長い長い螺旋階段を何時までも何処までも上り続ける
一瞬の眩暈が光を拡散させて、現実を拡散させて、其れから?

私は、ただ綴るだけ。
音符の無い五線譜は、之から奏でられるかも知れない旋律か、薄れた記憶の律動か。








2007年11月27日(火) ぽつり、ぽつり、

 仕事でも何でもギリギリなのは精神的にきついので、私は常に"自分的締切"を設け、其れは大体デッドラインの二〜三週間前に設定されている。
 されいてるのだけれども。其れを破ってしまうことは多々あるわけで、其れでもデッドラインは超さないように努めているわけだ。

 今週は締切が多い。


 陸続きは怖い。ほら、北国だと、如何しても、海を越えなければいけないわけだから諦めもつくけれど、こう、陸続きだと日帰りでも行って帰ってこれるじゃないか。そうなると、認識しつつも無理な行動(寧ろ暴挙)に出てしまう。如何しよう。名古屋日帰りで次の日は仕事って、私に出来るかしら。……折角先行で手に入れたチケットだもの、無駄にはしたくないけどさ。然しな、スタンディングなんだよ、これは。――指定席が良かったなぁ。


 光陰矢の如し。
 一月後には帰省することになるわけだ。早いなぁ。里帰りって 面倒だな とも思うのだけれども、久しく会わない友人に会えたりすることに対して嬉しくないわけがなくて。ただ、私は――北国出身であることと北国育ちであることを誇りに思っているし、同時に現在住む港町が好きであることも誇りだ。住めば都、では無くて。多分、慣れでもなくて。本当に好きなんだよね。



2007年11月24日(土) メール

 此の日記には何度も登場しているかも知れない、私が長くはない人生の中で唯一"つるんだ"同胞、もとい中学のクラスメート数名。数名? 否々、二桁に近い、数名。
 其の中の一人から唐突にメールを受けて、一寸何処じゃない、動揺した。うわ、部屋に居て良かったと心底思う。外に居たら、きっともっと尋常じゃない動揺に襲われたと思う。

 そうなんだよね、今、彼は意外と近くに住んでいるんだよね。少なくとも、北国と関東、なんていう距離とは全然違う、電車で行き来できる距離に"居る"んだよね。
 私は、上京してきたことを、上京していることを、多分同胞の一人にだって伝えてはいない。誰にも何も告げず、一人で、今、此処に居る。其れを理解も認識もしていたから、誰とも連絡を取っていなかったのかな。兎も角、メールが着てしまったからには仕方がない、返信して、あれよあれよという間に年末帰省するまでに一度会おうということになって。お互い忙しい身だから如何なるかは判らないけれども、まぁ良いか、と少々楽観的に在って、諾とした。悪い奴じゃなし、苦でもなし。男女間の友情は成立するのだと、私は彼らの御蔭で未だに信じられるから、そういう意味では貴重な友人ではある。

 再会は、いつも怖い。
 最後に会ったのは、去年の年末、地元でだろう。今年の年末もまた皆で集まるのかも知れない。年に一度は――そういう約束を交わしたのは、皆ばらばらに進学した高校生の頃だったかな。其の内ひとりずつ結婚していって、子供が出来て、それでも皆で会えるような、そういう仲間、同胞――だと思う。未来はわからないけれども。信じられるものなんて儚いかも知れないけれども。

 恐らく、今日の動揺は不明瞭な未来に対してのものだから。



2007年11月19日(月)

 とても、気になっている 声 がある。


 コミュニケーションなんてものを齧った程度には学んで、自分なりに文字の文化と声の文化を受容して、そうして対面コミュニケーションを大事にしているつもりである昨今。非常に、気になる声に遭遇している。
 耳は良いつもりだ。否、何度も中耳炎やら内耳炎やらをやらかして一度は鼓膜を破ったことさえある耳だけれども、音楽を続けてきた御蔭で楽音に関しては多少なりとも覚えが有るし、一度聞いた声なら大体覚えているし、忘れないし、判別できる、と思っていたのだけれども。……なんだよー、如何して之が同一人物から発せられる声なの?と思ったが最後、自分の中では過去に類を見ない程にはまってしまって、こそこそとCDを集めては聞いている。歌モノだったり、語りだったり。そうして仕舞いには声の主本人へと興味の対象は移ってゆくのだろうか、まあ、其れは兎も角。

 矢張り、朗読とか朗読劇とかオーディオドラマとか、好きだなぁと再確認。インストとは異なる良さがあるなぁ。歌モノは歌モノで別として、嘗ての活字中毒も棚に上げて、音声物語は好きだ。最近は良質なものが世に出回るようになってきて、嬉しい限りだ。矢張りプロが読むと違うな、別物だ。

 気になる 声 の主はかなり人気のある方で、青々としたファンのお嬢さん達に混ざって一緒にきゃーきゃー言えるほど瑞々しくはない朽葉の私は、それでもこっそり 声 を追い続けている。暫くは此の 声 を追っていくんだろうなぁ。少なくとも、最初に感じた疑問の、納得のいく答が見つかるまでは。



2007年11月17日(土) 雑々と

 何が 週一 日記更新だ。

 気が付けば、霜月も半ば。



 ずっと忙しくて――なんて、書いてやるものか。突っ走ってきたのだ、其れこそ、止まる間も無いほどに。前回更新が七月? 今は十一月だから、凡そ四ヶ月のブランクがあるわけだけれども、其の間、本当に突っ走ってきたのだ。
 仕事に関しては、何一つ私は書き置く言葉を持たないけれども。

 何度かはライヴにも足を運び(ロックもあればクラシックらしきものもあればポップスっぽいものもあった)、横浜中心部を練り歩き、お気に入りの喫茶店や本屋や公園や洋館や庭園も見つけて、そういう意味では充実もしていた反面、それらは全て涙ぐましい努力の結晶でもあるのだとも思わないこともないし、何より私は部屋に引き篭もっていたらきっとがたがたにくずおれていただろうし、そうして私は不安定とも安定ともつかずに仕事に打ち込んでいたつもりで、実のところは浮遊か浮揚か、兎に角地に足を付けたいと願いながらもふわふわと漂っていただけなのだ。

 私の裸眼は歪んだ視界を広げて世界を拒絶し、眼鏡は輪郭を明瞭にしながらも其のフィルタで世界を拒絶し、また同時に双方ともに世界を受け容れている。

 ずっと一人で立ち回っていたところに、県外在住の知り合いがぽつりぽつりと出来初めて、其れを友人と呼べるのかどうかは未だ判らないけれども、輪は広がりつつある、否、回りつつある。舞台等々で知り合った方達。自分は、二十歳を過ぎて漸く人様に自分の年齢を恥じる事無く言えるようになった気がしていたけれども、実際は如何だ、幼い頃は実年齢より上に見られてばかりだったのに、今は良くて学生、悪ければ未成年に思われる始末。結果的に見ればお知り合いに慣れた方々は皆々私より年上(其れは其れ、私は年長者と付き合うほうが性に合っているので良いのだけれども)、職場でも名実共に最年少の私としては、まだまだ青二才だという自覚はあったけれども、其れ以上に自分自身に恥じ入っている気がしている。大体、年齢なんてどんなに頑張っても埋められるものじゃないんだけどさ。


 着飾っているのは装飾音符。
 羅列する白と黒。
 微細にして奔流な流れは留まらず、只管に進むのだ、振り返ることを知らず。

 ほら、世界は、こんなにも。










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