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アイ ナンカ イラナイ。
夏野 空の日記

2002年06月30日(日) SWと乱交と強姦とSMの違いについて答えよ。

仕事を辞めてからもう1ヶ月になる。
ので、先週あたりからようやっと腰を持ち上げた。
「腰を持ち上げた」と言っても、根が出不精なのでネットで求職活動である。
便利になったと言うのか、怠惰でも何とかなるようになったと言うのか。
どちらにせよ、ネットジャンキーなので「さんくす」である。

ヒマな時に履歴書の何通かは書いておけよ、と思うのだが、
明日、ああ明日、と思いながら結局今日まで一通も書いていない。
1ヶ月時間があったのに。
何をやっていたんだ?

まぁいい。過ぎてしまった事だ。
そうしてワールドカップ・サッカーも終わった。
6月のSALONは大忙しであった。
が、アタシはこの忙しさがもう少し続くのである。


土曜の昼、履歴書の1通でも書いてりゃいいものを、ついついチャットにハマる。
どーでもいい部屋に入ったのがいけなかったらしい。
「ナンチャッテS」というのか。
「偽S」というのか。
そーいう輩と議論するハメになった。

「僕もSM愛好家で奴隷がいるんですけどね。最近、中出しをするようになって。
 最初っからゴムなんかつけませんよ。アナタ、イラマチオしてくださいよ。
 一緒にパートナーを交換しあったり、複数プレイしたりしましょうよ。」

ぶっちん。


キレたキレた。
久しぶりに見事にキレた。
アンタァ、SがMを守るのは「SM愛好家としては」常識じゃぁないんかね?
「彼女が妊娠したらどーするんだ?」と聞いたら「病院に行かせますかねぇ。」という。
「他のヤツに病気でも伝染されたらどうするんだ?」と聞いたら
「彼女がイイって言うからやってるんです。」と言う。

てめー。
じゃぁ何か?
痛い目に遭うのは一方的に女なワケだな?
そんなに中出ししたいならオメェが病院に行ってパイプカットしてもらえや。
そもそもパートナーに対して責任とれないなら「SM愛好家」を名乗るな!
つーか、この男。
何かあっても責任とる気が全くないらしい。
そして「スワッピング」も「乱交」も「強姦」もみ〜〜〜〜んな「SMでしょ」と言う。

頭痛がするくらい頭に血がのぼってしまって。おそらく。

チャットでよかった。
コイツが実際目の前にいたら口で言い返す前に手が出てた。
手ならまだよかったかもしれない。
オイラはこういう状態になった場合、大抵凶器となり得る“モノ”を手にするので。
大変なことになっていただろう。


まぁいいや。
オイラの人生とは関係のないところで生きていってくれ。
全く関係なく。


土曜日の夜に美味しいお酒をいただく。
北海道内限定の男山!
あー。
憂さは吹っ飛んだ。
嬉しい。
美味しい。

そしてトルコvs韓国のサッカー試合終了後の気持ちいい場面を目の当たりにして
「すーーーーーっ」とみんな流れていった。
ああそうか、と思った。


今日ネットでの知り合いが試験を受ける。
昨晩、試験前日だというのに深夜まで話しこんでしまったのだが、
果たしてどうしただろう。
ちゃんと朝起きられただろうか。
とりあえず試験が終わったらお好み焼きでも食いに行こう、と言っている。
「受かったらアタシのお好み半分ヤるわ。ラムネは3口だけしかヤらん。」
と言ってはおいたが。
一生懸命やったのなら。
全力を尽くしたのなら。
結果はどうでもいい。
お好み半分やる。


オイラは明日バイトの面接。
なのに今日は風邪をひいている。





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2002年06月27日(木) 彼女が向かっているところ

美加ちゃんに会ってきた。
一体誰だったっけ、というくらい久しぶりの彼女が
どうしてアタシに電話をかけてきたのかは分らないけれど。
そしてどうしてだか分らないけれど携帯の向こうで美加ちゃんは明らかに泣いていて、
いつ彼女にその場所を教えたのだか自分でも覚えていないのだが、
「麗香さんチのすぐ近くなの」と言う。

今日の病院は混んでいて少し疲れた。
久しぶりにヒールを履いて雨の中傘をさして歩くというのも疲れた。
疲れて帰ってきたばかりのアタシはけれど美加ちゃんを放っておけずに
再び部屋を出た。

同じ靴。
同じ鞄。
同じ傘。

重たいじゃぁないか。


美加ちゃんがいると思しき場所に向かって歩いていると、
路上の車の中から声をかけられた。
「麗香さぁん。こっちこっち。」
どうりで。
表で話しているにしては声の通りが変だと思ったんだ。

美加ちゃんの車に乗り込む。
つい今しがた電話口でワンワン泣いていた彼女はもう泣き止んでいて、
アタシは幾分拍子抜けしたのだけれど、誰かにいて欲しかったから
呼び出したのであろう、と。
落ち着いたところで話でもするかな、と。

「どうする?お茶でもする?」
「ううん。このままどっか行く。」

彼女がどこに住んでいるのかは分らないけれど、
どうやらこの辺りの道には通じているらしい。
まるで決められたレールの上を走るゴーカートのように迷いなくハンドルを切る。

結構なボリュームで音楽を聴くんだなぁ、と。
綺麗な声の女性ボーカリストだなぁ、と。
ふと、何かが混ざって聞こえた気がしたので、アタシは前に向けていた視線を
美加ちゃんの手元に移した。

その手首は濡れていて。
車の中なので明らかに雨ではなく。


美加ちゃんはハンドルにしがみつくようにして泣いていた。


「そんなに泣きながらじゃ前が見えないよ。事故っちゃうよ。」
アタシはきっとこんなこと言わなかった方が良かったのだろう。
美加ちゃんは声をあげて泣き出してしまった。

言わんこっちゃない。
急に車の進路が危うくなる。
もう少しで割り込んできたタクシーにぶつかるところだった。

とりあえず車を路肩に寄せる。
デカいボリュームでかけられた音楽の裏で、
カッチ、カッチ、とウィンカーの明滅する音がする。

音楽なんだかウィンカーなんだか美加ちゃんなんだか。

雨なんだか。


しばらく。
しばーらく。
ひとしきり泣いて疲れたのだろうか。
鼻水をすすり上げながら「帰る。」と言う。

化粧がグチャグチャだ。
このまま人のいるところに連れ出したら可哀想なので、アタシは再び聞く。

「どうする?」
「帰る。」

言われなくても見ただけで分るくらい疲れている彼女の車を
アタシは運転することができないので、少し考える。

ここはどこだろう?

聞いてみたら、彼女の家はもう目と鼻の先だと言う。
どうやらアタシは下北から美加ちゃんの家の近くまで運ばれてしまったらしい。
そして運ばれてしまったアタシは美加ちゃんにウチまで送らせることなど
到底できずに、そこで降りることにした。

なぜ美加ちゃんが泣いていたのか。
結局。
理由は分らない。

話さなかったということは話したくなかったのだろうか。
あるいは話すのが辛かったのか。
話さなくても良かったのか。
涙と一緒に流れてしまったのか。
「アタシ」じゃなかったのか。


ここはどこだろう?





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2002年06月26日(水) 炒りたてのコーヒー豆はアナタの心を癒す

雨はキライだ。
憂鬱になる。
億劫になる。

行きたいところがあるのに雨が降ってるから出かける気にもなれない。
やりたいことがあるのに雨が降っているからベッドから起き出す気にもなれない。
やらなきゃならないことはもちろん後回しだ。
それどころかやる気さえ起きない。

はっきりと目が覚めたら何だか寒気がする。
喉が痛い。口をあけているのもツライ。
念のため風邪薬を飲む。

人と待ち合わせていたことを思い出したのだが、とうに時間を過ぎている。
しかもどんなに詫びを入れて出かけていったにしても、
この体調で相手と向かい合ったら迷惑だ。

「この間、キミ風邪気味だったよねぇ?」
「あー。ゴメン。伝染った?」

迷惑千万、この上ない。
あー、ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ。
携帯の番号くらい聞いておけばよかった。
あるいはアタシなんぞに教えたくなかったのだろうか。
違ったか。
アタシが教えたくなかったのか。

いいか。
きっと縁がなかったんだ。
今度ね。また約束することがあったらメシくらい奢るよ。

もう忘れよう。

自己嫌悪を感じて、そして風邪薬のせいの眠気にさらわれて、
再びベッドに潜り布団を引きずりあげる。
眠い眠い。
いくらでも眠れる。

ふらふらと夢と現の間で、こんな時ベビーやはに〜がいてくれたらなぁ、と思う。
ベビーは学校始まってるし。バイトも始めたし。
はに〜はキャットファイト以来連絡がとれない。

暖かいおかゆが食べたい。

夕方、幾分体が楽になったので起き出す。
いい加減、外は暗い。
もう買い物に行くのも諦めた。というより、頭も足腰もふらふらする。
病院に行くのもパスだ。

アイスコーヒーを淹れるのも億劫。
でも昨日新しい豆を仕入れてきたので飲んでみたい。
深炒りのイイカンジに艶のある豆。
黒々としている。

密閉容器から取り出して、豆を挽く。
挽きたての豆を見るとワクワクする。
最初に少ぉしお湯を入れて豆を蒸らす時、それが膨れ上がってくる。
豆が生きていると感じる。

美味い。
この豆はアタリ。

飲物を口にしたら少し食欲が出てきた。
ネギいっぱい、玉子入りのインスタントラーメンを作る。

おかゆが食べたい。

ふー、ふー、って。
誰か口に運んでくれないかな。

おくればせながら最近、出会い系サイトってどんなんよ?、とリサーチしている。
寂しがりやが多いんだな。
皆一人で生きているんじゃないのに。

しがらみも、憎しみも恨みも、もちろん人と人とが繋がるために必要だ。
と、オイラは思う。

みんな、臆病になっている。
嫌われたらどうしよう。
受け容れてもらえなかったらどうしよう。
その場で自分が浮いた存在になってしまったらどうしよう。

それらは全てあなたの糧になる。のではないのか。
あなたの糧にする。のではないのか。

アナタはもっと強いはずだ。
否。
強くなってもいいはずだ。
どんなに深い疵だって、そのうち浅くなるもんだ。





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2002年06月24日(月) 彼の背中の爪の跡

起き上がると背中が痛い。
どんよりとした曇り空。

天気のせい?


昨日の夜中どうしようもなく涙が止まらなくて泣いた。
高ぶった神経はアタシを眠らせることを許さなかったので睡眠薬を追加しようと起き出した。
何故か体は軽く。
頭が軽いのか?

寝る前に飲み残したアイスコーヒーで流し込む。
そのまますぐにベッドへ戻ればよかったものを、どうしてだか爪を切りたくなった。

アタシは手を褒められることが多い。
「キレイな手ぇしてるよねぇ。」
ここ半年だけでも何度言われたことか。

台所仕事をしていないわけではない。
それどころか、結構酷使している。
けれどハンドクリームなど使ったのは生まれてから数度だし。

同時にワラワラと色々なことが頭の中に沸き起こる。
アタシはそれらを忘れようとでもするかのように爪を切るという行為に集中する。
いつのまにか忘れられてゆく就寝という行為。

パチン。
パチン。

「麗香さんの爪はいつも尖ってるんだよねぇ。」

タマにしか顔を合わせないというのに、そんなところまで観察して覚えているヤツもいた。
アレは誰だったか。

足の指の爪まで切る。
残したのは左手の小指の爪だけ。
けれど全部尖っている。

イタカッタラゴメン。


「思いっきり爪立ててもいいよ。」

アレはどこで聞いた言葉だっただろう。
頭の中で色々な男に同じ科白を言わせてみる。


今ここにある疵はおそらく自らの爪でアタシが引っ掻いたものだ。

網タイツは確かにあの時破られたのだ。





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2002年06月23日(日) 焦げついていく記憶

怒涛のような週末またしても。
SALONにはマイ・コースターのコーナーができた。

ぷらんぷらんと揺れるコースター。
布製・ボタン付・刺繍入り・紙製・コルク製・・・。
色も素材もそれぞれ違っていて面白い。

アタシのは金属製。
結構気に入って買ったのだけれど、次々に良さげなのが見つかって
どうしようか迷うことしきり。
けれど知り合いが「reika」の金属製名前入りオリジナルコースターを
作ってくれるというので、それまで待つ。

いずれにしても。
待ち続ける女なので。

待つ。


先週末、近所の酒屋に初めて行った時バスを使った。
車窓から見慣れない風景に目を奪われながら、別のものに意識を奪われた。

「次は××。××に停まります。・・・・・」

目的地に近づいている感覚。
一方的に現在地を知らされる感覚。
そして乗っている“車”の、電車のそれとは明らかに異なる感覚。

精神病院に搬送された時のことを思い出した。

あの時、救急車の中、ストレッチャーに寝かされているアタシに元夫は
「今○○のあたり。もうすぐ△△。」と言って聞かせていた。

「もういいです。」

動悸がやけに高まる。
降りたほうがいいだろうか。
けれどその目的地にあるのはそれとは違う。

大丈夫。
大丈夫。

サッカー応援イベントの夜の晩御飯はお好み焼きにした。
ちょっと焦がした。
いあ。かなり焦がした。
「発がん性物質だよ」とモグモグと言う輩を尻目に構わず食べる。

らぶり〜きゅぅとが詩を朗読したのをきっかけに、詩を書く人達と詩の雑誌について語り始める。
明けて来る夕べ。
結論。

「これでは“フツーの人”は読もうと思いませんよ。」

カウンターの隅でボルケーノのワックスがゆっくり上下しながら会話を見つめる。

ちりりちり。

何かが焦げていたここ数日。

そして何かが焦げ続けている。


夕方になってからようやく覚醒。
メールチェックしてから夫と買い物に出かける。

途中、昔の知り合いとすれ違った気がした。





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2002年06月22日(土) SMとフェチと男根主義(?)

どうやら不眠症は着々と進行しつつあり、
そのせいもあって、ここのところ忙しい。
日中の半分以上が失われている。

日用品を買いに行きたい。
部屋の片づけをしたい。
当然、職探しもしたい。

そうだ。
職安に行って失業保険給付の手続きをしないと。

ここ数日、病院にはきちんと通っている。
指はもうこれ以上はどうしようもない、と。
時間をかけて筋力が戻ってくるのを待つだけだ、と。

それよりも首がヤバいらしい。
どうやら反っているアタシの首。の骨。
マッサージしてもらう。

痛い。痛い。痛い。

「イタイのスキでしょ〜〜?」

先生。
それは違います。
痛ければ何でもイイんじゃぁないんです。
スキな痛みとキライな痛み、得意な痛みと苦手な痛み、ってちゃぁんとあるんです。

Mの主張。

というほどのことでもなく。


今日は病院で治療の合間にサッカー観戦。
気がついたら誰も治療してないし、誰も治療されてない。
病院中ワーワーキャーキャー。
何なんでしょうね。この人たち。
いえ、アタシも含めて。

ドトールでお茶でもしていきたかったけれど、買い物しなきゃ
いけなかったので、とっととロフトに向かう。

棚を注文。来週ヨロシウ。
化粧水とサマーキットを購入。美白ヨロシウ。

キッチン周りの使い勝手をよくしたい。ロフトの中をウロウロ。
物色するだけにして井の頭線の改札を目指す。

駅に行く途中で、キャンペーンガールが風船を配っていた。
彼女たちは、物を落としたら膝を曲げてソレを拾うんだろうなぁ、と。

見た目のトシの割に少しお腹が出ているコがいて気になる。
痩せているコよりは。スキ。

アタシはワキガフェチである。
一方で足がスキだったりもする。
細すぎる足には興味がない。
美しくない。
どちらかと言うと好きではない。
はっきり言うと嫌い。
それはアタシの中では絶対的にある程度の丸みを必要としている。


戻った下北でSALON用マイ・コースターを壁に飾るべく、雑貨屋をウロウロ。
インテリアショップでおじさんと議論。
山のような品物を両手に抱えて、それでも吹く風の気持ちよく。

少し暑い。

家に着いて一息。
この豆で淹れたアイスコーヒーってこんなに美味しかったっけ?

明日のSALON用の食材を買いに再度表へ出るには疲れ過ぎた。

ゴーヤチャンプルーとトマト味のスープを作る。
野菜たっぷりにして。

サッカーの試合終了後、夫と二人で、少し離れた酒屋にチェックを入れに行く。
この間見つけた酒屋。
随分前に教えてもらった酒屋。

歩いてみたら意外と近かった。しかもやっすい。メッチャやっすい。
品揃えピカ。ピカピカのピカ。
でも星2つくらいにしておく。

普段呑んでいるのと同じお酒を買おうとしている夫に気付く。
ボーナスが出たことだし。
自分にご褒美をあげてもいいんじゃないか、と提案。
「そうだねぇ・・・・」と、どれにしようかアレコレ迷っている夫がカワイイ。

寒いくらいに涼しい帰り道。
時刻はとっくに12時過ぎ。

帰宅してからネットでの知り合いにコールバック。
何だか自信をなくしてしまったそうな。

女の場合も、もしかしたらそうなのかもしれないが。
男は。アレなのかね?
下半身に自信があると随分と強く出れるモンなのかね?
人生において、さ。
何事においても、さ。
逆に、そっちの自信がなくなるとツライもんがあるのかね?
他のモンで補うとか。
譲れないんかね?

それって男根主義?





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2002年06月17日(月) たわわな乳房に木霊する声のように

先週末のSALONは大賑わい。

金曜日は午後から翌朝までサッカー応援イベント。
酒の肴の仕度が間に合わない。
が、肴作ってもテレビに釘付けで料理どころか酒にさえ
手をつけるヤツなどいる。わけもなく。
ハーフタイムにかき込む。
「これはイケるだろう!」の勢いで、頂いた日本酒も開ける。

サッカーの勝利に酔い。
美味しい日本酒に酔い。
部屋の中も外も歓声が飛び交う。

分らないけれど人の笑顔が好き。
笑っているアノ子がスキ。

繰り返される乾杯。

そして待望のテキーラ到着。
届いたテキーラ「ポルフィディオ・プラタ・シルバー・カクタス」は
壜の中に青いサボテンが佇んでいる。

溜息。
溜息。
溜息。

ああ、何て美しい。
ああ、何て美味しい。
罪作りなテキーラに感謝。

そのまま韓国戦応援イベントへ雪崩れ込む。

夜半。

サッカー熱冷めやらず、滝のような雨、雷を伴い。
表を歩く異国の女のコには傘がなく、ずぶ濡れになりながら行進する。

「ドコイキマスカ?」
「マジデスカ?」

黄金色の髪の奥に光る灰色の目から滴り落ちるものは果たして雨か。

迎えた朝はどの世界にいるのか分らない明度を持つ。
いつお開きになったのか、それともならなかったのか、ウトウトさえしたのかしなかったのか、
気がついたらそこは土曜日の夕方4時の場所。

不眠症。

眠れない神経を覚醒させるべくシャワーを浴びる。
部屋を整える。
SALONを2日連続で開けるのは初めて。

醒めない神経は思考回路を回さない。
回らない思考回路は段取りが組めない。

過ぎてゆく時間いたづらに。

ボトルを磨きながら意識を引っ張り戻す。
どうやら「虎の穴」参加人数は想像をはるかに超え。
強引に始めた酒の肴作り。

「アボガドが壊れた。」

無理矢理作動させた脳は焦りを加えられてオーバーヒート。
メニューが崩れる。
泡食った夫はパニック状態、使えない状態。
戦場と化す台所。

何がどうなっている?

台所奉行登場。
救われた兵士。
正しい間隔で秒針を前進させる時計達。
鍋の中の泡ふつふつと静かに立ち上がる。
照明は落とされ看板が貼られ。

19:00
ドア・オープン

有難う。
有難う。
見えない心有難う。

「虎の穴」楽しく。
有難う。
有難う。
楽しい声有難う。

パーティータイムもいつになく盛り上がり。
親密な時間のそこここで。
素敵な笑顔のそこここで。
有難う。
有難う。

翌朝、久しぶりのM女と話し込む。
夕べあった怒涛のような時の流れはどこに行ったのか。
穏やかな時の流れ。
浮かび上がる見えないリンク。
あんな話こんな話。
気がつけば昼過ぎ。

有難う。
有難う。
優しい声有難う。


夕刻。
やっとベッドに入る。


浅い眠りのどこかで、ペニスの行進していく夢を見た。





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2002年06月13日(木) ヤッツケ仕事でヤッちゃうSM

やっとこんな時間にほれ見たことかのヤッツケ仕事。
林檎のCDは触手が動かない。

今夜は日本酒で、さくりと。
コロッケで、サクリと。
少し涼しいけれど湿気ているのでさらり、と。
おまいさん、ししゃもを買い忘れましたよ。

「かます」でいいですかね。

とっくりもね。キリリと冷やしておきましょうね。
おちょこはね。いつものように冷えていますからね。
おまいさん、鶏ささみを買い忘れましたよ。

こんなに物忘れが激しいのはね。きっとね。
トシのせいじゃぁないんですよ。きっとね。
酒呑みすぎるせいじゃぁないんですよ。きっとね。
昼間におっかないモンを見ちゃったからですね。

アタシゃあれを見たときそれこそ心臓が止まるくらい驚きました。
アイスコーヒー片手にパソコンの前で平和のへー、でね。
ちんたらメールチェックしてたんですね。
メッセンジャーでわいのわいのやっていたりもしたんですね。
アレ、いいですね。メッセンジャー。
ICQ重すぎて使い勝手が悪くなっちまいましたからね。重宝してます。
でも目ぼしい女のコが「うん」とも「すん」とも言ってきてくれないのには
正直じりじりしちまいます。
パソコンの前でね。
「の」の字を書いてみたりね。
ちと念じてみたりね。

そうじゃなく。

アンタ、アタシゃぁ昼日中、一人っきりの部屋の中、
わーーん!、と大声で泣いちまいました。

脅かしすぎです。
でも驚きすぎです。
リアクションにメリハリありすぎです。>オイラ

あれくらいね。
「ふっ・・・」て冷めた笑いでやり過ごせるようになりたいっすね。

窓全開で「わーーーーーーっ!」でしたからね。
きっとアタシの声で驚いた人もいたでしょうね。

ま、驚き繋がりってことで。
SM繋がりもね。そろそろね。
濃くしたいっすね。
え?
SMと驚きの繋がりがよくわからない?

そんなもんアータ。アタシの言うことですよ?
なにを真面目に取り合ってるんですか。

でね。
梅雨明け。
初夏の日差しを浴びてお互い汗だくになりながら。
風なんて「そよ」とも吹いてなかったりして。
オマケにやっと入ったラブホテルの部屋はエアコンぶっ壊れてたりしてね。
暑さで思いっきりイライラしながら。

「暑いわね(はぁはぁ)。」
「はい。暑いですね(はぁはぁ)。」
「アンタが体温下げりゃぁその分室温も下がるのよ。下げて(きっぱり)。」
「ム、ム、ムリですぅ。」
「吐く息も熱いんだから息しないの。止めて。・・・・まだ暑いわね。何とかならないの?」
「夏ですし。どうしようもないですぅ。」
「息するなって言ったでしょ?大体ね。オマエが二酸化炭素吐き出した分だけ
 地球温暖化が進行するのよ。奴隷が環境破壊なんかしていいと思ってるの?」


ってなこと言ってみたりして。


ですから言ってるでしょ。


アタシゃMです、って。





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2002年06月11日(火) 押入れの中のカエル

少しずつ。
今日も少しずつ。
計画的に昼型に。

まるで入道雲のような空を窓から盗み見ながら
押入れの中を整理する。

いる。
いらない。
いる。
いらない。
・・・・・・。


アタシは何をやっているのだろう。


休憩休憩一休み。
アイスコーヒーで一休み。

でもこの豆きらい。


早く飲み終えて次の豆を買おう。
いらないものを引きずり出して必要なものを再び
四角く四角く押し込んでゆく。押入れ。

ちょっと片づけた。
人目に晒したくないもの仕舞った。
押し込んだまま忘れていたもの引っ張り出した。

カエルが泳ぐマウスパッド。
中に水が入っている。
「すいすい」はムリですね。
「ぐりぐり」でしょうか。
きっとカエルは苦しいでしょうね。
ウチにはこんなんばっかりある。

なんて罪なことをするんだ。

ハートが泳ぐマウスパッドは涼子ちゃんにあげた。
赤いハートのマウスパッド。
破れて漏れ出したらイヤだな。
何が漏れてくるのかな。
知られたくないものじゃぁないのかな。

イヤだな。
イヤだな。
イヤだな。

テキーラ。
テキーラ。
テキーラ。


ブラック・デスを探して。


タランチュラを。探して。


見つかるまで終わらない旅。


いつまで。


見つかるまでだ。


よ。





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2002年06月10日(月) パーティーはエンドレス。

土曜日はハラハラと、SM愛好家と詩人がごっちゃ。
SALONにて怒涛のようなサッカー観戦のさなか。

いえ、アタシゃとんと分りませんが。

おそらく翌晩の日本vsロシア戦応援の予行演習のような。
ようだったような。

いえ、アタシゃとんと分りませんが。
分りませんでしたが。

お疲れさまでしたの感謝感激雨霰。
またその業界でヤってくんですかの祝い酒こなせば無鉄砲。

予想の倍ほどの人数に台所戦争勃発。
サッカーの代理戦争どころじゃぁありやせん。
右往左往の女だらけ毛だらけネコだらけMまっつぁお。S。
お呼びでナイ。

ゴーヤはどこへ行った?

あれよあれよと杯はカラになり、当然酒瓶カラになり、
ジンジャーエールはこれでもかと買い足され。
台所あんど冷蔵庫にあるだけの食材で満たされたはずの皿もカラになり。

踊り明かせや食い倒せ。
新登場のピカピカライトに照らされて。あ〜ら皆さんイイオカオ。
美味しいお酒に舌鼓、あまぁいケーキに舌鼓。

これだから。
これなので。
やめられません。どこまでも。SALONは続くよどこまでも。

えんどれす。

叩かれる詩人のケツ麗しく。
読み上げるSM愛好家の声狂おしく。

イッちゃいませんか、ご一緒に。

明け方のUNOはお約束。
倒れるジェンガに倒される意識。
苦労の挙句ゲームに愚弄され、クルクル回るよ地球が回る。
地軸がズレるは誰のため。
お天等様もご存知ナイ。

ピッカピカの強風の中お開きとなりました。

おつかれぇのぉみなのしう。



というワケで。
今週末はまたしてもイヴェントです。
またしても。です。
そう。
懲りずに騒ぐのです!
呑むのです!
遊ぶのです!
踊るのです!
狂うのです!
貪るのです!

ただし今回、詩人は。
その前に。イく前に。
いっちょヤラカシてもらいます。



そうして。本日。
またしてもSALONに小物が増えました。
イイ感じで壁に張り付いてます。
打つべし!打つべし!打つべし!打つべし!
壁に釘。

汗だくでした。
次回から台所担当とは別にスタッフ雇おうかと思ってるくらいです。
もうムリです。
今回なんかドア・オープンに間に合わなかったし。

「今、新宿。これから向かうわ。」
「7時オープンだっちゅーとろーがぁ!」
「もう7時になってるっちゅーの!」

怒られちゃったし。
お風呂上りのスッピンのまま通しちゃったし。
そもそもウチの夫ったら釘一本打つのに大騒ぎですから。
使えねぇっす。
呑み代タダ&時給1,000円くらい(夫持ち)で誰かやりませんか。
夫。ゴネないように。
ゴネる前に大工仕事こなしてみゃーがれ。
阻止しよう、ってーんならオイラに「ぐぅ」くらい言わせてみゃーがれ。

SALONオープン前の1時間が勝負です。
あ、ただし交通費はもちません。自腹ってください。
オマケに鬼のようにコキ使います。

おそらく。
実際のオイラの人使いの荒さを知っている身内のヤツらは決して立候補しないに違いない。
ので。
まだアタシをテキストでしか知らないアナタ。

いかが?(微)





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2002年06月06日(木) パイと一緒に焼き捨てる。

少し早目に起床。それでも1時過ぎ。
昼時だったせいか窓の外の喧騒はそれほどでもなく、
相変わらず開けっ放しの窓から、ぼーー、っと空を見る。

冷蔵庫から冷えたアイスコーヒーを出してきて、今日は何をしようか、と。

ぬけるような青空。
梅雨はどこへ行った。

もう長袖で出歩くと汗ばんでばかりいるので、そうだ、衣替え。

シャワーを浴びた後、押入れのモスボックスから
すぐに着られそうな服を引っ張り出して洗濯機に放り込む。

洗濯機が回っている間、押入れの寸法を測る。

我が家にはまだタンスらしきものがない。
押入れのスペースが結構デカいので、プラスチックケースでも買ってきて
その中にでも入れればいいのだろうが、いつでも買えるから、と後回しになっている。

窓の外に洗濯物を干したら部屋の中が少し暗くなった。
おまけに風の通りも悪くなった。ので。
とっとと病院に行く。

普段だったら混んでいる時間だろうというのにどういうワケだかガラガラで。

「なんで?」
「ワールドカップのせいでしょう。」

サッカーねぇ。

「マニアックな集い、最近やってるんですか?」
丁度手元にあったので、フェティッシュバーのチラシを渡してきた。


晩御飯はタイカレー。
ココナッツミルク入りのレッドカレーが好き。
筍は細く切ってあるほうが好きだったのに、今日行ったお店の筍は短冊切りだった。
でも美味しかったからユルす。
ヤムウンセンも美味。
デザート・・・・・忘れたけど焼き菓子。これもグッド。

ふと、週末にパイでも焼いてみようかと思い立つ。
リンゴとサツマイモをココナッツミルクで煮て。さらにシナモンを効かせて。

どうかな。

某M女のサイトが復活した。
復活。なのか。
多分そうではなく。
再出発なのだろう。
いあ。多分そうでもなく。
新たな出発なのだろう。

動いている。
動いている。
みんな動いている。

少しずつ。
少しずつ。

始まりに向かって。



そして終わりに向かって。





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2002年06月05日(水) あのとき揺れていた、「ネコ」の瞳

寝倒して。目覚めたら夕方の4時過ぎ。
もう病院なんか行く気も起きない。
ゴメンなさい。
ブッチさせて。

くもり硝子の向こうのまだ暮れていない空を見る。
もうこうして何度目を閉じたのか。
天気の崩れる前触れか、体がダルいので買い物も諦めた。
冷蔵庫の中には何があったかなぁ。
台所には野菜は何があったかなぁ。

血の巡りが悪い頭で晩御飯の献立を考える。
あるもので何が作れるか考える。
せめて仕事していない間くらいはね。手料理で迎えてあげたいよね。

じゃがいもかな。
たまねぎかな。
トマトがいいな。
鱈にしよう。

季節外れな。

コーヒーでも。
淹れている途中で気が変わってアイスコーヒーにしたくなった。
けれど濃い目には淹れていなかったので、氷を詰めたグラスに
淹れたてのコーヒーを注いだら何だかとても水っぽくなった。

少し哀しくなって、またつま先を見る。

ちゃぶ台に肘をつき、水っぽいアイスコーヒーを喉の奥に押し込みながら窓の外を見る。
ここのところ昼は陽気がいいのに加え、夜は締め切っていると少し暑い。
ので、窓は昼も夜も開けっ放し。

「ぱらぱら」と、立てかけてある本の表紙がめくられる。
しゃがみ込んで直すつもりが、ついついページを繰る。
イタヅラの世界はけれど陽の光には弱いらしい。


そういえば昨晩、窓から入ってきたのは何だったのだろう。
どうやら夫の寝息を盗みに来たらしい。
隣にいたアタシは眠れずに暗闇の中起き出して窓の外を見た。
と。

部屋の隅でミラーチャームが揺れて光った。


ヨーコの目を思い出した。


ヨーコはバイじゃない。けれど女好きである。
アタシと似ている。
似ていないのはアタシと似ていないところである。
要は「ネコ」なのである。

以前、ヨーコが男連れでバーに来ているところへ鉢合わせしたことがある。
どうしたことかやけに突っかかってくるので、少し考えて聞いてみた。

「なによ?男がいるからなの?」
「ん。」
「じゃぁ今度男がいない時、一緒に呑もう。」
「ん。」


久しぶりに思い出したヨーコの顔は何故かふくよかで。

気がついたら窓の外を夕立が遮っていた。




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2002年06月04日(火) キャッチの研修生と死んでいく蠍

今週一杯はダラダラと。
とめどなくダラダラと過ごす予定。は決定。

SALONの備品も少し揃えたいので雑貨屋巡りもつらつらと。

昨日は夕方から病院へ。
他に用事もないのにわざわざ電車に乗って出かけるなんて、と思っていたのだが
タイムスケジュールもへったくれもない今のオイラにとっては
どうやらこれが丁度いいメリハリになるらしい。

1時間半ほどで治療が終わり、下北へ戻って一軒目の雑貨屋でお香を買ったところで
知り合いの女のコから電話。
一緒に晩御飯を食べよう、ということで再び渋谷へと取って返す。

待ち合わせた時間より少し早目に着いたのでマン・ウォッチング。
キャッチの研修生が鍛えられている場面に遭遇した。

本人は「これぞ」と思うコに声をかけているんだろうが、ちょっと違う。
まるで脈ナシ。
女のコという女のコ、次から次へとブッチぎられまくり。
女のアタシから見ても「このコはどうかなぁ」ってコにばかり声をかける。
それでもナンパなら気楽なんだろうけどね。
しかも食い扶持かかってるのが露骨に滲み出ちゃってるんだもの。
あれじゃぁ立ち止まってくれるどころか、ヒきますって。

キョロキョロしてみると、数メートル離れたところから見ている、
黒尽くめの「ああ、この人はバリバリでしょう」ってな感じの先生(?)を発見。

「にやり」と笑みを投げたら「にやり」のお返しが来た。

やっぱりね。
そうだよね。

すっ、と近づいてきて二言三言、研修生にレクチャー。
離れる一瞬、研修生に睨まれたオイラ。

なんでよ?
オイラなんかした?

再び女のコに声をかけまくる研修生。
まだまだ捕まえられない研修生。

おもしれー。

女のコ到着後、アジトにて晩御飯。
野菜テンコモリのメニューなので女の子ウケするのが嬉しい。

お腹が一杯になったのでフェティッシュバーへ移動。
プー一日目からこんなんでいいんでしょうかね。

少しダルかったのでカウンターは避けてテーブルにつく。
ふと後ろを振り向くと砂を敷いたガラスケースの中に蠍が蠢いている。
三匹絡まっているので何をしているのかと思ったら、
どうやらお腹を空かせている上に縄張り争いを併発しているらしい。

目の前で一匹がみるみるうちに生気を失っていく。
ダイジョブか、コイツ。

蠍の前は亀だった。
亀の前は金魚だった。
オイラはこの種の生き物が目の前にいると、それこそ一日中見入ってしまう。

3杯ゆっくりと呑みながら。

生きている蠍を観察。
死んでいく蠍を観察。

何も考えていないオイラがいた。


そうして食われていく。



今日、また病院に行った。
人差し指はテーピングも外れて後はリハビリ次第。


はに〜。

指が治るよ。





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2002年06月02日(日) ピンク色の角。羽の生えた唇。

会社を辞めるのに、それらしい感慨なんてものはなく。
もちろん、それらしい挨拶なんぞしたくもなく。
夜からセッティングされている呑み会開始の時間ばかりが気になり
大急ぎでデスク周りの片付け&残務整理をこなす。

じゃぁね。

いじょー、オワリ。


金曜日の夜から呑み会続き。
女のコだらけでイイ感じ。
なんでだかね。
男のコはいつもオマケっぽく。

金曜日のフェティッシュバーはいつもより盛況で、知らない顔も盛りだくさん。
酸欠になる寸前にお客さんが引き始める。
そか。終電の時間だ。
お店のお客さんが入れ替わる時間。
どうやらアタシは深夜組所属だったらしい。
どうりで。知らない顔が多かったはずだ。

イベントらしきものも特になく、ハプニングも起こらなかったせいか、
一緒に連れて行った涼子ちゃんもMちゃんも、フツーに呑んでいた。
が、上半身裸の女のコに反応していた男約一名。
キミはおっぱいが見えただけで大騒ぎするほど女に縁がないのかね?

ダラダラと呑み続けているうちに女のコにブラジャーが生え、
続けてその背中から羽が生えてきた。
気がついたらピンク色の角を生やした異国の女のコが
アタシの手を握って何事か囁いている。
またしてもカウンターから野卑た笑みを投げている某店員。
言葉はわからないけれど意味はわかる。

何を見ているのかわからない夜。


土曜の準備もあるので、少し早目に店を出てタクシーに乗る。
「お客さん、お香焚いているところにいました?」

こういう運転手さんはスキ。
少し話して少しリラックス。


それでも土曜日目覚めたのはすでに夕方。
一服してシャワーを浴び、急いで部屋の掃除をしたり、ボトルを磨いたり、
照明の感じも少し変えて、SALONオープンの準備。
結構ね。
フツーなのかもしれないけどね。
遣える気は遣ってる。
つもり。だけど。

でもワカラナイ。

肴の支度ができる頃、ラブリーベビー到着。
しばらくしてSALONの台所奉行&ラブリーキュゥトも、
本日のお酒「越乃景虎」を持って到着。

日本酒が冷えるまでの間、軽いお酒を片手に話が弾む。
バイト先で性癖がバレそうになった話はその先が楽しみ。
ダイビングのお土産話も盛りだくさん。

お酒がくるくる回る頃、さらに女のコ追加。
カワイイコがいっぱいで嬉しい。
ベビーに膝枕をしてあげながら妄想。

「食ってもいいですか?」
「ダメって言ってるじゃないですか。」
「少しだけ。耳だけでいいですから。」
「だったら先に瞳を受け止めてください。」

目の前を赤い縄が這いずり回っている、と思ったら今度は男のコ2名追加。
SALONのオープニングで知り合ったざっくばらんな彼は話しやすい。
キリリとGETの効いたお酒をさらりと作る。目が覚めること請け合い。けれどまだ夢の中。
そして久しぶりに会った彼はまた少し少年の色が薄くなった。
その少し薄くなったくちびるを見て思う。

キミのくちびるはね。
犯罪ですよ。

「付き合いませんか?」


明け方、テキーラ用のショットグラスを真ん中に、UNOをしているオイラがいた。

目の前に繰り出されるカードは次々と何かを提示し、
そして重ねられたカードによって次々と塗り消され、
本当のところは選ばれた誰かが最後にテキーラで喉の奥へと流し込んでしまう。

それは真実ではなく。
それは虚構でもなく。
その喉を提供した人間でさえもその姿を知ることはおそらくない。

ので。
カードに踊らされている。

わたしだ。





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麗香@夏野空 [MAIL] [MILK PITCHER]
 
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