明日夢が持って来たケーキに 香須実と日菜佳がため息をつく。
「えっと。これはいやでしたか?」 おずおずと聞いてみる。 「いやじゃないけれど」 「大好きだけど」 大きな生クリームのケーキに乗った 真っ赤な苺。 「大好きなんだけど 思い出しちゃうのよ」
ケーキの苺を食べて お説教された事。 幼少の嫌な思い出。
「すみません気がつかなくて」 「明日夢は悪く無いよ」 ひょいと顔を出したヒビキが ケーキの上の苺をパクり。
「ヒビキさん御儀悪いですよ」 明日夢が注意した。
ら。
「そうよね、行儀悪いよね」 更に落ち込む姉妹。
「ご、ごめんなさい」 どうしていいか分からなくなった 明日夢に とりあえずケーキを食べようと おやっさんが声をかけた。
「メリークリスマス」 イブキとあきらがやって来た。 おおきなケーキの箱を持って。
「二人の為にチョコケーキを買って来ました」 嬉々として差し出す箱に チョコケーキならと 箱を開けた。
が。
「イブキさん・・・」 「はい」 「これじゃ色が変わっただけです」
生チョコケーキの上に 真っ赤な苺。
白いケーキに 真っ赤な苺は 日本特有で。 しかも遡ると 明治時代の頃らしい。
そんなうんちくをトドロキがしていたなんて 誰も知らなかった クリスマス。
「ケーキと肉が食える日だろ?」
ヒビキの一言に 誰もが無視したクリスマス。
いい事がみんなにありますように。
クリスマスに欲しかった 携帯音楽レコーダーを 買ってもらった北斗は 一日中、なにかを聞いていた。
側に銀河がいて 話し掛けても
「なにか言った?銀河」
こんな感じ。
最初は北斗の部屋でゲームしてて 気にもならなかったけれど 側でにやにやしている 北斗を見ていると なんだか。
----寂しい-----
「なあ北斗」 「・・・・・」 「今年は大きなケーキ食べれるかな?」 「・・・」 「北斗・・・」 「・・」 「明日、うち、誰もいねーんだ」 「・・・・」 「だから朝まで二人きりで過ごそうぜ」 「・・・」
聞こえないか。
銀河はため息をついて 帰ろうとした。 その手を北斗は掴んだ。 「北斗?」 にっこり。 「じゃあ、明日は銀河の部屋で お楽しみだね」 「な!聞こえてたんじゃねーか!」 「ん?たまたまね」 「たまたまって。聞こえてたのにシカト してたのかよ!もうしらねー」
「ダメだよ銀河」 北斗が差し出す携帯音楽レコーダーから 聞こえる銀河の声。 「録音しちゃったから 銀河からのお・さ・そ・い」
「この!ボケッ!」
どかっと殴って涙目で帰っていく銀河。
トホホと笑いながら ずっと苦笑。
明日はクリスマス。 ほんとは誰かの誕生日。 それにカッコつけて 楽しんでもいいよね。
あの日だけは特別の日の筈だから。 世界的に。
早いですね。
私は冬コミは不参加人間なのですが みなさんはいかがでしょうか?
寒いのが大嫌いなので 動きたく無いだけだったり。
年末過ぎて 動けないだけだったり。
でも 出来たら行きたかったです。 欲しい本があったから。
寒いですね。 風邪など引かないように。
頑張って下さいね。
|