思うこと
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2004年12月06日(月) 警世の番組「NHKスペシャル『ローマ帝国』」

 NHKスペシャル「ローマ帝国」、今日は第3回目(最終回)だった。
最終回ということで、扱うネタは、「帝国衰亡」。
 期間はハドリアヌス帝のあたりから。
 世界の辺境ブリアニア(現英国)北部のハドリアヌスの長城(←長城をつくるのは漢民族の専売特許ではない。)で防人任務に就く兵士。国家公務員である彼等は人事異動で広大な帝国のあちこちに転勤させられたらしい。過酷な人事異動を拒否して脱走する兵士。空洞化した軍隊の足元を見て、長城に攻め寄せる蛮族(=先住民)。彼等に帝国銀貨を贈る(=カネで平和を買う)司令官。赤字経営の属州(=植民地)ダキア(現ルーマニア北西部)を放棄して、帝国の財政赤字を改善しようとする皇帝ハドリアヌスに対し、既得権が失われるとして一丸となって反対する元老院(国会に相当)議員。
 帝国の財政を支えていた金銀鉱山の枯渇で、年と共に混ぜ物が増え、粗悪になっていく貨幣。悪貨とともに巻き起こるインフレ。ローマ市民に対しての贅沢禁止令。

 なんかどこかの国のいつかの状態にそっくり。そう。江戸時代後半の日本と、現代の日本!

 まあ、既得権を死守しようとする官僚や国会議員に手を焼く政治家は日本に限らずいそうだけど。

 江戸時代後半にも、幕府の赤字財政を再建する手っ取り早い手段として貨幣の改鋳が何度も行なわれ、その度にインフレが起こっている。現在は秤量貨幣の時代ではないけど、日本政府の赤字財政はもはや、取り返しのつかないところまで来ているらしいから、やがて、「海外通貨に対しての極端な円安」という形で同じことが、遠からず起こるとこになるのではないか。


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