まずは小手調べになにかしばりを設けてチームを作ってみようと思い、

(1) サイコチーム・たもつチームとメンバーがかぶらない
(2) 今まで出てきていない比嘉と六角のメンツを入れる

という二点を決めました。
はじめは投手選びから。なんと言ってもチームの顔です。あの跡部や手塚と対等に渡り合える肝の据わった選手、勝気で、華があって雰囲気を持っている選手‥‥と考えたところ、ブン太しかいませんでした。
ということは当然、女房役の捕手にはジャッカルを。サインに肯かないブン太はチームメイトたち(きっと他にもいるんだね)に嫌われがちなうるさい投手ですが、逆にそんなブン太を信頼して好きに投げさせてくれるジャッカルだからこそ、ここぞと言う時はブン太も頼りにしてくるわけです。

一塁は「出塁してきた打者をナンパ」しなければならないそうなので、房総半島のロミオさまことサエで決まりです。ナンパのことしか考えていないサエは基本的にはあまり真面目に守備をしません。しかしヘラヘラしながらもその長身を活かして押さえるところはきっちり押さえます。
盤面を見る落ち着きと守備範囲の広さを要求される二塁は甲斐くんです。なんかそういうイメージなんだよ、私の中の裕次郎は。
三塁は丸井くん大好き慈郎です。至近距離からの熱烈なエールで丸井くんのテンションを上げ続けます。ポジティブで、球に向かっていくタイプの子。
最後に、テレポートダッシュで広範囲をカバーする宍戸さんが遊撃手です。

外野です。左翼は岳人ですが、基本的にあまり送球できません。三塁の慈郎に回すので精一杯です。あとはひたすら捕球。そのかわり超華麗なフライングキャッチで、打球にフェンスを越えさせません。
そして殺し屋・木手永四郎があっちこっちに球を刺して刺して刺しまくります。モットーは走者皆殺しです。
そして二年エース切原が右翼を守ってライトゴロを量産します。まれに出塁した走者を狙って球を投げてくるので、特にツーベースヒットを打った時は気をつけてください。

あと打順を見てわかる通り佐伯の存在価値は打力です。打ちますよウチの四番は(プッ)。五番の向日はスイッチヒッターです。どちらかというと佐伯が走者一掃した後にダメ押しの追加点を狙っています。あと九番に入っている甲斐くんは実は下位打線の要で(甲斐だけに)、木手・丸井がセーフティにつなぐときっちり帰してくれます。
あと二番の切原は意外とクレバーなチームバッティングをしてくれます。先輩に華を持たせる感じでね。三番はあれだよ、きっちり帰すぜジャッカルが。三番だけにサンバのリズムでね(ぶっ)。

何が言いたいかというと補欠(代打)に天根がいます。


次は好きな子をいっぱい入れて組んだチームだよ。



参加資格は身長175センチ以上(千石除く)、その名も「昨年のジュニア選抜コンプリートチーム」です。自分で言うのなんだけど勝てる気しねぇ〜
まず真田がサードにいることがこのチームの癌です。きっとてんぱって変な雄たけびをあげるくらいしかできないよコイツ。
忍足は千の球種を持つピッチャーと恐れられていて、心を閉ざすことができるから絶対に球が読まれません。あっなんか良さそう!
でもそんな忍足のバッテリーの柳生は、レーザービームで盗塁を打ち取ることしか考えていないよ。真面目にやりたまえ。
跡部が外野手と言うのはなんかものすごい萌えます。

もう少し勝てそうな感じに改造してみました。




とりあえず真田をコンバート。なんかこいつに野球ができる気がしないので、この際だからピッチャーです。ついでに打順も四番でどうだ。エースで四番だぞ真田、嬉しいか。

真田のおもりは仕方が無いので跡部くんにお願いします。アニメ版ジュニア選抜でダブルスを組んだよしみです。ここでもゲームメイクは跡部の手に。俺様の配球に酔いな。真田は素直に従順に言われた通りの球を放りますよ。跡部さまご満悦。

本来真田の面倒を見るべき柳は何をしているかと言うと、二塁で、ショートの千石くんとお喋りしてます。時々センターから貞治が話しかけてくるけど、うざいから聞こえないふりしちゃえ。
千石は断然ショートです。だってスヌーピーが守ってるポジションなんだよ!!
何でもできるであろう器用な仁王くんを三塁に、柳生くんのレーザービームは右翼の盾に、真田ほどではないが融通のきかない手塚はおとなしく一塁に、という感じでこのチームは完成です。忍足は控えのピッチャーなんやで。疲れたらあかんから三塁までしか投げへんのやで岳人。外野が眼鏡だらけです。

打順はなにかと滑りやすい四番・真田をここでも跡部がバックアップ。うっかり真田が満塁打をかますとネクストバッターズサークルで舌打ちしてるという噂は本当です。
一回りして柳生・忍足・乾の眼鏡三連星が出塁している時に仁王くんが放った長打でクリンナップされると比呂士の仁王くんに対する好感度も上がろうというものです。千石が七番なのは偶然です。

控えには本誌で馬鹿どもの割を食って登録から外されてしまった浪速のスピードスターを入れておきましょう。応援よろしゅうな。


そんなわけで丸井くん率いる剛打ジャイアンツ(天根命名)と真田くん率いる魁☆ハムちゃんズ(千石命名)は練習試合のお申し込みをお待ちしています。

2007年01月30日(火)

【あきすとぜねこのお告げ】

きよすみさんはけいごさんを
『あいしてる』と思っている。

けいごさんはきよすみさんを
『こいびと』だと思っている。




あいしてるきらいすき
 ともだちぜっこうねてるこいしてる





「親友になれる可能性100%だって」

 もごもごと布団に潜り込んだのは照れ隠しでも、まして甘えてるのでもなく防御だ。かこかこかこ、ピピピピ、キー操作音をオフしてない千石の携帯は本音と建前を一度に喋る。

「何が」
「俺と彼女」

 タオルケットとシーツの間の温度は熱帯に達した。跡部はぼんやりと、自分の手足に籠もった熱の感触を意識していた。動かない気がする。動かせない気がする。あんなにも忠実に自分の望みをかなえていたそれらが、今はもう自分の下僕(しもべ)ではないようだ。

 体が水に浮いてるようだ。顔だけを水面から出して、跡部は一定速で呼吸した。水の中で膝を抱えている千石はさっきからちっとも上がってこない。息をしてないのだろうか。背中が冷たい。

「なんで」

 千石は水の中で、くるくる宙返りをしながら水面を仰いだ。とても自由そうで、退屈そうだった。

「あきすとぜねこのお告げだよー」
「なんで親友なんだ」
「なんでだろ。別れたからかな、昨日」

 気泡のように、千石の言葉はぷくぷくと浮かんでは弾けた。千石はなにもかもを等しくどうでもいいように話した。それなりに、友達として長くつきあってみたが、そのことに裏はない。千石にはなにもかもが等しくどうでもいいのだ。というよりも、自分がそれにどんな重要度をつけるかだけが最もどうでもいいのだ。

 どうでもよくあしらわれたことなど跡部はこれまでなかった。しかしそんな理由で興味本位に抱くほど軽率ではなかったと思う。だって今更こいつとだ。犠牲を払う覚悟もしてた。

「聞いてねえ」
「言ってないから。聞いてたら怖いよ」
「なんで別れた。理由は」
「きみには関係ない」

 言うと思ったぜ。予定通りの返事は、別に面白くないので黙っていると、布団の中から不安げな声が言った。

「なんちゃって」

 それでもしばらく黙っている。本当はもう布団から出たい千石は、頼りなく苛ついた声で跡部を責めた。

「ないけどさ、いつものことなんだよね。俺って浮気性なのかな」
「てめえが一番よく知ってんじゃねえのか?」
「でも大丈夫。絶対許すよ、俺が謝れば」

 倦んだ手足に力を込めて、跡部は熱帯のシーツに潜った。赤味を帯びたような暗がりの中で千石の顔かたちは、千石にも見えたし知らない奴にも見えた。手探りに千石の携帯を取り上げて適当なボタンを押す。ディスプレイの光は青白く二人を照らした。夜光虫のようだった。

「謝るなよ」
「冗談だろ」

 柄にもなく真面目な顔で千石が言う。その髪に乱暴に指を差し込むと、まるで水の中のように柔らかく絡んだ。

 一度目は勢いで抱いた。多少舞い上がってた。でも二度目は全部知って抱いた。格好つけようが虚勢を張ろうが、千石の体は馬鹿みたいに正直だった。誰に対してもそうじゃないことだって跡部はもう知っている。

「俺とお前は占わねえのか」

 抱きしめると笑えるほどぴったり腕に収まった。ここ以外の場所にしまおうなんて馬鹿みたいだ。馬鹿げてる。

「やめてよ。信じないだろ跡部は、占いなんて」
「お前は信じるんだろ」

 千石は笑って、その後でわざとらしく唸った。もし自分たちが親友にもなれたなら、千石ははじめから素直にすべて口にしたのかもしれない。などと考えるのが全く性に合わない跡部は、唇に触れている痩せた髪の毛を噛んだ。酸っぱいような気がするのは酸素が足りないせいだ。



(終)


彼女じゃなくて、はじめは忍足でした。

2007年01月05日(金)

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