-殻-

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2001年12月25日(火) Santa Claus is Comin' to Town

サンタクロースはいますか?

こんな誰もが抱く素朴な疑問が、実際に裁判にまで発展したことがあります。ご存じの方もいるかも知れませんが、ことの顛末は「Miracle on tne 34th street」で映画化されました。(もちろんかなり脚色してありますがね、ハリウッドですから)

最終的な判決は、というと。
「サンタクロースは、実在する!」
というものです。

人間には、信じる権利がある。
我々は、神を信じて生きている。
アメリカ政府でさえ、物理的存在の証拠がない「神」というものに対して
「IN GOD WE TRUST」と、公的な紙幣に印刷しているではないか。
何人も、信じるということを否定はできないのだ。


アメリカという国は、ある意味とても子供っぽい国ですよね。
大の大人がこんなことを真剣に議論したりするわけです。

でも、とても大事な「何か」を、この史実は思い出させてくれます。
「現実」と「夢」の、それぞれが持つ大きな意味を。

人間は、あまりに幼いうちから「現実」という風に晒されて生きるべきではないと思うのです。守られ、愛されて、自己の存在を認識し、その後にしかるべき社会的環境の中で自己を確立してゆくのが最良であろうと僕は考えます。

幼い頃は、現実よりも「夢」の方がはるかにリアリティを持つものだし、それで健全なのですよね、きっと。そうした中で、「現実」と少しずつ折り合いを付けていく。その作業こそが「成長」と呼ばれるはずです。

サンタクロースが実は両親だったと知って、子供は傷つきます。
でもその現実は、「夢」を壊すためのものではなくむしろ「守る」ためのものであることに、やがて必ず気付きます。それがかりそめのものであっても、その幸せなひとときをおそらく僕らは忘れない。だから、夢は夢でありながらも、それを守ることができるのは実は現実だけであるという矛盾を受け入れられるのです。

夢は、現実の中にしか存在しません。
夢を持たなければ、現実との調和は計れません。

だから、守るのです。
その、小さくて、とても大きな夢を。

たとえ滑稽だと言われても、きっと自分の子供にはサンタクロースを信じさせてあげたい。
毎年毎年、ツリーを飾って、ケーキを食べて、靴下を用意して、ドキドキしながら夜を迎える、あのささやかな幸せを、感じて欲しい。
父親がそうしてくれたように、わざと英語でメッセージを残して、子供をびっくりさせてやりたい。
自分がそうしていたように、クリスマスが近づくと急にいい子になったり、ふと思い立って空に向かってお祈りをしてみたりしてほしい。

君たちがそうしてくれるのなら、僕はきっと、
できる限り長く、信じてもらえる努力をするよ。

「お父さんなんでしょ?友達がそう言ってたよ」
って言われても、涼しい顔でしらを切って見せるよ。

そうすることで、僕も、
「信じてもらう幸せ」を手に入れるんだ。


たとえいつか君たちが真実を知ることになっても、伝えられたらいい。
信じることを。期待することを。ささやかな幸せを。


そして、

夢を。




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