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アイ ナンカ イラナイ。
夏野 空の日記

2005年05月10日(火) 景虎

仕事の帰り道

久しぶりに寄り道をして、
以前、呑み屋を探している途中で見つけた
酒屋を覗いてみる。


新宿の西口の

歌詠みの少女の横をすり抜けていく先の


私が最初に好きになった日本酒
景虎がいくつも置いてある酒屋

何かに追い立てられるように駆け込んで
何かに追い立てられるように慌しく品定めする。

景虎のいくつか。
梅錦のいくつか。


呑み切れないほど選ぶ私はやはり狂っているのだろうか。






問うても誰も答えてくれないことを私は知っている。






打ち込むレヂスターが狂った数字を吐き出すので
酒屋の店主は途方に暮れて意味のない額を請求する。


流れる汗。


果たして意味はあるのか?


「意味などないのだろう」と思う


貴方にとっての私には



何も。




斗瓶取りの大吟醸をあけてみると思いのほか重く。


景虎が私を呼ぶ




けれど貴方は私を呼ばない。




いくら待っても。





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