雑記帳

2007年05月23日(水)

通勤電車の中でよく本を読む私は、一月ほど前から金属製の靴べらのような形の、背に引っかかるところにちょっとしたオーナメントがついている栞を使っています。
ところがこれが結構抜けやすいのです。鞄から出すとき仕舞うとき縁に引っかかったり、思いもよらないときにもぽろっと落ちてしまいます。

今日は準特急から向かいの各駅停車に乗り換える時にいつの間にか落としてしまったようです。
突然後ろから声がかかりました。
「落としましたよ」
振り返れば、大学生くらいの女性でした。私の後を追ってきて下さったのです。準特急は各停に連絡すると、先に出発します。彼女はまだ先に行くらしく、慌しく準特急に戻っていきました。
たかがちっぽけな栞です。そりゃ本屋のレジでご自由にお取り下さいになっている紙っぺらからすれば多少はしますが、どう考えてもご自分の電車と天秤にかけるようなたいしたものじゃないです。気付いても無視するのは簡単です。
そんなものの為にわざわざ電車を降りて追いかけてくれた。だからこそ、嬉しかった。
世の中捨てたものじゃないですね。

お姉さん、ありがとうございました。
貴女にも良いことが溢れるように降りかかりますように。



2007年05月13日(日)

ある日のこと。

社内便を開封したら………………涼宮ハルヒがふんぞり返っていました………………orz

最近は学校の図書館にもライトノベルが入るんですね。
専門書や学術書の多い中、アンガ・アニメ絵を見るとふっと心が和みます。
ちなみに、涼宮ハルヒがわからない方はこちらに→


今日もこの穏やかな日に、感謝を



2007年05月03日(木) あれば便利かもしれないけど

少し前、新聞の投稿欄に中学生か高校生の文が載った。
三月半ばから首都圏で運用が始まったPASMOが、好評すぎて数が間に合わなくなり、しばらく定期券用のみの販売になってしまったことに関してだった。
彼だか彼女だかはこんなに便利なのに、利用できないのは社会的損失だから早く再会してほしいと切々と訴える。
便利=善、不便=悪という単純明快な溌剌とした若々しい弾力に溢れた論理が眩しい。
きっとこの子には、老いも若きも皆PASMOを持って、颯爽と行き交う明るい未来ばかりが見えるのだろう。
でも実際には単純に便利がよいというものじゃない。自由で便利、いつでもどこでも、と広がっていった携帯電話が今どうなっている? 列車内や車の運転中の通話、犯罪に巻き込まれる子ども。あの夢のようだった、キラキラしていた鉄腕アトムの時代が自分の手の中に納まったというのに、意外とリスクが重い。
PASMOに戻って、私自身もつい最近、ハッとした事があった。
都心に出かけた帰り道、都心のことだから帰宅のルートは無数にある。東京メトロに乗っていた私は、私鉄本線沿線の自宅に帰るのに当初、「Sい」駅で同じ私鉄の支線に乗り換え、更に本線と交わるM駅で本線に乗り換えるつもりだった。
でもふと、それでは座って帰れないのではないか? と気がつき(苦笑)、メトロを「Sい」で降りたらJRに乗り換えて私鉄本線始発駅の「Sろ」駅まで行き、そこから一本で帰るのはどうだろうと考えた。乗り換えは件のPASMOなので、いちいち切符を買う手間はない。
でもそこで更に気がついた。いくら乗換えが簡単になって改札to改札になったからといって、運賃が割り引かれたりタダになるわけじゃない。ちゃんとPASMOの中から差っ引かれている訳ですよ、奥さん?
我に帰って私は、始めの計画通り「Sい」駅で支線、M駅で本線に乗り換えて帰った。

PASMOは『無くちゃ困るもの』ではなく『あれば便利』のひとつに過ぎないと思う。そして『あれば便利』って言うものは、案外持て余されるものだ。私は私鉄を通勤に使っているので早い段階で切り替えていたけど、『便利に使われる』こと無く、こちらでちゃんとコントロールして使っていきたい。

私も投稿者の年だったらきっと同じことを考えていたと思う。少々年を食ってしまったかなと少々寂しいけど、気づいてよかったと思ってもいる。
君に、ありがとう……


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