R女王様の秘密のお部屋...Dr.R

 

 

有朋自御近所来、不亦楽乎 - 2004年12月26日(日)

忙しいもの同志は、なかなか会えません。
まして研修医と研修医で会おうとするとそりゃもう大変というものです。
片方がわたしのようなまったり派研修医であったとて、5月から延々全休日返上で働くガッツマンないし働きマン(©安野モヨコ)な友人達には『会おうよ〜』というのも何だか申し訳ない感じでありまして…。

つーかここ数ヶ月はまったり派研修医も休日無しで働いてます。

しかし。
しかーし。

夏に用意したプレゼントを未だに渡せていない…とか今度こそ渡そうと思ってクリスマス仕様のラッピングをしたのにクリスマス終わっちゃったよ!とか

もはや大問題でしょー。




てな訳で、休日勤務直後のBUN嬢に無理矢理連絡し、

ご両親が下宿にいらしているにも関わらず訪問し、

お父上に晩ご飯をご馳走になった挙げ句、

車で家まで送り届けて頂きました

(゚∀゚)

何て迷惑なヤツステキなんでしょう!
久し振りの再会に癒されたわぁ…(うっとり)
一日遅れのクリスマスプレゼントも渡せたし。好評だったし。

偶然お互いに空き時間があって良かった。
さらなる偶然でBUN嬢と同じ病院に勤務する元・同級生にも会えたし。

ユング言うところの”共時性原理”って、コレなのね〜。(←違)



↑実は私も自分用のデザイン違いを持っているのですが、必需品です。
仕事の合間に、泊まり込み勤務に。体力の温存は大事よね。



...

正しいイブの過ごしかた - 2004年12月24日(金)

9:00〜   病棟回診に参加
10:00〜  癒着性イレウス解除術に入る(第三助手)
13:30〜  重症筋無力症の胸腺摘出術に入る(第二助手)
16:30〜  ムンテラ・術後管理・他の患者さんの回診・カルテ書き
19:00   気胸の少年が『息苦しいような気がするぅ〜』と訴える
19:20   レントゲン撮影。画像上問題なし。お悩み相談に付き合う
19:45   Y先生@一緒に外科ローテ中の仕事がちょっと大変そう。
      一瞬外出して励ましのチキンとシャンメリーとケーキを用意する
20:30   医局にて女医ふたりでチキンなどを貪り喰う














お黙り!!
それ以上言うな!!!




縫うぞ。





...

きょうの小ネタ〜腹上死は人生の夢でした編〜 - 2004年12月15日(水)

今更ですが、外科医であるためには解剖(からだの構造)をきっちり理解していなくてはなりません。
神経の走行、血管の分岐、リンパ節の分布などなどなどなど。
理解なしに手術をするのは、海図を持たず航海に出るようなもの。

…てな訳で、手術に入ると(入らなくてもだけど)矢継ぎ早に質問が飛びます。
『この血管はなに?』
『どこから出てどう分枝してどこを栄養するの?』
『今何で俺がこの血管をテーピングしたかわかるか?』

などなどなどなどなど。
解剖学は(も?)苦手だったので、なかなかstressfulな瞬間ではあります。手術書でみるのと実際見るのとではやっぱり違うし。と言い訳しつつ。

で、何で腹上死なんだよ!って言うと、有名な語呂合わせがあるんです。


   【腹部大動脈の枝】

      → 腔動脈
      → 腸間膜動脈
     
     
      → 動脈
      → 巣動脈(女性の場合は卵巣動脈)
     
     
     
      → 腸間膜動脈 
      






…ねっ♥


※何が「ねっ♥」だよ!今更かわいこぶってもダメだから!!という声は無視させて頂きます


腹上死ねぇ。まあ必ずしも上とは限らなもごもごもご…
恐らく即死である場合が多いだろうから、殆ど苦しまずに済みそう。
残されたほうはたまったものじゃないでしょうけれども…








…ダメ?


...

きょうの小ネタ 〜オレオレ詐欺編〜 - 2004年12月10日(金)

手術中、『フローズン』と呼ばれる検査のために空き時間が出来ることがあります。
なにわ大学では『術中迅速診断』と言っていたような記憶がありますが、要は手術中すぐ診断結果を出せる組織検査法ですね。 標本を作るときに凍らせるので、フローズンとも言うのでしょう。良性悪性を知ったり、手術で切る範囲を決めるためには欠かせない大事な検査です。
が、外科医にとっては待ち時間ちょっとヒマ。そこで、雑談に花が咲きます。


外科の副部長のひとりSi先生@正統派関西系ダンディー!のお話。

『こないだボクとこにもオレオレ詐欺の電話が掛かって来てなぁ』
『えぇっ、先生が取りはったんですか?』
『いや、平日の昼間で、嫁ハンが出たんやけど…』
奥様が電話に出ると…
『お宅のご主人、会社に行かれる途中、事故を起こしたんですよ。車で!とりあえず(以下略)』
当然ですが、Si先生はドクターなので会社ではなく病院に行く訳です。(いや、産業医とか保険会社の社医とかだったら”会社”へ通勤することもあるかも、ですが)
しかも、電車通勤ですよ…orz
てな訳で、あなたオレオレ詐欺でしょう?と奥様が指摘すると。
『わかる…?アハハー』
…と言って電話は切れたそうです。


いや分かるも何も、ベタ過ぎでんがな。しかもズレてるし。







ところで最近、医師(の親)を狙うオレ詐欺がいるらしいですね…。
『お宅の息子さんが医療事故を起こした、示談にするため金が(以下略)』
みたいな。怪しからん。
冷静に考えれば速攻で金を払えば黙る患者家族って何だよ!なのですが、素人さんでしかも動転してしまうと、ついつい振り込んでしまうのかも。
気を付けなくては。

【本日のご教訓】
→お前たち!『金を振り込め』には気を付けるんだよ!
医療関係者は医賠責に入っておおき。私は入り忘れているけど。
ほほほ!



...

悔し泣き記念おバカネタ披露会 - 2004年12月09日(木)

《以下、アタックNo.1の旋律で》
苦しくたって 悲しくたって  患者の前では へいきなの
皮切(※注1)が入ると 胸がはずむわ  点滴 ジギ(※注2) ルンバール(※注3)
ワンツー ワンツー アタック

だけど涙が出ちゃう 女の子だもん

涙も汗も 若いファイトで  星空(※注4)に遠く さけびたい
スパロテ(※注5) スパロテ No.1  スパロテ スパロテ No.1

苦しくたって 悲しくたって  同期の仲間が いるんだもん
アラーム(※注6)がなると 心がはずむわ  気道確保 心マ アレスト(※注7)
ワンツー ワンツー アタック

だけど涙が出ちゃう 女の子だもん

涙のなかに 若い心で  ながれゆく酸素(※注8)に さけびたい
スパロテ スパロテ No.1  スパロテ スパロテ No.1

※注釈※
注1:皮膚切開。手術には不可欠。当たり前だけど。
注2:ジギタール(Digital Examination)。直腸指診のこと。
注3:Lumbar。直訳は腰椎ですが、要は腰椎穿刺関係の総称です。検査とか麻酔とか。
注4:原曲は青空だが、研修医は暗くなってからしか外に出られない…
注5:無理矢理『スーパーローテーション』を省略。
注6:当然、モニターのアラームであるのことよ。
注7:Arrest。心停止。
注8:本当はながれゆく”雲”だけど、無理矢理病院っぽく。


二日ほど前、医長クラスの先生と、研修の方針に関して意見が食い違い(それだけじゃなくまー色々あって、私にも非があったのだけど)、研修医に上に意見する権利はない、みたいなことまで言われ、堪えていたけど悔し泣き。
他の先生方にまでなんやかやと気を遣わせてしまい、また別の医長に『女の子が泣くと、それは武器になってしまって、オレら男は何も言われへんようになってしまうからな…あかんで』と言われまた落ち込み。患者さんの前でないとはいえ、確かに勤務中。社会人としてちょっとアレでした…うぅ。にしてもやはり外科は男社会度めちゃめちゃ高いですな。

何か最近、我が医局の研修医ゾーンは悔し泣きブームのようで、もう替え歌でも作らないとやってけませーん。

↑ご意見を聴いてみるエンピツ投票ボタン。

泣きたい衝動を抑える方法をご存じの方、ご一報下さい。


...

直腸癌と乙女フィルター - 2004年12月01日(水)

先月半ば、チームを変わったことで、直接指導してくださる上級医の先生がMi先生@4年目新婚からOm先生@4年目モノマネ大王に変わりました。どちらも優しく教育熱心な先生方で、心密かに親しみを込めて『お兄ちゃんズ』と呼ばせて頂いてます。
唐突ですがOm先生は、某S武のM坂投手に激似なんですね。
どれくらい似ているかというと、

★10人中9.5人は確実に『似てるよね』と言う
★患者さんがついつい名前を”M坂先生”と呼び間違えていたりする
★S武優勝翌日の病棟回診でボケ気味の患者さんに『よくやった!!』と讃えられていた

…とまぁ、こんな具合な訳です。ご本人は嫌がるのですが、似てます。

さて。そんなOm先生と一緒に、直腸癌の50代女性を担当することになりました。ぽっちゃりめの上品なご婦人。
近県の某高級住宅街にお住まいで、最初はその近辺の某病院を受診されながら、何故か遠路はるばるこちらに転医したという奇特?な方です。

この方は直腸癌でもRbと呼ばれる特に低い位置に腫瘍があり、術式を低位前方切除術(※注1)とするかマイルズ手術(※注2)とするか、悩ましいところではありました。
(※1:低位前方切除術→直腸癌の術式の一。腫瘍とその周辺を取ったあと、骨盤腔の中で結腸と直腸を吻合するもの。比較的高い位置の直腸癌に適応)
(※2:マイルズ手術→腹会陰式直腸切断術とも。低い位置にある直腸癌に用いる。直腸と肛門を切除し、人工肛門を造り、お尻は閉じてしまう)


一応両方の可能性をお伝えしておかなければならないということで、メイン主治医のOm先生が説明を行ったのですが、癌というだけでも辛いところに人工肛門を造設するかもしれないというのが不安だったのか、患者さんは泣き出してしまい、それを主治医二人で宥め宥め説明を終えました。

落ち着いた頃を見計らって、身体所見と問診のため病室を訪問。
入院されるまでのお話を伺った訳なのですが。

『●●市民病院からですか、あちらも随分立派な病院ですよね』
『前の病院では…先生が…(以下、前医の対応の悪さを延々と語る)
『…それは大変な思いをされたんですね、それでこんなに遠くまで?』
『そうなんです!でも、ここにして本当に良かったわ。皆さんすごく親切だし…。それにOm先生は、本当に素敵な方ですよね…さっきの説明も丁寧にして下さって、覚悟が決まりましたし。上品で…それに爽やかで…』
『S武のM坂選手に似てるって、よく言われてますよ』











…そ、そうっスか(汗)?(;´Д`)

吹き出したくなるのを全身全霊で堪え、診察もそこそこにベッドサイドから退散したわたくしでありました。恐るべし、乙女フィルター。


追記:この方はお腹を開けてみると、思ったより腫瘍〜肛門挙筋の距離に余裕があり、結局低位前方切除術となりました。やれやれ。




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