-殻-

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2002年05月31日(金) おとなになるには

思ったよりもずっと、社会ってやつはコドモだ。
結局はその人次第で、どうにでもなる。

そんなに期待してたわけじゃない。
でも、もう少し成熟してると思ってたんだ。

なんだか、小学生や中学生とあんまり変わらない。


なんとなく情けなくなったりする。
だって、自分が自分の年ほど大人になれないのと同じだから。

2002年05月28日(火) 握る手の強さだけで

持っている雰囲気だけで、もう好きになってしまう奴がいる。
よく考えれば、そいつのことを僕は何も知らない。

でも、わかるんだ。
こいつは絶対何か持ってる。

「また会おう」って握手した、
その握る手の強さだけで伝わるものがある。


それだけでいいんだ。

2002年05月21日(火) くだらない

自分がどうしようもなく思えてしまうことがある。

また、ひとを好きになっている。

気が多いのは今に始まったことじゃないんだけど、
なんというか、変われないものなんだなあ、と思う。

一時の気の迷いであることはよくよくわかっている。
僕には大事な彼女がいて、彼女のことは好きなんだ。

ああ、なのに。

本当にくだらないやつだと思う。
何を考えてるのかわからない。

でも、好きになってしまう。

世の中には愛すべき人のなんと多いことか。<言い訳


2002年05月18日(土) 珈琲

いくら理屈をこねても、人間相手に生きてる以上、
何が正しいかなんて誰にもわかるわけがない。

その彼は自分の中にたくさんの相反する極論を抱えていて、
状況に応じてそれをうまくブレンドする。

相手の好みを予想して、慎重に摺り合わせる。
感情の温度をコントロールする。

そしてゆっくり、ゆっくり注ぎ込んでゆく。
その人にふさわしい、彼の中の何かを抽出してゆく。

まるで、コーヒーを淹れるように。

それを世渡りだとか、調子がいいだとか言うことはたやすい。
でもそれに救われ、それに安らぐ人が確かにいる。

そこには人を引き寄せる、香りが立つのだ。

2002年05月15日(水) 悔恨

こんなはずじゃなかった
こんなはずじゃなかったんだ

そんなことばっかり言ってるね

ぼくはいつもそう
気付けば何もかも手遅れ


ダメなんだ
もうダメなんだよ

はっきり気付かなきゃ


ぼくの気持ちが死ぬ前に
はっきり気付かなきゃ


2002年05月11日(土) こころとからだ




体のいい言い訳なのかな。
でも僕は本当にそう思ってしまうんだ。

疑いながらもそう思ってしまうという事実を、
認めてしまいたいだけなんだ。


君を抱きしめてしまってもいいのかな?
僕は自分に問いかけている。



2002年05月08日(水) 約束

言葉にしてよ。
その気持ちを、言葉にして。

本当だと言って。


形のないものを確かめるのに、僕はことばを求めている。

そうしないと、訳もなく不安で泣き出しそうになるんだ。



お願いだから、そんなに嬉しそうに夢ばかりを語らないで。
今ここにある僕の気持ちを、はっきり見つめてよ。



僕は迷ってるんだ。

迷ってるんだよ。


2002年05月07日(火) 無地

今日、新しいノートを買った。

僕は昔から、真っ白い無地のノートが好きだ。
今日も、いつものように無地のノートを買った。


僕は、行間に縛られるのが嫌なんだ。

この言葉は、さっきたまたま店で一緒になった職場の同期との会話の中で、不意に口をついた言葉だ。

彼女は、無地のノートは可愛いから好きだ、と言った。
僕にはその意味はよくわからなかったが、その時にふっとこの言葉が出た。


行間に縛られる。


僕は何事も、規定されることを恐れているのだろう。
枠に嵌りたくない、といつも思っているのだろう。

問題なのは、なぜそう思うのか、ということだ。


僕はただ、自分が特別だと駄々をこねているだけなのだろうか。
まるで母親を求める子供のように。

そんなにわかりやすい答えで済むなら、こんなややこしい人間にはなっていないと思うのだが。

2002年05月06日(月) 沈黙のあとに

「殻」を読んでくださっているみなさん、お久しぶりです。
ずいぶんと長い間、ご無沙汰してしまって申し訳ありません。
やっとネットの環境が整い、ハードもMacからWindowsへ変わりました。
今日からはぼちぼちと更新していきます。

しかし、Windowsを買ったはいいがどうにも落ち着かない、というのが
正直な感想です。
画面の違い、操作性の違い、そしてなによりフォントの違い。
文章を書くときには「字体」がかなり重要です。少なくとも僕にとっては。
その時その時の気分で、僕は字体が変わります。
それと同じように、違うフォントで書くと内容まで影響されるような気がするのです。

まあ、いろいろな事情があって今はこれを使うしかないのです。
いずれまたMacの環境が整ったら、僕は日記だけはMacで書くでしょう。
Windowsを否定しているのではなく、書きなれたペンを捨てられないということです。物書きの方なら経験されていることと思います。

これから、過去にも遡って少しずつ空白を埋めていこうと思ってます。


取り急ぎ、今日からまた、復活です。
登録を外さずにいてくださった方、本当にありがとう。
また、僕の日記に、ほんの少しだけお時間をいただきます。


2002年05月03日(金) 睡蓮

今日は、某市の美術館で行われているモネ展を観に行った。

例の後輩(2月26日の日記参照)が近くの街で働いているので、待ち合わせをした。彼女は遅刻してきた。

遅刻したことにそれほど意味はない。
そんなことはどうでもいい。

大事なのは、僕らがまたこうして面と向かって話をするという事実にある。
不思議なほどわだかまりもなく、自然に時間を共有できるということ、それが大事なのだ。


美術館を観た後、遅めの昼食を取る。
彼女はいつからかタバコを吸うようになっていた。
でもそれも重要なことじゃない。

とりとめもなく話は続く。
喫茶店に場所を移して、たいしてうまくもないコーヒーを啜りながら、やはりとりとめない話をする。

お互いの視点を探りながら、ある時は牽制しながら、でも近づきながら、同じところと違うところを少しずつ摺り合せていく。
その作業の、なんとスリリングで楽しいことか。


はっきりと僕は気付く。
僕には彼女が必要なのだ。


表現することを選んでしまった人間の、ささやかな慰めなのかも知れない。
それでもなお、僕らは求めずにはいられない。


モネが睡蓮の葉の上に置いた、一筋の赤い絵の具のように、彼女の言葉は僕から離れたところで焦点を結び、輝きを増す。

僕がリンゴの上に置くことができなかった、黄色や緑の絵の具のように、彼女の世界は僕の閉じた世界に彩を添える。


光の要素を分解できる、ほんの一握りの天才たち。
僕にとって彼女は、言葉で関係性を分解できる数少ないアーティストなのだ。


軽く酒を飲んだ後、終電ぎりぎりでお互いに家路についた。
きっと、またすぐに会うだろう。

僕には、彼女が必要なのだ。




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