Deckard's Movie Diary
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2002年09月27日(金)  アバウト・ア・ボーイ

 『ブリジット・ジョーンズの日記』のスタッフが作った『アバウト・ア・ボーイ』。父親の遺産で全く働かなくてもいい38歳のお調子モノ野郎の話。こういう奴って居るんですよ。人畜無害の大金持ち(笑)。知人に一人いると便利ですよ〜♪ 映画も悪くなかったです。脚本も良く出来てるし、演出も上手い!音楽もいいです。ただねぇ、とことん恵まれたどーでもイイ野郎の話しですから・・・こんな男の話しを見せられても、あんまり楽しくないよねぇ(苦笑)。映画の続きを現実的な話として考えれば、もちろんフられちゃうだろうし、一生ダメダメ男なんでしょうけど・・・ま、お暇ならどうぞ!それなりに楽しめます。


2002年09月26日(木)  イノセント・ボーイズ

 アメリカでは「21世紀の『スタンド・バイ・ミー』」とか言われたらしい(ホントかよー!)『イノセント・ボーイズ』です。製作にジョディ・フォスターが名を連ねていて、「これは、私が本当に作りたかった真実の青春映画」とか言ってます。しかして実態は・・・・しょーもない映画でした。ここに登場する少年達は自分達の欲望のままに行動しているだけで、そこには少年だけが持っている煌びやかな輝きは一つもありません。ただの大バカ野郎の集まりです。まぁ、言いたい事は「あんまり厳しくすると、ガキだって何するかわかんないよ!」ってコトなんかなぁ・・・・ボソ。


2002年09月19日(木)  ディナー・ラッシュ チャドルと生きる

 予告編でちょっとそそられた『ディナー・ラッシュ』。この映画を観て良かったコト。それは人気のトラットリアで待たされる理由が分ったコト。監督のボブ・ジラルディはこの手のレストランが大嫌いなんでしょうねぇ。出てくる連中はとにかくいけ好かない奴ばかり。テンポも悪いし、っつーか、同じ話の繰り返し。あ、この場合は蒸し返し?で、茹ですぎだし、味が薄すぎ!それでもこの手の映画が好きな人もいるんでしょう。オイラはダメでした。どーでもイイ映画でした。勝手にいつまでも食べてれば!って感じ?
 この後に判明した事。まず監督のボブ・ジラルディは11軒のレストラン・オーナーで、撮影したレストランも自分の店だそうです。で、登場するオーナーは自分自身だそうです。だからね、言ったとおりでしょ。今の風潮が好きじゃないんですよ。やってられねーよ!って感じなんでしょう。だけんども、レストラン・オーナー!その辺りの割り切りの悪さが映画にも出たかな・・・・。

 ヴェネチア映画祭グランプリ『チャドルと生きる』。イラン映画でこれほどハッキリ女性の境遇を描いたモノは無かったんじゃないでしょうか?唐突に物語が展開していくので、最初ちょっと戸惑ってしまいました。要するに構成が複雑なクセに、語り口が稚拙なんですよ。でも、それがイランに生きる女性達のもどかしい気持ちのようで、なんだかハマってます。言いたい事がたくさんあって、それを一度に吐き出したみたいな、ある意味、力技の主張は観客の心に訴えかけてきます。女性必見。因みに原題は『THE CIRCLE』って言うんですねぇ・・・意味深いなぁ・・・・ボソ 気になっていた事があったので、後日観に行った友人に確認してもらいました。やっぱり!最後の部屋も円でした。


2002年09月18日(水)  狂った野獣 千年女優 命

 76年作『狂った野獣』。フィルムセンターで観てきました。監督は中島貞夫。70年代にアメリカでヒットしたカーアクション映画の影響を受けて、安易に東映が作ったカーアクション物。ところがコレが大化けしちゃったんですねぇ。映画は絵に描いたようなパニック物なんですが、どういうワケか、庶民感覚てんこ盛りのお笑い映画になっちゃってます。銀行強盗に失敗した2人(川谷拓三&片桐竜次)が路線バスを乗っ取ったところ、そこに乗っていた連中は、なぜかバイオリンケースを持った渡瀬恒彦、婿養子の先生と生徒の母親の不倫カップル、バナナ好きの爺、チンドン屋、売春婦、売れない女優、愛猫をこっそり持ち込んだ老婆、土方(ドカタ・肉体労働者)、頭の悪そうなガキ、おまけに心臓に持病がある運転手。どう引っ繰り返っても乗っ取り犯には気の毒な面々なのです。そんなワケですから、ガキは窓からオシッコするし、鶴瓶は若者に人気のディスクジョッキーだし、三上寛は「何でもいいからぶちこわせ」とアジってるし、川谷拓三は渡瀬と土方にフクロにされた後、乗客同士の喧嘩を仲裁し、挙句の果てに「南国土佐をあとにして」を絶唱。室田日出男はバスにしがみついた後、ダーティ・ハリー宜しく、歩道橋の上からバスの屋根にダイブしちゃう白バイ警官だし、渡瀬に至っては自分で自分の首を絞める迷演技を披露。無駄なカーアクションも豊富で見所満載。70年代アナーキズム丸出しの傑作に仕上がってます(笑)それにしても、市井の民というのはしたたかですなぁ。 因みに、同時期に出演者もストーリーもほとんど被ってる深作欣二の「暴走パニック・大激突」ってのもありますが、こちらの方がおバカです。

 あのドリームワークスが全世界配給をするらしいジャパニメーション『千年女優』。監督は『パーフェクト・ブルー』(未見)で注目された今敏。まず、この手の作風が好きです。時空物というか、夢と現実が入り混じって構成されたストーリー展開。かつて一世を風靡した大女優・藤原千代子の秘められた恋物語を3つの柱から謎解きしていきます。今現在の自分、女優として出演した映画の中の自分、そして実際に生きてきた過去。ラストにこの作品を決定づけるセリフが用意されていますので、そこで「嘘よねぇ〜!」ってなっちゃっう人もいるでしょう(苦笑)個人的にはOK!でした。ナンテタッテ「千年女優」でしょ(笑)逆に、そのまま綺麗に終ったとしたら、運命の人との出会いのエピソードが弱いです。そういう意味ではどっちつかずのところがあるってコトでしょう。まぁ、最後の言葉を納得させるほどの女優としてのカリスマ性を感じさせてくれれば良かったのでしょうけど・・・結局は、策に溺れたってコトかな・・・ボソ。

 100万部突破の柳美里のベストセラー『命』。江角マキコは、もっと映画に出て欲しい女優の一人ですし、13キロ減量に挑戦した豊川悦司も見たかったし、監督の篠原哲雄の前作『はつ恋』も好きでした。でも、映画はダメでした。二人(東由多加と柳美里)にあてるスポットライトの場所を間違えてます。やたら綺麗な二人の関係を見せてるだけで、何が何だか全くわかりません。観たかったのはもっと前半なんですよ。闘病生活なんて興味ないもの!そんなコトより、何故に二人は惹かれあい、これだけの関係に至ったのか?ある意味運命の人ですからねぇ。10代の頃から10年以上も同棲に近いコトしてたんでしょ?その辺りはほとんど無視!ま、テレビの2時間ドラマ風です。さぁ、泣いて下さい!っつー感じ?ただ、個人的には赤ちゃんを育てているところは懐かしかったなぁ・・・ミルクとか風呂とか(苦笑)


2002年09月16日(月)  北の国から・・・

 『北の国から』が終りました。21年だそうです。今回の『遺言』は最終回にありがちなパターンで面白くなかったです。でも、イイんです。誰が何と言おうとこのドラマは大好きです。偉大なドラマだとも思ってます。連続ドラマの最初からズーっと見てますし、そういう意味でも思い入れもハンパではありません。(爆)今回は前回のスペシャルで印象的だった宮沢リエ扮するシュウ、21年前に登場していた原田美枝子扮する良子先生とか懐かしかったですねぇ。出てくるだけで胸が熱くなってしまうんですよ。(>_<)アチャ!新登場人物では岸谷五朗が良かったですね。『リターナー』の時よりズーっと存在感がありました!このドラマのパターンは決まっていて、楽しい最中に必ず悪い事が起こり、信用すれば必ず裏切りに会う。「悪い出来事」は人間の優しさが招く事態が多く、「裏切り」は人間の弱くて、情けない本質から生まれています。そして、男はとことんだらしなく、女はシッカリ者として描かれています。登場人物は小市民ばかりですが、小市民にだって意地もあればプライドもあります。優しくされれば、素直になれない。人を傷つけてしまっても、謝り方がわからない。謝られても、どう受け止めていいかわからない。五郎、純、蛍の21年間は本当の家族の21年間のような気がしてなりません。男のオイラは純の青春時代が一番ツボでした。21年間有難う御座いました。


2002年09月13日(金)  メルシィ!人生

 今週9本目(アホ!)は『メルシー人生』です。監督は『奇人たちの晩餐会』のフランシス・ヴェベール。モノ凄っごく面白いです!嘘が噂を呼び、勘違いをし、そして見えてくる本当のコト。ちょっとHで、ちょっと差別的で、ちょっとシニカルで、ちょっと泣かせて、とってもおバカ!全編に塗されたこの「ちょっと」の塩梅が絶妙で、観客を飽きさせません。オーソドックスなコメディ映画ですが、紛れもない一級品!主演のダニエル・オートゥイユを始め、魅力的な役者も揃って傑作になりました。演出はちょっとヌルかったですが、とにかく素晴らしい脚本でした。もう一回観たい!もちろん品質チェックもしたいです。工場見学だけじゃイヤ!(謎爆)


2002年09月11日(水)  13ゴースト スパイ・キッズ2 ブレッド&ローズ

 さぁ、今日も観まくるぞー!(バカ)まずはロバート・ゼメキスとジョエル・シルバーが制作に名を連ねている『13ゴースト』。二人が設立したホラー専門プロダクション「ダークキャッスル・エンターテインメント」の『TATARI』に続く第2弾。普通に楽しめて、面白かったです。何が一番良かったって、全編アナログ風味なんですよ。あまりCGとか使わずに特殊メイクと同ポジション撮影という古典的手法で楽しませてくれます。その分、ゴーストというよりモンスターに近いんですけどね。これがけっこう良く出来ている。正直、もっと見たかったし、活躍して欲しかったな。だから余計なストーリーとかいらないんですよ。その辺りがなぁ・・・・もっと、オバカになれよ!(苦笑)

 続いて『ゴシップ』を観る予定だったのですが前売り券がなく「劇場で1800円払って観ろ!」っつーコトなので、大いにムカつき、スルーにしてやりました(笑)。代わりに『1』がそこそこ面白かった『スパイ・キッズ2』へ。いやぁ、チョー眠たかった。(>_<)アチャ!1作目の「スパイの子はスパイになるのかぁー!?」みたいな目新しさが無くなっちゃってますから、どうするのかなぁ?と思ってたんですけど、どうにもならなかった!というのが真相。下らない大騒ぎをしてるだけー!子供同士のスパイごっこなんて別にどーでもいいじゃないですか(苦笑)一番ウけたのは、直前に観た『13ゴースト』で頑張る父親役だったトニー・シャロープが前作同様のお間抜けメイクで出てきたところ(苦笑)

 ラストはケン・ローチ監督の新作『ブレッド&ローズ』。メキシコから不法入国した移民たちの物語。悪条件下で働く彼らにスポットを当て、労使問題を取り上げています。いい場面もありますが、この作品はヌルい!けっこう呆気なくゴールを割ってしまいます。ちょっと思ったのですが今までのケン・ローチならマヤではなく、お姉さんのローサの方を主人公にしたんじゃないかなぁ・・・。もちろん悪い出来ではありませんが、こんなに簡単でいいのかなぁ?って思わせたらマズイんじゃないですか。


2002年09月10日(火)  リターナー エブリバディ・フェイマス バイオハザード

 ちょっと知り合いが絡んでいる邦画『リターナー』を観てきました。監督は『ジュヴナイル』でデビューした、VFXの第一人者でもある山崎貴。SFアクションですが、ストーリーはアチラコチラから持って来たようなシロモノです。まぁ、この手の話に「ストーリーに新味がナイ!」とツッコミ入れるほどの体力も知力もありませんので、別に非難はしません。で、良く出来てます。脚本の骨子も解りやすいし、ラスト・シークエンスも効いてます。映画の完成度としては十分でしょう。でもね、ここまで作ったのなら、もうちょっと頑張ろう!まずね、敵役の溝口(岸谷五朗)のキャラがどうしようもなくダメ!ただのアホなチンピラなんだもの。このキャラは本来、ボスキャラの脇に居た方がいいんじゃないですか?ボスはもっとシャープで頭の切れるような奴じゃないと、軽すぎちゃって説得力(そんなものいるのか?)に欠けるんじゃないかなぁ。荒唐無稽な話しほど人物設定の細部をキチンとしないと、ただの「漫画」になっちゃうよ。まぁ、ただの「漫画」だよ!って言われたらソレまでだけど、小生は邦画に期待してるんで(苦笑)。だから宇宙関係の施設を襲うシーンとか、酷かったなぁ。あまりに軽くて。服を買ってあげるシーン全く必要なし!せっかくの硬質な感じが急に白けちゃうじゃん。その辺りのヌルさが無くなってくればイイんだけどなぁ。でもヤル気は十分感じられました。次です次!

 続いては『アメリ』と並んでアカデミー外国映画賞にノミネートされたベルギー映画『エブリバディ・フェイマス』。この映画は脚本が良く出来てます。低予算でも面白いモノは出来る!という模範解答ですね。コメディとしての出来はちょっとヌルいんですけど、なんてたって話が面白い!特に後半、音楽プロデューサーが登場してきてから、どんどん面白くなってきます。どうして邦画で作れなかったのか、思いつかなかったのか、不思議なくらいの脚本です。TVドラマのリメイクでも観たいくらい(苦笑)それくらい分り易くて、暖かい気持ちにさせてくれる映画でした。

 3本目ッス(爆)『バイオ・ハザード』。言わずと知れたゲームの映画化。普通に面白かったです。ちょっと複雑にし過ぎているきらいはありましたけどね。まぁ、映画ですからね、監督だって少しは違う事を考えたいでしょうし(笑)。個人的には、ゲームと同じように、もう少しお化け屋敷的面白さが欲しかったなぁ。一度にたくさん出過ぎ!あれじゃゾンビじゃん!で、あの化け物っていらないでしょ!それにしてもミラ・ジョヴォヴィッチって、顔に似合わず骨太な下半身だなぁ・・・・ボソ。


2002年09月09日(月)  インソムニア ロイヤル・テネンバウムズ

 先週忙しかったので、今週は映画週間に決めました(苦笑)

 まずは期待の新作!『メメント』『フォロウイング』で素晴らしい手腕を見せてくれたクリストファー・ノーラン(32歳)の『インソムニア』。前2作がスライダー、フォークとキレのある変化球だったのですが、今回は直球勝負です。いやぁ、直球も速いですなぁ。シャープなモンタージュで構築されたシーンの数々。映画の完成度は高く、これぞプロの仕事!と否応無く納得させられます。パチーノ、スワンク、ロビン・ウイリアムズと役者も揃って見応え十分。ただね、惜しいナァ・・・と思ったのは、主人公側の描きこみが素晴らしいのに対して、犯人側の描写がちょっと甘いんですよ。だからガップリ四つになってない印象が残っちゃう。ちょっと中途半端だったかなぁ・・・。ノーランは前2作とも一人称の映画だったので気になりませんでしたが、今回は相手も重要な要素でしたからねぇ。どちらにせよ、今後、どういう方向に進んでいくのか楽しみな監督です。あ、何度か居眠り運転をしたことのある自分にはマジで怖いシーンがありました・・・思い出しちゃったよぉ!大汗。

 こちらも天才と謳われたウェス・アンダーソン監督の本邦初公開映画『ロイヤル・テネンバウムズ』。昨年度、全米の各映画賞の受賞&ノミネートがずらり!しかして実態は!1時間50分後・・・・・いやぁ、眠たかった(爆)テンポ悪し!ギャグ寒し!ダラダラと同じ話が纏わりついて、もうヤんなっちゃった。面白いところもあるんですけどねぇ。友人のBBSにも書き込んだんですけど、下手糞・サンデードライバーの後ろを走る気分。「早く行けよー!」みたいな(苦笑)おそらく3年後にテレ東の昼間に30分ほどカットされてオンエアされると思うのですが、そちらのバージョンが一番面白いのかも?


2002年09月05日(木)  ドニー・ダーコ

 予告編で「お、面白いんじゃないかぁ!この映画!」って思ってしまった『ドニー・ダーコ』。ところがぁ!ぬぁ〜にが「サンダンスが熱狂した衝撃的リバース・ムービー!」だ!「目を閉じた瞬間、答えは[反転(リバース)]する」だって、笑っちゃうよ!確かに「目を閉じた瞬間」なんだろうけど(爆)なんともまぁ、お粗末な映画でした。何かありそうでいて、実態はめちゃくちゃピーマン(古ッ!)な映画!結局は死ぬまでの数秒間に・・・あ、ネタばれしちゃう!このリチャード・ケリーって監督も演出がヘタなんだろうなぁ・・・・。だいたいさぁ、「謎を解き明かす80年代UKニューウェイブ・ミュージックの数々。全ての歌詞が、各シーン、各カットと密接に結びつき、衝撃のラストシーンを予言する!」ってパンフに書いておきながら、全く歌詞が訳されていない。ってどういうこと?え、アスミック・エースさんよぉー!ほんでもって、キャサリン・ロスの髪形もどうなん?好きだったのによー!(苦笑)


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