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また、足跡を残したい方、将来お知らせなどを送ってもらってもよいぞという方は: iwashere@kentoyama.com まで。
さて、英語で付き合いが始まると、mapが会話に登場することがある。まず覚えておくべきことは、toを使い、
a map to どこどこ
というパターン。
a map to my place
なら自分のところまでの地図。
Do you need a map to my place?
と尋ねることもおそらくあるでしょう。
my placeは、my apartmentかmy houseかmy palaceかなどと迷わずにすむことば。
とにかく相手の意向を尋ねて見るのは、やり取り好きの英語国民にはよいのです。この質問から、
Yes, that would help./Okay, here you go.(はいどうぞ)/Thank you./ You’re welcome.
といったやり取りが生まれる。この双方向性が英会話の自然さに通じる。
Let me draw you a map.(地図を書きましょう)
ということにもなります。
近年、充実度を増している地図が、
genetic map(染色体地図)
昔の英語圏の男性は、Are you a man or mouse?(あんたは男かねずみか? それでも男か?)などと真価を問われたようだが、最近は、
mouse genetic map, human genetic map
などが取り揃えてあり、違いは科学で証明できるようだ。
atlas(地図帳)を開けば、カラフルに国別の世界を示しているページ、
a map of the political world(世界政治地図)
が出てくる。
ボブ・ディランのPolitical Worldという歌では、比べればエルビスがオペラ歌手に聞こえるような、そんなあの声で、We’re living in a political world. Love don’t have any place...(世の中みな政治、愛など住めるところかよ・・・)ときしむようにしかも乗りよく軽やかに歌う。「・・・平和はうとまれ ドアからはじかれ さまよい歩くか 壁で行き止まる」
しかし地図にもいろいろあるけれど、どんなmapもかなわないのが、
a map to your heart (あなたのハートへ至る地図)
貴重な一枚。
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2002年02月24日(日) |
Life begins at forty. 人生は40歳から。 |
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今日は広い年齢層を、ある英語の決まり文句にひきつけようという魂胆。拙著からの抜粋です。
40といって落胆することはない、人生はこれからだ、というこの言葉は、国民の寿命が伸び始めた米国で1932年に出版された本の題名から来ています。
作者のW.B.Pitkin教授は、
Life’s afternoon is brighter, warmer, fuller of song ...(人生の午後はより明るくより暖かくより歌に満ち・・・)
と述べています。
こうした前向き野姿勢で書かれたこの本は、大恐慌という時代に光明をもたらし、同じタイトルで大ヒット曲が生まれるほどの人気となりました。
これ以前にあった40歳という年齢に関する決まり文句といえば、 A fool at forty is a fool indeed.(四十の馬鹿は真の馬鹿)というたいへん暗いものでした。
確かに現在でも、40というのは中年(middle age)の始まりと見なされています。しかし、「四十、五十は、はなたれ小僧」という日本の決まり文句もあります。
高齢化社会に生きる我々は、40のところを、たとえば、 Life begins at sixty.
などとして、元気をだすこともできるのではないでしょうか。・・・
会話例 中年にさしかかる二人の話です。 A: Tomorrow is my birthday. A:明日は僕の誕生日ですよ。 B: Really? This calls for a B:本当? じゃお祝いしないと。 celebration. A: Oh, no. I’m turning forty. A:いやそんな。40になるんだ。 B: What do you mean? B:いいじゃないの。 Life begins at forty! 人生は40からよ!
CDブック『遠山顕の英会話・150のスパイス』(講談社インターナショナル) 78-79頁より抜粋
以下余談: ところで、冒頭の40歳の歌の途中のsongですが、aもtheもない、複数のsもつかない、ごろんとしたsongです。
これは、概念としての「歌」を表します。詩ではとくにこうした手段をよく用いますが、たとえば人類をmanで表すのもそうです。
ただこれは、男性中心的な方向性を強くもった詩的呼び方で、女性ならずとも気になるところです。
『名犬ラッシー』には、
between man and dog(人と犬の間の)
という表現が出てきます。これは人間と犬という大きな概念を表しています。これを見ても、dogが両性をカバーしているのに対し(Lassieはその「女の子」という名からもわかるようにメスの犬です)、manは男性的です。
人類を、manとか、もうひとつのmankindとかいわずに、
person
とするのはどうだろう。これで人類があまり地球で偉そうな顔をしなくなるのではないかと僕は思うのだが。
2002年02月17日(日) |
break ブレーク |
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お知らせ 最近の3拙著はそれぞれ元気です。読んだり聴いたり笑ったり目からうろこを落としたりが未だ、という方は是非。 1 『英語劇場 わらしべ長者』(NHK出版CD付き) +「ねずみの嫁入り」「花咲じいさん」「かもとりごんべえ」「貧乏神」 2 『英文法31のツボで英会話名人』(講談社+α文庫) 会話のコリを文法で取る本 3 『脱・「英語人間」』(NHK生活人新書) 話学7つのヒント
さて、 break は日本語になっています。それも結構いろいろある。「5分間ブレークにします」。クリンチするボクサーに審判が「ブレーク!」。ビリヤードテーブルの9つのボールに手玉を当てて散らすのもブレーク。テニスはブレークだらけ。最近では、「あの歌手が大ブレークした年は・・・」という表現も定着の様子。
みなそれぞれニュアンスが違うけれど、ただ共通するイメージは、今やっていることや今あることから急に離れたりそれらをパッと壊して別の形にする。
I need a break. (ひと休みしないと)
これは、「今やっていることを中断し、しばらく離れる必要あり」という気もち。
ビートルズの「アンド・アイ・ラブ・ハー」の出だしとよく似たメロディーで、Time will not wait for me...(時はどんどんすぎ去っていく・・・)と始まるのが、ビーチボーイズの、
“Break Away”
この歌の大意は、今の膠着状態から、自由に生きられる世界へ向かって飛び出さなければ、というもの。awayが、離れるという気持ちを強調。
こんな表現はどうでしょう。
break with tradition (今までのやり方を変える、伝統と訣別する)
という常用表現です。「tradition(伝統)と一緒にブレークしたら離れることにならないだろう!?」という第一印象がある。もう一度見ても印象は変わらない、というちょっと困った表現です。
別に、 break from tradition というマイナー版がありますが、こちらは「伝統から(from)ブレークする」ということで意味納得満足。
ではwithはというと、これはあの、 fight with the enemy (敵と戦う)、というときのwithです。要するに、伝統というものを相手取ってブレークする、というイメージ。
It’s difficult to break with tradition. (いままでのやり方を変えるのは難しい)
これなど、ゴミ、汚染、その他、人間が起こしている根の深い環境問題を論じるときに、すぐ出てしまいそうな表現です。
She made a break with tradition and started a new dancing style. (彼女は伝統なダンスと決別し、新しい踊りを始めた)
と、make a break with traditionという形もある。
というわけでbreakは新しい展開を示唆します。ある方向に進んでいたものが、急に方向転換する。野球で、
a breaking ball (カーブなど変化球全体をこう呼ぶ)
というのもこれです。球が途中でブレークするのです。
では人間がブレークするとどうか。ある人間に、急に新しいexcitingな方向性が生まれたとき、 GET を使い、<誰々got hisまたはher break.>といいます。最初のブレークなら、<誰々got hisまたはher first break.>です。
エルビス・プレスリーが、エルビスらしくなく歌っていた時期がありました。駆け出しのころ。ところがある日、いつもの録音スタジオで、休憩中にふざけてやった歌い方が大受けとなり、それが正調エルビス節となったというエピソードがあります。その歌が「ザッツ・オーライト・ママ」。
Elvis got his first break with “That’s All Right, Mama.” (エルビスは「ザッツ・オーライト・ママ」で、最初のブレークを果たした)
となります。この場合のwithは「・・・で」という手段のwithです。He got his break during a break!「彼はあるブレーク中にブレークした!」という(注1:日本語でも英語でもそれほどおもしろいものではない)、常識を超えたThe Kingらしい快挙。
そして彼の大ブレーク(his big break)はあの「ハートブレーク・ホテル」。
He got his big break with “Heartbreak Hotel.”
おお、これまた、ダブル・ブレーク!(注2:注1に準ずる。)この曲では歌声にエコーをかけてあります。悲しい名のホテルの淋しい廊下、ロビー、部屋などの感じを出したのか? でも彼の曲にはエコーが多い。あんなにうまい人がエコーはいらないのでは。しかしbathroom singer的、シャワーで鼻歌的な、気取らない感じもあって良いのですが。
閑話休題。ブレークというのは、壊すだけではない、自分でも壊れないといけない、と僕は考えます。自分の殻を破るというか。休憩中に出鱈目に歌っているエルビスのイメージ、その様子は、一人自室で英語っぽい発音で乗り乗りで読みの練習をする、あの恥ずかしさと興奮まみれの気持ちにも、うーん似ている。時には「伝統」を捨て、「壊れ」ましょう。
Because that way, YOU may get YOUR big break! (なぜならそうすることで、あなた自身の大ブレークの予感が!)
2002年02月05日(火) |
stride (大股 おおまた) |
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stagger (よろよろ歩く)を以前にとりあげました。今回はしっかり大股で歩きましょう。
この stride は動詞ではあまり使われず、
walk in strides(大股で歩く)
となります。strideで大股。大股が何歩もあるというイメージでin stridesと複数 s が付く。
これ、股関節によい(It’s good for your hip joint.)ようです。気分も悪くないし。
さてこのstridesが、great strides(大大股?!)に改まった表現が、
make great strides
何かが偉大な大股の歩みを作りあげる、要するにいわゆる、「長足の進歩をとげる」こと。文語です。スピーチ、会社案内などに最適。
make rapid strides
こちらは「早足の大股」で、「急速な進歩をもたらす」という感じ。
The Internet has made giant strides in the area of global communication. (インターネットは世界の通信分野に巨大な進歩をもたらしている)
このようにgiant stridesと巨人を思わせる大股表現まである。
さて次の表現は会話表現。キリリと大人の表現、大人の効果の出るもの。 ちなみに、大人とは15歳くらいからだ、と考えると外国語は伸びます。無理しましょう、若者よ、そしてun-若者よ。 基本的な単語を知っているのはプラスだ。それを組み合わせると複雑なニュアンスが表せるという英語の大きな秘密を知っているのはもっとプラスだということを忘れず頑張りましょう。 さて会話表現とは・・・
take it in stride (トラブルをやすやすと乗越える)
大股でそれをテークする!? ああイディオムはわからん、といわず、Take it easy.(落ち着いて)
ちなみにTake it easy.は、何かのシチュエーション(それをitであらわしている)があって、それをeasyにテイクせよ。つまり、難しくせず、楽に受け入れろ、考えろということ。
take it in strideは、ある苦しいシチュエーションがあったとして、それ(it)を大股で考える、つまり乗越える、ということ。たとえば、 A: My mother lost her husband at 30. She was left with a baby, that was me. B: That sounds tough. A: I think it was. She had nobody to depend on. B: That sounds really tough. A: But she took it in stride. She held two jobs. I never heard her complain about anything. B: Wow. Mother Courage. A: Yes, that’s what she was.
A: 母は30のとき夫に先立たれたの。二人きり になったのよ、赤ちゃんと、それが私。 B: 辛そう。 A: だったと思う。頼れる人もいなかったし。 B: 本当にたいへんそうだ。 A: でもちっともめげなかったの。仕事を2つ持って。 文句ひとつ聞いたことがなかった。 B: うわ。肝っ玉母さんだ。 A: そうね、それよ母は。
これ、まず辛い状況があり、それ(it)に負けずに乗越えるというイメージで使います。
People of the village took the tsunami in stride. They started to reconstruct the broken down fish market right away. (村の人たちは津波もなんのその。皆で壊れた魚市場の建て直しをすぐに始めたのです)
Moral (教え、教訓):strideで歩くのは体に良い。strideで受け入れるのは人生に良い。
似たことばに straddle がある。これ、またがる、ということ。
straddle a chair (椅子にまたがるように座る)
あるいは日本男児が行儀悪くやるあの何とも暖かい、
straddle a hibachi (股火鉢をする)
ただhibachiは英語になっているだけでなく、意味まで西洋化していて、要するに七輪。上に金網を載せ、charcoal(たどん風の炭)で肉を焼いたりする道具のことになっている。hibachi(ヒバーチ)はレストランにあるので、ここはJapanese hibachiと断ったほうがいいけれど、座して手をかざすあの火鉢のイメージは伝えにくい。charcoal heaterとかであきらめてもいい。つまるところ英語で股火鉢は難しいということです。
この時代、このtake ... in strideという表現を使える“チャンス”はたくさんある。習ったものはすぐ使って慣れよう!
2002年02月01日(金) |
religiously (ひたすら) |
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お知らせ 著書紹介のページ(工事中)に書くべきところ。 本が2冊出ました。 1 『英語劇場 わらしべ長者』(NHK出版) 2 『英文法31のツボで英会話名人』(講談社+α文庫)
もうひとつ。 広島平和文化センターでの講演が終わりました。350名の方々に来ていただき、当方感激。あまりの感激に12行の早口言葉BETTY BOTTERを説明し、皆さんと練習したあと、自分で一息でやるのをコロっと忘れ、最後のQ&Aセッションで、最前列の高校の先生に親切にリクエストされ・・・。で結果は? やりました! 参加者の皆さんと舞台での話学エクササイズも見事に決まり、口と目と耳と足とお腹(笑いのため)を動かす話学理想の講演でした。国際交流協力課の主査はじめ多くの職員の皆さんと、日米協会の方々に、大変お世話になりました。2年越しで実現したこともあり、よい記念と思い出になりました。翌朝はホテルから5分ほどの川辺にあるドームに行きました。きれいに管理された周辺とドーム、そして近くにコンビニがあるのを見て、涙腺がゆるみました。真の国際マナーとは、互いに自文化を他文化に押し付けすぎないことだと思っています。押し付けが極端になれば最後は戦。が並大抵のことではお互い守れないのもこのマナー。センターの皆さんのお仕事にエールを送ります。
では今回のKENNISMS。「アイム・ア・ビリーバー」というヒット曲があります。モンキーズですが。
Then I saw her face. I’m a believer...
そして僕は見た、彼女の顔を。僕はビリーバー・・・。
というわけで、それまで恋なんて信じてなかった自分が、がラッと変わった、という歌。恋を信じるぞお、恋の信者になるぞおお、という感じ。
I Believe In You
という歌もあります。同じタイトルで違う曲がどっさりありますが、気持ちはひとつ。あなたという人を信じるということ。
I believe you.
だと、あなたの言うことを信じる。in.があるほうが深いというか。
Faith(信仰)という女性の名があります。HopeとかChastityとか、精神的な高貴さを人名化したもの。日本語ならそれぞれ、Faithが信子、Hopeがのぞみ、Chastityが操、といった感じでしょうか。
I have faith in her.
これは、彼女が悪い人ではない、悪いことなどしないと信じている。あるいは、彼女は絶対に良いことをしてそれがうまくいくと全面的に信頼している、ということ。
宗教的であり、しかも日常使われる英語。もうひとつ。
religiously
これは、宗教的に、というより、熱心に、心をこめて何かをするという気持ち。
My father religiously tends to his roses everyday.(父は毎日バラの世話に余念がない)
Every morning my sister religiously goes to Starbox and has coffee.(姉/妹は毎朝必ずスターボックスに行ってコーヒーを飲む)
など宗教とは関係なく使われるところが憎い言葉です。
代わりに、 always ...(いつも・・・する)とか、never fails to ...(必ず・・・する)という表現もあります。
ところで、今回出た本のうち、「わらしべ長者」で、観音様を英語でどういうか、翻訳時にちょっと苦労しました。観音様は男女どちらでもない、という解釈があるからです。
こういうとき英語面で頼ってしまうのがオックスフォード大辞典ですが、そこでは観音は、中国風の Kuan Yinとなっていて、定義はgoddess(女神)。中国では、観音娘娘(クワンインニャンニャン)ともいうそうで、やはり女神のようです。
英語はGod(男神)かGoddess(女神)かの区別をしいられます。 日本の観音の本家といってもよい浅草寺のウエブサイトの英語版を見てみると、これまた Goddess of Mercy(慈悲の女神)となっています。英語全体のヒット数も、God of Mercyよりぐんと多い。
英語でどちらでもありうる神様ということばにdeityがありますが、もしも代名詞を使うなら、Heか sheであり、Itはなかろうと思われます。
英語の性別に対する強いこだわりを感じさせる「わらしべ事件」でした。
もう一冊の 『31のツボ』のほうですが・・・これはもうひたすらツボを見つけて押して religiouslyに英会話のコリをとってください!
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