コトバアソビ。
無断引用お断り。

2004年04月30日(金) 呼吸。


空間の距離。

僅かに形作られる面影。

腕を掴む掌。

噛み付くように貪る口付け。

抱える爆弾の、時限装置が動き出す。




2004年04月29日(木) キミのカケラ。


空気がキミの温度を伝える。

予めいなくなることが明確な上での、

室内の飽和感。

いなくなってしまえば、

喪失感に苛まれるだけなんだとわかっていて、

キミの温度を吸い込んだ。



2004年04月28日(水) 月見て吼える、魂の叫び。


太陽が怖かった。

負け犬根性が焼きついていた。

月を馬鹿にした。

他人の力を借りていたから。

今に見てろと、闇夜に吼えた。

世界を変えるために、自分を変えた。

存在意義を探したら、ゴミ箱に捨て置かれていた。

希望なんて、クソクラエだ。




2004年04月27日(火) アナタが欲しくて。


妄想は耽る。

もう少しアナタが近かったなら。

首輪を嵌めて、

手錠を掛けて、

足枷をつけて。

逃げられなくしてしまおう。

逃げるそぶりを見せたなら、

鉄棒で頭を打ちつける。

閉じ込めて、しまおう。




2004年04月26日(月) どうにかして。


その肩をつかんで、

こっちを向かせて。

『使えるヤツだ』って、思われたくて。

その肩に並ぶ日を夢見た。



2004年04月25日(日) 秘密の恋の味。


甘酸っぱいラズベリィパイはいかが?

アナタの願いを叶えますよ。

秘密の恋の味。

甘酸っぱい、ラズベリィパイはいかが?




2004年04月24日(土) 黒蝶。


私の手にとまる。

遊びに来たのではなく、

休みに来たのでもない。

きっと、私を惑わしに来た。

酷く艶っぽく、暗黒が手招きをしていた。



2004年04月23日(金) 君を、護るよ。


きっとカミサマは御赦しにならない。

いつか、罪の重さは君を押しつぶすだろう。

だから、ボクは。

命を賭けて、君を護るよ。

きっとこの犠牲を、カミサマは御赦しにならない。




2004年04月22日(木) 撃て。


咎人は、裁かれるべきなのである。

それが、善か悪かなどどうでも良いのだ。

咎人は、裁かれるべきなのである。

・・・撃て。




2004年04月21日(水) 胡桃割人形。


胡桃なんてそうそう食べない。

食べたとしても、わざわざ割らない。

つまり、ボクは役に立たない。

それでも、在ることを誇りたい。




2004年04月20日(火) ソライロ。


透明な空気に溶けてしまいたい。

ソラのアオでもなく、

ウミのアオでもなく、

透明な世界を丸ごと抱くように。




2004年04月19日(月) 鬱。


天気のせいでもなく。

ホルモンのせいでもなく。

自身のせいだと追い詰める。

溺れて行く。

悪いのは世界ではない。

世界を斜に見る、自身なのだ。




2004年04月18日(日) 致死。


いっそ死んでしまえよと思う。

誰も、彼も、私を含めて、全てが。

どうでもいいじゃないか。

同情の次は批判か。

怖いんだよ。

その感情の源が読めなくて怖い。

偽善だ。

全て、偽善なんだ。

死に到ってしまえば楽なのに。



2004年04月17日(土) 筆を折る。


いつかは全てが枯渇する。

泣いても潤う事はない。

ならば私は筆を折ろう。

それは絶望という名の救済なのかも知れない。



2004年04月16日(金) 重い想い。


アナタを思う事が全てなら、

それが私の正義だけれど。

アナタにはアナタの正義がある。

それを少し、忘れようとしていただけなのかもしれない。



2004年04月15日(木) 緩やかな光の中で。


正と負は、何時の日か合致して無へと転ずるだろう。

陰と陽が背中合わせのように、

決して交わることのないヒトツのモノであるようにではなく。

正と負は、何時の日か合致して無へと転ずる。

それはまるで、

ボクに笑いかけるアナタが、

緩やかな光に溶け込んで、何時の日か世界と合致するように。




2004年04月14日(水) 眩暈。


光り輝くキミ。

空の蒼さにも映えて。

眩暈がした。

これから、私達の道は交わらないのだろう。

空の蒼さに眩暈がした。

上の空で、私は、別れを思った。



2004年04月13日(火) old dear place.


隣で泣く君。

あの頃は、その肩を抱いて慰めることができたね。

僕の隣で泣く君。

「いつまでも泣き虫だなぁ」

きっと、僕は困ったような顔をしてたんだろうな。

僕の隣で僕の代わりに泣く君。

「いつまでも泣き虫だなぁ」

きっと、僕は困ったような顔をしてたんだろうな。

それでも、大人になってしまった僕は、

君の肩を抱けないまま。

「ホント、変わらないんだから」

そう言って僕は、汚れてしまった両手を握り締めた。

もう、君の肩を抱くことはない。



2004年04月12日(月) 嘘の裏側。


全部、全部、本音じゃない。

全部、全部、本気じゃない。

全部、全部、キモチは口唇の裏側にあるんだ。




2004年04月11日(日) 浅き夢見し。


『もう行くの?』

『うん、もう行くわ。』

大きな手で頭を撫でる感触が、

あまりにリアルで。




2004年04月10日(土) 微熱遊戯。


眩しい。

逆光で顔の造作ははっきりしない。

前に進むことが出来ない。

オレをおいて行こうとする。

やめろ。

行くな。

そっちは危険だ。

嫌な感じがする。

咄嗟に掴んだ腕。

捥げる。


「ぅわっ!!」


流血はない。

ただ、マネキンのように転がる。

柔らかい、腐った肉の感触。

どんどん進んでいくオマエ。

行くな。


『オレをおいて行くな』


届かない声。

離れていく距離。

オレのことが嫌いになったから?

零れ落ちる水滴。

ごめん。

謝ってすむなら何度でも。

ごめんごめんごめんごめんごめん。

だから、オレをおいて。


「ドコニモイカナイ、ココニイルヨ。」


振り返って言うオマエの顔が、

全てを許しているように見えた。




2004年04月09日(金) キエテイク。


誇りも夢も希望も全て。

キエテイク。

この手には、

アナタの体温すら残らなかったから。




2004年04月08日(木) 冷えてゆく体温。


伸ばした手の先に在るのは、

少しずつ冷えてゆく体温と、

指先をすり抜ける、

幻想のような現実だけ。




2004年04月07日(水) アナタはもう。


忘れたころでしょう。

そのココロの中、

ひとかけらすらも、

残しはしないと約束したから。



2004年04月06日(火) 舐める。


そっと耳元に顔を寄せて。

ほんの少しの、悪戯。



2004年04月05日(月) フライ ハイ。


飛べるはず。

『飛びたい』のではない。

『飛べるはず』。

それがボクを動かした。




2004年04月04日(日) 見てくれ。


こっちを見て。

一番じゃなくて構わないから。

一瞬だけ、一杯になって。




2004年04月03日(土) 泣くなよ。


もう、その体温がそこになくても。

ずっとそばにいるからさ。

泣くなよ。



2004年04月02日(金) 純情な感情。


隣で静かに聞こえる寝息。

急に、明確になる感情。

離れたくない。

ずっと、そばにいるんだ。



2004年04月01日(木) 出会い。


全てが白紙。

だから緊張するんだね。

入学おめでとう。


 既知  置場  未知


本田りんご

My追加
コトバアソビ。