まだ残ってるとは思わなかった。

情報技術の残骸よ。インフォメーション・テクノロジィ。



最近はどうも、ヘコんでばっかりいたものだけど。

私を傷つけるものを遠ざけたとたん、時間は私に優しくなった。

ただ過ぎて行くだけ、それが私を癒してゆく。

自然治癒力、名前だけじゃないんだな。



私はこれからも生きてゆく、

私が消えても、露ほどにも困らない、この世界もまわってゆく。

これで、正しいのだろうか。






私がこの世界中で、一番愛しい存在を消した。

この世をのうのうと生きる人間と変わらない１人の人間を、殺してしまった。

心臓は脈打ち、眠る姿は私となんら変わらないあの子を。


どうしてそんな大事な、生命の手綱を、私が持つ事になってしまったんだろう。

こんな出来損ないが、どうして。






傷は深い、いつも自分で塩を擦り込む。ありったけの力で。


私なんかもっと苦しめばいい。

報われる事の無い思いを、抱き続ければいい。



そんな事ばかり渦を巻くこの世界が、悲しい。

価値を、見いだせなくて、やはり最後には、絶望しか残らない。




だが人間は、学ぶために生きてゆく。

藤崎古流都