コトバアソビ

2004年04月29日(木) タンポポの内緒話

名残惜しそうに

冬は 春にバトンを渡して

そうして

花たちに

また来年ね



手を振って去るんだ



バトンを渡された春は

花たちを撫でて

花たちは さようならと

花を咲かして見送るんだよ



気まぐれな春だけど

花が満開に咲くのは

みんな これから来る季節に

挨拶するからなんだよ



って

タンポポたちが笑ってた



2004年04月26日(月) 存在する理由

恋をしたかった

ただ
誰かを愛したかった


きっと

いつかは
土に還るこの身だから

自分という存在を

全て掛けてさえ

他人を想いたかった


それだけで

自分というモノが

存在出来る理由だと

思いたかったんだ



2004年04月22日(木) ぺろぺろキャンディ

君に飴を買おう


一人寂しく
みんなの帰りを待っている君に

こんな安物の飴なんて

どうしようもないかもしれない

けど


この飴を見た時

君の喜ぶ顔を想像できたから


妄想かもしれないけど


喜んでくれるとうれしい



2004年04月21日(水) 遠いです

「要するに君は

僕に何をしてほしいの?」


君は遠かった


隣に居たのに
心は

どこよりも遠かった


愛が深まるほど

遠くなっていく


冷め切ってしまったら

近くになるのだろうか


そんなこと分からない

冷め切ってしまうなんてこと
あり得ないから


ねぇ

君は
私を近くに感じますか?



2004年04月18日(日) 情緒不安定

解らないの

自分が


他人の囁きは
悪魔

心許した人の言葉は
通り過ぎる


崩れた足下に
底なし沼が
迫ってくる


あぁー

どうしたらいいのだろう?


涙を流そうが

叫ぼうが


沼に嵌っていくのは
止まらない


いっそのこと

このまま沈んでしまいたい



2004年04月17日(土) 学校というモノの中で

つまらない意地で
固められたコンクリートの建物内で

芽吹くのは

友情?

愛情?


それとも

憎しみ?

嫉妬?


多くの人が
群れをなして

弱者を探しているのか

同類を探しているのか


競い合うのか

馴れ合うのか


なんとも解らない関係を
続けていく


人は弱い
だから群れると

人は悟り

染まってゆく



2004年04月15日(木) チルサクラ

チッタチッタ

サクラチッタ


コイモ

ジュケンモ

ゼンブチッタ


ソラガニクラシイホド

キレイナアオ


ニジンダタイヨウニ

グンと
背ノびシテ

空ヲ押しアげる


私はもう葉っぱ!



2004年04月13日(火) 春にて雨

庭の花たちが

精一杯咲ききった

次の日に
雨が降った


花弁を伝い雫が
蜜と混じって

曇り空を
見上げていた


一歩冬に戻った春に

植物たちは
躰を洗い流して
夏を待つ


太陽は

布団の中で眠って
偶の休日気分を味わっている

「これからは 休みなしなんだから」



春にて雨

雨にて夏



2004年04月09日(金) なんたって

できるよ
大丈夫

なんたって
少し大きくなったもん


そんな可愛いこと

言わなくなった自分が

昔より幼く思えた


輝いていた積極性は
老けていった


なんたって・・・

なんたって・・・


壊したくない物が増えてった



2004年04月08日(木) 春恋

君は

優しい声で語る

彼は 私に勿体ない



語る言葉に

羽が生えたように

彼女の声で踊り出す


いくら彼の事を

冗談交じりで
バカにしても

白い羽の言葉達は

変わらない


春の青空に

飛び立った言葉達は

恋する者の宝物



2004年04月06日(火) 言葉

幼い言葉に
飾り気はありやしない


飾りある言葉に
残酷な事など

隠れてしまう


人は 飾りある言葉で

他人と偽り合う


幼い言葉は

他人を傷つけると恐れて


偽りの飾りある言葉と
残酷な幼い言葉


どちらが人としてうれしいのだろうね?



2004年04月05日(月) 文通

『お元気ですか?
私は 元気にやってます。』


そんな冒頭で

始まった手紙が

ポストに舞い込んできた


鳥たちが

「彼女からだよ」

と歌う


僕にも分かっていた

遠くに行った
彼女からの定期便


顔は見えないけど

筆跡が明るく笑ってる


そして

僕も筆を執る


『僕も相変わらず元気にやってます。
小鳥たちが、早く君が帰ってくればいいねと
笑いながらさえずってます。』

なんて冒頭で



2004年04月04日(日) 愛故に

君を愛してるから

誰よりも


言葉で語ろうと
歌で奏でようと
物で表そうと


君は 満足しない


冷めた目で
空を見つめ

白い肌を
紅い薔薇が囲む


そんな君でも

愛しいから


愛故に

君の時間を止めた



2004年04月03日(土) 僕は叫ぶ

困惑した言葉達が

徘徊する今


真実を信じて

涙する人々に

残酷なワルツが

奏でられる


それでも

足掻き続ける人々に

希望というエゴが

包み込む


そんな世界だと

諦めるのは

簡単だけど

僕は 嫌だから

世界に叫ぶ


「僕らは まだまだやっていけるだろうか?」



2004年04月01日(木) feelings of inferiority

みんなが
当たり前にこなす事を

できない


やろうと努力した
一生懸命した

けど

自分だけが取り残された


「自分で一生懸命やっているうちは
一生懸命なんかじゃない」

と誰かが囁く


言葉で理解できても
いくら優しくされても

言う事を聞いてくれない身体に


心は

遠くなっていく


焦りと不安が

頭の中で居座って

泣きたくもないのに

涙が出てくる


責め立てる理性と
責め立てられる事に疲れた心が

身体を蝕んでいく


けれど

そこで止める事は
無く


諦められない本能が

呼び起こされ


人は

成長していく


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