Comes Tomorrow
ナウシカ



 結婚前の憂鬱

「彼氏に会って欲しい」と妹から電話があってから、しばらく経つが連絡はない。
うまくいってるかダメになってるか…あまり期待はしないで待っていたら、今日、連絡があった。

「結婚やめようかなと思ってるねん」
そら来たっ…いつも期待した通りにいった試しがなかったから、お決まりコースっていう感じで、もう失望も減滅もしなかった。

取り合えず話を聞くと…
妹がたまたま外出してる時に携帯に彼から呼び出しがかかって、一人暮らしの彼のマンションに行ったらしい。
でも彼のマンションに着いて5分もしないうちに、母親が来たらマズイからとすぐに外に出て、それで今度は妹んちに行く途中、急に彼の気が変わったみたいで途中知らない道で帰されたらしい。

妹が言うには、「結婚しよう」と言っておきながら自分の親には紹介しないわ、呼び出しといて途中でほっとかれて帰されるわで、将来的な不安を感じたらしい。
ここまで聞くと、まあ〜結婚をためらう気持ちもわかるわな〜って感じなんだけど…
妹の話を聞いてると何だか違うような気がしてきた。

「普通は○○でしょ!」「普通はこうしてくれて当たり前でしょ!」と妹も腹が立ってるもんだから、まくし立ててしゃべっていたけど、私はこう答えた。
「彼、何か悩んでるんじゃない?
急に呼び出したのだって何かあったのかもしれないし、寂しかったのかもしれないし、精神的に何かあるんじゃない?」

普通の子なら私もこうは言わないんだけど、彼も妹と同じで分裂病があり精神科に通院しているから、こういうことがあっても不思議はないと思った。
それに彼には家庭の問題もあって、養子に出された先の義母とうまくいってないみたいだ。
彼本人が言うには、かなり厳しい親だということだ。
うちもそうだけど、(厳しい)が限度を越えた理不尽なものかもしれない。

妹は彼の気持ちがどう?というよりも自分の言い分ばかりで怒っていた。
肝心な話(結婚…これからのこと)が全然できないとか、守って欲しい、助けてほしいのに今日みたいにほっとかれるとか…
彼の内面に対することには全然触れなかった。
彼氏なら普通ならこうしてくれて当たり前でしょと、普通普通と連呼する。

じゃあ〜普通っていったい何?…私には疑問だ!
人との関係に於いて、こうしてくれて当たり前というような定義なんかあるのか?
自分はこうして欲しいんだと言う方が、まだマシなような気がする。

妹にはこう言った。
「自分がしてもらいたいことよりも、彼が今、何を思っているのか、何を考え、何を悩んでいるのか解ろうとしてあげないとあかんよ。
彼の気持ちを知ろうともしないで、自分の言い分ばかり言っていたんではあかんよ。
結婚は焦らなくてもいいし、こればっかりは縁の問題だからこだわらずに、今はよく話し合ってお互いの関係を築いていくことが大事ちゃうか?」と…

妹は一応、納得したみたいで彼と話し合うと約束した。

私も、妹にはこう言っておきながら反省すべきところがある。
うちの旦那もあまり自分からしゃべる人じゃないから、どうしても私の言い分ばかりが先行して言い過ぎてしまうところがある。
私としては喧嘩でも何でもいいから話し合いたいと思っているけど、それもなかなかうまくいかなかった時期もあって…

でもこないだの喧嘩以来、お互い歩み寄りができて、寝室を別にしていたのが今では親子3人一緒に寝ている。
狭くて寝苦しいと思うこともあるけど、体が近づいたら心も近くなったように感じる。
ただ横に寝ているだけなのにね。
心ってやっぱり大事だよね。

2001年12月18日(火)



 義母(姑)からの電話

一昨日、京都に住む義母から電話があった。
「○○さん、せんだってはごめんね、許してね」
「えっ!?」
いつものことだが驚かされる。

…って言うのも、義母は軽い…いや中度の進行性の痴呆で、随分前にあった出来事でも、つい昨日あったことのように話をする。
つまり随分前のことを急に思い出して、私に詫びをいれてくれるのだ。
それは一度や二度ではない。
私に謝ってくれたのは、これで何度目のことだろう。

いつものことながら、いつもビックリしてしまう。
でも謝られて悪い気はしない。

痴呆の義母は、最近とくに感情の起伏が激しくて、普段は穏やかな優しい人なのに急に激しく怒りだしたりするようになっていた。
それで義母は些細なと言うか、何でもないような私の言葉に対しても敏感に反応して怒るようになった。

その時は義母も頭に血が昇っているので、かなりヒドイことを言う。
私は自分の親のことを言われるのが一番辛い。
それは親の悪口を言われるから辛いのではなくて、言われて当然のことを言われていて、そんな親を持った私がいて、義母はそんな私も嫌っているんだと思えてしまうから…

実母からは得られなかった温かい愛情を、義母の中に感じていた私はかなりショックな出来事だった。
結局、私は誰からも愛されないのか?
誰からも認めてもらえないのか?
そんな何とも言えない悲しさ、侘しさが私を襲っていた。

でも旦那の前では強がって見せて…
「お義母さん、おかしいよ!
いくらボケてるからといって、私にも我慢の限界がある!
気を使って言い返せないのも辛い…」と言っていた。
半分は本音だけど、でも私の心の中は悲しさと寂しさの方が大半を占めていた。

そんなことは旦那は知らない。
私がまだ子供で大人気なくて、意地を張っているだけだと思ってる…

それが京都(実家)に帰りたくない理由…
実母から受け入れてもらえなかった時のことが思い出される。

…でも帰ってみようかなあ〜
実母とは違い、謝ってくれる…義母のもとへ。

2001年12月14日(金)
初日 最新 目次 MAIL


My追加