空間の距離。
僅かに形作られる面影。
腕を掴む掌。
噛み付くように貪る口付け。
抱える爆弾の、時限装置が動き出す。
空気がキミの温度を伝える。
予めいなくなることが明確な上での、
室内の飽和感。
いなくなってしまえば、
喪失感に苛まれるだけなんだとわかっていて、
キミの温度を吸い込んだ。
2004年04月28日(水) |
月見て吼える、魂の叫び。 |
太陽が怖かった。
負け犬根性が焼きついていた。
月を馬鹿にした。
他人の力を借りていたから。
今に見てろと、闇夜に吼えた。
世界を変えるために、自分を変えた。
存在意義を探したら、ゴミ箱に捨て置かれていた。
希望なんて、クソクラエだ。
妄想は耽る。
もう少しアナタが近かったなら。
首輪を嵌めて、
手錠を掛けて、
足枷をつけて。
逃げられなくしてしまおう。
逃げるそぶりを見せたなら、
鉄棒で頭を打ちつける。
閉じ込めて、しまおう。
その肩をつかんで、
こっちを向かせて。
『使えるヤツだ』って、思われたくて。
その肩に並ぶ日を夢見た。
甘酸っぱいラズベリィパイはいかが?
アナタの願いを叶えますよ。
秘密の恋の味。
甘酸っぱい、ラズベリィパイはいかが?
私の手にとまる。
遊びに来たのではなく、
休みに来たのでもない。
きっと、私を惑わしに来た。
酷く艶っぽく、暗黒が手招きをしていた。
きっとカミサマは御赦しにならない。
いつか、罪の重さは君を押しつぶすだろう。
だから、ボクは。
命を賭けて、君を護るよ。
きっとこの犠牲を、カミサマは御赦しにならない。
咎人は、裁かれるべきなのである。
それが、善か悪かなどどうでも良いのだ。
咎人は、裁かれるべきなのである。
・・・撃て。
胡桃なんてそうそう食べない。
食べたとしても、わざわざ割らない。
つまり、ボクは役に立たない。
それでも、在ることを誇りたい。
透明な空気に溶けてしまいたい。
ソラのアオでもなく、
ウミのアオでもなく、
透明な世界を丸ごと抱くように。
天気のせいでもなく。
ホルモンのせいでもなく。
自身のせいだと追い詰める。
溺れて行く。
悪いのは世界ではない。
世界を斜に見る、自身なのだ。
いっそ死んでしまえよと思う。
誰も、彼も、私を含めて、全てが。
どうでもいいじゃないか。
同情の次は批判か。
怖いんだよ。
その感情の源が読めなくて怖い。
偽善だ。
全て、偽善なんだ。
死に到ってしまえば楽なのに。
いつかは全てが枯渇する。
泣いても潤う事はない。
ならば私は筆を折ろう。
それは絶望という名の救済なのかも知れない。
アナタを思う事が全てなら、
それが私の正義だけれど。
アナタにはアナタの正義がある。
それを少し、忘れようとしていただけなのかもしれない。
正と負は、何時の日か合致して無へと転ずるだろう。
陰と陽が背中合わせのように、
決して交わることのないヒトツのモノであるようにではなく。
正と負は、何時の日か合致して無へと転ずる。
それはまるで、
ボクに笑いかけるアナタが、
緩やかな光に溶け込んで、何時の日か世界と合致するように。
光り輝くキミ。
空の蒼さにも映えて。
眩暈がした。
これから、私達の道は交わらないのだろう。
空の蒼さに眩暈がした。
上の空で、私は、別れを思った。
2004年04月13日(火) |
old dear place. |
隣で泣く君。
あの頃は、その肩を抱いて慰めることができたね。
僕の隣で泣く君。
「いつまでも泣き虫だなぁ」
きっと、僕は困ったような顔をしてたんだろうな。
僕の隣で僕の代わりに泣く君。
「いつまでも泣き虫だなぁ」
きっと、僕は困ったような顔をしてたんだろうな。
それでも、大人になってしまった僕は、
君の肩を抱けないまま。
「ホント、変わらないんだから」
そう言って僕は、汚れてしまった両手を握り締めた。
もう、君の肩を抱くことはない。
全部、全部、本音じゃない。
全部、全部、本気じゃない。
全部、全部、キモチは口唇の裏側にあるんだ。
『もう行くの?』
『うん、もう行くわ。』
大きな手で頭を撫でる感触が、
あまりにリアルで。
眩しい。
逆光で顔の造作ははっきりしない。
前に進むことが出来ない。
オレをおいて行こうとする。
やめろ。
行くな。
そっちは危険だ。
嫌な感じがする。
咄嗟に掴んだ腕。
捥げる。
「ぅわっ!!」
流血はない。
ただ、マネキンのように転がる。
柔らかい、腐った肉の感触。
どんどん進んでいくオマエ。
行くな。
『オレをおいて行くな』
届かない声。
離れていく距離。
オレのことが嫌いになったから?
零れ落ちる水滴。
ごめん。
謝ってすむなら何度でも。
ごめんごめんごめんごめんごめん。
だから、オレをおいて。
「ドコニモイカナイ、ココニイルヨ。」
振り返って言うオマエの顔が、
全てを許しているように見えた。
誇りも夢も希望も全て。
キエテイク。
この手には、
アナタの体温すら残らなかったから。
伸ばした手の先に在るのは、
少しずつ冷えてゆく体温と、
指先をすり抜ける、
幻想のような現実だけ。
忘れたころでしょう。
そのココロの中、
ひとかけらすらも、
残しはしないと約束したから。
そっと耳元に顔を寄せて。
ほんの少しの、悪戯。
飛べるはず。
『飛びたい』のではない。
『飛べるはず』。
それがボクを動かした。
こっちを見て。
一番じゃなくて構わないから。
一瞬だけ、一杯になって。
もう、その体温がそこになくても。
ずっとそばにいるからさ。
泣くなよ。
隣で静かに聞こえる寝息。
急に、明確になる感情。
離れたくない。
ずっと、そばにいるんだ。
全てが白紙。
だから緊張するんだね。
入学おめでとう。
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