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2007年08月31日(金) リトル・ミス・サンシャイン

私が住む福島は、現在雨が降っております。
気分だけでもカラっとしたいと、
太陽と仲がよさそうなタイトルの映画を見てみたら、
これが実は、光のしずくがなぜか水滴に変わって
湿っぽくしちゃったみたいな、
ちょっと当てが外れた感じの味わいだったのですが、
それはそれでとってもよかったので、御紹介します。


リトル・ミス・サンシャイン
Little Miss Sunshine

2006年アメリカ
ジョナサン・デイトン&
ヴァレリー・ファリス監督


アメリカはニューメキシコ州アルバカーキに
フーヴァーという一家が暮らしていました。

父リチャード(グレッグ・キニア)は、
自己啓発本の出版で勝ち組になろうと頑張っていますが、
子供たちにも、「前向き、前向き」を押しつける、
少々うっとうしい人です。

母シェリル(トニ・コレット)は、
実兄フランク(スティーヴ・カレル)が
自殺未遂で一命を取り留めたのを
病院まで引き取りに行きました。
(自称)優秀なプルースト研究家でありながら、
愛する人もキャリアもライバルに奪われ、
世をはかなんだのでしょう。

不良じいさん(アラン・アーキン)は、
よくないオクスリをやっていたせいで、
老人介護施設を追い出され、
自宅でかわいい孫オリーヴ(アビゲイル・ブレスリン)に
ダンスを教えていました。
オリーヴは、子供向けのミスコンテストに優勝することを
夢見ています。

オリーヴに、カリフォルニアで行われる
「リトル・ミス・サンシャイン」コンテスト出場のチャンスが
めぐってきました。
やれ仕事だ、自殺しそうなおじさんだ、
独りにすると何するかわからんじいさんだと、
問題は山積していますが、
何だかんだと考えた末、
古いバンで、フランクも含む一家そろって出かけることになります。
家族とも全く口を利かない兄ドゥエイン(ポール・ダノ)も、
シェリルが出した交換条件につられ、
しぶしぶついてきました。

パーフェクトとはいえない一家の珍道中ということで、
過去にあった、あまたのロードムービーで見られたような
想像がつく程度のトラブルに何度も見舞われます。
人生をひっくり返されるような出来事に遭遇する人もいますが
(誰の何かは、見てのお楽しみ)
映画的にも、実際の人生として考えても、
「きっと、これでよかったんだよ」と、
ポンと肩をたたいて励ましたくなるようなものでした。

ところで、ミスコン候補オリーヴは、
いわゆる美少女ではありません。
お腹ぽっこりに、
子供っぽい手足を生やしたカメみたいな体型で、
お顔もまんじゅう的な丸みがあり、
普段は眼鏡をかけています。
が、これがもうかわいいったらないのです。
おじいちゃんが教えてくれたダンスは、
どうやらそういう場で披露すべきでないようですが、
オリーヴは、臆することなく披露しました。
そして……。

ハッピーエンディングとは言いがたいであろう
一行の行く末に思いをはせ、
それでも、どんな人生にも絶対に価値があるんだと、
胸を張って生きていきたいという気持ちを持たせてくれます。

ところで、映画の中にも登場する、
通常ミスコンのただの縮小サイズみたいな
金髪・碧眼にお行儀のよい見事なダンスと歌という
周囲の美少女たちを見ていると、
不謹慎ながら、少し前アメリカで実際に起きた
美少女殺人事件の被害者を思い出します。
彼女の短い生涯は、一体誰のものだったのかと
無関係の人間までも胸を痛めるような、そんな事件でしたが。



ユリノキマリ |MAILHomePage