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■ シューベルト:未完成・グレイト
シューベルトの交響曲は何番まであるか知っていますか? すこしクラシックに詳しい人なら「9番」というでしょう。
でもちょっとまってください。 1〜6番までは疑いようがありません。 しかし「未完成」と「グレイト」は何番ですか? 昔からのは「未完成」を8番、「グレイト」を9番としています。 7番はどこに行ってしまったのでしょう?
実は7番はあるんです。 オーケストレーションが済んでいないピアノ譜でしか存在していません けど。とりあえず後の人がオーケストレーションしたものがあります。 (指揮者のワインガルトナー、学者のニューボールト) でもいつまでもない曲に番号があるのは変だということになり、 最新版のシューベルト全集では「未完成」は7番、「グレイト」は8番 ということにしました。 そのためプログラムによって7番8番9番が入り乱れているのです。
そしてシューベルトといえば楽譜の問題もあげられる。 もともとブライトコプフの旧全集はブラームスが校訂したもので、その 時代は自筆楽譜の研究や初演のパート譜の比較など、厳密な原典研究を 行うというよりも今まで一般に演奏されていたパート譜を元にその当時 のニーズに合わせて作ったという、使いやすさを第一に考えて作られま した。 そのためブラームス自身の主観や多分こうだろうなあという推測で書か れた部分が出ている。代表的なものがアクセントなのかディミニュエン ドなのか区別である。シューベルトはこの2つの記号をほとんど見分け がつかないように書いているので、旧全集ではそのほとんどがディミニ ュエンドで解釈している。 新全集ではまずすべてディミニュエンドだったものを見直し、アクセン トに相応しいところはアクセントにディミニュエンドに相応しいところ はディミニュエンドにという形に改めた。だが場所によってはどちらで も通用する場所があり、そういったところは指揮者の感性に任せられる であろう。 また「グレイト」では第1楽章序奏部のテンポ設定も指揮者の見識が問 われるところである。序奏部はAndanteの2拍子。というと思っている よりかなり速いテンポであるとわかる。しかし結構ここのテンポをゆっ たりとして主部の直前でアッチェレランドをしてAllegroに入る演奏が 多いんですよね。 こんな細かい点に注意して演奏を聴くというのもまた一つの楽しみです。 ちょっとマニアックかもしれませんけど。
シューベルトの楽譜と演奏の問題を詳しく論じたものに 金子建志『こだわり派のための名曲徹底分析:交響曲の名曲1』 ジョス・ファン・インマゼール指揮アニマ・エテルナオーケストラのシ ューベルト交響曲全集(ソニークラシカル)のライナーノート。 が存在している。
2003年07月26日(土)
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