forget-me-not

2004年09月27日(月) おめでたき女

はい、私のことです。

誰にもどこにもいえないのであえて書きますが、
最近、きれいなったともっぱら誉められる。

もちろん、同性のみに。てへへ。

私って、本当に子どもの頃から同性受けがいいの。

なのに、異性にもてないの。ぷふふ。

もてる気もさらさらないし。・・好きな人以外には。

世の中、上手く出来てるわよね。

そんな私の今のボーイフレンド。

三十路も近いというのに時々大人の皮を被った子どもなんじゃないかと
本気で疑いたくなる時がある。

彼は、辛いものがダメだ。

すっぱいものも苦手だ。

ビターチョコは苦くて食べられない。

横浜ランドマークタワーの観覧車に乗ると、乗った途端、しかっと
手すりを握って離さない。私が彼の隣に移動をすると、“バランスが
くずれるからやめてっ”と顔面蒼白。

ジェットコースターに二人で乗り込むと、発車寸前に自分だけ飛び降りる。

お化け屋敷に入ると、彼女(私。しかも足ヒョウソ。)の声に
ビビッて私のつま先を力いっぱい踏んづける。

好きな飲み物は、コーヒー牛乳。

夜に物音がすると、素でびびって耳を澄ましている。

私がメールをシカトしてると、本気で慌ててる。

好物は、お子様ランチで出てくるメニュー。(ミートソースとか
ハンバーグとか。)

お酒、たばこは匂いからしてだめ。

週末の朝は、アニメ「けろろ軍曹」を欠かさず見ている。

自分や周囲の人々に変なあだ名をつけている。

得意料理は、たまごかけご飯。

レストランで食べるとすぐネクタイやシャツに食べ物をこぼす。

スーパーで買った食材はなんでもかんでも(パンでも調味料でも)
全部冷蔵庫に入れてしまう。

ピーマンは苦くて食べられない。

怖い映画がいっさいだめ。(サインとか、シックス・センスとか。
怖くないっちゅうんねん。)


・・これまで好きになってきたタイプと何から何まで相反するけど、

相、反するはずなんだけど、

一歩間違えば、

いや、間違えなくても

もしやこれが今、巷で流行りのヘタレなんじゃないかと思うこともあるけど、



底抜けにやさしい彼といると



・・何故か幸せなおめでたき私。






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2004年09月25日(土) 周囲を傷つける傷ついた女

はぁ、つかれた。

今日も午前中は仕事でとある学校訪問。

そこでまた遭遇してしまった。

“周囲を傷つけずにはいられない傷ついた女。”

なんでなんだろうな。

自分が傷つくことには過剰なほど敏感なのに、他人を傷つけることは
異様なまでに無頓着な女。

彼女が傷ついたのはわかるけど、だからといってまだ子ども相手に、
おまけに言葉もおぼつかない留学生に対して罵倒するってどういう
神経なんだろう。

おまけにそれを周りで静かに見守っている私たちの気持ちに対して、
配慮のかけらもないのだろうか。

そして、そんな傷ついた女の共通点。

孤独。

寂しい。

なぜなら、人が離れてしまうから。

みんな、腫れ物のように扱って、寄り付かなくなるから。

被害者意識の塊で、コントロールフリークで、潔癖症の完ぺき主義で、
強迫観念症で、自分の思い通りにならないとヒステリックに情緒不安定に
なるような人。自分にはまるで非がなくて、自分を正当化するために周囲の
大切な人々を傷つけずにはいられない人。

私はそんなタイプの最たる人物が、うちの母親だと思っていた。

なぜなら、私も少なからずそのtraitをしっかり受け継いでるから。

でも。

この年になると、いろいろと見えてくる。

案外、こういう女ってザラにいることに。

今の仕事をしていると、本当にいろんな人々に出くわす。
それだけでも、いい勉強になっている。

・・今日の人も凄かった。私なんて、初対面で完全無視。

何年大人やってるんだ、この女。

まあお好きにどうぞって感じだけど、気の毒な人。

その場にいるみんなには見えているのに、一人だけ見えていない、
かわいそうな人。

この人、このままじゃ絶対幸せになることはないだろう。

どんどん人が離れてって、ますますおかしくなるだろう・・。


そこで、気づいた。

人の幸せなんて、半分おかれている境遇、半分はその人次第
なんじゃないかってこと。

幸せな人って、案外どこいっても幸せだし、
不幸な人って、案外どこいっても不幸だったりする。

境遇はあくまで境遇。それに大してどう思うか、感じるか、対処するか、
で幸せと思うか否かが決まるように思う。

ああいう傷ついた女は、さわらないに限る。

なんといってもコンテイジャスだから。

本人が本当にひとりぼっちになって気が付くまで、

さわらないに限る。

クライアントならともかく、

他人であれば、尚更だ。

私には今、守らなければならない生徒たちがいる。

私は、自分の仕事に徹するまでだ。

・・徹するまで。


そういえば、ひさしぶりにM氏からメールが来た。

今、幸せですか、というメール。

自分で言うのもなんだけど、とっても幸せな今、

なんでM氏は今も連絡を取ってくるのかな、と素になって考える。

たぶん、寂しいのかな。

私に対して、愛はなかったはずなのに、
彼なりに友情とか情をかけていてくれたのかもしれないな。

まあ別に喧嘩して別れたわけでも、仲たがいしたわけでもないから、
普通に連絡を取ってくるのかもしれないな。

前の奥さんや前の彼女達には連絡取ることはないっていってたけど、
私とはむしろもともと愛がなかった分、かえってわだかまりなく
気軽に連絡を取れるのかもしれない。

もうピースケは1年生に進級したそうだ。

はやいなぁ・・。私も年取るわけだ。



いずれにせよ私、今とっても幸せ。

あの辛かった時期があったからこそ、幸せも喜びもひとしおってなもんよ。

いつか、私も結婚して子どもができたら、

子どもを連れて会いにいきたいと思う。

同じ親として、同じ視点で、

子育ての相談をしたいと思う。


もう別々の道を歩んでしまった、


かつての憧れの人の所へ。







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2004年09月20日(月) そんな自分が厭になる時。

恋愛しているときの自分はきらいだ。

好きなんだけど、きらい。

依存してしまうのがいや。

すぐに試してしまうのがいや。

確認作業せずにはいられないところが、いや。

ありのままを受け入れてもらえなかった子ども特有の習性なのか。

素直になりたいのに、

素直になれない。

素直になれない。



素直になれねぇ・・。

東郷君が困っている。

私も困ってる。

本当に、困ったものだ・・。


そういえば、東郷くんは中学のときにやたら頭のいい女の子達から
もててたな。

みんな口をそろえて、あの一見冷たそうで本当はやさしいところが
いいのよねぇ〜って言ってたっけ。(マーガレットの読みすぎ。)

そういえば、友達が東郷君にバレンタインのチョコを渡すのに
付き添いで彼の家まで一緒についていったこともあった。

“○○ちゃん、東郷君のこと好きなんだって。チョコ受け取ってあげてくれる?”

照れくさそうな、面倒くさそうな顔の東郷君。

恥ずかしそうにチョコを渡す友達。

・・後ろで母親張りに事の事態を見守る仕切り魔の私。



あれから、もう15年か・・。

よりによって、あの東郷君と付き合うことになるとは。

時々、電車の窓ガラスにうつっている姿を見て、
未だに二人してびっくりしてるものなぁ。



どうしたら一体、



もっと素直になれるのか。






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2004年09月19日(日) ハネムーン日和

今日は、3連休のどまん中だというのに、体がだるくてひたすら寝ていた。

泥のように寝ていた。

さすがに疲れが溜まっていたのだろう。

ここのところ、キャンプに合宿研修に土曜出勤が重なっていたし。

だるくてだるくて、エステにも行けなかった・・。

夕方から起きてちゃんと洗濯や買い物には行ったけど。

まあいいか。まだ明日があるし。

明日は、ジム行ってエステ行って、できたら映画も観てこよう。
華氏911。まだやってるよね。

昨日は、東郷くんと寅さんで有名なあの葛飾・柴又に行ってきた。

東郷くんは今日テストだったのだけど、私の付き合いで柴又に一緒に来てくれた。

いいよ、下町。昭和の情緒が溢れていて、とっても懐かしい感じがした。

店先でおだんご食べて、ちょっと贅沢してお店でうな重を食べる。

もちろん、帝釈天でお参りもした。

東郷くんは一生懸命お願いをしていたけど、聞かなくても
なんとなく何をお願いしているのかわかるような気がした。

この人は本当にわかりやすい。

・・おまけにかわいい。

いけないいけないと思っていても、ついついかわいいと思ってしまう。

ついつい意地悪なことをいってしまう。

どこかで歯止めをかけなくてはならないんだけど、
どうもうまくかけられない。

今日も、ずっと探していて料理の本が見つかったといって
うきうきしたメールが入ってきた。

ずっと探していた料理の本。

本当はおととい、私も見つけていたのだけど、
あえて買わなかった。

なんとなく、東郷くんが探して買ってくれるような気がしていたから。

なんとなく、その時買ったらダブって無駄になるような気がしていたから。

おととい、牛タンと麦とろの定食で人気のお店に二人で入り、カウンターに
腰掛けていたから、「この光景、夢で見た」と淡々と仰る東郷君。

なんでも、もうだいぶ前に、同窓会で再会する前に見た、と仰る。

私が隣にいたのか、と聞くと、

うん、いた、とやはり淡々と云う。

そしてパクパク定食の牛タンを頬張る彼。

・・ううかわいい。

この恋愛初期特有の「痘痕も笑窪」のハネムーン期が早く去ってくれることを
切に願いながら、日々の幸せをかみしめる負け犬29歳。


ああすばらしきかな人生。






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2004年09月15日(水) 厄落とし

今日は実に散々な一日だった。

電話という電話がみーんなクレーム。

ふざけんなよって自嘲したくなるくらいクレーム。

ついつい八つ当たりしたくなるくらいクレーム。

私だってこんなにがんばってるのになぁ。ったく。

とほほだよ、とほほ。

とりあえず、どうしてもホストファミリーが見つからない地域があって、
たまたま地元だってことから、初めて大学時代の元彼N君に相談をした。

ひさびさに電話したからちょっとびっくりしてたけど、
すぐに力になってくれようと動いてくれた。

まあ当然よね。お世話したし。(→タカビー)

その後、“ついてないついてない”と悪友N嬢にメールをしたら、
彼女の返事は

“あらそんなこと〜。私なんて今朝、買ったばかりの6ヶ月定期落として
遅刻して、レストランで目の前をゴキブリが横切ったわ。でもすっかり
立ち直ったわよ。おーっほっほっほ。”


とのこと。・・強い女だ。

ついてない時というのは、単なる厄落としで、いいことの起きる前兆なんだって。
幸せが2倍になって返ってくるんだって。ついてない出来事なんて人生の
「ネタ」に過ぎなくて、起きたことをくよくよ悩むくらいならこの先
どうするかを考えた方が生産的だって。無難な人生なんてつまらないわよって。。


・・つ、強ぇ。

て、定期はいくらくらいしたの?と聞いたら

“6万5千くらいかな。でもいいの。私、将来金持ちになるから。”

つ、強ぇぇぇぇぇ!

前向きというか、おめでたいというか。本当うらやましい。


なんか元気でたわ。

確かにもう起きてしまったことにくよくよするなんて馬鹿馬鹿しい!

人生短いんだから、そんな時間はないわ。

そうだ。がんばろう。

がんばるぜ。


私は小さい頃から、困難に直面するとすぐその場から逃げたくなったり、
自分を消し去りたいと思ってきたから、この年になった今もその弱さがあるから、
本当、変えないとな。

ミスは、そこから学んで今後直せば無駄にはならないんだ。

前向きに歩いていこう。


上を向かなくてもいいから、


前を向いて


闊歩しよう。






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2004年09月14日(火) 遠い日の祈り

つかれた・・・。

慢性疲労。

その一言に尽きるな。

最近、なるべく人に頼らないようにしようと思って生きている。

頼ろうとして、頼りにならなくてがっかりするのに飽き飽きした、と
でもいうのだろうか。

特に、

男。

頼ってはだめだ。

ろくなことがない。

自分の方がよっぽど頼りになる。

私は自分の足で歩く。

歩く。

歩く・・。



東郷君から、


“俺は菜穂香のペットじゃない”


といわれた。


俺は


菜穂香の


・・ペットじゃない?


ペット・・?

どういうこと?


会うたびにかわいいねえ、よくできたねえ、えらいえらいと誉めるから?

いい子いい子〜、と頭をなでるから?

シャツを着せるのにボタンをはずさないで、首からかぶせようと
構えていたから?


・・確かに、


ペットみたいな扱いだったかも。


もとい、それに限りなく近いものがあったかも。


やっと見つけた原石なのに。


・・なんで私っていつもこう極端なのかな。



今、ニュースを見ていたら、栃木の兄弟の弟の方が、遺体で発見されたそう。


せっかく生を授かったというのに、なんて短い生涯なのか。


ご冥福を祈りたくても祈り足りないような気分。



子どもに手をかける人は、


死んでしまえばいいのに。



日々、どこかで生が宿る一方、


はかない生のともし火が消えている。


幼いいたいけな瞳の兄と弟。



子どもを手にかける人は、


・・死んでしまえばいい。







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2004年09月13日(月) 光る原石

仕事がいそがしい。

パートナーが辞めたこともあって、しばらくはどたばただ。

でもがんばる。

がんばる。

先週の土曜日は、ひさしぶりに高校時代の同窓会。

懐かしかったなぁ。実に10年ぶりだもの。

全然変わってない人、すっかり変わっちゃった人。

いつまでも輝いてる人。

おじさん、おばさんに限りなく近くなった人。

いろいろだもんな。

私は“全然変わってないって”いわれた方。

まあ、ちょっとはきれいになったけどさ、だって。

ぷぷー。

でもなんだかんだ、好きな仕事を気ままにしてるの、
私くらいな気がした。

みんな、名前の通った大会社で頑張って仕事してるけど、
たぶん、好きとか、嫌いとかとは別なんだろう。

結婚して、幸せな奥さんをしている人たちも、旦那さんの転勤に
あわせて仕事を辞め、今はパートやバイトをしているという。

私は負け犬予備軍だけど、なかなか恵まれた人生を歩んでるのかもしれない。

東郷君とは相変わらず仲良くしている。

相変わらずやさしいけど、最近なれてきたからダメだしも増えてきた。

くしゃみがおやじくさいとか、寝起きからハイテンションでうるさいとか、
買い物が所帯じみてるとか(トイレ掃除用のブラシとかカビ取りを買ったから)
・・。

でも幸せだ。なぜかわからないけど、幸せ。

これまで味わったことがない類の、幸せ。

原石が、

やっと光を帯びてきた。

そんな類の幸せなのかもしれない。






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2004年09月05日(日) シアワセナ人生

子どもの頃は、大人になったら皆人並みに幸せになれるものだと思っていた。


大人になった今、実はそれがそうでもないことがわかった。

でも本当は、

よくわからない。

人の幸せって外からはなかなか測りにくいし。


私は昔から、自分はどちらかというと幸せじゃない方の類に入るのかと
思っていた。

でも、今日改めて、いかに自分が幸せで恵まれてきたかを思い知った。


・・今日はいろんなことが重なった。

厭なことが重なると、本当にブルーになる。

今日は、ろくな電話がかかってこなかった。

・・日曜の朝から、電話で上司から部下が最近たるんで困っている、と
グチを聞かされた。

この上司は部下(私も含む)の指導が出来ず、
“どうしよう。どうしよう”と言ってきた。

“皆(私も含む)、自己管理が怠慢だと思いますので、ミーティングの際に
そのご指導をされたらいかがですか”

と彼女にアドヴァイスをしたところ、そうね、それしかないわね、と
熱心に聞いていた。

なんか変な感じがしたが、ま、気のせいだろう。

・・お隣に住む独身ハイミス(推定50代後半)の方から、ひさしぶりに
電話があった。

ここのところ物騒なこの近所。

確かに物騒は物騒だが、彼女の話は大部分が妄想で占められている。

彼女曰く、また誰かにつけねらわれていて、買い物にいくときも相変わらず
男が後をついてくる、と。そして、今日も四方に怪しい車が停まって、こっちを
監視している、という。

そっちはどう?
そっちは大丈夫?

声をひそめてささやく彼女。

最近も、二階の雨戸を薄くあけてあたりを見回すのを日課にしているそうだ。

独身なのだけど、専業主婦をしている彼女。

ご近所からは腫れ物あつかいされ、近所の交番のおまわりさんからも
軽くあしらわれてしまう彼女。

彼女の話題の中心はいつも、“彼女をつけねらう男”。

そんな彼女の愛読書は、

・・ミステリー小説。


・・そして今日一番かなしかったこと。

ひさしぶりにおばあちゃんと話がしたくなり、初めておばあちゃんの
住む老人ホームに電話をかけた。

そしたら、おばあちゃんの代わりに
叔母(独身・50代後半)が出た。

通いで介護をしているのだ。

もの凄い剣幕だった。

とにかく電話をしてきた私に対して怒って怒って怒りまくっていた。

あんたは子どもだって。

施設の職員は皆忙しいのに、電話なんて何を考えてるんだ。

おまけにおばあちゃんは足腰も弱く、電話なんて出られやしないんだ。

しかも、手紙の返事が書けないおばあちゃんに手紙を出すなんてどういうことだ。

それより何より、自分(叔母)に電話も手紙もしないのはけしからん。

私の父親はうそつきで、私の母にはとんでもない目に遭わされた・・。


ひさしぶりに話した叔母の声は、ヒステリックを極めていた。

私、そんなひどいことをしたのだろうか・・。

おばあちゃんの誕生日と敬老の日が近いから電話をかけただけなのに、
今月末に休みを取って会いに行こうと思って電話をしようと思い立っただけなのに、そんなにひどいことだったんだろうか・・。

とにかく、“わかりました。もう二度と電話はしません”と言ったが、
まだ腹の虫が収まらない叔母。

“私に何ができますか?”と聞いたら、

“私(叔母)に手紙を書きなさいっ”と声を震わせて言い放ち
電話が切られた。


受話器を置いた後、しばらくショックで茫然自失状態だった。

確かに、悪いのは私。

毎日が闘いの叔母に対して、気が向いたときだけ電話をかけようとした私。

ぐるぐる頭の中でいろんなことがかけめぐり、気がついたら、
海外に住む父じゃなくて叔父に電話をしていた。

15年くらい会っていない叔父(父の弟)。

大好きだった叔父。

懐かしい叔父の声が聞こえてきた途端、おいおい泣いてしまった。

子どもみたいに、おいおいおいおい泣いて、言葉が言葉にならなかった。

叔父もかなり最初は困っていたけど、最後までちゃんと話を聞いてくれた。

そうだよね。29にもなって叔父相手に大泣きして電話するなんて
何考えてるんだ、私。

でも叔父は、叔母もやはり介護疲れでピークだということと、独身暮らしの
寂しさ、つらさ、やり場のない憤りがたまたま私への八つ当たりになった、と
しごく冷静でもっともなことを言って、“厭な思いをさせてごめんね”と
何度も謝ってきた。

私も

私もわかってるんだけどさ・・。

親戚から罵られるって、本当きつい・・。

おまけに、一時は私ですら憎たらしいと思った自分の親を悪く
言われるのは、・・本当に辛い。

でも本当は

父も辛いし、

叔母も辛いし、

叔父も辛いんだよね・・。

おばあちゃんも辛いし、

そして、

私も

辛い。


さんざん泣きに泣いて、ティッシュが山積みになり、鼻もすすりすぎて
ひりひりしてきた頃、少し気分も落ち着いてきて、叔父に
“いきなり電話してすみませんでした”と謝って電話を切る。

本当、私も我ながらいくつになっても手がかかるな、と思いながら。


しかし、叔母の怒りは尋常じゃなかった。

父や叔父への怒りはもともとだが、私への怒りをこんなにあらわにしたのは
初めてだ。

punishmentだ。

自分がpunishされたように、punishしたいんだ。

許せないんだ。。

こんなに泣いたのもひさしぶりだ。

怒鳴られたのも親を罵られたも悲しかったけど、
叔母という女性も悲しかった。

親の反対で大学に行けず、
キャリアもなく、
取り立てて美人でもなく、
縁が遠くて付き合った人もおらず、
結婚もせず、
子どももおらず、
食べるためだけに好きでもない仕事を続けながら、
母親の面倒を一人で見ている叔母。

自分が不幸なのは全て親と兄と弟のせいだ、と罵って止まない叔母・・。

最終的には彼女が選んだ人生とはいえ、あんまりだ。

あんまり・・。

ついつい、私の職場の、学歴、キャリアを持ち、きらびやかに飾り立て、
夫と子どもにも恵まれ、でっかい結婚指輪をしてオフィスを闊歩している
女重役達の姿を思い出す。

一体何が。

何がどうちがったんだろうな。

まあなにが幸せかなんて本当わからないけど、

比べること自体まちがってるのもわかるけど、

でもあんまりだよ、神様。

あんまり・・。


そこでわが身をふりかえる。

たまたま外国に生まれ、
子どもの頃から海外暮らしを経験し、伝統ある大学に行かせてもらい、
希望する会社に入り、ふと思い立って会社を辞めて大学院留学し、
帰国後も好きな仕事につき、大好きな彼と毎日メール交換し、
エステに当然のように通い、好きな服を買い、大きな実家で我が物顔で
一人暮らしを謳歌する日々・・。


私は子どものころから


どちらかというと自分はいつも不幸だと思っていた。


いつも不幸なものだと・・。


幸せって一体なんなんだろう。



大人になったら皆、



人並みに幸せになれるはずじゃ



・・なかったのか。






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