蜜白玉のひとりごと
もくじ|かこ|みらい
| 2003年09月29日(月) |
キンモクセイ/フウセンカズラ |
外に出ると秋特有の甘い匂い。キンモクセイが強く匂っている。近づいてみると、小さなオレンジ色の花が無数に咲いていた。花が落ちると一面オレンジのじゅうたんになる。
バス停でバスを待つ間、ベンチのうしろになっているフウセンカズラの種を摘む。バス停のフウセンカズラは前からずっと気になっていて、小さな風船が茶色くパリパリになるのを毎日見張っていたのだ。風船の中に種ができるまで、辛抱強く。それが今日はちょうどいい感じにパリパリになっていた。振るとからからと音がする。風船を開けると中にまるく黒い種がふたつみっつ。種だけ集めてティッシュにくるんだ。来年の春、庭に蒔こう。
だんだん過去へと遡っているつれづれノートは昨日から��へ突入。銀色夏生『空の遠くに つれづれノート��』は1999年5月から2000年3月までのお話。かんちゃんの炸裂ぶりが楽しい。
晴れ。ひなたにいると太陽がじりじりと暑い。
おじいちゃんの四十九日の法要。この前行ったばかりなのに、また浅草のお寺へ。読経、焼香、法話と続いて、最後に納骨。本堂の裏にあるお墓へ。石屋さんがお墓を開ける。墓石の下のフタみたいなところを手前にパコッと、いとも簡単に。中は深かったそうだが、私のいたところからは見えなかった。骨壺を置いてフタを閉めて終わり。あっけない。
墓石をまじまじと眺めて、おじいちゃんのことをぼんやりと考えた。おじいちゃんは確かに死んでしまったけれど、私の中にある“おじいちゃん”という存在は消えないのだなあ。消えないどころか、前よりもその存在はいきいきとしているように思える。不思議なものだ。
お斉(おとき:精進落とし)はおばあちゃんの希望で、ロシア料理。昼間からワインを飲み、おいしくいただく。デザートまでしっかり食べて満腹。動けない。この頃、フランス料理(2日連続)、焼肉、懐石料理、ロシア料理と贅沢三昧。おかげで少し胃袋が大きくなった。食欲の秋まっしぐら。
家に帰ると、お留守番のマロがさびしそうな顔で待っていた。つぶらな瞳で私を見つめるマロ。すぐにお散歩に出発。お散歩の途中、追いかけっこをしていたら、はしゃぎ過ぎたマロに膝を噛まれた。くっきりと歯形がついた。
昼過ぎ、Aさんがひょっこり現れた。鮮やかなピンク色の上着に、紫色のキラキラ光るパンツという、なんとも派手な出で立ちで。Aさんは2ヶ月に1回くらいの割合でいらっしゃる。ある日突然、目がチカチカするような色の服を着て。そして、昨日もおとといも会ったみたいな気楽さで話しはじめる。その人なつっこさというか、マイペースさには毎回驚かされる。
今日も来るなり挨拶もそこそこに、そうそう、そう言えばね、と話をはじめる。「ピアスをしている男性のスーツ姿は変」という話や、「世間知らずのお嬢様は、外階段がカンカン言うようなアパート生活に憧れる」という話や、「いつも荷物が多くて両手がいっぱいの人はバカに見える」という話など。そして話の途中、ものすごく大きな声で笑う。つられて私も笑う。なんということもない話だけれど、小さくおもしろい。
だいたい1時間くらい話したあと、そろそろ場所移動しよう、いつもくっちゃべってごめんね〜、と言い残してAさんは帰った。今度はいつひょっこり現れるのだろう。そしてどんな話を持ってきてくれるのだろう。
9月とは思えないような寒さ。今日はついに電気ストーブをつけてしまった。仕事場の、机の下の小さな電気ストーブ。つけるとじわじわと温かかった。昨日から膝掛けも登場しているし、もう冬支度は整っている。
休憩時間にみんなとごはんを食べていたときのこと。一人が、明日の夜に合コンをすると言う。人数が足りないらしく、蜜白玉も来る?と誘われたけれど、帰りが遅くなるので断った。その後もしばらく合コンの話をしていたら、私の隣に座っていたKさんが突然、がたんと大きな音をたてて席を立ち、仕事がありますから、と言い残して去って行った。その言い方が恐くて、みんな一瞬固まってしまった。Kさんは合コンその他、恋愛にまつわる話がキライ。程度の低い話でごめんよ。でも楽しいじゃない、こういう害のない話は。
もうすっかりつれづれノートにハマっている。今日は『島、登場。つれづれノート��』を買った。2000年の春からの話。2000年と言えば、私は大学4年生で、就職活動でおたおたしていた頃だ。今思い出してもひどい時期だ。目を開けているはずなのに何も見えなくて、自分がどこを目指しているかはおろか、今どこを歩いているのかさえもわからなかった。きっとあの頃が“底”だったのだろう。うっかり捨ててしまったもの、捨てなきゃならなかったもの、手に入れたもの、偶然手に入ったもの。そういうふうに数年前のことをじっくり思い出してみると、今という時間がとてもいいものに思えた。大事にしよう。
浅草へお墓参りに出かける。お昼前に到着し、先祖代々の前で手を合わせる。墓石の側面には、先月亡くなったおじいちゃんの法名が彫られていた。彫り跡は白く真新しい。お寺はお墓参りの人で混みあっていて、感慨に耽っているどころではなかった。
お墓参りを終えて、おばあちゃんの希望通り、懐石料理を食べに行く。おしゃべりをしながら2時間ほどかけていただく。器や盛りつけはきれいだったけれど、味はなんと言うか、普通。こういうのは雰囲気を味わうものなのだろう。
ホテル1階のラウンジで食後のコーヒーを飲み、みんなとはそこで別れて、ひとり新宿へ。相方と待ち合わせ。カフェでリンゴジュースを飲みながら、昨日おとといの出来事などを話す。話の合間に、寒い、眠い、と繰り返す私。堅苦しい懐石料理の疲れがじわじわと出てきた。カフェを出て、休日のデパートをうろうろ。仲良しの店員さんを見つけ、少しおしゃべりをする。
夜、銀色夏生『つれづれノート』を読み終える。「つれづれ」の1冊目、きまじめな印象。若いというのはそういうことなのか。私もあと10年くらいしてこの日記を読んだら、そう思うのだろうか。
台風15号は北からの冷たい空気を巻き込んで、夜明け前に足早に過ぎて行ったようだ。朝起きると既に晴れていた。急に気温が下がったので何を着て行ったらよいのかわからず、コートを羽織って出かける。外を歩くときは風が冷たく、電車の中は蒸し暑い。
アンソニー・ドーア『シェル・コレクター』(新潮クレスト・ブックス)を読む。「怪物級のみごとなデビュー」と言われたアメリカ文学の若き新鋭による第一短編集。まずは表題作から。主人公の貝類学者とともに砂浜を歩く。寄せる波、サンダルの間に入り込む砂、貝に触れる指。美しい景色はまた、毒をもつ多くの生き物たちを内包している。
小さい頃、沖縄の海でたくさんの貝を拾ったことを思い出す。中身が入っていないかどうか注意して拾い上げる。色鮮やかで美しい貝ほど強い毒をもっていると教えられた。そうして集めた貝は今もどこかにしまってある。
休日にはさまれた月曜日。こんなに人気のない月曜日というのもめずらしい。今日を休みにして4連休にしている人が多数いる模様。
明日はお墓参りのあと、おばあちゃんの希望で懐石料理を食べに行く。
朝起きるといつもより部屋がしんとしていた。冬の感じがする。おとといまで夏だったのにこの違い。体がついていかない。雨がじゃばじゃば降っている。いつまでたっても降り止まない。気温は低く、お昼の時点で16.7℃。10月下旬から11月中旬の気温だという。これでは手足が冷えるのも当たり前だ。
寒くなると編み物の気分。去年、いろいろ編んで余った毛糸を取り出して、まずはルームソックスを編もう。ゆるゆるの毛糸のくつ下。そのほか計画中なのは、飾りのついた帽子と三角のショール。どれくらいできるかな。
これを書いていたら、マロが私の足をつんつんと突っついてきた。遊ぼう、ということらしい。ゴムのボールを投げて取ってこさせたり、タオルを蛇みたいに動かして引っ張りっこしたり、バタバタと家の中を走り回る。夢中になって遊んでいたらうっすらと汗をかいた。ちびっこと遊ぶのは体力がいる。
昨日、札幌の友達からはがきが届いた。ずっと気になっていたのにメールすら送れず・・・と思っていたのは彼女も一緒だったんだ。夜、お風呂に入って気分がさっぱりしたところで返事を書く。
雨なので結局そとには一歩も出なかった。
昨日の夜、相方と電話で相談した結果、昭和記念公園は雨でもとりあえず行ってみることに。朝からどんより曇り空。おまけに肌寒い。すでに一雨降ったようで、アスファルトがしっとりしている。11時半に立川のルミネで待ち合わせ。相方を待ちながら、本屋さんをうろうろ。楽しみにしていた今日発売の雑誌ku:nelと、あとはミラン・クンデラの『可笑しい愛』が目についたので買う。この人の本は文庫のわりに値段が高い。でも買ってしまう。おもしろいから。ku:nelは今月から隔月間の発売になった。武田百合子さんのお話が載っている。うれしい。大事に読もう。
お昼ごはんにうどんを食べてから出発。もう雨が降り出している。公園への道では誰ともすれ違わなかった。こんな天気の日に外で遊ぶ人もいないだろう。雨の中をとぼとぼ歩いてようやく公園の端っこに到着。地図で見ると敷地はかなり広い。公園は無料区間と入園料を払う有料区間に分かれていて、コスモスは有料区間だった。雨の中、寒いのを我慢して見ても楽しめないだろうから、コスモスはまた出直すことにする。自転車も借りられるようなので、今度来たときは自転車でまわってみよう。サイクリングロード入口にいた係のお姉さんは暇そう。今日お客さん来ましたか?と相方が訊ねたら、若い女の子が3人来ました、という。こんな雨の中、自転車で走り回っているわけだ・・・。元気な女の子たちだ。
『つれづれノート��』を読み終わる。銀色さんは占いによく行くようだ。私の友人にも占い好きの人がいる。彼女はどうしたらいいのか迷ったときにはもちろん、心を決めている時でも占い師のところへ行く。どこどこの占い師はいい、あの人は当たる、という評判を聞くと行ってみたくなるらしい。やさしいけど当たり障りのないことしか言わない占い師、押しが強く厳しい占い師、信じないとすぐにへそを曲げる占い師、占うついでに何万円もするお守りを売りつける占い師。いろいろいる。彼女の話を聞いているのは楽しいけれど、だんだん彼女のことが心配になってくる。そんなに他人にいろいろ言われて、余計にわからなくならないのだろうか。見えていたものさえ見失ってしまいそうだ。
蜜白玉も行ってみれば?と薦められたけど、私はいいや。好きなものは好きだし嫌いなものは嫌い。逃げてもいい時とそうじゃない時はなんとなく勘でわかる。ここは踏ん張りどころだな、というところ。自分のことは自分で決めよう。うまくいってもいかなくても全部、自分のせい。わかりやすくていい。
| 2003年09月19日(金) |
小さな出来事大きな出来事 |
昨日の本を売りにブックオフへ行く。全部で390円。安い・・・。もう売るのやめようかな。重いのわざわざここまで持ってきてこの値段だもん。捨てるよりましかと思うけど、割に合わな過ぎ。来たついでに『つれづれノート』『つれづれノート�◆戞悗弔譴鼎譽痢璽鉢�』を買う。ポイントを使ったら、3冊472円が無料になった。いくらか気を取り直す。
行きの電車で、さっそく『つれづれノート��』を開く。私は日記を読むのが好きなんだと思う。以前に武田百合子の『富士日記』にハマったときもそうだったけど、すごくおもしろくてワクワクする。このおもしろさはもしかしたら、小説以上かも。他人の人生を何年分もまとめて一気に読む。ものすごいスピードで月日が過ぎていく。あれやこれやと小さな出来事がひっきりなしに起きて、ある日大きな出来事がドカーンと起きて、そういうひとつひとつに気がめいったり、そしてまたなんとなく立ち直ったり、その繰り返し。人生の機微。おもしろい。読みながら、私もたくましくやっていこうと決心する(すぐ忘れちゃうけど)。でも元気が出ることは確か。
明日は相方と昭和記念公園にコスモスを見に行く予定。天気予報を見たら午後から雨。ああ、公園でお弁当を食べるのは無理かな。また今度にしようかな。夜、電話で相談しなきゃ。
6日ぶりの仕事。休み明けなので、いつもよりも範囲を広げて掃除をする。かんたんマイペット片手に、そこいらじゅうを拭いてまわる。すっかりお掃除おばさん。さすがに6日も来ないと、郵便物などいっぱいたまっていて、ひとつひとつ片づけていく。これはこっち。これはポイ。これとこれはまとめて・・・。どんどん山が小さくなっていく。楽しい。
銀色夏生の『つれづれノート��』を読んでいる。実は、つれづれノートを読むのはこれがはじめて。たまたま本屋で見かけて、犬の絵の表紙にひかれたのと、読むものが他になかったから買ってみた。で、読んでみたらおもしろいのなんの。どうしてもっと前から読んでなかったんだろうと悔やまれるくらいに。帰りの電車の中、一心不乱に読む。その後、バスを待っている間に読み終わる。つれづれノートの昔のも読んでみよう。
家に帰ってから突然思い立って、本の整理をする。前から気になっていたのになぜか手が着けられなかった。本棚はもういっぱいいっぱいで、本が並んでいる上の空間にも、本を横にしてすき間なくびっちり詰め込んでいる状態。お気に入りの本も、そうでない本も、区別なしのぐっちゃぐちゃ。片っ端から取り出して、これはいる、これはもういらない、これはだいじ、これはとりあえず積ん読、などに分ける。一冊ずつ引っぱり出しては、・・・そう言えばこんなのもあった、・・・これはまだ半分しか読んでないや、とひとりごと。最後に作家別に並べてできあがり。1時間くらいかかった。疲れたけど、気分はすっきりしたところでお風呂に入る。
本を並べていてわかったこと。今は川上弘美がとても私の心にしっくりくるらしい。気がついたら、特等席(いちばんよく見えて手に取りやすいところ)は川上さんだったから。あと、今まで奧に引っ込んでいたのに今回前に出てきたのは、向田邦子、群ようこ、田辺聖子。
明日はブックオフに行かねば。30冊ぐらい。重い。
午前中、母が病院に行くので付き合う。大きな総合病院。11時の予約で、10時半頃に病院に着いた。受付を済ませて、本を読んだりして待つ。11時を過ぎても、11時半を過ぎても呼ばれない。12時近くなったので、受付にあとどれくらいか聞きに行くと、予約票が見当たらなかったため順番を飛ばされたらしい。ちゃんと予約票出したのに。受付のお姉さん、自分で手に取ったじゃん!ああ、ムカムカする。結局12時過ぎに呼ばれて診察。母は10分もかからずに診察室から出てきた。会計までまたしばらく待って、病院を出たのは12時半過ぎ。ふたりともぐったり疲れた。
帰る途中、Pastelでお昼ごはん。私はじゃがいもとポークのピリ辛トマトソーススパゲティ、母はエビとツナのトマトクリームソーススパゲティ。お腹が空いていたから、もくもくと食べた。おいしかった。花屋さんで玄関に飾る花を買って、バスに乗って家へ。いつもは庭の花を適当に摘んで玄関に飾っているのだけど、この時期はあんまり花がないから仕方なく花屋さんで買っている。高くつくから本当はいやだけど、でも飾りたい。そう思っているのは家族の中で私だけのようだ。今はガラスのサラダボールを花器にしている。底に青い石を入れて、水をはるときれい。花は寝かせるようにしていける。自己満足の世界。
マロの散歩の時間まで、洗濯物を取り込んでたたんだり、本を読んだりして過ごす。9月になってもまだまだ暑い。マロの散歩は4時半頃だ。それより早いとアスファルトが熱くて肉球がやけどしてしまう。手のひらで地面を触るとわかる。この頃、マロの散歩になっちゃんがくっついてまわっている。なっちゃんはマロのことを「マロンちゃん」と呼ぶ。わんこ友達の何人かも、マロのことを「マロンちゃん」と呼ぶ。別に訂正はしていない。マロは「マロンちゃん」と呼ばれてもきちんと反応するし、マロンという名前の犬はこの辺にいないから、困ることは今のところ何もない。
散歩をしながらなっちゃんの話を聞く。今日のなっちゃん、「なっちゃんね、天使呼べるんだよ。マロンちゃんのために、おっきな天使呼んであげるね。」と言って、すべり台の上でごにょごにょ言って大きく手を広げる。不思議。子どもの頃ってこうだったかな。
|