Deckard's Movie Diary
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2005年07月26日(火)  バットマン・ビギンズ

『フォロウイング』『メメント』『インソムニア』とオイラには好印象ばかりを残しているクリストファー・ノーランの新作は、敬愛するティム・バートンが散々食い散らかした『バットマン』の新作『バットマン・ビギンズ』。そもそもバットマン自体に思い入れの無いオイラにっとって、バットマンの生い立ちなんて別に興味無いですし、ましてや予告編から“虎の穴”のような胡散臭い場所とか見せられると、またかよ!のような気持ちになって、ノーラン初の娯楽大作なのに、別に観なくてもいいや!とスルーを決め込んでいたのですが、ひょんなコトから観ることになっちまって・・・!ところが!観る前の予想を覆して、個人的にはかなり面白かったです。今までの作品でも「本当かよ?」のストーリーを脚本の細部を煮詰めるコトによって、観客を煙に巻いてきたノーランの真骨頂と言える出来になっています。井戸落ちから両親の殺害までのシークエンスでのトラウマの作り方とか、その井戸落ちで暗示された言葉が、燃え尽きた家のエレベーター降下シーンに繋がっていたりする辺りも、さすがはノーランです(他にも上手いセリフが多数あります)。そういう意味で、この映画は紛れも無くクリストファー・ノーラン節が炸裂した作品と言えます。「『バットマン』か・・・、よっしゃ、オレはこう作る!」と、ノーランの狙った通りの仕上がりになっているような気がします。そしてそれこそ、映画作家としての面目躍如!もちろん、この仕上がりを全く受け入れられない人達も多いでしょう。でも、オイラのように、映画を観る時に、ジャンルの概念に拘ったりしない人間(戦争映画にセックスシーンが出てきても全く気にならない輩(/・_・\)アチャ-・・)にとっては、面白ければいいんです。ルーカス・スピルバーグ以降、その亜流のようなハリウッド系エンターテインメント監督ばかりの中、何を作っても自分の色に染めてしまう監督は貴重です。ティム・バートンのように派手な色もありますが、ノーランのように、地味ですが、しっかりと自分のカラーを持った監督にも好感を持ちます。まぁ、そうは言っても、そのカラーが自分に合わなきゃ最悪ですが(苦笑)。

さて、アクションシーンですが、これは多くの人が指摘している通り、クローズアップばかりの積み重ねで良く分かりません。おそらく、ノーランはアクションシーンのロングショットを撮ると、ウソ臭く見えてしまう・・・と、考えたような気がします。撮影して編集はしたんだけど、後からロングショットはほとんど外してしまったんじゃないでしょうか。まぁ、明らかに消化不良ですけどね(苦笑)。

また、この映画はキャスティングが絶妙です。まず、バットマンに扮するクリスチャン・ベールですが、あまりにハマっているのには驚きました。この人ってどう考えても、マトモな役柄よりも『アメリカン・サイコ』や『リベリオン』、最近では『マシニスト』とかでの“病んでいる役”をやらせると天下一品だと思います。バートン版のマイケル・キートンも、何処か影のある雰囲気を出していましたが、ベールの断然上でしょう!っつーか、バートン版のバットマンなんて単なる脇役でしたしね(苦笑)。で、ベール扮するブルース・ウェインなんですが、このキャラクターはとにかく堅物です。おそらく、死ぬまで“正上位”だけの人物です(笑)。そんな超堅物ですから、物事を生真面目に考えます。人々に恐怖を与えるシンボル(この「“シンボル”が必要だ!」と自分で盛り上がるシーンも好きなんですよねぇ(苦笑))それは、自分のトラウマでもある“こうもり”だ!“こうもり”は怖いぞ!アレだけ怖いモノは他にありゃしない!ってなワケで、その姿で人々の前に登場すれば、皆が怖がるぞ!って、そりゃ、あまりに短絡的ですが、その発想が超堅物!そんな発想を実践するのは超堅物か、または対極に居る酔狂過ぎる人間、つまり色々やり過ぎちゃって、逆に正上位が新鮮な人間のどちらかです(笑)。というワケで、クリスチャン・ベール扮するブルース・ウェインだったら、あの姿も納得出来るのです(・_・)ヾ(^o^;) オイオイ。

マイケル・ケインとゲイリー・オールドマン・・・実は彼らが出ているのを知らなかったんですが、お二人ともいい味を出しているんですよねぇ。モーガン・またかよ・フリーマンも今回は“またかよ”ニュアンスが控えめですし、さらに!『28日後...』『真珠の耳飾の少女』のキリアン・マーフィーなんですが、コレは拾いモノでした。せこくて、嫌らしい役を好演です。個人的には唯一、あの汚職警官だけが、あまりにチンピラだったかな。え、フィービー・ケイツ似のケイティ・ホルムズですか?嫌いじゃないですが、ちょっと大人になりすぎたかな?(って、どういう意味だよ!)

というワケで、オイラは好感触派!キョロ(・_・ ))(( ・_・)キョロ ダッシュ!ε≡≡≡ヘ(; -_-)ノ


2005年07月20日(水)  スター・ウォーズ EP3/シスの復讐

「昔は面白かったんだけどなぁ・・・最近はしょーもないトークと、タレントいじりばっかりで、はっきり言って昔の名前で食ってます!だよなぁ!」・・と、まぁ、そんな印象でした。『スター・ウォーズ EP3/シスの復讐』・・・このEP1〜3のシリーズはマジでどーでも良い3部作になってしまいました。このEP3も単に、1977に年世界を席巻した映画界の金字塔『STAR WARS』にバトンを渡すだけの作品でした。このシリーズが世界に歓迎されたのは、根底に流れる単純明快な血湧き肉踊る冒険活劇だったからだと思うんですよ。もちろん、ダースベイダーも、ライトセイバーも、ファルコン号も、「May the Force be with you」も「I’m your father!」も魅力的ですが、それはあくまでも華であったり幹だったりするワケです。やはり、それらを支えているのは“冒険活劇”という根っこです。今回のシリーズは華と幹ばかりで、根っこが全く感じられません!だから、どうにも薄っぺらい印象しか残らないんですよ。CGで作られた派手な演出ばかりで、赤ちゃんから墓場まで誰もが簡単に思い入れ出来るような内容がありません。EP2で延々と描かれたアナキンとパドメのよろめきシーンなんて、前シリーズならハン・ソロとレイアの目が合うワンショットで終わっているようなシークエンスですよ(そのわりに、アナキンの心変わりはアッサリ!だし(笑))。一事が万事、ヌルいんですよねぇ。ジェダイの騎士はただ偉そうに会議しているだけで、ヨーダ以外は間抜けだしね。個人的に思うことはEP1からEP3を2時間半くらいにまとめちゃうと、もっとシャープに観えるんじゃないでしょうか?それくらいのテンポなら、アナキンの心変わりの早さとかも気にならなくなると思うんですよね。誰かDVDを編集して作ってくれないですかね(笑)。


2005年07月16日(土)  宇宙戦争

H・G・ウエルズ原作の往年の名作をトムクル&スピでリメイクした『宇宙戦争』。正直、もうちょっとどうにかならなかったのかなぁ・・・というのが感想です。相変わらずオープニングの作りは抜群です。いつものコトだよ・・・大したコトないよ・・・ちょっとおかしい・・・おいおい大丈夫かぁ?・・・・これはヤバイぞ!っつー感じなんですけど、上手いです!これぞ!映像演出の醍醐味というか、全てのテクニックを駆使して観客を引き込みます。でもねぇ・・・物語が進むにつれて、どんどん失速していくんですよねぇ。そりゃ、「水が苦手でしたぁ!」なんつーオチの映画よりは出来は良いと思うのですが、「水が苦手でしたぁ!」映画はディテールの散らばし方は手が込んでいて、そういう意味では嫌いじゃないんですが、この映画はその辺りの説得力というか、ストーリーの中での混ざり具合というか、ないがしろなんですよねぇ。ラストもなぁ・・・楽観的過ぎてシラけましたわ。まぁ、スピだから仕方ないのかなぁ・・・。終わってトイレに入ったら、オチに) ̄ε ̄( ブー) ̄ε ̄( ブー言ってる連中の多いこと(苦笑)。何だか、最近の近未来映画を散々観まくった若い映画ファンが後から『ブレードランナー』観て、「なんでこの映画って、そんなに人気あるの?」と言ってるようなシーンに被りましたわ(苦笑)。でも、今回ばかりはスピにも責任あるよなぁ・・・。っつーか、ピーター・ジャクソン・・・CGかと思ったわ(笑)


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