suzu3neの雲収集家な日々

カテゴリ別に読む(別窓)→[blog Ver.]


2012年01月16日(月) 文化祭の返信・5

文化祭の感想を一斉送信させていただいて。
おそるおそる、届いたかどうかを確認したりしてたら。
こちらにブーメランが戻ってきた事に気づいていながら、お返事を書いたと思いこんだ物が……orz

そんなんで、遅くなって申し訳ありませんでした。

>菜宮さん

感想、ありがとうございました。
私も読んでからすぐには感想が書けないタイプなので(そしてそのまま、感想を言葉にできずに挫折する)、
書いていただけただけでありがたく思ってます。

前半のスローペースは、私も気になってたところでした。
なんとかできないかと思ったんですが、作り込んだ世界の紹介が、今の私の力量では上手く加工できなかったもんで……orz
その分、後半は出来る限り二転三転させようと思っていたもんですから、スピード感が伝わっていることがわかって嬉しいです! いや、本当に!

外伝は、拍手のお礼以上の事は考えていませんでした。
でも、プロジェクトX的に、〈ローズ〉を巡る人々の話なんかも楽しそうと言えば楽しそうですね。
もう、〈ドゥ〉にとっては神話の域に達してしまいますが(苦笑)
〈ローズ〉に残っていた人間がいたとして、アグリと仲良しになって、フィンが布団の端を噛んで涙するとかも、心中複雑な感じで面白いかもしれません。
いや、今、妄想のスイッチが入っただけなので、どうなるかは未定ですけど(笑)

作品を読んでアレコレ妄想していただけるなんて、非常にありがたく思います。
少なくとも自分は妄想で楽しんでいただければ嬉しいタイプなので、どんどん妄想してください!

何よりも、本当に、読んでくださってありがとうございました。
今後もよろしくお願いします。


>koharuさん

感想、本当にありがとうございました。

登場人物それぞれの考えを踏まえた上で、誰の言い分もわかるし誰にも同意できないというのは、作者である自分も同じ思いです。
問いの重さは、それほど意識してませんでしたが、自分でも答えが出ないという意味では、意識できないほど大きな問いかけを投げかけてしまったのかもしれません(苦笑)
ヒトの驕りは、文化や文明の発達と共に大きくなってきたものだと思いますし、大きすぎるからこそ、各人の思想が統一できず、意見が細分化し、最終決定できなくなってるのだと――根拠もなく思ってます(笑)

それはもちろん、〈ローズ〉が巡る星だけの問題ではないわけで。

本当に、考えすぎるとパンクしちゃいますね(笑)

個人的には、そういう問いかけを持つ事が、いつか解決できるアイディアが浮かぶ第一歩だと思います。
そして、自分はとりあえず、現時点では、無差別に問いかけを残したまま、ダッシュで逃げようかと思ってます(苦笑)

古今東西、SF作家はアイディアだけ残して、実行はしないもんです(笑)

結果的に、〈ローズ〉が残っていて、〈案内人〉も〈審判者〉も多数残ってますし、〈奪還派〉だってまだ存在してます。
彼らなりの答えとして納得できるものがひらめいたら、続編を書けるとは思うんですが、今のところ、アグリが正しい答えを見つけてくれて、フィンがそれを現実化する時がくると期待することぐらいしかできませんね。

本当に丁寧な読み込みと感想、ありがとうございました!
今後もよろしくお願いします。



2012年01月08日(日) 文化祭終了(いまごろ)




先日終了したオンライン文化祭について。

今回は小説部門の参加者さんが多数という事で、開催期間が二ヶ月となりました。

「二ヶ月あるから、作品読んで、分解したりなにやらしたりと、集中勉学期間にさせてもらおう」と思っていたのですが。
予想外の出来事。
まず、体調を崩しました。それも何度も。
原因がよくわからないのですが、冬になって生活環境が変わった事と、職場でのトラブルやイベントが重なった為、調子が狂ったのかもしれません。
とにかく起きてられなくて。
それと、文化祭の目的の一つでもある交流。
チャットに顔を出すためには我が家のPC部屋にいかなければならないのですが、こちらが震災以降、片づけ禁止&火気厳禁の部屋となってまして。簡単な作業やら更新やらなら耐えられますが、深夜のチャットにストーブなしで挑むのはちょっと……湯たんぽ抱えた時もあるんですが、本当にささやか。残念&断念。
そんなんで、当初は感想と作品分析を平行して行っていたのですが、十二月に入ってからは感想だけでも先にと書きはじめ、それも何度も寝込んだりを繰り返して。

本日、ようやく、全部を配信する事ができました。
本当に遅くなってもうしわけありませんでしたけど。
中身は……感想書くのが苦手なので、思ったままだったり妄想入ってたりで、どうにもアレな感じですが、笑って許してくださいとしか……orz

年賀状みたいにいっぺんに感想爆撃しようと自分の中でしばりを作ったのが一番の敗因ですけどね……orz


とにかく、みなさん個性的な作品が多くて、とにかくいろいろと勉強させていただきました。分析も含めて、今後も何度も読ませていただこうと思ってます。
本当に楽しい作品ばかりで、主催者さまにも作者さまにも感謝してます。
ありがとうございました。



そんなんで、最後に。
今回の自作についての解説といいますか制作秘話といいますかQ&Aといいますか、そんなものをチラホラ。
思ったより長くなってしまったので、興味ある方だけどうぞ。


今回の根底にあったのは、まず「夜」というテーマに沿って、夜である世界を作ることでした。
「夜」という状態がどんなものかという意味で「太陽のない状態」と考えまして。
単純に日食という現象を考えました。
この日食に合わせて、ダイソン球の事も考えたんですが、ダイソン球を作る材料がどこにあるんだという話になってしまうので、日光を遮る傘と考えました。
その時のイメージが、ガ○ダムにでてきたラヴィアン・ローズという施設でして。
なぜか私、あれがものすごく大きな施設だと思いこんでたんですね。書いてる最中に弟に「戦艦修理できる程度しかないよ」と言われて愕然としたのですが(笑)
とにかく、ラヴィアン・ローズが太陽を抱え込むような姿が先にあって、傘の名前を〈ローズ〉と付けました。

次に、夜が続いて寒くなった地球がどうなるかと思って。
そこで、スノーボールアースという仮説があったと知りまして。
舞台が氷に覆われた世界ということに。


〈ローズ〉が作成された意味を考えた時、おそらく冷やすためだと考えたわけですが。
それが文明の暴走であり、文明によって〈ローズ〉が作られたと考えるのは容易でしたから、その文明について考えた時、赤茶けた荒野が浮かんだわけです。これまた単純に。

その時、私の頭に浮かんだのがコンフュージョンの「カウガール」という曲でして。
この曲の歌詞やイメージが大好きだったので、そこからまず画面が浮かびました。

歌詞を参考にできるサイトが見あたらないので、フレーズを少しだけ書かせていただきます。


「君は宇宙時代の途方にくれたカウガール」
「秘密の記念日にミサイルを放つ」
「そしてここにきて全てのスイッチ オフにして」
「今すぐはじまるフィクションに消えてゆく」

(あれ? 一番の歌詞のほとんどになっちゃった……orz)

このイメージ、本編を読んだ方にはすぐにわかると思います。


ここで主人公は女性と決めたのですが、スノーボールアースでの食料は何かと考えた時、ベリーなら寒冷地にもあると知ってベリーを。そしてその中の種類に「カウベリー」と呼ばれる種類があったので「カウガール」にひっかけて。
でも「植物もろくに育たないところに彼女が存在できる理由は? 文明の荒廃は?」と思った時、食べ物が無くても成長できる存在がいるんじゃないかと考えて。
その生き物は、文明保存の為に人間に似せて作られた。食べ物が無くて動力があるわけないから、何もない地面を食べられるものにしよう。
そして、彼らが人間の真似事をさせられ、人間と同じように生活し、いなくなった人間の代わりに人間の文明をとどめている。
それが現人類ですね。
じゃあ、人間はどこにいったのかというと、〈ローズ〉に行ったと。
この時点まで、〈ローズ〉はそこにあるだけで、人はカウガールを残して死に絶えたと思ってました。


それと、この時に浮かんだのが「1000人目の救世主」というネタでして。

実はこの日誌にもこのネタをメモしてあります。こちら(昔のブログの記事)の一番下です。
タイトルだけですが。2006年って!(自分でびっくり)
ネタの段階では「1000人目が出現した瞬間、全人類が停止する」というネタでした。ある基準をクリアした人類が1000人を越えた時、人類を作ったナニカが人類の今後を検討し行動するまで放置されるというブラックなSFですね。サイトの作品の一部にリンクする予定だったのですが。

〈ドゥ〉は〈DO〉=〈動〉=〈同〉という意味で、人間と同じという意味で名付けました。

カウガールの協力者という事で〈ドゥ〉がいるけど、この二人を主従の関係にするのは、どうしてもイヤでした。
だったら、カウガールがこのスノーボールアースの女王ってことで良いじゃないですか。
それは社会への絶望にも似た狂気でミサイルを放つカウガールにはそぐわない。ありうるけれど、一匹狼のようなカウガールが女王としてミサイルを放つ社会性を持ってるイメージではなかった。
むしろ、〈ドゥ〉の中に放り込まれた異物であることの方が、宇宙時代の中に時代遅れで取り残されたカウガールに近しい。
そこで、〈ドゥ〉との関係が主従ではなく、やむにやまれぬ関係である事になりました。
もちろん、彼らが特別すぎるわけではないという意味で、いくつかのペアを登場させなきゃいけないと。

そして、やむにやまれぬ関係として、彼らの名前には法則性を持たせる事にしました。

そこで、「1000人目」=〈ドゥ〉を「フィン」と名付けました。映画のラストに出てくる「fin」をそのまま読んだだけですね。ラストという意味で。

カウガールに関しては、同じく終わりの意味でアグリとつけました。女の子が生まれすぎた家で、もう女の子はあきたからこれで終わりにしたいという意味でつけられた名前だと聞いた事があったもんですから。アグリカルチャーのアグリとか答えてるサイトがあって、それはちょとちがうだろうなと思いつつ、凍り付いた地球の大地母神的な意味でもいいかなと。

そんなんで、1000人目は「終わり」がテーマで。

キャロルとアリスは言うまでもなく不思議の国のアリスが元ですが、同時に「深淵への誘惑者」でもあります。

シグとニールは、ニーベルンゲンの指輪からですね。シグルドとニーベルンゲンから。「悲劇の勇者」でもあります。

そしてカールとグスタフはJ・G・ユングから。ユングとまともにやってしまうと失笑なので。これは「帰ってこれなかった探求者」ですね。

そんなんで、舞台が整いまして。

後は……とにかく、ミサイルを放つ場面を目指してツラツラと。

書いてるうちに、日食がどうしても夜とは思えなくなってきて、でも考えの根本にあるものだからはずせなくて。
悩みながらもとりあえず書ききろうと思っているうちに、アグリが言い出したんですよね。グスタフの狂気がグスタフの夜の、グスタフの満月のせいだって。
そこからバチンとパーツがはまったというか。
外も夜、そしてそれよりも暗い夜が内側にある!
それで自分でも納得して、最後まで書ききる事ができたという感じです。


最終的にどうしてあんな事になったのかは、全くわかりません(笑)
いや、話を作るときは、いつもそうなんですが。



それと、いくつかあった質問などもこちらにメモ。

●この星は地球と言ってる場面がありますが、太陽系第三惑星である地球ではありません。これは表記ミスで混乱させた方がいらっしゃるので申し訳ありませんでした。

●〈ローズ〉は、この星にあった月を元に作られたものだと想定します。だからアグリはコールドスリープ前に、天体としての月を目にしているわけです。ただ、その月の大きさが地球の月と同じ大きさとは限りませんし、太陽の大きさも違うかもしれません。同様に、太陽と月と地球との距離も違ってる可能性が高いです。第三惑星を元に考えるとバランスとれないかもしれませんが、脳内で補正してください(苦笑)

●この作品と前回参加作品「ハーメルンの黄昏」との関連を指摘された方がいらっしゃいました。想定はしてませんでしたが、十分にありうる話だと考えてます。「ハーメルン」に登場したコールドスリープのノウハウが、〈ローズ〉で使われたコールドスリープの技術の原型である考え方ですね。〈ローズ〉の時代はもっと遠い未来となってますが、考えようによっては、「ハーメルン」で起こった空間交差現象の余波が、この星を襲って人の住めない世界にした可能性もあります。物理現象の変化に関しては不明ですが、〈ドゥ〉の存在がありうる背景には、この空間交差現象の関与もありうるかもしれません。



そんな感じで。
今回の〈ローズ〉も、自分的な趣味全開で書かせていただきました。
あいかわらずSF的な部分よりもイメージ先行で書きましたので、「本格SF」と称されて恥ずかしいやらなにやらですが(モジモジ)

とにかく「面白い」と言っていただけただけで、感謝感激です。
本当にありがとうございました。



2012年01月07日(土) 今年もよろしくお願いします。




新年になりました。
今年もよろしくお願いします。


去年は何を目標にしていたか、ちと忘れてしまったのですが。

何はともあれ、三月の震災でいろんな予定が大幅に狂い、何がなんだかわからなくなってしまいましたなぁ。


震災のおかげで、いろんな経験をさせてもらったのも確かですし、逆に、なんだかいろんな愚痴やらなにやらも呟いてしまってみなさまにご迷惑をおかけしたりで。

まだまだ原発事故も地震も油断できませんが、今年は少し落ち着いて呟こうと思ってます。

まあ、今でも地震があるとつい興奮して「地震だ!」と呟いちゃうんですが。


今年としては、なるべく更新を多めにやりたいと思ってます。
去年は企画(十周年記念の「案君・潔秘」)から始まって、企画(オンライン文化祭の「〈ローズ〉の末裔」)で終わった一年でした。

今年こそは、RTXを少しでも先に進めようかと。

一季節に一回分ぐらいは更新できればいいかなぁと。

ただし、今年は個人的に忙しくなる事が確定しているため、その隙間をぬっての更新になりますんで、どうなるやらなんですが。

ただ、RTXを更新する事だけは約束します。
ええ。これだけは何が何でも、先に進めちゃいます。
ご安心ください。
待っている方がどれだけいらっしゃるのかわかりませんが。


そしていつもどおり。
「予定は未定」ってことで。


 < 過去  INDEX  未来 >



カテゴリ別に読む(別窓)→[blog Ver.]
suzu3ne [MAIL] [HOMEPAGE]