正確な羅針盤の針がかもめの心を刺す。鳴くことを忘れて飛ぶことさえかなわぬかもめ。かもめ地方に伝わる歌をささげよう。
鳴くことを忘れたカモメは、飛ぶことを忘れたわけではなかった。ただいくら羽ばたいても宙に浮かないおのれの体を呪った。
真っ暗な洞窟は潮の香。うごめく影は、潮に濡れる海藻。遠くから聞こえるかもめの声。
宝石に触れる細指。甘い言霊。秘地に走るぬくもり。君に包まれた至福の時。
夢の空、せつない思い、流れ星 何処に落ちる