭を こづかれていた。笑顔♪
上着は楓ちゃんと使い回しだったため、上着なしで
出てきていたのに、最後から2度目のカーテンコールでは、
祐一郎さんのを着せてもらっていてダブダブ君だった。

でもアマデ3人衆も、皆 素敵。楓ちゃんは可愛かったし、
明音ちゃんは、宝塚の男役になりたいと しっかり発言。
「小池先生、よろしくお願いします」と、発言も大人びて。
演技のできる宝塚役者になりそうで、なかなか期待かも。
尊敬する人は市村さんと答えた鶴岡君に対して、
(袖から出てきて鶴岡君に笑顔見せてた市村さんにも(^-^))
明音ちゃんの尊敬する人は久世さん。是非、よろしく〜。

鶴岡君が普通の小学生に戻ってしまうのは、
寂しいようで、自分の道を貫いてくれるのは嬉しいようで、
なんとも複雑な気分。でも明音ちゃんが成長して立派な役者に
なって戻ってきてくれるなら、それでもう十分 嬉しいかも。
5か月で6cmも伸びた身長は この公演中は不安だったろうけど、
これからは すくすく伸びていい男役になって欲しいです。
圭吾君の挨拶で、シカネーダーの「いつまでも残る舞台」という
言葉を使って、再演されると信じている的な発言があったけれど、
再演されなかったとしても、二度と観られなかったとしても、
ここに関わった人たちの更なる成長を見るたびに、
思い出していける舞台かなと、幸せに思います。


2002年12月27日(金) 『モーツァルト!』中川前楽

チケットが降ってきて、体調も良くなくて、
だから会社は休んで『モーツァルト!』観てました。
風邪薬とカイロ×3個とエスタロンモカのおかげで、
何とか乗り切ったけれど、明日ヤバそうなので早寝します。

<今日の感想、箇条書き>
・1幕&2幕頭、下手スピーカーから異音が続いてた。
私には密録のマイクがハウってるように聞こえたけど、
使い捨てカメラの巻上げ音に聞こえたという人やら
いろいろ。結局、オケ関係だったのかな?という印象。
何にせよ、1幕で止められたなら2幕でやるなよな!

・皆、風邪?声出てない人多いよー。
あっきーすら、思い入れで出なかったというよりも
一瞬、のど詰まった?という感じで悲しかった時あり。
タイミングもちょっと遅れがちな場面多かったけど、
初見の人なら気づかない程度とも言えるかな?
久世さんはかなり厳しい。でも ごまかし方も上手。

・祐一郎さんには、大ブーイング。
トイレシーンは、既にファンサービスの場と化してるから
何をやっていようが諦めてさっさと忘れることにしたけど、
私の大々々々好きな、登場シーンでのパパ&ヴォルフとの
掛け合いで、妙な声の演技をしようとしないで下さい(泣)
うまく完成すれば、市村さんのような味のある外し方に
なるのかもしれないけれど、今の段階では変なだけ。
素直に歌い上げてくれちゃった方が、なんぼかいいのに。
でも、声量で拮抗&表現力で負けの若者と戦いながら、
市村さんと競演できたのは彼にとって良かったのかも。

あと、唯一のソロ最後♪音楽の魔術〜の前は、開きすぎ。
間ってのは、長けりゃゃいいってもんじゃないんだよ(怒)
せっかく♪作りっ出っす!の怒りの表現よくなったのに、
気持ちよく持った間の後に、ん?どうした?の時間が。
更にその後に、祐一郎さん酔ってるよぉ(^^;と思う時間も。
隣の人は その時間帯に足を組み直しましたわ(笑)
私も居心地悪くて座り直したくなった時、やっと締め。
これでも一応私は彼のファンで、聞き惚れてるんだから、
聞き惚れたまま拍手させて欲しいなーと思うのですが。

・その点やはり、♪並の男じゃないの間は完璧ですね!
今日の手拍子は非常に気持ちよく入れたし。
プラター公園の場面は、コンスとのラブラブ込みで大好き。
今日のスカートめくりは、セリフより大きな悲鳴あげてた
ほとんど本気の ひかるコンスが可愛かったです。

・鶴岡アマデの表情が柔らかくなってる(泣)
本人が可愛いのは、もう文句なくすばらしいのですが、
アマデは可愛くちゃいけないのよぉぉ。
あぁでも、カーテンコールの後も帰らない客の前に、
1人で出てきて両手を振ってくれた鶴岡君には、
真面目にハート射抜かれました。あんな子なら欲しい!

ってことで。
終演後には楽日の特別カーテンコールの練習があるとかで
残って拍手を続けていた人たちも追い出されました。
「ただいまカーテンコールの準備のため、役者さんたちは
着替え中ですので・・・」って言ってたけど、着替え?
とりあえずチケットはあるので、素直にそこまで楽しむため、
今日はこれでさっさと寝てしまうことにしますー。
日付が変わる前の更新なんて、いつ以来やら(笑)


2002年12月25日(水) 『ラヴ・レターズ』(中村吉右衛門&麻実れい)

今年のクリスマスイブは、会社にお泊り。
翌日にも観劇予定が入っていたので、何としても
間に合わせたいと頑張っていたら、終電とうに終了。
数時間後にまた来るのだと思ったら帰るの面倒になって、
ソファーでコートかけて交替に寝てしまいました。
当然、この日の予定の『Shoes On!』は観られず。
予想できたから友人に譲っていたので助かりましたが、
はあ・・・。ちょっと、いや相当、寂しいぞ。


でも おかげで観られた25日の『Love Letters』。
ギリギリで駆け込んだのですが、良かったです。
吉右衛門&麻実れいという、ベテラン濃いコンビ。
子供時代から、さすがの上手さを発揮してみせる。

表現力が素晴らしい割に、噛んじゃう事が多いのは、
本当に、顔合わせの1回だけしか予習してないから?
この舞台は、新鮮さを保つために意図的に、
顔合わせの1度だけしか稽古しないと聞いたけれど、
何度もやってる人や既に観ている人は、その点 楽。
お2人とも、非常に手馴れた感じで演技するのに、
意外にも初々しさも残るのは、この舞台に触れた
こと自体が少ないせいだろうかとか考えてみたり。
本に素直に演じた印象が、非常に好感度大。

でも、気力の大半を尽くして眠気と闘っていた私は、
やはり相当、感受性が鈍りまくっていたと思われて。
ファンの多い好意的な客層で楽しめたにも関わらず、
最後に涙までたどりつけなかったのが、結構 残念。
ご本人の人柄もあるのかな?アンディもメリッサも
全く悪い感じのしない好きになれそうな2人で、
どちらかに感情的に偏ることなく泣けそうだったのに。
クリスマスだし、きれいな涙、流したかったなー。


その後、チケット取ってくれた友人たちと食事。
幸い25日とあって、まだツリーも飾られてたし、
ワイン飲んでプレゼント貰って、少しクリスマス。
素直な温かい気分の舞台だったのともあいまって、
気持ちよく ふわ〜と酔っ払ってました。
うん、割と いいクリスマスだったかな?(^^)


2002年12月21日(土) 『モーツァルト!』(井上-鶴岡)

今日の席は、J列43番。サブセンター上手ほぼ端。
レミゼの時は思わなかったけれど、本当にこの舞台は、
ひたすらセンターに向かって発せられているようで、
少し外れるととても寂しいことが、しみじみ分かった。
センターと交換できるならQ列でも変わりたかったくらい。
しまったなぁ、中川楽はサブセンターでもセンター寄りだけど、
井上楽は2階とはいえ、さらに端っこなんですよ、私。
一度も井上ヴォルフをセンターから観ない状態のままで、
「井上君だと、良いけど盛り上がりきれない」とか言ったら、
井上君に対して不公平なんだろうなぁ。困った(^^;


21日ソワレで、初 井上-鶴岡を観てきました。
実はこの組み合わせでは、この日が楽だったためか、
カーテンコールで互いに目を合わせて同じポーズで挨拶したり、
何かと可愛らしい雰囲気もあって、なかなか楽しかったです。
そして、やっぱり良いよ、鶴岡君。誰と組んでも好き。
小池さん、人を見出す目には長けていると本当に思います。

この回の井上君、二重人格なヴォルフを完成していました。
本当にどうしようもない遊び人な若者ヴォルフ。
「お前は乞食になる」と言われた怠け者コンスと
おそろしく似合いで 対等のバカップルぶり。
あまりに無責任で遊び好きなだけの野郎っぷりに、
観ているこちらも、腹が立ってきてしまうくらい。
本当にこんな奴に才能があるのか?私も信じたくない。

対する鶴岡アマデ、苛立ちを隠せない感じに見えて驚きました。
神の才能として高みにあるのではなく、ヴォルフと同等か下。
父に愛されたいと望む気持ちが昂じて、父が望むように
身を慎み音楽の道を邁進しようとする人格と見えて。
ヴォルフ=遊びたい奴、アマデ=父に愛されたい子。
男爵夫人と対した時に、アマデがパパに反抗するのは、
1人でもできるんだよ!ってパパに認めてほしいからかと。

アマデは、とにかくできる時だけでも必死で作曲して、
パパの思いに応えようとしているのに、どう頑張っても
ヴォルフはそれを利用するだけで好きなように生きている。
すごく いじらしくて可哀相なアマデに同情してしまって、
何だか井上ヴォルフは、私の中ですっかり悪役でした。

「神は何故こんな男に才能をお与えになったのか!」という
気持ちは、ものすごーーく感じる『モーツァルト!』。
パパもそうだけど、ナンネールなんて可哀相すぎますわ。
コンスはある意味、ヴォルフの体の中でアマデと覇権を争って、
パパの死によって負けてしまったってことになるのかな。
何にせよ、ヴォルフに不幸が起こって嘆き悲しまれるたび、
「お前が悪いんやろが!」と突っ込みを入れてしまう私。
何か、すごい間違った観方の気もするんですけど(苦笑)

でも、ヴォルフとアマデが分裂せずに、バランスを保って
大人になれていれば、そんなふうにはならなかったろうし、
ある意味、抑圧されすぎた子供時代が悪かったっていう、
今どきらしい話になっていると言えるのかも。彼も被害者。
パパの死によってパパへの思いを少し取り戻したヴォルフが
自分で作曲をしてみようと思った事で、アマデに更に近づけ、
融合を果たしたが故の、刺された瞬間の笑みなのかなと感じた。

中川ヴォルフでは♪影を逃れて で、一番泣けるのに比べ
井上ヴォルフでは ♪なぜ愛せないの が、強く響くのは、
そういう、アマデの意味合いの違いなんだろうなぁと思う。
ちなみに♪僕こそミュージックは、井上ヴォルフに歌われると
実は、めっちゃめちゃ腹立つんですけど、私。
「お前と違うやろ、アマデや、アマデ!」って(笑)

やっぱり、モーツァルト=神の子という気がしないけれど、
舞台としては非常に完成度が高くなっていて、なかなか満足。
何だかこの題材がこうなってしまうのは勿体ない気もするけど、
これはこれで、面白い作りだなと思いながら観ていました。
運命に追われている度が少ないからか、観劇後の疲労も少ないし、
それなりに幸せに終わっているのは、有難い舞台かも。
彼を囲む人々の苛立ち度は、中川ヴォルフより高そうだけど(^^;


2002年12月18日(水) 劇団☆新感線『七芒星』

幕間にロビーで、今、いちばん見ていたい役者さんを発見!
さすがに話しかけはしなかったけれど、友人と一緒に、
思わず じーーーっと見つめてしまって、申し訳ないくらい。
出ている舞台的にも、なぜここに?という人だったんです。
でも嬉しくって、思わず2幕始まる前は心臓バクバク。
いい目覚ましになってしまいました(笑)・・・ごめんなさい。


なんか、意外と楽しかったです。
もっとすごーーーい不評を聞いていたせいかもだけれど。
まぁ新感線といえば、初日はどうしようもなくって、
だんだんと面白くなっていく落差が激しい劇団なのは
分かり切っていることだし、珍しくもないのかな?
今回、1回しか観ないからと後半戦をとって正解。

でもこれ、最初はさぞつまらなかっただろうと、
プレビューとか観に行った人に同情しちゃう脚本かも。
善と悪とがそれぞれ7人ずついて互いに関係しているので、
それの説明だけで前半80分はいっぱいいっぱい。
幕間に必死で復習したおかげか後半はついていけたけど、
これでテンポ悪かったら、さぞ最悪だったろうなと思う。

でも、7人×2チーム+悪の親玉、善の親玉、などなどが、
全員 主役の舞台だから、役者目当てには楽しいかな?
同じ話を誰でプレイしてもいい、RomancingSAGAとか、
ちょっと思い出すような感じの舞台。

だから、主役2人が目立たなくても全然 かまわなくて、
カーテンコールでアツヒロ&奥菜が出てくる前に、
全員 そろっちゃってるような気がしたのも当然かと。
古田新太や高田聖子を脇に、アツヒロが主役なんて
できるのかな?と不安を感じていたけれど、
古田さんの息子というポジションも正解で、
気楽に魅力的に演じる、新感線重鎮たちの横で、
頑張っちゃってる姿が、それなりに良かったかなと。

ただ、目当てその2(1は多分アツヒロ)の橋本じゅんさんが、
最高!に面白かったのが、この舞台が楽しかった最大の理由。
こんなにうまかったっけ?と、正直、本気で驚かされました。
じゅんさんの場面になると、目が覚めるくらい雰囲気違った。
確かに彼は、おいしい役柄ではあったけれど、
あのテンポの取り方は、真面目に惚れ直したよ!嬉しい。
3時間の舞台で一番楽しかったのって、じゅんさんが、
アツヒロを特訓するシーンかもしれなかったもんな。

古田・高田・粟根・山本カナコ・河野さん辺りの、
新感線古参の人々が、熟練の魅力を余裕で見せてくれました。
じゅんさんが素晴らしく面白くて、幸せでした。それだけ。
多分、新感線で若手と呼ばれるのであろう、良い側役の7人が、
(悪い側にも、記憶に残らない演技の人はいましたけど。)
いっぱいいっぱいの演技ばかりで、観ていて辛かったのが残念。
ほぼ完全に、古参と若手をぶつけたこの舞台は、ある意味で
挑戦だったのかもしれないけれど、若手のダメさをはっきり露呈。
若手の中から、アツヒロや奥菜ちゃん役ができるような
1つ浮き上がった色気を持つ役者が出てこないことには、
新感線という劇団に未来はないかもと感じた舞台でした。
いや、アツヒロや奥菜ちゃんも良くはなかったけれど、
劇団員とは違う雰囲気は醸し出してたから、許せるかなと(^^;


2002年12月17日(火) 中川-楓、井上-明音。(敬称略)

ちょっと恐ろしい観劇量になっています。
そんなわけで、日記を書く余裕がありません(苦笑)
でも感想を書き留めておかないと忘れそうで、
それは すごーーーく勿体ないと思うので、書く。
特に井上ヴォルフは、恐ろしく前回(4〜6段落)と感想が違うので、
意地でも書いておかなくちゃいけない!と思うから。
でもすみません、箇条書きになってしまいます。
年明けにでも書き直せるといいなーと思いつつ。
・・・・・で、年賀状はいつ書くんだ?私(^^;

あ、そういえば。
中川晃教さん、芸術祭新人賞おめでとうございます〜♪
Niftyでは早速、インタビューを載せてくれてます。
こんなに納得できる新人賞って、初めて見たかも。
確かに、今だからできる!という感じの強い、
演技がどうこうというよりも、現在の彼の完璧な
ハマり役だとは思うけれど、素晴らしいのは事実。
心に響いてくる度では、新人に限らなくても今年最高くらいだし、
やっぱり、すごく、嬉しいですね。


<井上ヴォルフ>
・その辺にいる今どきの兄ちゃん。
「こんな奴に何故これほどの才能が!」という苛立ちを、
さぞ呼び起こさせるだろう、いいかげんな学生風。
シカネーダーたちと遊び回るのも、いかにも似合っている。

・音楽を愛していない感じがする。才能を大切にしない。
パパの言う「才能の浪費」感が、非常に強い。
片手で女を抱きながら片手で作曲できてしまいそう。
彼にとっての才能は、もともと自分にあるだけのものだから、
アマデも見えているだけで、その表情には全く頓着しない。
自尊心は高いけれど、自身の音楽への誇りではない。

・「父」の存在感が、あまりにも強い。
逃れたいと思う「影」とは父のことではないかと感じるほど。
享楽的に生きているはずのヴォルフが、父と別れた後から、
悪夢に悩まされるようになり(私が、仮面舞踏会を
夢だとハッキリ感じたのは、今回が初めて)
父の死を聞いた後には、父の教えが頭をグルグル回り、
初めてアマデ(音楽の才能)を見、少しずつ従うように変化。
遊び回っていたヴォルフが、才能に身を捧げようと考える時や、
その後、自分自身には何の価値があるのか、アマデと離れて
考えようとした時。それぞれの落差が激しいため、
「父」のヴォルフへの影響の強さが、非常によく分かる。
同時に、神秘主義への傾倒まで思い出させられた。

・ただ、彼自体は あまりに普通で才能を感じさせないので、
どうしても少し、観る側の想像力を必要とする感じがする。
「モーツァルトの音楽は神がかりに素晴らしい」という
基礎知識が実感されている人にとっては、ヴォルフを
取り巻く人々の苛立ちが、否が応でも共感させられるだろうが、
私などにとっての前半は「皆は何をマジになってるの?」状態。
最後に至ってもなお、彼自身は、作曲一つできない普通の人間。
自分と共にあった才能の本当の素晴らしさを実感すること自体が、
彼にとっての死への道だったという話なのだろうか。

・基本的に、物事を真面目に捉えない性格作りのため、
「レクイエム」を書き始めてからの変化が分かりやすい分、
その前の、母の死の後の♪残酷な人生や、1幕ラストの
♪影を逃れて に、若干 唐突さや軽さを感じた。
ただし、中川ヴォルフを観た直後だからかもしれない。


<明音アマデ>
・井上ヴォルフが、アマデの感情を ほとんど無視する
感じの演技だったため、あまり注意して見ていなかったが、
見る者の思いを映す感じの能面無表情だったはずなのに、
非常に多彩な表情を見せるように変わっていた。
「ヴォルフの心の投影」というようには、もはや全く見えない。
大体は、宿主が思うように動かない苛立ちと感じたと思う。

・なぜか分からないけれど、父との別れの後にいきなり
「アマデはヴォルフの大切なものを奪っていっている」と
感じた。♪乾杯ヴォルフガングで、コンスを見る目の憎悪を、
見たからかもしれないけれど、それは鶴岡アマデにもあった。
理由は何であれ、自分がヴォルフを動かすのに邪魔な者を、
アマデが排除していき、それに失敗して
ヴォルフまで失ったという感じは、最後まで消えなかった。

<楓アマデ>
・不明(苦笑)。ニコニコしすぎないでくれぇ〜(泣)
中川ヴォルフは、自分に才能があることが嬉しくて、
音楽も大好きだしアマデとも真正面から付き合うので、
アマデが変わると話そのものが変わってしまう気がする。
私には楓アマデに一貫性が見つけられなかったので、
マチネは舞台そのものが、理解できなかった。
「彼の音楽への愛情」なのかなぁとも思ったのですが。
7日(7,8,10段落)に感じた中川ヴォルフの分かりにくさは、
楓アマデとの組み合わせだったからかもと感じています。


結果。
井上-鶴岡は絶対に観る!と決めました。
アマデを利用するだけ利用して無視する井上ヴォルフが、
鶴岡アマデと組むと、どんな話になるのか興味わきまくり。
中川ヴォルフだと、才能の、もしくは神の過酷さを強く感じ、
それを背負わされた者の悲劇という話だったけれど、
井上ヴォルフだと、人が摂理として解明などできない
神の理不尽さが強く感じられそうな気がして楽しみ。
でも私、コロレードと一緒になって怒っちゃうかも(^^;


2002年12月13日(金) 『モーツァルト!』を見た。本当に。

開演前、帝劇地下に眠気覚ましドリンクを買いに行きました。
そうしたら、確か薬局があったと思った場所にはシャッターが。
隣の店の人に尋ねてみたら「2年ほど前になくなりましたよ」って。
2年?!そんなバカな・・・、と思ったのですが、
私がここを利用していたのって、レミが自分的に最盛期の頃。
それはもう、3年以上前なのかなと、今更に気づいたら、
すごーく寂しくなってしまいました。月日って早い。

親切なお姉さんは、別の店への地図をくれたのですが、
何しろ方向音痴の私には迷ってたどり着けず、
結局、眠さがあるままに観劇を始めることに。
でも眠気覚ましの心配なんて全くない舞台でした。


『モーツァルト!』を見た!としか言えなかったです。本当に。
これがモーツァルトだったんだと、心から素直に思えた。
多分、どう考えてもそれは、鶴岡アマデに因る部分も大きいと思う。
パンフレットには芸歴は書かれていず、初舞台の子らしいけれど、
でも。こんなにこんなにやられてしまった。『中川-鶴岡モーツァルト!』に。

今まで、井上-明音と 中川-楓コンビしか観たことなかった。
明音アマデで観る『モーツァルト!』では、モーツァルトは、
もしかすると精神分裂病かも?と思わされる部分があった。
アマデは自分の心の不安や喜びの投影というように見えた。
楓アマデは無邪気で、ほとんどヴォルフと一体だけれども、
自分を「神童」としか見てくれない周りの人たちのイメージとして
随所でヴォルフを苦しめているのかな?というように見えていた。
どちらにも、コロレードが歌うほどの、「人には作り出せない才能」は
あまり感じられず、人間・ヴォルフの物語を見ていたと思う。

でも鶴岡アマデは違う。完全に、ヴォルフと別人格だった。
神に属する「才能」としてのアマデだと、考える間もなく感じた。
眉目秀麗なんて言葉で表しては勿体ないくらい整った美しさ。
ヴォルフの、人間的感情に振り回される部分を無視して作曲する。
形の良い眉を顰める様は、遥か高みから見下ろして不快さを表すと感じられる。

きっとヴォルフの中には、自分の意志とは無関係に音楽が流れ続け、
彼は音楽であることを愛していたからこそ書き続けもしたけれど、
人である身には重すぎる音楽だったのだと、自然に理解できた。
だからこそ、最後の演出効果?演技?には、驚愕した。

アマデのペンがヴォルフの心臓に刺さった瞬間。
アマデは完全に後ろを向いてヴォルフに向かっている。
そのヴォルフの顔が、一瞬、驚きに見開かれたようで。
「見えたんだ」と、私は思いました。彼には神の全貌が見えたんだと。
彼にだけ見えた、その瞬間のアマデの表情は、『レクイエム』の全て。
人には絶対に知ることのできないものを、その瞬間にヴォルフは見た。
そう感じたら、もう涙が止まらなくなってしまった。

観られて良かった。本当に、この回はそう思います。
『モーツァルト!』という作品自体は、やはりブツ切れが気になるし、
作品として素晴らしいものだとまでは思えないのだけれど、
これに出会えるのなら、もう一度だけ、もう一度だけ観たいです。
井上-鶴岡コンビも観たくなってるから、一度じゃダメかもですが(^^;


2002年12月12日(木) 『薔薇の十字架』(ドラマ)

『薔薇の十字架』最終回。
全10回中、多分7〜8回は見ただろうな。
別に何が目的というわけでもないけれど、
木曜は家にいることが多かったのかな、多分。
でも、嫁姑のドロドロがあっても見続けたのは不思議。

話自体は、最終回 病気ネタかよ・・・だし、
いきなりアップ多用に盛り上げようとしまくる音楽に、
1時間、徐々にやる気を失わされていったのですが、
スペシャル1時間半!ではなかったので最後まで見られた。
ただ「自分が死んでいくときに何も残せないのは辛い」
から始まった「夫は要らない子供は欲しい」という話が、
子供だけではなく、自分が愛し愛された人も残っている
という言葉で終わったのは、わたし的には救いかな。

多分、天海祐希だったから見続けたんだと思う。
前に『凍える牙』を見た時にも、たまたま見始めたのに、
気が付いたら最後まで2時間、真剣に見入ってた。
彼女の演じる、軟らかさもあるのに頑固で真面目という
人物像が、多分 私には、非常に魅力的なんだろうと思う。
もちろん、猫背椿さんや合田雅史君など脇も面白かったけど、
三上博史だけがメインだったら、クドすぎて私はやめてたな。
もともと全11回だったのが回数減らされたくらいだから、
世間的には全く盛り上がってなかったドラマだろうけれど、
個人的に面白かったから、まあ満足。良かったな。


2002年12月10日(火) はめられてるらしい(笑)>M!

日記、サボりまくってますねぇ(苦笑)
今週は割と暇なんですけど、サボり癖がついたらしい。
その間、何をしていたかって言うと、ネット彷徨って、
定価で良席のM!のチケット探し回っていました。
天皇誕生日前後から、また地獄の仕事が始まるので、
せっかくならその前に休んじまえ!って感じで、
13日と17日のチケットGetして、今、ほくほく顔(^^)
D列サブセンターとH列センターなら、良いでしょ?
レミが発表されて、皆が買い控え気味と聞いてたけど、
実際、割と出回ってるもんだなぁと納得したり。

でもCDは、あまり聞いていないです。
どうしようかと悩みつつも中川版を買ったのですが、
何となく私は、西田コンスじゃないとダメみたいで。
特にCDだと演技が見えないから、余計に煩く感じる
アルドンサや東雲さんは平気だったから、
声質が苦手ってわけじゃないと思うんだけどなぁ。
それと、舞台で観ている分には中川君の迫力に
押されまくって、そっちの方が観たい気がするけれど、
聞くのなら、井上君の方がいいような気がしたのも原因。
でも、もう1枚CD買って、また聞けなかったらと思うと
さすがに また¥3000以上は払えないなぁ・・・。

WalkerPlusの舞台映像を観てきました。
私、西田ひかるさんのインタビューの中にあった、
コンスを形容する「どうせ私は」がしっくり来たかも。
みそっかすで、けなし言葉ばかり聞かされていて、
「どうせ私はロクな者にならない」と思っていた。
それがコンスだと私は最初から思ってしまっているからか、
どうにも松コンスの輝かしさや強さに違和感があったので。
この一言で私は完全に、西田コンス了解!って感じ。

また、この映像の最後の方、
全く同じ場面を、両方のヴォルフで映されていて、
違いがはっきりしていて、すごく面白かった。
多分、井上ヴォルフの方が大人に見えるのは、
彼の方が前を見ることが多いからなのかなーと思ったり。
恋人とデュエットしながら前方を見つめられると、
未来を見つめているのかもしれないという気がするから。
その後で中川ヴォルフを見ると、互いに相手しか見てない。
今だけ!って感じの子供っぽさが見えたかも。

井上ヴォルフの青さも好き。中川ヴォルフのガキっぽさも好き。
ヴォルフは、どっちが好きかやっぱり決められない。
2人いなかったら、もうM!自体観てなかったかも。
なのに、会社休んでまで観に行こうっていう辺り、
既にもう相当、東宝の罠にはめられている気がしています。


2002年12月07日(土) 『Mozart!』マチソワ観劇(またまた長文(^^;)

今は、月曜日の朝ですー。
外、初雪が降ってます。しんしんと寒いです。
お休みなら雪は好きです。独特の静かさがあるし。
でも、既に電車が遅れ始めているニュースとか聞くと鬱。
あー、今日は早めに家を出なくちゃ仕事間に合わない。
どうせ出かけなきゃなら、『M!』当日券の方がいいな。
こんな天気の日なら、少しは競争率低そうだもん。
そしてやっぱり、天気予報の雪だるまの目は動かない(泣)

この日記、夕方に、前日の分として書き始めたはずが、
途中で確認のためにと、買ったばかりのCD開けたら、
延々と聞いてしまって、慌てて聞くべき所へ戻したり、
無駄に歌詞聞き取りのため、繰り返し聞いたりしてたら、
あっというまに一晩、明けてしまいました。眠いよ(苦笑)
でもこのCD、ストレスたまる。こんなんじゃないよー!って。
日生で観て不満だった感覚が、当然、そのまんまだし。
しかも今 観たら、私が観た日より録音日が前。はぁ。
・・・これ絶対、帝劇CDなんて出してくれないよなぁ(泣)


もとい。『Mozart!』マチソワしてまいりました。
現実としては、両ヴォルフとも、10/19以来。
ただし、大変大変!同じ申し訳ないことには、
私にとって10/19Mの井上君の記憶はないようなので、
(帝劇で「井上君は日生初日以来なの!」と言っていて、
帰ってきて自分の日記を確認して愕然としたのです・・・)
井上ヴォルフは、記憶の中では日生初日以来。
結論から言って、両方とも すごーーく進化していて、
嬉しい観劇となりました(^^)

言葉にしようとすると、何か違ってきてしまうけれど、
無理に言うなら、井上ヴォルフは内面的で日本人好み、
中川ヴォルフは本来のこの舞台のヴォルフではないかと。
多分、どちらもこの舞台のテーマではあると思うのですけど、
内部における才能との戦いと、自分に才能だけを見る外部との
戦いと、どちらを前面に押し出してるかが違う気がした。

井上ヴォルフの、繊細さで自身を追い詰めていき、
死によって救われる感じは、エリザのテーマも思いだされ、
内野アマデとの組み合わせで、更に強く表されているし、
中川ヴォルフの、才能とは愛し愛されうまくいってたはずが、
外からの見られ方で歯車がずれていき、苛立ちが増加し、
今の自分自身を描こうとして果たせなかった姿は、
うまくいけば無邪気に笑い合える楓アマデと似合う気がする。

どちらが好きかと言われると、非常に困る。
ヴォルフ単体への理解や共感の度合いなら、完全に井上ヴォルフ。
やんちゃ度が上がってしまって、若干 統一性に欠けるけれど、
♪僕こそミュージック と素直に歌い上げられたころから、
挫折や失望を積み重ねるうちに、自己の中の才能の煌びやかさと
自分の間にズレを感じ、自身の曲が自身のものでなく感じられだす。
成功の一瞬は、全てが昔のようにうまくいった気がしたりもする。
そして、誰かに否定された瞬間、また自己が遊離してしまう。
振り回される彼は、すごく理解できて、最期の笑顔に泣けてしまう。

対する中川ヴォルフは、私には正直、若干 理解しづらい。
あまりにも、才能を含んだ自己をしっかり確立してしまっていて、
その自分自身の中の一部だけしか見ない人々が作り上げた
イメージとの落差で苦しんでいるように思われるから。
どんなに いろんな所で「変わった人」と言われる私であろうと、
相手が自分に求めるイメージに合わせて変わる人間でもあるから。
井上ヴォルフの「僕を見て!」も、中川ヴォルフのそれも、
丸ごと自分を愛された記憶がなく、成長しきれなかった子供の
叫び声には違いないけれど、自分自身の才能は一度も疑った
ことのない強さが、私には共感しづらいのかもしれない。

ただ、中川ヴォルフは、その理解しづらさを無視して強引に、
観ている者の気持ちを動かしてくる迫力があるのも事実。
どちらに強く心動かされたかと言えば、中川ヴォルフ。
今日の中川ヴォルフなど、自分で歌っていて感極まったのか、
ド忘れという雰囲気ではなく、何度か歌詞が抜けてしまった。
前回までの観劇では歌詞がろくろく聞き取れていなくて、
今回ようやく話を理解しつつあるレベルの私には、辛いはず。
でも聞いている時は、一瞬「え?」と思うだけで、後は再び
音の渦に呑み込まれていく気持ち良さに身を委ねてしまう。

ストーリーを歌詞で説明することの多い この舞台にとっては
致命的だし、私の非常に嫌いなことなのに気にならないのは、
もはや、コンサート的な気分なのではないかとも思う。
舞台役者らしい動きなんて、全然してないしね(^^;
(井上君は、この点については意外なほど成長したと思う。)
でも、「中川晃教」ではなく「ヴォルフ(中川)」と感じるのは、
私が「中川晃教」を知らないだけではないような気がする。

もう一つ、中川ヴォルフについて感じるのは、
「自分を見る他人」がメインになっているためにか、
周りの人物がヴォルフを見る姿が浮かび上がってくること。
実際、彼のテンションがカンパニーに影響しているのか、
全体が強い光に照らされたように鮮明に見える気がする。
愛情、期待、悲しみ、失望、嫉妬、怒り、打算、他にもいろいろ。
特に男爵夫人とコロレードについては、個々の人格は ほぼ無く、
ヴォルフとの関わり部分しか描かれていないだけに、
舞台の中で演ずる役割が、分かりやすくなるのが嬉しいかも。
相変わらず、歌を聞き惚れさせるためだけに存在するような
祐一郎コロレードも、少し魅力を感じさせるのが不思議。

でも、コンスタンツェで泣きまくったのは、
西田ひかるちゃんの演技のおかげだと思う。
両ヴォルフともに、愛し愛されてることが すごく分かるし、
2幕後半に入った辺りの、父の死で混乱を起こしたヴォルフから、
「外の空気を吸ってくる」と彼女を置いて出かけるくだりなんて、
マチネでもホロッと来ていたのですが、ソワレではもう、ぼろ泣き。

西田コンスは、ある意味 普通なんですよね。
中川ヴォルフと並ぶと特に、子供同士の恋愛なのがよく見える。
自分を救い出してくれた王子様と、自分を愛してくれるお姫様。
結婚なんて考えもしないくらい お互い子供の恋愛だったのに、
覚悟もできないままに、家事全般やる主婦になってしまった。
家事もできない、愛情しかない自分に何ができるかって、
もしかしたら閃きを与えることだけかもしれないと思いつめるけど、
それは逆に、初めて才能とは関係ない部分を愛してくれた相手が、
「才能」の部分に拘り始めたと感じさせてしまう結果になる。
すれ違いが重なって、考えたくなくて毎日踊りまくるコンス。

そんな悪循環する姿が、一貫して見えてくるコンスが、
♪借金の手紙 で、押しかけてきた母と姉たちの姿を見ての
羞恥と嫌悪とで逃げ出したくなっていう表情に、泣きそうになった。
王子様に対して、自分は迷惑ばかりかけているという引け目。
そして、父の死を告げられて混乱して死にかけたヴォルフにも、
何もできることがなく、1人で出て行かれてしまう無力感。

なにか、いつも周りが自分よりすごい人に見えてしまう私には、
共感の嵐って感じの役作りで、切なくて泣きまくっちゃいました。
ヴォルフが彼女を愛したのは、彼女が役に立つからじゃないことが
観ている側としては分かっているんですけどね、それだけに。
松コンスは、「悪妻」にしたいのかなぁ?という感じで、
よく分からないうちに3回分 観終えてしまったけれど、
西田コンスは、行動の理由がいちいち分かって嬉しい。
歌も、ボリュームは論外に低いのに何故か歌詞が聞こえるし。
あ、でも、♪ダンスはやめられないの妙に力入った振付は、
松コンスに輪をかけて違和感ありまくりかも(^^;

そんなこんなで、随分と満足しました。
日生では、中川君はもう一度観たいかもと思った程度だったけど、
全体的にパワーアップ、舞台としてもすごく良くなったと思う。
市村さんは高レベル維持だし、久世さんも雰囲気出てきたし、
花王さんもキャラ立ってきたし、圭吾君の うさん臭さは最高!
初日の時点で、こりゃ永遠にダメだと思った振付は、
何度観ても魅力的じゃないし、アンサンブルの歌も×だけど、
他のプラス面に気を取られて、あんまりそれどころじゃなかったし(笑)
今、結構 満足したからもういいや気分と、せっかくだから
もう少し観ておきたい気分との間で、揺れ動いています。


2002年12月06日(金) ダンスアクトシリーズVol.2『スターダストin上海』

2日遅れの日記です。
今は既に8日の夕方だもんなぁ・・・。

さっきテレビで見た新しいミス・ワールド、
ミス・トルコだというから期待したのに、
顔立ちは整っているけれど可愛い系で残念。
個人的に友達になりたいタイプではあるけれど、
もっと、ぞっとするほどの美人もいるはずなのに。
数年前に優勝したミス・ギリシャの人なんて、
強い男が征服したくなるのは こういう女だろう!と
心から納得するような、クレオパトラもかくやと思う、
濃くて、圧倒される迫力を持った特上美人でした。
美人コンテストならやはり、美人を選んで欲しいよう。


で、『スターダストin上海』。
踊り系の舞台は、言葉に頼る私にとっての鬼門ですが、
私が苦手だったり興味のない舞台を避けていると、
NIRO君には永遠に会えない気がしてきたので、
思い切って取った舞台。他の出演者は全く知らず。
1時間半なら、飽きたって耐えられるさという、
マイナス思考で行った割に、随分、楽しみました。

結構たくさん、ナレーションがあったからかな?
『水滸伝』の英雄が生まれ変わって集まってるバーが
上海にあって、何となく惹かれてやってきた男が、
喧嘩騒ぎを起こして店の人間に助けられ、でも何故か
助けられた後、彼らに警戒されていたのは分かった。
それだけは分かった。後でパンフレット見たら、
いろいろ書いてあったけど、結局、あらすじは、
それだけ理解できればOKだったみたい。

NIRO君@バーテンは、最初から最後までかっこよかった。
特に最初の方の、自己紹介的にオーナー(西島千博)と
マネージャー(山本隆之)と踊る辺りは、魅せてくれた。
黒の皮っぽいコートに細身を包むのも似合っていて、
もう、モデルさんのように動作が全て決まっている。
団体で踊っていても目を惹かれてしまうのは、
多分、あまりに個性の違う踊りをする人たちの中で、
彼の動きが好みだからなんだろうと思いながら、
彼を観に行った部分では、99%満足していたけれど。

私の感覚が少し変わったのは、後半に入ってから。
銀色の衣装に身を包んだ男の子(吉本真悟)が、
やたら頻繁に出てきて踊るようになってからは、
気持ちのスイッチが切り替わってしまったようで、
オーナーや吉本君の表現一つ一つが気になって。
魅せるというより、語る踊りと言うんでしょうかね。
いきなり、ショーではなく芝居を観るぞモード入る私。

NIRO君と違って、直接こっちに訴えかけてくれない。
観客側を向いて踊る時も、観客が見えている気がしない。
ただもう自分で勝手にワールドを作っちゃってて、
その世界に観客たちを引きずりこむ踊りをされていて。

私は普通こういう踊りって、
内容が分からない場合にはスケートの3分程度が限度。
それ以上観てると理解不能でパニックしちゃうのですが、
ストーリーが大体分かっているおかげかな?溶け込めた。
銀色の子も だんだんと、魂の運び手かな?みたいに理解。
パンフレットによれば、時代を繋ぐ時の妖精(笑)だそうで、
当たらずとも遠からず。私にしてはすごい理解度。
あぁ厳しいなぁとか思いながら、時の静けさを感じてみたり。

でもね、吉本君や西島君ワールドにひたっていると、
NIRO君の踊りを堪能できないんですわ。モード切替が大変。
他にも1人、また違うタイプの踊り方で目を引いて、
目の端で ずっと気になっていた人もいたんだけれど、
キャ〜ッ!!と、お願いポーズで見たくなるような踊りと
西島&吉本君に(私の頭の中では)代表されるバレエ世界の間で
頭切り替えるのに精一杯の私には、そこまでチェックできず。

これって、舞台としての出来は悪いんだろうな、多分。
各々の踊りもバラバラのままで、個性を持った人たちが集まって、
1つの世界を作り上げたという印象にもなっていなかったし。
でもまぁ、『水滸伝』の、絶対 互いに合わなそうな魅力が
100人以上もウゾウゾと存在している感じには似合ってるかも。
幸い、晁蓋役の西島君にも惚れたから、彼を頭領として
集まっていく感じは理解できたし、面白かったです。


2002年12月04日(水) NLT『オスカー』

なんか・・・、面白くなくはないんだけど、あと一歩。
とにかく、ずーーーっと出ずっぱりのせいもあって、
一番はっきり見えてしまう責任者は村井さん。最初の方で
(ネタバレ→金魚の死で)いきなり、全開で飛び回ってしまうので、
「?!」と、ついて行けなくなってしまい、話から外れてしまう。
でも村井さん自身も、それまでの話からあそこまでテンションを
いきなり上げるのは違和感ありそうな気がするのですが、
あれは、脚本に書いてあるのか演出の関係なのか?

村井さん演じるバルニエ社長が振り回される話なんです。
周りの人物たちは、カバンを持ってきては去っていく。
小さな嘘をついては去っていく。簡単に言えばそれだけ。
そのせいで、手に入れたいカバンは頻繁に手元から消え、
娘の結婚相手は、いつまでたっても決まらない。
混乱した頭で、その窮状を人に説明しようとしても、
誰にも理解されず、笑い飛ばされたり警察に通報されたり。
そんな彼のあたふたぶりに同情したり笑ったりしてこその
舞台だっただろうと思うのですが。

中心を押さえそこなったのが原因なのだろうか?
個々のキャラクターは結構出ていて面白かったのに、
特に2幕前半辺り、たるーい印象だったのは、
休憩明けに1幕最後の場面をリピートされたのが、
同じことを繰り返している印象を強めてしまったことや、
テンポがいつまでも変わらなかったせいかもしれません。
特にテーマのない劇だからこそ、全1幕にギュッと縮めて
タイトに笑わせてくれる演出で観たかったなと思います。
まぁ、ネット割引¥2,800-のもとは取れたと思いますけれど。


2002年12月03日(火) トヨタ杯もボケで撮り逃し(泣)←本文と関係なし

気になっていたことがあって。
私、日曜の帰りにコンビニ寄った時に、
確か明治の板チョコを買ったはずだということ。
ゴミ箱に捨てたコンビニ袋の中までチェックしたけど
どこにも見つからなくて、ちょっと疑問に思ってた。
レシートは店で捨てちゃってたし、詳細は分からず。

今日、そこに寄ったので、思い切って聞いてみた。
レジに、入れ忘れたりで残ってませんでした?って。
お兄さん、心当たりでもあったのか、すぐに謝って、
速攻で品を取ってきて、袋の中に入れてくれた。
やっぱりそうかーと、すっきり納得して帰ってきて。

でもさっき、台所のゴミ箱を開けて、全て思い出した。
ゴミの一番上にあったのは、MORE Franの空き箱。
板チョコを買いに行ったはずなのに、店でこれを見て、
何も悩まずに交換して、これを買ってきたんだった。
今ごろ思い出したって遅すぎる?これって犯罪?
もう開けちゃったけど、お金払いに行くべきかなぁ・・。
しかし私、本当に完全に老化ボケ。やばいよぉ。


12/2の日記を追加しました。
土田英生、初プロデュース『南半球の渦』の感想です。


2002年12月02日(月) 土田英生プロデュース『南半球の渦』

面白かった(^-^)
1時間45分が、過不足なく十分な時間だった。
うまく作られてるなぁ!と感動する感じは、
プロデュース公演であっても、さすがの土田作品。

霊感商法でボロ儲けした小さな会社の、
社全員でのオーストラリア慰安旅行とはいえ、
それでも一応は、「サラリーマンたち」という、
ごく普通の人々の話だし、すごーく変な人はいないのに、
いや、それだからこそか、どこか軋みのある人間関係。
その不安定な均衡から、時々 崩れそうになる緊張感が
たくさんたくさんの笑いの中に織り込まれている。

登場人物の それぞれに、少しずつ自分自身も見えて、
自分勝手なのに能力があって認められちゃう茂木(植本潤)も、
モラルと他人との比較にしばられてる結城(近江谷太朗)も、
ポロポロと本音を語っては変人扱いされる柳(西野千雅子)も、
他も皆々、どうしても嫌だと思えず可愛く見えてしまう。
終わってから「だから何だ?」と聞かれたら困ってしまう
だろう話なんだけれど、何か、好き。何となく
人にも観てほしくなる部分がやはり土田作品でした。


2002年12月01日(日) スタジオライフ初観劇(TV)

深夜に劇場中継があったので、見てみました。
萩尾望都原作の『トーマの心臓』といえば、
70年代に書かれ、少女漫画の金字塔とまで言われる
透明な少年たちのギムナジウムにおける物語。
それが、男性ばかりの劇団で上演を繰り返されている。
まぁ一度ぐらいは観てみてもいいかなと思って。

最初の印象は「演技力や発声などを期待しちゃダメ」。
客演を何人か観たことあったから想像はしてたけれど、
予想の上を遥かに行く下手さな方もチラホラと。
特にトーマの母役は、名前を出すの遠慮するほど×。
また、せめてイメージだけでも合わせればいいものを、
下級生のチビのはずのアンテを、180cmもありそうな
長身のハンサムさん(姜暢雄)が演っているなども辛い。
エーリク役の及川健さんなんかがアンテを演れば、
下手なりに素直じゃない雰囲気は似合いそうなのに。
ユーリ母とエーリク義父だけは上手だなぁと感心したら、
この2役、同じ人(楢原秀佳)だったらしいです(^^;

舞台中継なので、観客の反応も聞こえるのですが、
この舞台、驚くほど笑い声が起きないのも不思議。
タイミングがうまく取れていないから笑いにくいけれど、
それでも、かっこつけて鞭を持っているのに、
それがコートに引っかかっちゃってる先生とか、
がに股を強調して歩き回っている人とか、多分、
笑ってあげた方が良いだろうと感じる場面もある。
でも何だか、すっごく真剣に見入っている雰囲気が
画面からも感じられて笑いは極少。見るのも大変。

「原作は真剣そのものの華奢で繊細な話だけれど、
いい年した生身の男たちが演じているのだし、
どう見ても美形とは言えない人も多いのだから、
(スタジオライフが美青年集団というのは大間違い)
真面目一辺倒で演じたら失笑ものにしかならないはず」。
そう思って見始め、どうしようもない演技に苦笑したり
爆笑したり、1人で突っ込み入れたりしながら
その考えを確信に変えつつあったはずの私ですが、
でも、だんだんと惹き込まれていったのも確か。

あまりの舞台&客席の真剣さに引きずられたというか。
♪Paper Moonを、まさに地で行く感じでしょうか。
しだいに、オスカー(笠原浩夫)がかっこよく見えてきたし。
別に顔そのものは、特に かっこよくないんです。
でも、ハンサムで頼りがいのある兄さんに見えてきて。
演技なんか上手じゃなくても、自分が信じ客が信じれば、
何とでもなるのだと言う実感でしょうか。結構、感動。
強調された がに股などは、笑いのためではなく、
「かっこ悪い人間」という約束の記号だということを、
ここに来てようやく理解しはじめたりもして。

結局、結構 楽しんで、最後まで観てしまいました。
話自体を、もともと好きではないし、主役のユーリを
演じた役者(曽世海児)さんが、影を表現するあまりにか
「誰にでも好かれる人当たりの良さ」という部分を
捨て去っていたことが許せなかったため、感情移入は
無理でしたが、楽しみ方は分かった気がします。
あんまりド下手な人を客演に出したりしなければ、
これはこれで なかなか面白いかなと思ったりしています。



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ランキングに反映され、かずきが やる気を出します。

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