2003年09月24日(水) help or hurt 得か損か
ラップやヒップホップのおかげで日本では韻を踏むのがメジャーになった。
勝てば官軍、飲むなら乗るな・・・昔から頭韻はある。 

英語にも五万とあるけど、/h/の音が共通の頭韻helpとhurtのコンビは一見変だぞ。どうするんだ、この二つ。

 Will Godzilla help or hurt the Yankees?

 (ゴジラはヤンキーズを助けるか傷つけるか?)

つまり、松井を入れることがヤンキーズの吉と出るか凶と出るか?
福となるか禍となるか?
貢献するか、足を引っ張るか?
(答えはhelpが正解だった。)

 Do unions help or hurt the US economy?

 (組合は米国経済をよくするか悪くするか?)

 Do banks help or hurt in crises?

 (危機に於いて銀行は役立つか役立たずか?)

 Sesame oil helps; it won't hurt.
 
 (ごま油は体によい、有害ではない)

この項目はhelpかhurtか、どちらでしょう?

 It helps.(役立つ)

というのがいい答えだろう・・・

次回も、しばらく、韻表現を。



2003年09月16日(火) has a clout ゴツンを持っている

cloutは拳骨でゴツンとやること。
あるいはイチローがバットでカーンと打つこと。
ゲルマン語のklautからという説あり。
KLOUT!と書くとカツーンという感じか。かなり痛そうである。

さて喰らうと酸っぱいのはホッドドッグでもおなじみのサワークラウト。
これも英語がドイツから借用したものだが、こちらはsauerkrautで[ r ]のクラウト。
「酸っぱい緑」という意味になる。krautはキャベツだと思っていたら緑だった。

[ l ]のcloutに戻ると、これが「(特に政治的な面で)影響力がある」という意味。
ゲンコツ力は政治力か。
やはりshake one's fist(こぶしを振る)は力の(欲しい)象徴か。

このcloutがなくなると「勢い・影響力」がなくなる。
前回は俳優のデ・ニーロが「牙」を「刃」を失ったのまだあるのという話だったが、ゲンコツ関連では別のサイトにこんな記事があった。

Has Europe lost its clout?(ヨーロッパは影響力を失ったのか?)
http://www.businessweek.com/magazine/content/02_06/b3769607.htm

Unions have lost their clout.(労働組合は影響力を失った)
http://www.google.co.jp/search?q=cache:SDMs5G3zDCoJ:www.philly.com/mld/inquirer/news/special_packages/community_voices/chester/6657405.htm+has+lost+a+clout&hl=ja&ie=UTF-8

「ゴツン」や「カツン」を「持っている」ことがこんな風に使われる。

Our union still has a clout on the company.(うちの組合はまだ会社に怖がられている)

こんな組合もあるのかな。

クラウトじゃあうちの方が上だよ、といったなんのこっちゃ日本語化はまだ始まっていない。

一発クラウトをかますとかもまだである。




2003年09月14日(日) has an/the edge エッジがある
has an/the edge “端”がある

“'端’を持っている”というのは、「強みがある、ほかの人より有利だ」ということ。このedgeは、「端」から「じ」を取り去って「刃」といおうか。

これに関連したものに、「最近のロバート・デニーロはエッジをなくしたか?」という物議をかもしそうなスレッドがあるので興味のある方は以下へ。

 Has De Niro lost his edge?
 http://www.killermovies.com/forums/archive/index.php/t-6154

論議はそこのNoodlesさんをはじめ関係者に任せるとして、

 We’re on the cutting edge of technology.(我が社は技術の最先端にいます)

という表現もしっかり定着している。
刀やナイフの峰でなく、刃のほうをcutting edge(切るほうの端)という。
その先に乗っかっているというイメージ。
CGIのようなつるつるぴかぴかのイメージ?!

この鋭いedgeを失ったのではということでワイワイ騒いでおるわけです。
和風に言えば、「デニーロは牙を失ったか?」か。
そういえば最近出演作は多いけど、タクシードライバー級のものは・・・と自分も巻き込まれてしまいそうだ。ジャック・ニコルソンも渋い快作『アバウト・シュミット』では、期待に反して爆発がなかったし・・・。小説の方はなかなか派手で面白いが。それはともかく。
edgeは、鋭さ、シャープさのイメージ。

で、

 X has an/the edge on/over Y.(XはYより有利だ、強みがある)

という表現。Yよりシャープさがある、という感じ。
端に置いておけないedgeだ。

 「エッジがある」

というなんのこっちゃ的日本語化が進んでいる・・・。


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