海を進む
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彼が車を運転中、私は彼の二の腕をナデナデしたり肘をつまんだりする。 そうしている私の手を彼が急にギュってつかんだのは、16号を走っていたとき。梅雨の頃。 あの時はびっくりして、はずかしくって、ドキドキした。 それ以来、彼が片手を離せるときには、私の右手と彼の左手をつないでいる。 危険でしょうか。車高が高い車だから外からは見えない。 彼といてドキドキすることなんてもうめったにないけど、車の中で手をつなぐ瞬間は ちょっとだけ自分の顔が赤くなったんじゃないかって気がする。
つまりこれは温度差なのかもしれない。 でもそうはっきり認めるのが怖い。
私はまだまだこのままでいたいのに。 結婚するつもりがないなら長く付き合っていけない、なんて、 今まですっぽり包まれてたのが急に硬い地面に放り出されたみたい。
温度が低いのは私のほうかもしれない。彼のほうかもしれない。 結婚することだけについては彼のほうが断然温度高いけど。
彼以外は何も全く見えないほど、死ぬほど、好きだったら良かったのに。 ずーーーっと何もなかった今までが一瞬で埋まってしまうほど ものすごくものすごく好きだったら良かったのに。
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