今日の日経を題材に法律問題をコメント

2002年05月31日(金) トサン業者にご注意

 日経ではなく、朝日(asahi.com H14.5.31)で、法定利息を大幅に超える利息で多重債務者に金を貸し付けたとして、警視庁が、出資法違反(高金利)の疑いで一斉捜索したと報じていた。


 そういった業者の利息は10日で3割だから、年利に換算すると1095%というものすごい暴利である。

 これにはまると、あっという間に、借入れが増えていく。

 違法金利だから、契約は無効なのだが、業者はそんなことはお構いなしである。


 このような業者に対しては、弁護士が入らないと解決しない。
 そのようなところから借入れがある方は、四谷のクレジットサラ金相談に行くことをお薦めする。



2002年05月30日(木) 少年法改正後1年の運用状況

 日経(H14.5.30付)・社会面で、少年法が改正後1年の運用状況が報じられていた。

 少年法改正により、殺人罪、傷害致死罪、強盗致死罪などは、原則として、家裁ではなく、成人と同じく、刑事裁判として裁かれることになった(いわゆる、「逆送」である。)。

 その運用状況であるが、原則として逆送すべき事件のうち、3分の1が逆送にならず、家裁で処分されたとのことである。

 原則逆送という建前からすれば、3分の1が逆送にならないという運用は問題であるという批判もあり得よう。

 しかし、事件というのは一つ一つ違うのだから一律に論じることは難しい面がある。


 先日、私が担当した事件についても、殺人事件であったが、逆送にならず、保護観察処分となった。

 事件の詳細は書けないが、殺人をする準備のために、少し手伝ったという事件であり、結論としては妥当であったと思う。


 前述のように、新聞は、3分の1が逆送されていないという運用状況について、評価するでもなく、批判するでもなく、淡々と報道していたが、そのような姿勢は、現段階では適切であると思う。



2002年05月29日(水) 証券の銀行窓口での販売が可能になる?

 日経(H14.5.29付)・7面で、金融相が、銀行の株式売買仲介業務への参入を認める構想を打ち上げたと報じられていた。

 と同時に、「銀行はそれに対し、冷めた対応」と書かれていた。

 経営の健全化が最優先課題だからだそうである。


 銀行がどのような対応をするかは、銀行自身が決めればいいことだから、「冷めた対応」でもやむを得ない。

 しかし、個人投資家にとっては、窓口が多い方が便利だろう。


 その意味で、銀行、証券、保険といった縦割りの規制は、できるだけ撤廃しておいた方がいいのではないか。



2002年05月28日(火) EB債で、証券会社が訴えられる

 日経(H14.5.28付)・社会面で、EB債で損害を受けたとして、証券会社を訴えたとの記事が載っていた。


 証券会社に損害賠償を求めて裁判することは珍しいことではなく、一々記事にはならない。
 それが記事になったのは、EB債が新しい商品だったからであろう。


 EB債とは、特定銘柄(例えば、ソニー)の株価を対象として、予め決めた株価を上回ると、高い利息を受け取れるが、下回った場合は、株式で償還される。

 私も、この商品を新聞広告で見たことを覚えているが、そのとき、わかりにくい商品だなあと思った。

 新しい商品は、購入者に予備知識がないのだから、より詳細な説明義務が課されるというべきである。
 それを怠り、うまい話ばかりすると、後で訴訟沙汰になる。


 ただ、EB債は、証券会社が、利息を払いたくないために、空売りで売り崩したという噂がある。
 そのような噂が、訴訟に踏み切らせたきっかけになっているのかも知れない。



2002年05月27日(月) 変額保険が飛ぶように売れているそうである

 日経(H14.5.27付)・3面に、スカンディア生命保険社長のインタビュー記事が載っていた。

 そのインタビューの中で、ペイオフ解禁に伴い、個人資産の運用先として、変額年金保険などの比率が高まってくると述べていた。


 その記事の下段にある「週間ダイヤモンド」の広告では、変額年金保険が飛ぶように売れているそうである。



 変額保険は、バブルのころ、銀行融資と組み合わせて、保険料を一括で支払う手法で数多く販売された。

 ところが、バブル崩壊により運用益は下がったが、他方、銀行融資の利息は一貫して増えていくことから、大問題になり、数百件の裁判が行われた。
 現在でも裁判が続いているケースもある。


 現在の変額保険は、銀行融資と組み合わせたものではないから、それ程の危険性はない。

 しかし、これまでの定額保険と同様に考えていると、再びトラブルになるおそれがある。

 変額保険は、その実質は投資信託である。
 この点をきちんと説明して販売できるかどうかが、ポイントであろう。



2002年05月24日(金) 東京スタイルの総会に、東京地裁が検査役を派遣

 日経(H14.5.23付)3面で、東京スタイルの株主総会において、株主の提案が否決されたことが報道されていたが、その記事の中で、「総会の議事進行などを監視するため東京地裁が検査役を派遣した」と書かれていた。


 これは、少数株主(総株主の議決権の100分の1以上有する株主)に認められた権利のことである(商法273条の2)。

 少数株主が、検査役の選任を裁判所に請求し、これを受けて、裁判所が検査役を派遣して、株主総会の手続・決議などを調査するのである。

 株主総会で、少数株主が不公正な扱いを受けないようにするための制度といわれている。



2002年05月23日(木) フランチャイズチェーンの全面広告

 日経(H14.5.23付)・全面広告で、フランチャイズガイドライン見直しを話題にした座談会ふうの広告が載っていた。

  広告主は、フランチャイズザー(本部側)の団体であろう。


 先日、中小企業庁と公正取引委員会から、フランチャイジーに対し、情報開示の拡充や、不公正取引に該当する行為についての見直しなどがなされた。
 それに関する座談会である。


 その中で、フランチャイザー(本部側)の立場から、次のような発言がされている。

「新たに加盟しようとしている方は、情報開示がなされても、その情報を読み解く力がない場合があります。
 そのため、せっかく開示されている情報が正しい判断をする材料にならないのではないかという不安があります。」

 このような言い方は、情報を開示しない理由として必ず使われる言葉である。

 しかし、あまりにバカにした言い方であることに気がつかないのだろうか。

 かりに、「読み解く力がない」としても、だからといって情報を開示しなくていいという理由にはならない。


 また、次のような発言もされている。

 「これから成長しようとする本部と、既に成長を遂げた本部の情報を、同じ条件で開示するということは、ベンチャー育成とは反対の結果を招く危険性があります。」

 ここで言っているのは次のようなことである。

 つまり、これから成長する本部は、大きな先行投資が必要であるから、財務諸表を開示すると、大きな赤字になっている。
 そうすると、加盟を考えている人は「こんな赤字で大丈夫か」と不安になる。
 それは、新しいベンチャー企業の育成につながらないから、開示を制限せよというのである。

 しかも、これを吉野屋の社長が発言しているだから驚く。


 フランチャイズ自体は悪いとは思わないし、りっぱなフランチャイズシステムのところも多い。

 しかし、情報開示を否定するような発言が、新聞で、しかも自分たちが出した広告の中で堂々と言われることに、この業界の問題性を感じざるを得ない。



2002年05月22日(水) 粉飾決算で公認会計士が逮捕される

 日経(H14.5.22付)・社会面に、「フットワークエクスプレス」で、粉飾決算を承認していたとして、監査を担当した公認会計士が、証券取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)で逮捕されたと報じていた。


 会社が破産して、破産管財人になって帳簿などをみると、粉飾決算していると思われることがかなりある。

 つまり、粉飾決算は常態化しているように思う。

 したがって、逮捕された公認会計士は、「逮捕されるまでのことなのか」と思ったのではないだろうか。


 数年前、強制執行を免れる方法をアドバイスしたという容疑で、弁護士が逮捕されたこともある。

 ある裁判官が、「あの程度のアドバイスは、これまで普通にしてきたことですよね。これからは弁護士さんも大変ですね。」と言っていた。


 要するに、これまで違法っぽいが逮捕されることまではないと思ってきたことが、そうではなくなってきているようである。

 これは、違法なことが公然と行われてきたことに対する警告であるという意味では評価でき。
 しかし、他方、オウム事件以来、急激に警察力が強化され、重罰化されているように思え、必ずしも喜んでばかりいられない気がする。 



2002年05月21日(火) 送金傷害による損害賠償請求が認められるか

 日経(H14.5.21付)・7面に、みずほコーポレート銀行兜町支店などで送金障害が生じたと報じられていた。

 この影響で、ネット証券で、入金が確認できない状況が2時くらいまで続き、その間、投資家の注文を受け付けられなくなったそうである。


 このような事案で、投資家が、「入金にならなかったために、株を買うことができず、損をした。」として、銀行に損害賠償請求をしたら、認められるだろうか。


 そのような請求が認められるためには、買おうと思っていた株が、入金できなかった数時間のうちに、急騰しなければならない。

 しかし、昨日の株取引を調べても、おそらく数時間のうちに急騰した株などないだろう。

 万が一、例えば仕手株などで急騰した株があったとしても、正常に入金されていれば、その人はその株を買っていたという蓋然性がないといけない。

 そうすると、賠償請求している人の、過去の取引歴も問題になる。

 例えば、その人が、それまで優良値がさ株しか取り引きしていないとすると、仕手株を買った蓋然性は低いことになる。


 このように考えると、入金されなかったために、株を買うことができず損をしたといっても、そのような請求は認められないというのが結論になる。



2002年05月20日(月) 弁護士報酬規定は、独禁法違反

 日経(H14.5.20)社説に、「独禁法の罰則強化は十分か」という見出しの社説が載っていた。

 その内容とは直接関係ないのだが、
 弁護士会では、標準の弁護士費用を決めている。
 これが、独禁法に違反するのではないかということが議論されている。


 弁護士費用の規定を設けているのは、それがないと、自分が依頼している弁護士の言っている費用が、高いのか安いのか分からないからである。

 ところが、それが問題というわけである。

 私の感覚としては、報酬規定はあった方がいいのではないかと思うが、世間の感覚とは、ずれているのかも知れない。
 



2002年05月18日(土) 「裁判所に偽造証拠」 裁判所は40年間騙されてきた

 日経・夕刊(H14.5.18)社会面に、偽造借用書を使って、裁判所に貸金請求を起こし、現金をだまし取ろうとした事件が報道されていた。

 被告人は、40年前から犯行を繰り返してきたそうである。


 裁判所は、40年間も騙され続けてきたということなる。

 もっとも、偽造借用書に騙されず、請求を認めなかった裁判も多数あるようだが、

 逆に、訴えられた相手に支払うよう説得した裁判官もいたそうである。

 請求を認めた裁判官は、反省して欲しいと思う。



2002年05月17日(金) 会社は誰のものか

 日経・夕刊(H14.5.17)3面に、東京スタイルに対し、大幅な配当を突きつけた投資会社と、会社側とで、株主総会に向けて多数派工作が激化していると報じられていた。

 投資会社側は、東京スタイルの会社経営者に対し、1200億円の現金・有価証券を保有したままで、有効活用していないとして、これを一株500円の配当をせよ(従来は12円50銭)などと主張している。


 これは、会社が誰のものかという認識の相違が反映していると言われている。

すなわち、
会社は株主のものであることを強調すると、
金が余っているのなら、それを株主に配当せよということになるし、

反対に、会社は株主だけのものではないことを強調すると、
会社が内部留保しておくことも認められる傾向になるというわけである。


 私は、そんな単純なものではないと思うが、
 日本では、これまで経営者が会社の所有者のごとく運営し、株主の利益はほとんど無視されてきたことから、株主の利益を重視するひとつのきっかけにはなるのではないかと思う。



2002年05月16日(木) セクハラで、3000万円の賠償命令

 日経(H14.5.16付)・社会面で、セクハラで、元上司らに3000万円の賠償命令が出されたという記事が載っていた。

 記事では、「会社と上司の合計で3000万円」と書いていたから、その上司の賠償額は不明である。

 ただ、おそらく、会社と上司の共同不法行為と認定されているだろうから、その上司も連帯して3000万円の支払義務があると思われる。

 それにしても、高額である。
 もちろん、分割支払いは認められない。

 身に覚えのある人は、注意した方がいいのでは。  



2002年05月15日(水) 特許訴訟で、損害賠償額の大幅引き上げを検討

 日経ではなく、朝日(H14.5.15付)であるが、1面に、「特許訴訟で損害賠償額の大幅引き上げを検討」と報じられていた。


 これまでは、損害賠償というのは、損害の回復を目的とするものだから、損害以上の請求は認められないとされてきた。

 しかし、そんなことは、条文のどこにも書いていない。

 損害賠償の目的に、加害者に制裁を与え、違法行為の抑止をはかること(懲罰的損害賠償請求)を含めても何ら問題ではないし、法律に反するわけでもない。


 法律立案者は、「損害以上の請求は認められない」というドグマから抜け出し、当面、知的所有権の侵害についてだけでも、損害賠償額の引き上げをはかるべきである。
 



2002年05月14日(火) 中国瀋陽の日本領事館事件 どちらの言い分が合理的か

 日経(H14.5.14付)・1面を始め、連日、中国瀋陽の日本領事館に北朝鮮の人たちが逃げ込んだ事件が報道されている。

 この事件では、中国側武装警察官が領事館に立ち入ることを、日本側が同意したかどうかが問題になっており、中国側は、同意を得ていると発表し、同意していないという日本側と真っ向から対立している。


 もし、日本領事館側が、中国に対し、無断立ち入りしたことを理由に損害賠償請求したら、裁判所はどのような判断をするだろうか。

 仮定での話であるが、それを通じて、裁判所の事実認定の手法を参考にしていただけたらと思う。


 以下検討すると、

 ビデオを見ると、武装警官は、敷地内に数歩入って、亡命者を押し出した場面もあるが、基本的には、敷地外から引っ張り出そうとしている。
 すなわち、本来、敷地内に入れないことを十分認識していることが伺われる。

 そのような姿勢を見せている武装警察官が、むりやり同意もなく、正面の門の少し奥にある待合所まで入って、亡命者たちを強制的に連行するということは考えられないのである。


 また、領事館員は、武装警官の防止を拾うなど和やかな雰囲気がみられる。
 その意味からも、武装警官が強引に敷地内には行っていくことは考えられない。


 さらに、日本領事館は報告は、当初は、領事館員は誰も立ち会っていないと報告するなど、報告がころころ変わっている。

 そのような一貫性のない報告は、信用できないと評価される。


 このような諸事情を考えると、裁判所がよく使う言い回しをすれば、「日本側の主張は、不自然かつ不合理である。」という判断になろう。


 むしろ、武装警官は、敷地内に入ることを日本側に告げ、それに対し、日本側はとくに何も言わなかったと考えるのが自然である。

 この場合、裁判では、「明示の同意はないが、黙示の同意があった」という言い方がされる。

 つまり、同意する言葉を発しなくても、そのときの態度等の様々な事実から、同意があったとみなすわけである。


 以上のとおり、日本側の主張は、証拠に照らして不自然・不合理であり、中国側の主張の方がむしろ自然であると思われるのである。
(私は、親中国ではない。念のため。)



2002年05月13日(月) フーリガン対策、弁護士にも当番弁護士の要請

 日経(H14.5.13付)・社会面に、ワールドカップ開催を控えて、フーリガン対策のため、六本木地区の取り締まりを実施したと報じられていた。

 実は、弁護士会からも、各弁護士に対して、ワールドカップ期間中、当番弁護士の待機要請が来ている。

 開催期間中のうち、当番弁護士として待機できる日を選んで、事前に登録しておいて欲しいというのである。

 フーリガンの大量逮捕があった場合に、逮捕された人たちが弁護士を要請することが予想されるからである。


 この要請が来てから、急にワールドカップが身近に感じられるようになった。


 フーリガンがどれだけ日本に来るのかは分からないが、あちこちの警察から弁護士の出動要請が来て、てんてこ舞いになり、「サッカー観戦どころでない」というようにならないことを祈っている。



2002年05月12日(日) 投信の目論見書が分かりやすくなってきた

 日経(H14.5.12付)・9面に、「様変わり 投信目論見書」「図表やQ&Aで分かりやすく」という見出しで、投資信託の目論見書が、従来に比べ、分かりやすく変身しはじめたことを報じていた。

 分かりやすいことはいいことであり、方向性としては大賛成である。


 ただ、図表を使えば分かりやすくなるというのは短絡的であろう。

 図表があると何となく取っ付きやすい気がするが、いざ図表を理解しようと思うと、案外時間がかかり、結局本文を読まないと分からないことが多い、

 何が言いたいかと言えば、ビジュアルであることに満足するのではなく、どれだけ個人投資家に分かりやすいかを基準にすべきであるということである。

 その意味で、何十ページもある目論見書は、問題であろう。

 個人投資家に理解し易いという視点をより明確にして、さらなる工夫をして欲しいと思う。



2002年05月11日(土) 元検事正が、弁護士過疎地で事務所を開設

 日経ではなく、朝日(H14.5.11付)2面の「ひと」欄に、元検事正の弁護士が、弁護士過疎地である稚内市に弁護士事務所を開いたことが載っていた。


 素晴らしいことだと思う。


 弁護士は都会に集中している。

 そのため、弁護士過疎の地域が全国に多数ある。

 弁護士会は、この弁護士過疎の地域を無くそうと運動しているが、解消はなかなか進まない。


 記事によると、「弁護士過疎解消には、私の世代の方が役立てる。子どもの教育、家族への気兼ね、収入の心配、勉強の蓄積、どれもヤマを越しているから。」とのことである。


 将来、こういった生き方・考え方が自分もできればと思う。



2002年05月10日(金) 法令違反した証券外務員の氏名を公表

 日経(H14.5.10付)・7面に、証券取引法などの法令に違反した証券外務員の氏名などを公表し、ホームページで投資家が閲覧できるようにするとことが報道されていた。


 このような措置は、情報開示の一環として大賛成である。


 ただ、その記事の中に、氏名の公表はプライバシーを侵すことになるという指摘もあるということが書かれていたが、私は、プライバシー侵害にはならないと考える。


 そもそも、プライバシーがあらゆる場面で保護されるわけではない。

 例えば、犯罪を犯したものが実名で報道されても、問題にはならないが、それは報道の自由の利益が優越し、その限度でプライバシーが保護されないからである(実名報道の当否という問題はあるが)。


 この場合も、証券外務員は、一定の資格を有する者であり、証券取引に関する法令を遵守する高度な義務があるのだから、それに違反すれば、処分を受け、氏名を公表されてもやむを得ないといえよう。

 したがって、プライバシーの保護を理由に、氏名の公表を拒むのはおかしいと思う。



2002年05月09日(木) 電子政府構想、セキュリティに欠陥

 日経(H14.5.9付)・社会面に、政府が推進する電子政府システムに相次いで欠陥が見つかり、安全対策を強化したとの記事が載っていた。

行政への申請等をインターネットで行うことを目指す電子政府の構想は、行政手続きの利便性を増すと共に、行政手続を簡略化し、行政の肥大化を防止することに役立つものと思われる。

(但し、従来のシステムを温存したまま電子政府システムを推進すると、二重のシステムとなり、かえって行政の肥大化となるから、十分な監視が必要である)


 ただ、電子政府は、セキュリティーの問題がつきまとう。

 もちろん、従来の紙による申請手続き等でも、第三者が本人になりすまして、手続をすることは幾らでも可能であったから、セキュリティーは必ずしも高くはなかった。

 しかし、電子政府システムにおいては、第三者による盗聴の機会が飛躍的に増大したし、被害の程度も甚大になる可能性が高くなった。

 それゆえ、セキュリティー対策は極めて重要であることは論を待たない。


 ただ、どんなにセキュリティー技術を高めても、それを破る技術も次々と開発されるであろう。

 したがって、セキュリティーシステムの高度化だけによって安全対策をはかることは無理がある。

 むしろ、ローテクをも利用することを検討すべきではないか。

 例えば、インターネットで申請手続きをした後、本人確認として郵便を使うとかを考えた方がいいのではないだろうか。



2002年05月08日(水) 田中議員の秘書給与問題に関連して

 日経(H14.5.8付)・2面によれば、田中真紀子議員の秘書給与問題で、自民党が田中議員に面談を申し入れたが、田中議員は、「給与問題は弁護士が対応する」として面談を拒否したそうである。


 こういうときの弁護士は、しんどい。


 秘書給与問題についての田中議員の説明は、到底納得できるものではない。

 おそらく、田中議員の顧問弁護士も、内心は田中議員の説明は説得的でないと思っているだろう。

 にもかかわらず、田中議員の代理人として、その言い分を主張しないといけないのである。

 しかし、内心は、田中議員の説明が説得的でないと思っているときには、主張にも迫力がなくなるものである。

 そうすると、代理人としての役割はまっとうできないことになる。

 その意味でつらいのである。


 そもそも、自分の都合のいいときは、マスコミの前でべらべらしゃべり、都合が悪いときは弁護士に任せるという態度は、いかがなものかと思う。



2002年05月03日(金) 個人の株取引のうち、ネット取引が5割に。

 日経(H14.5.3)1面に、昨年度下期は、個人の株取引のうち、ネット取引が5割に達したと報じられていた。


 ネット取引の内訳では、信用取引が伸びているそうである。

 つまり、ネット取引が伸びたのは、株取引が上級者や中級者の取引が増えたためのようである。


 ところで、ネット取引が始まってから、さまざまなトラブルが増えると思ったが、意外にネット取引特有のトラブルは少ないようである。


 これは、ネット取引をしている人たちは、株取引のベテランであり、損をしたときに証券会社に文句を言っても通らないことを自覚しているからなのかも知れない。

 その意味では、自己責任の原則を理解した人たちということになろう。


 ただ、現在は、株価の低迷で、初心者が取引を控えているだけで、取引に参加するようになれば、ネットで取引を行うようになるのかも知れない。

 その場合には、ネット取引だからこそ、自己責任の原則が強調されることを留意しておくべきであろう。

(4日から7日まで、休暇のため、日記をお休みします。)



2002年05月02日(木) 株主代表訴訟における取締役の責任は、もう少し軽減してもいいのではないか

 日経(H14.5.2付)・3面に、株主代表訴訟で、商法の改正により、事前に定款で取締役の賠償限度額を定めた場合には、取締役会で決議すれば、責任が軽減できるようになったが、あまり利用されていないという記事が載っていた。

 取締役会で責任を軽減する決議をしても、株主の3%以上が反対すれば、決議は無効になるためである。
(3%以上の反対を集めるのは容易である)


 自民党内にはすでに再改正論がでているそうである。

 実際、取締役になっている人は相当怯えているようである(とくにゼネコン関係)。

 「それは後ろめたいことがあるからだろう」とツッコミを入れたくなるが、そうはいっても、そういった萎縮効果は無視できないほど切実である。

 交通事故を考えれば分かるが、誰でも過失はあり得る。
 そのような場合に、巨額の賠償責任を負うとなれば、萎縮するのも分からないではない。

 私は、軽過失の場合には、責任の限度は取締役員報酬1年分とし、役員保険は会社が全額負担すべきでないだろうか(重過失の場合は保険不適用である)。

 裁判で、取締役の責任が認められているのは、犯罪行為のあたる場合や、重過失の場合に限られている。
 
  したがって、株主による経営監視という株主代表訴訟の趣旨からいって、責任軽減を軽過失の場合に限定すれば、責任の限度額を役員報酬1年分に限定しても、それほど不当な結果にはならないと思う。



2002年05月01日(水) 千住警察では、毎日痴漢が捕まっている

 日経(H14.5.1付)・社会面に、桐生市の助役が、電車内で下半身を見せ、公然わいせつ罪で逮捕という記事が載っていた。

 新聞には、毎日のように、公然わいせつや痴漢で逮捕された記事が載っている。

 もっとも、新聞記事になるのは、氷山の一角である。


 以前、当番弁護士として、千住警察署に、被疑者の面会に行ったところ、痴漢の事件であった。

 それから何か月か経って、また当番弁護士の順番が回ってきたら(年数回、順番が回ってくる)、そのときも、偶然、千住警察署であり、事件も同じく痴漢であった。

 担当警察官からは、「先生、以前も来たねぇ。」と言われた。

 (当番弁護士だから、私が選んできたんじゃないんだけどと思いながら)、
「痴漢で逮捕される人は多いんですか。」と聞いたら、

 「北千住駅は、いくつかの路線が集まっており、乗換駅にもなっているから、北千住の駅で降りて突き出されるケースが多いんですよ。
 毎日、1人は警察に突き出されていますよ。」
と言っていた。

 毎日、誰かが突き出されているとはと驚いたことを覚えている。


 警察に突き出されても、犯行を認めれば逮捕まではされない。
 通常は、5万円の罰金刑で済む。(但し、条例改正により、現在ではもう少し高額化している。)

 しかし、否認すると、逮捕されて、その後10日間勾留される。

 したがって、本当に痴漢をしたのなら、認めるべきである。
 逮捕されて、無断欠勤になって解雇されることの方が困るだろう。

 しかし、本当にやっていないときはつらい。

 あくまでも否認して、20日間勾留され、長期欠勤となって会社から解雇されるか、やってもないのにやったと認めて釈放されるのかという選択を迫られるからである。


 結局、満員電車では、女性の近くにいないのに限るようである。


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