| 2004年09月30日(木) |
東京地裁が、司法試験の成績順位の開示を認める |
日経(H16.9.30)社会面に、司法試験の順位の開示を求めた裁判で、東京地裁は、口述試験の順位の開示は認め、論文試験の順位の開示は認めなかったという記事が載っていた。
かつては司法試験の成績を発表をしていたが、私が合格したころは順位を発表していない。
私は、成績を開示する積極的意味はないように思う。
試験の成績と、実務についてからの力量とはあまり関係ないと思うからである。
そもそも、個人的意見としては、何年か前に終わった試験の成績なんか知りたいとは思わないのであるが・・。
| 2004年09月29日(水) |
ヤマト運輸が郵政公社を提訴 |
日経(H16.9.29)1面トップで、ヤマト運輸が郵政公社を提訴したと報じていた。
ヤマト運輸の主張は、
不当な利益を提供してローソンを勧誘している、
郵政公社の「郵パック」の価格が不当廉売にあたる、
これらは独禁法で禁止する不当取引にあたるということのようである。
ヤマト運輸の提訴は、訴訟によって解決を図るという意味ではいいと思う。
ただ、主張を裏付ける十分な証拠があるのだろうかと思う。
その意味で、今回のヤマト運輸の提訴は見切り発車の感が強く、十分な証拠を提出できないまま敗訴になる可能性があるように思う。
| 2004年09月28日(火) |
長崎男児殺人事件の加害少年 「被害者への共感が浅い」 |
日経(H16.9.28)社会面で、昨年の長崎男児殺人事件で収容中の加害少年について、家庭裁判所は「被害者への共感が浅い」として強制的措置の一年延長を決めたと報じていた。
その処分について言うべきことはない。
ただ、私の経験で言えば、この少年に限らず、加害者は一般的に被害者への共感は浅いようにと思う。
殺人事件の被告人を担当したことが何回かあるが、人を殺したという自覚がほとんどないように思えた。
息子を殺そうとした殺人未遂事件の公判廷では、被告人が鼻くそをほじくっていたので、後で怒ったことがある。
実際は、鼻が痒くて掻いていただけであったが、緊張感のないことはなはだしい。
もともと、人間というのは自分がしたことの現実感がないという側面があるのではないかと思う。
| 2004年09月27日(月) |
ヤミ献金事件 なぜ在宅起訴なのか |
日経(H16.9.27)1面で、ヤミ献金事件において、村岡元官房長官を在宅起訴したと報じていた。
なぜ、「在宅」で起訴したのだろうか。
報道によれば、会計責任者の供述が決め手になったが、村岡元長官は否認しているそうである。
そうであれば、証拠隠滅の恐れがあるとして、逮捕して取り調べるはずのが通常である。
この事件は、政治家まで手が伸びずに終結すると伝えられていたのに、なぜ村岡元官房長官のみが突然起訴になったのかもよく分からない。
この事件についての検察庁の事件処理には腑に落ちないものがある。
| 2004年09月24日(金) |
プロ野球 損害賠償の問題は持ち越す |
日経(H16.9.24)1面で、プロ野球のストが中止したと報じていた。
よかったと思うが、損害賠償請求問題については結論を持ち越したと書いていた。
われわれが裁判所で行う和解においては、懸案事項をすべて挙げておく。
そうでないと、後からまた紛争が起こり、何のために和解したか分からなくなるからである。
プロ野球のスト問題でも同様に、合意書において、「選手会に対し損害賠償請求しない」という一項を入れておかなければならない。
今回は、取りあえず、新球団の来季参入についての合意を急いだため、損害賠償問題は持ち越したのであろう。
ただ、経営側からの損害賠償請求という恫喝に対し、選手会側は強気のようであるが、内心は心配しているのではないだろうか。
紛争の根本的解決のために、損害賠償請求についても早期に解決が図られるべきでと思う。
| 2004年09月22日(水) |
田代まさし、また逮捕 |
日経(H16.9.22)社会面に、田代まさしがまた逮捕されたという記事が載っていた。
この人、懲りないなあ。
最初の逮捕の容疑は刃渡り8センチのバタフライナイフの所持であったが、その後、覚せい剤所持が判明したようである。
正当な理由なくその長さのバタフライナイフを所持することは違法となるのであるが、通常は、バタフライナイフを持っていただけでは逮捕されない。
だいたい所持品検査もされないから、ナイフを持っていることも分からないはずである。
おそらく、この人、挙動が不審だったのだろう。
警察官をみて、さっと目を背けた場合は職務質問される。
何か後ろめたいことがあると、目を背けることが多いからである。
この人の場合も、警官を見て目を背けたのではないだろうか。
それで職務質問され、所持品検査するとバタフライナイフが出たので、とりあえず銃刀法違反で逮捕して、じっくり調べるつもりだったのだろう。
警察がよる使う手法である。
すると、案の定覚せい剤が出てきたというわけである。
今度は間違いなく実刑であろう。
| 2004年09月21日(火) |
プロ野球のストは違法か |
日経(H16.9.21)スポーツ面で、引き続きプロ野球のスト問題を取り上げていた。
先日、経営者側との選手会との交渉が決裂したとき、経営者側は損害賠償請求をすると断言していた。
そんな馬鹿なことを言うから、ファンがますます離れるのだと思うが、ただ、法律論として、損害賠償請求が認められるかどうかは別問題である。
私は、損害賠償請求が認められる可能性はあると思う。
以下、検討してみたい。
この問題については、まず選手会が労働組合といえるかが問題となる。
労働組合による正当な争議行為に対しては、損害賠償請求できないと定めている(労働組合法8条)。
逆に言えば、選手会が労働組合でない場合には、ストライキに対して損害賠償請求が認められることになる。
労働組合とは、労働者が主体となっている団体である(労組法2条)。
そして、「労働者」とは給料によって生活している者をいう(労組法3条)。
そこで、選手会について検討すると、何億円ももらっている選手は、世間の常識からいえば、給料とはいえないように思う。
他方、2軍選手などは間違いなく給料という感覚であろう。
なかなか難しい問題であり、ここでは直ちに判断しかねるが、選手会にとって難しい関門であることは間違いない。
ただ、仮に労働組合と認められたとしても、次の問題がある。
すなわち、争議行動によって免責されるのは正当な争議行為であり、違法なストライキは認められない。
そこで、今回のストライキが正当な争議行為といえるかどうかが問題になる。
正当な争議行為かどうかは、目的、手段などから判断されるのが一般的である。
選手会は、合併反対、新規参入を認めよという目的を掲げた。
しかし、合併問題や新規参入問題は経営事項であって、選手の待遇にかかわる問題ではない。
したがって、それを目的にしたストライキには正当性がないということになる。
これに対し、選手会側では、「合併されれば選手の待遇にかかわってくる」として、目的の正当性を主張しているようである。
しかし、今回はオリックスと近鉄の選手の雇用は確保されているようであるから、正当化する理由にはなり得ない。
ということで、私は、残念ながら、選手会のストライキは目的において正当性に欠け、違法であると判断される可能性が高いと思う。
| 2004年09月17日(金) |
金融庁がシティバンクを処分 |
日経(H16.9.17)1面で、金融庁がシティバンクを処分すると報じていた。
処分理由は、銀行法で定める「他業禁止」に違反したとのことである。
シティバンクは内部に弁護士を抱えており、もっぱらコンプライアンス(法令遵守)を担当していたはずである。
彼らは、法令に照らして適正かどうかのみを判断し、「営業的にマイナスではないか」といったことは考慮しないよう訓練されている。
それにもかかわらず問題を起こしたのは、正確な情報が集まらなかったせいであろう。
いかにコンプライアンスのための制度をつくり人員を配置しても、担当者に十分な情報が集まらなければ何の意味がないということであろう。
| 2004年09月16日(木) |
「5年間完全ノーワックス」の広告で1000万円の賠償命令 |
日経(H16.9.16)社会面に、東京地裁が「5年間完全ノーワックス」を謳った広告は商品の品質を誤認させるとして、コーティング剤の輸入販売会社に対し、広告表現の使用禁止と、1000万円の損害賠償を命じたという記事が載っていた。
確かに、「5年間完全ノーワックス」というのはいい過ぎであろう。
しかし、「5年間完全」という広告を信じて、ワックスを止めてコーティング剤に替えた人はどれくらいいるのだろうか。
しかも、ワックス会社というのは、損害賠償請求している会社だけではないはずであるか。
とすると、「5年間完全ノーワックス」という広告のせいで、そのワックス会社に1000万円もの損害が生じたとはいえないのではないだろうか。
その意味で、1000万円という損害額については少々疑問に思う。
もっとも、裁判所は懲罰的意味を込めたのかも知れない。
しかし、現在の判例では、懲罰的損害賠償は認められていないはずであるが・・。
| 2004年09月15日(水) |
「連帯保証のカネは返すな!」?? |
日経(H16.9.15)首都圏版の「ビジネスファイル」という欄で、商工会議所主催で「連帯保証のカネは返すな!」という講演の案内が載っていた。
しかし、連帯保証人になった場合、主債務者に請求せずにいきなり連帯保証人に請求してもいいとされているぐらいであり、カネを返す義務はある。
この演者はその種の本をいろいろと書いており、それは自由であろう。
しかし、商工会議所は商工会議所法という法律があるくらい公的な組織である。
そのような組織が、「連帯保証のカネは返すな!」という講演を主催していいのかなあと思う。
| 2004年09月14日(火) |
赤本は損害賠償事件のバイブルである |
日経(H16.9.14)社会面で、交通事故における慰謝料について裁判所の基準が画一的であるということを書いていた。
交通事故の損害額の算定には、表紙が赤いため通称「赤本」と呼ばれる本に書いている基準を参考にする。
それゆえ、算定が画一的なるのは必然である。
被害者にとっては、それぞれ事情が違うのに一律に扱われることに不満を持つ気持ちは分かる。
しかし、この赤本が、損害賠償基準に多大な貢献をしているとは事実である。
算定基準が明らかなため、裁判でどのような結論になるのかが大体予想できるからである。
この基準は、交通事故の損害賠償の基準として作成されているが、弁護士はそれ以外の人身事故にも使っている。
例えば、近所の飼い犬に咬まれてケガをしたことで相談を受けた場合、赤本を持ってきて、「損害賠償額は○○万円程度になりますね」とか「○○万円程度しか請求できないでしょうね」と答えるわけである。
赤本は市販されていないが、一般用にもう少し分かり易く書き直して、書店で売ってもいいのではないかと思う。
| 2004年09月10日(金) |
警察長官銃撃事件で、元オウム信者を不起訴処分に |
日経(H16.9.10)社会面で、警察長官銃撃事件で、元オウム信者ら4人を不起訴処分とするもようであると報じていた。
不起訴処分の中には、起訴猶予、嫌疑不十分などの種類がある。
起訴猶予とは、証拠はあるが、犯罪が軽いなどの理由であえて起訴しない場合をいう。
起訴猶予は万引きの場合などによくなされる。
嫌疑不十分とは、証拠が十分ないときである(まったく証拠がないときは「嫌疑なし」となる。)。
もっとも、不起訴処分は内部処分みたいなものだから、新たな証拠が発見されれば、起訴される可能性はある。
したがって、警察長官銃撃事件でも、新たな証拠が発見されれば起訴される可能性は残っている。
しかし、そのようなことは実際上考えられない。
もはや、起訴はされることはあり得ないだろう。
| 2004年09月09日(木) |
東京高裁が、プロ野球選手会を労働組合と認めた? |
日経(H16.9.9)は1面で、再びプロ野球のスト問題を報じ、関連記事を3面、スポーツ面、社会面で報じていた。
社会的な重大事件扱いである。
その記事の社会面で、選手会が団体交渉を認める仮処分申請したことに対し、東京高裁は、それを棄却したが、団体交渉権は認めたと報じていた。
その裁判所の判断を受けて、裁判所はプロ野球選手会が労働組合であると認めたと評価されているようである。
しかし、そうだろうか。
労働組合でなくても、団体として団体交渉権が認められることはあり得る。
そもそも、この仮処分申請では、団体交渉を認めよと求めただけであって、労働組合かどうかは争点になっていない。
裁判所は、問題になっている争点について判断するだけであり、その余の部分については判断しない。
したがって、裁判所が、プロ野球選手会の団体交渉権を認めたからといって、それだけで労働組合であると認めたわけではない。
東京高裁の決定文が掲載されていないので断言できないが、あまり早とちりしない方がいいと思う。
日経(H16.9.8)社会面で、袴田事件の再審請求を棄却したことに対し、弁護団が、裁判官2人の懲戒処分を申し立てたと報じていた。
懲戒申し立ての理由は「再審請求の棄却決定は証拠を十分に判断していないから」ということらしい。
しかし、裁判の結果に対する不服は、抗告や上訴を申し立てることによって行うことが本来である。
それを、裁判の結果に不服だからといって、懲戒申し立てることは制度の趣旨の逸脱である。
もちろん、そのことを弁護団は十分承知しており、懲戒申立が認められるとは思っていない。
それだけに、余計、そのような手法は私としては疑問なのである。
それにしても、通常、合議事件は3人の裁判官が担当するから、なぜ懲戒を申し立てた裁判官は2人だけなのだろうか。
| 2004年09月07日(火) |
プロ野球選手会は労働組合か |
日経(H16.9.7)1面で、プロ野球の選手会がスト決議したと報じていた。
しかし、球団側は選手会を労働組合とは認めていないようである。
他方、労働委員会は、プロ野球選手会を労働組合と認定している。
果たしてプロ野球選手会は労働組合なのだろうか。
労働組合は労働者が主体でなければならない。
そして、「労働者」とは、賃金、給料、その他これに準ずる収入によって生活する者とされている。
うーん、プロ野球選手の年俸は「給料」なのかなあという疑問はある。
各選手の税金の申告は、給与所得ではなく、事業所得として申告しているのではないだろうか。
球団側も、年俸には消費税を含めて支払っているそうであるが、給料には消費税はない。
このような事情を考えると、労働組合と認定するには難しい問題があるように思う。
| 2004年09月06日(月) |
医師が虚偽の診断書を作成した場合の犯罪の成否 |
日経(H16.9.6)社会面に、警部が知り合いの医師に依頼して、虚偽の診断書を作成させ、傷害保険金を詐取したという記事が載っていた。
騙し取った保険金は十数万円というから大した金額ではないが、警部ということで記事になったのだろう。
この記事では、虚偽の診断書を作成した医師については触れていない。
これは虚偽診断書を作成したことは刑法犯に当たらないからであろう。
すなわち、刑法は、公務所に提出する診断書に虚偽の記載をしたときのみが犯罪に当たるとしているから、保険会社に診断書を提出する場合は虚偽診断書作成罪は成立しないのである(但し、診察しないで診断書を作成した場合は、医師法に違反する)。
しかし、医師の診断書は保険金請求において重要な役割を果たす文書であるから、虚偽の記載をした医師には厳しい態度で臨むべきである。
この記事の場合についていうと、保険金請求する場合の診断書は特別の書式であるのが通常だから、その医師は、保険請求することを知りながら虚偽の診断書を作成したと強く疑われる。
その場合は詐欺罪の共犯者となるのであるから、その点を厳しく追及すべきであると思う。
| 2004年09月03日(金) |
オリックスと近鉄の合併差し止め仮処分申請について |
日経(H16.9.3付)41面に、オリックスと近鉄の合併差し止め仮処分申請に対し、今日にも東京地裁で決定があるという記事が載っていた。
その記事の中で、8月30日も合併を承認する予定であったが、東京地裁から承認を先送りするよう要請があったと書いていた。
もし、東京地裁が承認の先送りを要請したのであれば、それは問題である。
そのような権限は裁判所にはないからである。
ただ、本当のところは、選手会側の意識的ミスリードか、新聞記者の勘違いではないだろうかと思う。
| 2004年09月02日(木) |
違法な資金は、今後すべてシンガポールに送金されてしまう |
日経(H16.9.2付)社会面で、ヤミ金グループが違法に得た資金を海外に送金していた事件で、シンガポールに送金した資金について、シンガポール当局の捜査協力が得られず、追及を断念したと報じていた。
スイスに送られた資金については、スイス当局が資金を凍結しているそうである。
こんなニュースが出ると、違法な資金は、今後すべてシンガポールに送金されることになるだろう。
これでは容易に資金洗浄できることになってしまう。
早急にシンガポールと捜査共助の条約を締結すべきである。
| 2004年09月01日(水) |
法律事務所の大規模化 |
日経(H16.9.1)11面で、「弁護士事務所 大競争時代に」という見出しで、法律事務所が合併によって大規模化している状況を報じていた。
企業の合併の場合は、企業のカラーの違いなどから、思ったほど効果がでない場合もある。
しかし、法律事務所の場合は、企業ほどはカラーの違いがない。元をたどればみんな研修所の同窓生なのだから、同郷意識みたいなものもある。
そのため、合併による障害はあまりないと思う。
そのような事情もあり、今後も合併は続くように思われる。
現在は、大手法律事務所でも130人から180人程度であるが、すぐに200人を超えるのではないだろうか。
このような状況から、今後は、大手法律事務所と従来の法律事務所との二極化がますます進むと言われている。
しかし、私は、�‖膽衙[Щ�務所のさらなる大規模化、�⊂�さいが小回りを利かせて依頼者のニーズに答える法律事務所、��従来のやり方のままの法律事務所に三極化すると思っている。
もちろん、私が目指すのは2番目である。
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