Deckard's Movie Diary
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2008年04月18日(金)  フィクサー

『フィクサー』
例によって“ソダバーグ=ジョジクル”コネクションの作品です。とにかく地味なうえに、ちょっと分かり辛いです。脚本家が監督しているからなのかもしれませんが、脚本をいじり過ぎな印象です。どうも脚本家ってのは時間軸を必要以上に操りたいみたいですね。そんなコトしているんだったら、息子が夢中になっているファンタジーゲーム『王国と征服』にもう少し触れたほうが良かったんじゃないですか?決して悪い映画ではないのですが、クルマの中にマイケルの死体が無いことくらい分かるんじゃないかなぁ・・・とか、結局は8万ドルをせしめたマイケル・クレイトンは一人勝ち組じゃん!とか、ツッコミ所は満載です。だって、この事件の後、マイケル・クレイトンは一躍“不正を告発した人間”として時の人でしょうけど、彼が働いていた会社は倒産でしょ!最後はほくそ笑んでるように見えるんですけど・・・でも、マスコミの寵児となっている時に『週刊文春』が“マイケルに疑惑の8万ドル!”なんてすっぱ抜かれるんでしょうね\(-_\)(/_-)/ ソレハコッチニオイトイテ…1980年代に起きたPL訴訟ブーム以降、アメリカではいかに企業責任を軽減することが出来るか?が優秀な法務担当の代名詞になっているワケですからカレンが非情な手段に出るのも理解出来ますが、最後はちょっとうろたえ過ぎのような気も・・・でも、小心者の生々しい部分をキッチリと描いているからいいのかな。ああいうシーンって脚本家というより演出家の部分が大きい気もしますが、どうなんでしょうねぇ。

因みにアメリカの“行き過ぎた”PL法(だって、あの小型飛行機の代名詞とも云えるセスナ社はPL法が原因で小型飛行機業界から撤退を余儀なくされたんですからね)は陪審員制度が生んだと云われていますが、裁判員制度を導入した日本でもそうなるのか?と云うと、そうはならないでしょう。賠償責任の度合いがアメリカとは違っていますから、間違っても「マクドナルドのコーヒーが熱くて火傷したから3億円払え!」なんてことにはなりませんよ。


2008年04月17日(木)  つぐない

『つぐない』
良い映画だと思います。思いますが、どういうワケか、中盤の戦争シーンが驚くほど退屈で、取ってつけたような扱いには拍子抜けしてしまいました。かなり重要なシークエンスだと思うので残念です。ストーリーはちょいと手の込んだ作りになっていて、なかなか効果的です。ただ、タイプライターの音をフューチャーした音楽のアイデアは上手いとは思いましたけど、ちょっと作為が過ぎる印象でした。っつーか、逆に軽く感じてしまいました。それでも、オイラはこの映画が好きです!ちょっとした嫉妬心から出た言葉が招いた不幸・・・改めて、人間って罪深い生きものなんですねぇ。ところで13才・ブライオニーを演じたシアーシャ・ローナンの微熱少女っぷりは良かったですねぇ・・・ところが18才になったら不細工で「なんだかなぁ・・・やっぱ、嘘なんかついちゃうから、こんなに酷くなっちゃったんだな・・・」と、思っていたらあのオゾンの新作『エンジェル』で主役を演じたロモーラ・ガライだったんですよね。

話しは変わりますが、今や飛ぶ鳥を落とす勢いのキーラ・ナイトレイですが、神出鬼没ですよね。『サンダーパンツ』『ファントム・メナス』ソーラ・バーチの『穴』の何処に出てたんですかね?全く印象に無いです!最初に彼女を意識したのは『ベッカムに恋して』でしたからね。それもどーなの?


2008年04月11日(金)  バンテージ・ポイント うた魂

『バンテージ・ポイント』
予告編でどうにもそそられなかった『バンテージ・ポイント』。映画を観る時間があり、『モンゴル』を観る気にならず、さて何を観ようか?と、迷った挙句に観て来ました。いやぁ、けっこう良かったです!一定の時間を、それぞれの立場からの視点でリワインドし、その度に謎が解明されていく手法は決して目新しいモノではありませんが、ここまで徹底されると天晴れです(ちょっとウザいですけどね)。守るも攻めるもどちらにも都合良く出来過ぎですが、テンポが良いので最後まで飽きさせません。娯楽映画としては及第点じゃないでしょうか。



『うた魂』
“スウィングジャズ”“フラダンス”と来て今年は“合唱”だそうです。♪15の夜 の合唱シーンでは山本圭一健在の頃の“めちゃいけ”のコントを思い出しました。自意識過剰の主人公という設定は面白かったのですが、ギャグセンスが古過ぎですし、全体的にかなり真面目に作られていてちょっと拍子抜けでした。幾らナンでも、もう少し面白くなっただろうに!文部省推薦みたいな作品になっていたのが残念でした。夏帆の演技は初めて観ましたが、この人は間違いなく“天然”入ってますね。久々に聴けた薬師丸ひろ子の歌声は、変わりなく美しかったです。


2008年04月09日(水)  クローバーフィールド/HAKAISHA

テレビドラマ『LOST』『エイリアス』のプロデューサーや『M:I:III』の監督として名を馳せているJ・J・エイブラムス製作による『クローバーフィールド/HAKAISHA』。オイラはけっこう好きです。こういう視点の映画が今まで無かったのが不思議なくらいですよ。今までの怪獣映画でも、時々はこんなシーンはあるんですけど、そんなシーンばかりで構成された映画、観たかったですよ!蟻になった人間の右往左往する様の臨場感は良く出来ていました。あの怪物はなんなのか?とか、何処から来たのか?とか、どうやって生まれたのか?とか、そんなことはどーでもいいんです!実際にあんな状況になったら、その怪物のコトなんて全く分からないまま逃げるだけですからね。911の時にWTCに居た人々も(CNNを観られなかった人々)、何が何だか分からなかったと思いますよ。今までの怪獣映画ではスクリーンで展開されるストーリーのほとんどが観客にとって客観的なモノで、傍観者で居られました。ところが、この映画では観客は否応無くその状況に巻き込まれ、ワケが分からないまま逃げ惑う人間の気分を味合わされます。そういう意味ではアトラクション・ムービーと言えるでしょう。全編に渡って登場人物がDVCで撮っている設定になっているのは、よりリアルな印象を増す為以外のナニモノでもありません(重ね撮りしたアイデアは秀逸!)。ぶっちゃけ、画面は揺れまくりで、かなり閉口しますが・・・。

リアルな状況を追求している中で、娯楽度が増した怪獣映画にありがちなトンネル内で暴れるアイツは必要無かったと思います。まぁ、怪獣映画で“リアル度”って考え方もどうなの?って、のはありますけどね。

それにしても、エンディングテーマは微笑ましかったですねぇ・・・HAKAISHAもどうせならGODZILLAにもう少し似せても良かったような気がします。とにかく、パニック映画として一見の価値あり!ですよ。


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