コトバアソビ。
無断引用お断り。

2005年06月20日(月) 刻印。


前を見据える。

師匠にはお前の瞳は凶器だよと言われた。

吸い込まれるから、と。

嘘がつけないんだ、と。

目の前の男が、珍しく楽しそうに笑った。

『イカせてくれるんだろ?・・・楽しませろよ。』

剣から炎が走る。

いいだろう。

呼吸を整えろ。

大丈夫、私は、大丈夫だ。

『クク、いい瞳だ。』

犬歯が、光った。


DEAD or ALIVE?




2005年06月15日(水) おつきさんひとつ。



『なぁ、かぁちゃん。おつきさんひとぉつ、欲しいなぁ。』

まぁちゃんが言いました。

『そんなん言うたかて、まぁちゃん、おつきさんがどんな大きさか知ってんのん?』

りんごを剥きながら、かぁちゃんが聞きました。

『知ってるよ!まぁちゃんの手のひらにちょうど乗るんや!毎日毎日、比べてんもん!』
まぁちゃんは手をかざします。

『…じゃあ、おつきさんもろて、まぁちゃんはどうすんのん?』

かぁちゃんはまた聞きました。

『ブロォチにすんねん!三日月のブロォチ!まぁちゃんだけのブロォチや!』

まぁちゃんが笑います。

『そうか、ブロォチか。まぁちゃん、おしゃれさんやなぁ。』

かぁちゃんはにこにこ笑顔です。

『せやし、まぁちゃんは、おつきさんひとぉつ、欲しいねん。』

まぁちゃんは言いました。


それは、病院のベッドから見えた、たった一つの宝石でした。





2005年06月05日(日) ひらめいた。


『そしたらあたしたち、愛されてるってことぉ?』

友達のその一言でひらめいた。

意外と、そうかもね。



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本田りんご

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