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2004年08月26日(木) 海をみる

海をみる Regarde la mer
(英語タイトルSee the Sea )

1997年フランス フランソワ・オゾン監督


中学生の頃、兄貴の受験誌を読んでいたら、
こんなジョークが載っていました。

先生「『彼女は海を見る』を英語で言いたまえ」
生徒「シーシーシー」
先生「う〜ん、君の成績も、よくてシー(C)だなあ」


…まあ、これをおもしろいと感じるかどうかはともかくとして、
本日御紹介の映画のタイトルを初めて見たとき、
このジョークを思い出して、何となく笑ってしまいました。
(余り関係ないかもしれませんが、
人が体験した「つまんなかったこと」を第三者が聞くと、
その話自体は意外とおもしろかったりするものです)


意味不明というか、解釈困難というか、
そんなシーンが時々差し挟まれる程度で、
お話自体は至極わかりやすいものでした。

海辺の家で、女性が赤ん坊と2人きりで寝起きしています。
この人・サーシャ(サーシャ・ヘイルズ)は、
車がないのか、免許がないのか、
見た目ほど辺鄙でないところに住んでいるのか
よくわかりませんが、
時々なぜか自転車で街に買い物に出る程度で、
いつもは娘と2人だけの模様です。
優しい(らしい)御主人は、出張中でした。

彼女のもとに、1人のバックパッカーが訪ねてきて、
庭にテントを張らせてほしいと言います。
相手はタチアナ(マリナ・ド・ヴァン)という名で
れっきとした女性ですが、
サーシャはやはり易々とは警戒心を解けず、
最初はしぶしぶタチアナを受け入れました。
…とはいっても、縁あって庭を貸すことになったこの女性を、
サーシャは食事に招くなどし、
しまいには、赤ん坊の世話を頼んで
ひとりで買い物に行くほどになりました。
食事時には、女同士という安心感からか、
かなり際どい話もするのでした。

そんな短いながらも奇妙な女2人(いや3人か)の生活は、
夫が出張から帰ってくることで、終焉を迎えますが…

サーシャ・ヘイルズの実子らしい赤ん坊の愛らしさは別として、
意味もなく(いえ、こめられた意味はそれなりにあるのでしょうが)
排泄物を見せつけられるなど、
神経を逆なでされるような不快さが全体に漂っていました。
そしてその不快さは、恐怖感に置き換えやすいものでした。
私自身は「ちょっとなあ」と思うところがないでもないものの、
全体としては、
好きな人にはたまらないってやつじゃないかと思います。

繰り返しますが、本当に赤ん坊は愛らしい!です。
砂浜のお昼寝シーンで、
大きく呼吸をすると、小さな胴体をぷくっと一瞬膨らませたり、
ママが部屋を出ていくのを後追いし、
身をよじって泣いたりしているのを見ると、
「あぁ〜ん、もぉ〜っ」と、こちらも身をよじってしまいます。
とっても“おふらんす”な、おしゃれベビー服もすてき。


2004年08月07日(土) マンハッタン花物語

本日8月7日は、語呂合わせで「花の日」です。

マンハッタン花物語
Bed of Roses

1996年アメリカ
マイケル・ゴールデンバーグ監督


直訳すれば「バラのベッド」となる原題ですが、
成語で「安楽な暮らし」という意味になるとか。
が、映画の内容を踏まえると、
真っ正直な直訳の方がまだ意味が通る気がします。

80年代後半、
『恋しくて』
愛すべき意地っ張りトムボーイ、ワッツを見て
メアリー・スチュワート・マスターソン
恋してしまった映画ファンは
結構いるのではないかと思います。
が、妙にこざっぱりとして、清楚というよりは御清潔、
知的で自分の考えをはっきりと表明する彼女は、
あえて「色気なし」と断言したいほど、
はっきり言って、華がない女優でもあります。
実力がありながら、
デビュー間近のころの作品が最も?印象的というのも
気の毒なので、
何か一発カマしてほしいところですが……。

そんな彼女が、地味にラブロマンスしていたのが
本日御紹介のこの映画です。

若き会社重役リサ(マスターソン)は、
その生い立ちの秘密から、
どこか寂しげで、人間関係の希薄な女性でした。
そんな彼女の寂しげな風情が気になって、
しまいには恋してしまった男がいました。
花屋を経営するルイス
クリスチャン・スレイター)です。
ルイスはリサに、こっそりと花を届けるようになります。
毎日届けられる匿名の花束に、
不安とときめきを感じるリサでしたが、
贈り主ルイスと出会って心を開きます。
が、ルイスも、過去の辛い出来事から、
恋に臆病になっている面があり……。

どこか、小粋な短編小説を思わせる
微笑ましい恋愛物語です。
全編をまさに彩っている花々も美しいし、
人を不愉快にさせるところの少ない作品ですが、
残念ながら、パンチはいまいちかもしれません。
(凪と時化の両方求めるのは
贅沢というものでしょう…か)

ところで、ちょっと話は逸れますが、
私は新着映画の中でも、『モナリザ・スマイル』だけは
ぜひとも劇場で見たいと思っています。
が、実は、主演がジュリア・ロバーツというところに
ちょっとひっかかりを覚えないでもありません。

というのも、見てしまったのですよ、テレビスポットで、
彼女が男とベッドに横たわっているとこを上から見下ろした画面。
「ああ、またかよ」と思いました。
映画を見ていないうちから、批判するのは当たらないし、
学園に新風を吹き込む魅力的な女性教師役というならば、
確かに恋人の10人や20人、いても構わないって話だし、
何より、おろかな偏見は捨てたいところですが、
ジュリア・ロバーツという女優さんが絡むと、
それがどんな映画であっても、
男が絡んだり、男に言い寄られたりというエピソードがないと
何か、醤油かけ忘れたおひたしみたいになっちゃうような……。
何にでも醤油をかけるのは興ざめですが、
お浸しにはやっぱり醤油が欲しい。
それくらい当たり前で、セットで、
それがさらに進むと、「なんかつまんない」
あくまで個人的な感想だとは思いますが、
彼女の出演作の多くに感じるのは、そういうところです。

ついでにその男は、映画が終わってみると、
ただの添え物だったなーという感じしか残らないことも
結構ある話です。
(てことは、彼女主演の映画の男たちって、
醤油というより、かつおぶしか海苔?
『ノッティングヒルの恋人たち』は、ヒュー・グラントや脇役たちが
ジュリアと無関係なところで魅力的だったので、
どっちかというと、彼女が添え物に思えましたが…個人的に)

それだけジュリアに華があるということでしょうが、
彼女が出演する、最初からロマンス系とわかっている映画は、
いまひとつ萌えないところがあります。
そんなわけで、『マンハッタン…』の主人公が例えば彼女だったら、
ルイスのストーカー的役どころにも、
もっとギトギトしたものを求めたいところだし、
下手すると、サスペンスタッチになっていたことでしょう。
いや、それでおもしろけば、まあいいんですけど。


そんなわけで、華がないとか失礼なことを言いつつも、
どこか踏み出せない、じれったい恋物語には、
マスターソン女史くらいの人がぴったり、
なのかもしれません。


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