ぴよの映画めった斬りコーナー
ぴよが見た新作映画・ビデオ・DVDを個人的趣味でぶった斬るコーナー
ぴよと意見が合わないからっていじめないでぇ〜ん!(^_^;)
【ネタバレも含んでますので注意してねん♪】

2007年09月28日(金) サウスバウンド

監督:森田芳光
出演:豊川悦司
    天海祐希
    田辺修斗、他
オススメ度:☆


【あらすじ】
東京の下町に住む小学6年の二郎は両親と姉・妹の5人家族。かつて革命の闘士として戦った父親は、自分がおかしいと思った事は相手が誰だろうが臆する事無くつっかかって行くので、二郎はいつも恥ずかしい思いをしている。そんな中、二郎が不良中学生と衝突して事件を起こした事がきっかけで、肝っ玉の母親が「東京での生活を終わりにします!」と宣言し、一家は父親の故郷・沖縄県西表島に移住する事になったのだが・・・


【感想】
直木賞作家・奥田英朗氏著の同名タイトル小説の映画化。
奥田氏の著書は「イン・ザ・プール」という作品しか読んでいませんが、プールは凄く面白かった。だから本作の原作も映画が面白ければ読んでみたいなぁ〜と思っていたのですが・・・

少なくとも本作を見て「原作はどんなに面白いんだろう?読んでみたいな♪」と思う人はまずいないと思う。
そしてきっと原作ファンの方が本作を見ると、怒りの余り気が狂いそうになるんじゃないか?と思う。

とにかくつまんない!←あー。また吠えた(^-^;

そもそもこのキャスティングは合っているんですか?
トヨエツも天海さんも随分頑張って役作りされていたと思いますよ。それにしてもセリフが上滑りでキャラクターに全く魅力を感じないんです。聞いてて恥ずかしくなるくらいセリフが臭くて、そして魅力がない。
更に子役が沢山出演しているんですが、どいつもこいつもセリフ棒読み&噛みまくりで何言ってるか聞き取り辛い。
こしゃまっくれてるキャラを演じているんだろうけど、セリフが全然自分の言葉になってないんですよ。だから聞いてても全然観客に訴えかけられるものはないし、「セリフを暗記して言わさせられている」というのがミエミエで見ていて辛過ぎる。

沖縄に移住するまでのくだりがかなり長いんですが、コチラのエピソードも本当に面白くない。
面白ければいいってもんでもないけど、それにしても沖縄移住に到る経緯が単に現実逃避しているだけにしか見えず、きっと原作では細かく表現されていたであろう二郎の葛藤や家族の結び付きや両親の思惑等が何も描かれていないので、突然母親が沖縄移住を宣言するのも話の筋から浮きまくってるようにしか感じないし、どのキャラクターの気持ちにも入り込めずに完全に観客置いてきぼり状態になっちゃってます。

脚本がダメですよ。コレは。
色んなネタが散りばめられている割に、どのネタも全く訴えかけられるものはありませんでした。
全てがバラバラで、とりあえず何が何でも「オヤジが破天荒ならOK」みたいな感じ。監督はそれでOKかもしれないけど、見ているコッチは全然OKじゃねーよ!(怒)ってトコロですよ。

結局最後まで見ても、何が言いたいんだかさっぱり訳の判らない話でしたね。
誰が主人公の話だったのかもイマイチ判らない。映画の前半は子供達が中心に描かれているみたいですが、特に子供達の思惑や成長というモノを見せてくれる訳でもなく、突然オヤジが出張って来て「ナンセンス!」と決め台詞をカマせば万事ネタは収まる(収まってなんかいないけどなっ)的な流れ。安直過ぎる。
で、後半はオヤジvs開発会社が中心。でもオヤジの主張に全く共感の出来ない観客はどうすりゃいいんだろう?(^-^;

この作品の意図は何?
二郎がオヤジの破天荒振りに次第に共感して「俺も世の中のナンセンスをぶった斬ってやるぜぇ〜」という事?
え?家族の絆の大切さを描いているんですか?ウソ・・・全然気付かなかったヨ。

言っちゃアレですが、一番ナンセンスなのはこの映画の作りでしょ(苦笑)







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2007年09月27日(木) ローグアサシン

監督:フィリップ・G・アトウェル
出演:ジェット・リー
    ジェイスン・ステイサム
    ジョン・ローン、他
オススメ度:☆☆☆−


【あらすじ】
サンフランシスコのとある埠頭。マフィア抗争の捕り物中のFBI捜査官ジョンと相棒のトムは、悪名高き殺し屋ローグを追い詰めトムが放った弾丸がローグの顔を直撃、ローグは海に落ちた。ところが翌日トムと彼の妻子が惨殺される。ローグは生きていたのだ。トムの復讐を誓ったジョン・・・それから3年後、チャイニーズマフィアと日本のやくざとの抗争がサンフランシスコで勃発。そんな中、再びローグがジョンの前に姿を現したのだった。


【感想】
「いつも心にジェット・リー」が信条のぴよ(知能指数低め)です。どーもです♪
そしてジェイスン・ステイサム様も大・大・大好き!とりあえずリー様とジェイスン様の出演映画だけは取りこぼしのないように見ておきたいと常々思っているのですが・・・まさかこの2人が共演というのは考えてもみなかったなぁ!うひひ♪

なぁんて思ってフィルモグラフィを調べてみたら、なんと「ザ・ワン」で共演してるじゃないですか。しかも自分で「出演」項目にちゃんとジェイスン・ステイサムって書いてるし。ジェイスンがこの映画に出てた事なんて全然覚えてないよぅ〜。
当時はまだジェイスン・ステイサムは売れてなかったんだよ〜う。リー様しか記憶にないようぅ〜(^-^;

本作、勿論全米公開もしてるんだけど、多分日本のアクション映画ファンをかなり意識して作ってる?
舞台はサンフランシスコなんですが、何故かそこで巻き起こるチャイニーズ・マフィアと日本やくざの抗争がメインネタになっていたりする。そんな訳でチャイニーズ・マフィアのボスは「ラスト・エンペラー」のジョン・ローン、そして日本やくざのボスは石橋凌さん。そして石橋凌さんの娘役には日本でも知名度の高い元スーパーモデルのデヴォン・青木。

監督は本作で長編映画監督デビュー?元々はミュージックPV等を多く手掛けてきた方だそうで、そのせいもあるんでしょうが本作も様々なシーンのカット割がとてもスタイリッシュでカッコいい。

とってもカッコいいけどアクションシーンはちょっと不満。←いきなり(^-^;
だってリー様のアクションの見せ場が少ないんですもの!拳銃とか爆薬なんて使っちゃいやーーーー!(涙)
でも石橋凌さんとのソードファイトはちょっぴりいい。でもちょっとだけ。それからジェイスンのアクションもなかなかいい。映画中盤でちょこっとだけ「おぉ〜♪」と思えるシーンがありました。でもホントにちょっとだけ(苦笑)
短いけど意外に良かったのがケイン・コスギとのファイト。ケインも身体能力高いしね。でもケインの出番短〜い!

リー様が出演している映画はアクションのチェックばっかりになっちゃうんですが(苦笑)
本作、リー様の立ち位置がイマイチ見ていてよく判らないんですね。とてつもなく冷酷な殺し屋なんだけど、最初は日本のやくざに雇われてて→途中でチャニーズ・マフィアに寝返って→でもやっぱり実は日本のやくざと繋がってて・・・ほえ?一体彼は何がしたいんですか?

実はコレは本作のキモな訳でして。
要するに「リー様の立ち位置が判らない」というのが本作の最大のミステリー部分のオチな訳です。
正直言うと話の筋なんてどうでもいい(をい)・・・と言うか、まさかどんでんネタだとは思っていなかったので、リー様の思惑がつまびらかにされたトコロで「はぁ〜?マジでぇ〜!?」とひっくり返りそうになりましたワ。

でもまあ、何て言うんでしょうか・・・別にここまで手の込んだ脚本にしなくてもいいんじゃないか?(^-^;
驚きの展開だからと言って、それが面白いのか?と聞かれると「いや、話が入り組み過ぎで乗れないんですが(薄涙)」
ちなみに驚きの展開は最後の最後までありますから。別にここまでしなくったっていいんですけどねぇ〜(溜息)

「ふへへへへ♪みんな驚いただろ?まさかこんなオチだと思わなかっただろ?な?な?」という、製作者サイドのしたり顔が目に浮かぶようで鼻に付くんですよ。←なんだ、この散々な言い方は(苦笑)
もっと素直にリー様のアクションを楽しませてもらいたかったし、別に勧善懲悪でも全然問題なかったですよ。
脚本をヒネリ倒せば面白くなるってもんでもないです。せっかく身体能力の高いキャストを揃えているんですから、話の筋自体はシンプルな勧善懲悪モノ、もしくはもう少しヒネリを減らしてすっきりさせて、もっとアクション映像を楽しませてもらえる作りにしてもらいたかったです。

そんな訳で、微妙〜に不満なんですが・・・でもやっぱりリー様はステキ♪←本当にバカですいません(涙)








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2007年09月26日(水) クローズド・ノート

監督:行定勲
出演:沢尻エリカ
    伊勢谷友介
    竹内結子、他
オススメ度:☆☆


【あらすじ】
教育大に通う女子大生・香恵は、一人暮らしを始めたアパートで前の住人が忘れていった日記を見つけた。日記の持ち主は小学校の女性教諭「伊吹先生」で、悪いとは思いつつも日記を読み進める内に彼女が綴る教え子達との日常や恋人への思いにすっかり共感してしまった。伊吹先生の日記に勇気をもらった香恵は片思いをしている画家の石飛に対して、まるで伊吹先生が取った行動とシンクロするかのように振る舞うのだが、後にある意外な事実に突き当たるのだった。


【感想】
雫井脩介氏著の同名タイトル小説の映画化。何でも携帯サイトで連載されていたそうです。
監督は「セカチュー」でウレウレ売れっ子になった行定サン。しかもキャストはウレウレ売れっ子エリカ様こと沢尻エリカちゃんと獅童の受難から逃れて一皮剥けたのか?(をい)竹内結子サン、そしてエリカ様が片思いする画家役という超役得をゲットしたのが伊勢谷クン。豪華な顔ぶれですぅ〜♪

あ、もう書くまでもないと思うけど一応・・・本作の原作は未読です。ええ。いつもの事です(苦笑)

予告編とキャストを見た段階で「平凡な話だとしたら、きっとこんな展開よね」と想像していたのですが、映画が始まって日記の中に伊吹先生の恋人の名前が登場した段階で、映画のオチが全て透けて見えてしまってちょっぴりガックリ。
後に驚くような事実が発覚するんだぁー♪と期待していただけに、本当に鑑賞前に予想した通りの展開だったのには拍子抜けする感はどうしても否めません。

全編すごくノスタルジックな絵作りをしていて(いかにも行定ワールド!)映像は非常に好感が持てるのですが・・・
そもそも、どうして本作は現代劇にしちゃったんでしょうか?どう考えても現代劇としては在り得ない設定です。イマドキ毎日万年筆でノートに日記を書く人ってどれくらいいるんでしょう?
普通ならPCでBlogに日記を付けるでしょう。他人に見られたくないならパスワードで閲覧制限を付けられるBlogは探せばいくらでもありますし、「万年筆」というグッズへのこだわりも今一つ説得力がない。

それから登場人物の服装が古臭過ぎる。伊吹先生は一応「教師」なので多少地味でも許されますが、香恵はごく普通の女子大生のハズなのに在り得ないレベルの古臭さ。いくらなんでもこの服装はないでしょ〜(^-^;
この映像なら時代設定を昭和50〜60年代、せめてインターネットが普及する前の時代にするべきだと思いますね。

それに香恵のキャラクターが正直判らなかった。
見た目は地味でウブな女の子っぽいんだけど、視線のくれ方や話し方の端々に「女王様系」がプンプンと匂い立つ。
何だか物凄く自信たっぷりに見えるんですよね・・・コレは「女王エリカ様」がこの地味でウブなキャラクターに感情移入が出来ずに、うっかり自分の素が演技に出てしまっただけなのか?(苦笑)

加えて言えば、伊吹先生のキャラクターもよく判らない。
更に言えば石飛のキャラクターもよく判らない。もう判らない事だらけじゃーないか!(^-^;
と言うかね、本作に登場するメインキャラの皆様、なんだかおとぎ話の主人公達みたいです。素直で純朴で心栄えの美しい気持ちの優しい人々・・・それはそれで悪くはない。でも「人間らしさ」「人間臭さ」が全くないんですよ。無菌の国の無菌のお人形達という感じ。クセが全くないので感情移入のしどころがないと言うのか?

まあ散々吠えまくってるんですがー・・・
ミエミエの展開だけど基本的には悪い話じゃーないと思いますよ。上映時間がちと長過ぎるのと、結果的に何が言いたかったのかよく判らないのが痛いと言えば痛いんですが(一応『前向きに生きていこう!』みたいな感じなのか?)、全編ノスタルジックな映像には確かに癒されますし、伊吹先生の教え子達も「無菌の国からコンニチワ♪」みたいな恐ろしくいい子ちゃん揃いで癒されますしねぇ。

何が言いたいんだかよく判らなくなって来ました(をい)
えーと、出演キャストのファンの方だったら満足出来ると思います。脳内で時代設定を少し古くしてお楽しみ下さい(^-^;







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2007年09月25日(火) キングダム/見えざる敵

監督:ピーター・バーグ
出演:ジェイミー・フォックス
    クリス・クーパー
    ジェニファー・ガーナー、他
オススメ度:☆☆☆☆−


【あらすじ】
サウジアラビアの外国人居留区で自爆テロが発生。死者100名・負傷者200名以上という大惨事となった。このテロで大切な仲間を失ったFBI捜査官のフルーリーは現地に飛んで直ぐに捜査をする事を主張するが、政治的背景を配慮した上層部からは捜査許可が下りない。一計を案じたフルーリーは、マスコミを利用し駐米サウジ大使を半ば脅すような形で5日間だけの制約付捜査権を得て、自分を含めたった4人でサウジへ向かったのだが・・・


【感想】
昨今増えてきた「米国×中東」のテロを題材にしたアクションサスペンス。
「ヒート」「コラテラル」等で社会派サスペンスを得意とするマイケル・マン氏が製作にクレジットされ、キャストも派手な人気取りの客寄せパンダ系役者と言うより「渋め実力派」を揃えていかにも「骨太」な作り。
この手の作品は小説や実際の事件の映画化が多いですが、本作は珍しくオリジナル脚本だそうです。

日本人は中東系のネタには余り食い付きがよろしくない傾向があると思うのですが、本作は内容自体は完全なフィクションだとは言え、映画冒頭で米国とサウジアラビアの関係や石油利権に対する米国の思惑等の「事実背景」を、コンパクトに判り易く説明してくれます。
だから「米国がどうしてあんなに中東問題に首突っ込んで来るのか、イマイチ判ってないんだよねぇ〜」という方でも、本作のテロネタには割りとすんなり入り込めるんじゃないかな?と思いますね。

正直言うと、ハリウッド製のこの手の「中東モノ」って苦手です。
社会派を気取っていても結局は「世界の平和を守る強大なアメリカ様万歳」な作りが多いと思うんですよね。
そうじゃなければ「米国国家の陰謀を暴いてやるぜぇ」的な自虐ネタで、敢えて観客の興味をそそるだけそそっておいて蓋を開ければ真実などに触れもしない煙に巻いた作りだったり(苦笑)
だから本作も「仲間のFBI捜査官がテロの犠牲に遭った」事で犯人逮捕に執念を燃やす主人公チーム、という立ち位置が見えた時には正直言うと「はぁ。またアメリカ様万歳ヒーローものですか(溜息)」と思ったものです。

本作、そんな簡単な話ではありませんでした。
勿論ヒーロー物としての見せ場もあるのですが、米国とサウジの微妙な関係を背景に「実際サウジでこの手の事件が起こったらサウジは・米国はどういう反応をするかな?」というのを「いかにも在り得そう」に描いています。
・・・まあ、実際はこんな展開は絶対に在り得ないと思うんですが(苦笑)

テロが起こる一部始終を映画冒頭から淡々と見せていきますが、それはそれは身の毛も総立つ程リアルでおぞましい映像が展開される中、テロを監視する首謀者達の横では幼い子供がお絵描きに興じる場面を見せる。
FBI捜査官がムリムリにサウジにやって来るものの、地元サウジ警察ではあからさまな「お客様」扱いで、テロ後でキリキリしている現地にアメ公なんて来やがったら火に油を注ぐよーなもんだろ!ちったぁ〜考えろよ!お前らに何かあったら俺達の責任になるんだゼ(ちっ)・・・という舌打ちが今にも聞こえてきそうです(苦笑)

要するに大局としては在り得ないと思うものの、細かい心理描写や各々の反応等の様子にはかなりリアリティがある。
映像の作りも手持ちカメラを多用した「似非ドキュメンタリー」ちっくな作りでかなり手が込んでいるし、米国側だけでなくサウジ側の事情や心理描写も丁寧に見せて、よくありがちな「ムスリム=絶対悪」のような一方通行な描き方ではなく「米国人だってサウジ人だって同じ人」という見せ方だったのはとても好印象です。

でもこの映画の一番恐ろしいのは何と言ってもラストシーンでしょう。
コレが真実、コレが事実・・・9.11テロの首謀者を捕まえたからもうテロは無くなったか?否。アメリカが中東に出しゃばってフセイン政権を倒したから平和が訪れたか?否。
勿論テロは悪い。では何故テロが起こるのか?そして何故「暴力の連鎖」は断ち切れないのか?

その答えは出ません(出てたら戦争なんて起こり得ない)が、米国人だってムスリムだって「同じ人間」、だから愛する人達を守りたいと思う気持ちは同じ。そして愛する人を殺されたら思う事もやっぱり同じ。
同胞を思う気持ちと同じだけ相手の気持ちも思い遣れれば・・・出来るハズもない理想が頭を掠めて苦しくなりました。

本作はあくまでフィクションですが、「中東・米国の真実を暴く!」なんて物々しいコピーの半ドキュメンタリーな映画よりもよっぽどリアリティを感じる作品でした。中東を題材にした映画は数多いですが、本作は中でも秀作だと思います。







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2007年09月24日(月) ダーウィンの悪夢

監督:フーベルト・ザウパー
出演:(ドキュメンタリーなのでキャストクレジットはなし)
おすすめ度:☆☆


【あらすじ】
世界第二位を誇るアフリカ大陸の淡水湖「ビクトリア湖」、かつては様々な生物が棲む生命の宝庫だったこの湖に、半世紀ほど前に何者かが外来魚の「ナイルパーチ」を放流した事で生態系が崩れ、今ではほとんど絶滅に瀕してしまった。その一方で大繁殖するナイルパーチに群がり、ナイルパーチを加工して西欧諸国に輸出する産業が隆盛、湖の周辺にはタンザニアの貧困層が溢れ返るようになった。


【感想】
第78回アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞候補作品(受賞したのは『皇帝ペンギン』でした)
日本での劇場公開は2006年12月。気にはなってたんだけど単館ロードショーで、気にしてる間に気付いたら公開終了してましたねー。こんなんばっかりです(苦笑)
レンタル屋に行ったら目に留まったので「おぉ!もうDVD化してやがったか!(うひひ♪)」という訳で鑑賞。

実は本作、知っていたのはタイトルだけでどんな内容のドキュメンタリーなのかは全く知らなかった。
でもタイトル見れば大抵の人が「地球上の生態系が崩れて来ているという実例を見せる話よね?」と思うハズ。当然ぴよもそう思って鑑賞した訳です。

まあ、それは間違っていない。
本作ではアフリカ・ビクトリア湖が「ナイルパーチ」という外来魚によって生態系が崩れてしまった実情を見せる。
日本で言うと琵琶湖が(だけじゃなく日本中の湖が?)外来魚のブラックバスによって、今正に生態系が崩れまくっているというのと同じような感覚なんでしょうか?たまに琵琶湖にバス釣りに行きますが、あそこのブラックバスは本当に意地悪でなかなかぴよのルアーに食いついてくれませんよ(とほほ)

話はうっかり脱線してしまいましたが・・・
でも脱線するのはぴよの話だけではありません。本作も話が脱線しまくって何が言いたいのかよく判りません(苦笑)

話の掴みはナイルパーチなんだけど、そこからそのナイルパーチを海外向けに加工して輸出して儲けようと企んだ企業の話が出てきて、その企業にナイルパーチを卸している漁師達が出てきて、その漁師やナイルパーチを輸送する飛行士達に体を売る売春婦達が出てきて、更に貧困・売春・モラルの欠如によるエイズ感染や危険な漁で親を失ったストリートチルドレンの話が出てきて、更に更にナイルパーチ輸送の陰に隠れて行われているであろう武器輸送の話も出てきて・・・

とにかく話がアチコチに飛び火し、とりとめもなく流れ、そして何もかも見せたようで何も核心に触れずに終る(苦笑)

タンザニア(というかアフリカ各国)の超ド級の貧困話は近年比較的世界中に報道されるようになったので、知らない人の方が少ないくらいだと思うし、アフリカ各国の内戦や近隣国同士の戦争に西欧諸国が武器を供給して甘い汁を吸っている事も比較的世間に知れ渡っていると思う。(近年このネタを映画化した作品は多いですしね)
だから、武器輸送のネタが出て来た時には「おーっと!遂に黒幕糾弾ドキュメント来たねー♪」と期待したのですが、

なんだ?この尻切れトンボな見せ方は(薄涙)
尻切れドコロか糾弾の「き」の字もないよ。「何運んで来たんですか?」「さあ?私は運ぶ物の中身には興味ないしぃ」みたいな何のツッコミもないクソインタビューで煙に巻くってどーなんですか?(^-^;
ナイルパーチを巡って貧困層が湖畔の集落に群がって治安悪化している状況も見せているものの、凄く失礼な言い方をすれば彼らは湖畔に集まる前から放っておけば死は免れないレベルのド貧乏だった訳で、見ていて彼らの窮状が「全てはナイルパーチのせい」だとはとても言えないですしね。

せめてどれか1つでいいからネタを掘り下げてとことん見せるか、もう少し見せ方を工夫して「全ては西欧諸国に搾取されるピラミッド構造が出来上がっているんです!」という関連性を持たせてネタを繋げて見せてくれれば、もう少し訴えるパワーが出たんじゃないだろうか?と思うんです。

何もかもダラダラとまとまりなく散漫に見せられると、どれもこれも本当に深刻な実情なのは判っていますが・・・見ていて訴えかけられるものがないので、正直言って「退屈」してしまう。
本当に勿体無いと思いますよ。この作品が扱っている題材は地球人なら誰もが知り・誰もが考えなければいけない非常に深刻な問題を取り上げていると思うんです。それなのにこの散漫でとりとめもない見せ方・・・(涙)

アフリカの窮状を全く知らない人には薦めますが、正直「ドキュメンタリー映画」としてはイマイチでした。残念です。








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2007年09月20日(木) LONDON CALLING/ザ・ライフ・オブ・ジョー・ストラマー

監督:ジュリアン・テンプル
出演:ジョー・ストラマー
    ジョニー・デップ
    ボノ(U2)、他
オススメ度:☆☆☆☆−


【あらすじ】
今も尚様々なシーンに影響を与え続ける伝説のパンク・バンド「THE CLASH(ザ・クラッシュ)」、そのフロントマンのジョー・ストラマーは今もパンクファンのみならず、世界中の人々を魅了し続けている。そんなジョー・ストラマーの不器用なまで真っ直ぐだった生きざまを、彼と親交のあった世界のTOPアーティスト達のインタビューを交え綴る。


【感想】
70〜80年代のミュージック・シーンの中で台頭し、突出した人気を博した伝説のパンク・バンド「THE CLASH」のカリスマフロントマン「ジョー・ストラマー」の生涯を過去の映像+生前彼に関わりのあった様々な人々のインタビューをを交えて織り成すドキュメンタリー(実録映像、と言った方がいいか?)

一応知らない人の為に書きますが、ジョー・ストラマー氏は故人です。
2002年12月に心臓発作により自宅で死亡。何と50歳という若さでこの世を去ってしまいました。非常に残念です。
勿論ぴよは「THE CLASH」も「ジョー・ストラマー」も楽曲も何曲かは知ってますよ。知ってますが・・・特に心酔する程のファンではありませんでした。だから本作を見てジョー・ストラマーという人の生い立ちや人生観、そして「THE CLASH」が追った変遷を初めて知りました。

若くして死んだカリスマロッカーと言うのは洋の東西を問わず「伝説視」されるものだというのは判ってます。
それにしてもですね、この「ジョー・ストラマー」という人程、市井の1ファンのみならず、今現在カリスマと持てはやされている各界のトップアーティスト達にこれ程強烈にして鮮烈な印象を残し、そして今もまだ昨日の事のように熱く語られる人物というのはいるのだろうか?

意外な事に、ジョーは「ええとこのおぼっちゃん」だった(彼の父は外交官で、幼少時代は世界各国を渡り歩いている)
それを密かに自分では恥ずかしい事だと思っていたようだ。きっとロッカーは貧しく不遇な出自の方がハングリー精神旺盛でカッコイイとか、いかにもロッカーらしいという先入観でも持っていたのだろうか?
確かに「ええとこのボンボンのロッカー」って何だかしまらない(苦笑)、それを彼も感じていたんだろうと思う。

ロカビリー系バンド?で結構人気になっていたのに「セックス・ピストルズ」のライブを見て「コイツら、俺の何百万年も先を行ってるじゃねーか!」って感動しちゃって、サッサと元いたバンド解散して「THE CLASH」を結成しちゃうとか・・・すっごく骨太な印象の割りに妙に素直でニュートラルな人なんだよね(笑)

でも、そこがステキなんですよ。ステキに見える人なんですよ。
「男のプライド」とか言って、妙に俺様気取りで他人の意見や世間が見えてないドン引きヤローって多いじゃないですか。
彼はそうじゃない。いい物はいいと素直に認めるし、自分のスタンスとして持っているモノの軸にブレはない。その彼の立ち位置や行動・言動・思想が、ことごとく人を魅了する魅力に溢れているんですよ。
「どこまでも着いていきたいと思わせる、頼れるアニキ」・・・正にこんな感じ。

「THE CLASH」の楽曲は何曲かは知っていましたが、本作の中でライブシーン等を流してくれた際に歌詞を日本語訳して字幕に載せてくれていましてね、THE CLASHの楽曲の歌詞を初めて咀嚼したんですよ。
コレが、この内容が・・・あのパンク・ロックのカリスマ「THE CLASH」が歌って伝えたかった事だったの?マジで!?
今まで勝手に「パンク・ロックなんてメロディーのノリとバンドマン達の派手なパフォーマンスだけっしょ?」なんてタカ括ってた自分を激しく恥じましたよ。
常にその時代を生きる全ての人達に捧げる、社会のゆがみ・市民の嘆きと怒りを代弁する、素晴らしい歌詞だった。

正直言って、本作をわざわざ金払って見よう!という人は「THE CLASH」のファンくらいしかいないかもしれない。
実際かなり地味で淡々とした作りですから(言い方悪いが、この手によくありがちな故人を偲ぶドキュメンタリー風)、映画始まって10分も経つかどうかでウトウトしちゃう人もいるんじゃないか?って気もします(苦笑)

でも、例えウトウトしても・・・ファンじゃない人も、ジョー・ストラマーという人物を全く知らない人も、何がしか本作を見る事で感じるものがあるだろうと思いますね。彼の生き様に心震えて欲しいと思いますね。
映画中で生前ジョーが残した数々の名言が披露されます。ココには敢えて書きません。是非劇場で鑑賞して欲しい!








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2007年09月19日(水) さらば、ベルリン

監督:スティーブン・ソダーバーグ
出演:ジョージ・クルーニー
    ケイト・ブランシェット
    トビー・マグワイア、他
オススメ度:☆☆−


【あらすじ】
1945年降伏後のドイツ・ベルリン。ポツダム会議取材の為にアメリカ人記者のジェイクがやって来た。戦中ベルリン駐在中に不倫関係だった女性記者レーナと再会するも、彼女が今では娼婦となり、更に自分の運転手を勤める小悪党のタリー伍長の情婦になっていると知って愕然とする。そんな中、タリー伍長が何者かに殺害される。タリーの死にはどうやらレーナの隠された過去が絡んでいると知ったジェイクは、彼女を救うべく真相究明に遁走するが・・・


【感想】
オスカー監督ソダーバーグ+ジョージ&ケイト&トビー@蜘蛛男、の超豪華キャスティング作品!
ジョセフ・カノン(キャノンとも)著の同名邦タイトル小説(原題:The Good German)の映画化。ポツダム会議で揺れるベルリンでの濃厚な人間ドラマを、政治問題等の当時の背景に絡めて見せる骨太なヒューマンミステリー。

ソダーバーグ監督は本作をこの映画の背景である1940年代の正統派フィルム・ノワール・スタイルで撮影。
全編モノクロで当時の撮影技法を忠実に再現し、灰色の陰影による巧みな心理描写や音楽・美術等の細部に至るまで徹底して40年代にこだわったそうです。
「カサブランカ」「第三の男」等、40年代に花開いたかつての名作達の姿を彷彿させる、させようという意図でしょう。

そんな訳で・・・映像!ビバ!!素晴らしい!!!
モノクロである事が、色鮮やかな映像よりもより人の心の描写を雄弁にしてくれる。これぞフィルム・ノワール!
それにコレは本作を見て「なるほどー」と思ったんですが、モノクロの方が女性の肌が美しく見える。ケイトは元々透明感のある美しい女優さんですが、本作のケイトの美しさたるや・・・スクリーンを見ながら何度溜息を付いた事か!

本作、音楽にも相当こだわっていますよね。
当時の名作っぽい、独特の旋律にして各シーン・モノクロ映像・そして時代背景にピタリとハマる美しい音楽の数々。
勿論半端な時代描写なんてしてませんからね。音楽だけこだわってるんじゃ意味ないし。実に素晴らしい!

・・・と、映像・音楽諸々には本当に溜息モノだったんですがー ←また吠えるか?(^-^;

字幕にもある意味「溜息モノ」でした(涙)
コレは映画が悪いんじゃない。字幕を付けた映画配給会社が悪い。絶対に悪い。
全編モノクロ映像って事はですよ、スクリーンには黒・白・グレーの濃淡しか色がないんです。要するに白の分量がスクリーンの相当数を占めている訳ですよ。
それなのにー・・・どうして真っ白な背景に真っ白な字幕を載せますか!?(怒)<配給会社

この際ですから正直に申し上げましょう。
字幕が全然読めませんでした。だから話の内容がさっぱりワカリマセンでした。orz
勿論全編一文字も読めない訳じゃないですから、ある程度の話の筋は判りますよ。でも映画中盤、このシーンはかなり話の重要ドコロに絡む大切なネタだゾ!と思わせる(実際そうだったんだと思う)場面が画面真っ白でなーんも読めず(涙)

だから最後の最後、ケイトが「コレで最後のピースがハマッたでしょ?」と語る究極のネタバレ?シーン、見ていても全然スッキリしないドコロか「はあ、そーなんですか・・・で?何?」みたいな、超とんちんかん状態(薄涙)

更に言えば、散々誉めそやしたモノクロ映像なんですが・・・コレはぴよの目が腐ってるだけなんでしょうけど(苦笑)
役者の見分けが付かないんすよ。モノクロでハレーション起こして白飛びしまくってるので、ジョージ、ケイト、トビーの三役はアホのぴよでも見分けが付くものの、その他は「デブ、めがね、帽子」みたいな大雑把なグループ分けしか出来ずorz
誰が何をやってた人で、クライマックスで誰が何を目的に動いてるかサッパリ判らない。もっと言うと誰が米軍で誰が露軍だったかを見分けられていたかすら自分の中で疑問状態・・・もうどうしようもないっしょ?(^-^;

そんな訳で、話の展開や内容に関しては何も語れません。すいません。
だから本作の「オススメ度」は付けようがなかった。内容の判らない・字幕の読めない映画に評価は出来ない。
仕方ないので「字幕の読めない映画を公開する配給会社、クソ!」という気持ちを込めて評価低くしました(苦笑)

一般公開する際には(ぴよは試写会で鑑賞)、白バックに被せる字幕は黒抜きにする等の配慮をするか、もしくは配給会社に何の配慮もなければ・・・英語が超堪能でリスニングに自信のある方と同行する。同行してもらって隣で常に同時通訳してもらう(笑)、または「俺様の英語リスニング(ヒアリング?)能力を試す時が来たぜぇーい!」と、英語がさっぱりダメな友達同士が集まって見に行って、誰が一番内容を理解出来たか勝負する。
はたまたDVDに日本語吹替版が付くのを楽しみに待つ。

まあ、色んな楽しみ方はあるかと思います。どれを選択するかは自己判断・自己責任という事で(苦笑)








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2007年09月18日(火) 厨房で逢いましょう

監督:ミヒャエル・ホーフマン
出演:ヨーゼフ・オステンドルフ
    シャルロット・ロシュ
    デヴィット・シュトリーゾフ、他
オススメ度:☆☆☆☆−


【あらすじ】
南ドイツで小さなレストランを営むグレゴアは、人付き合いが苦手な変わり者の天才シェフ。そんなグレゴアがひょんな事で知り合った人妻のエデンに恋をした。エデンは夫を深く愛していたがグレゴアの料理の虜になり、夫が出かける夜に密かにグレゴアの厨房を訪ねて味見を楽しむようになった。エデンを喜ばせたいグレゴアの料理は益々官能的になり、客もうっとりする程だった。ところがエデンの密会が人々の噂になり、遂に夫の耳に入ってしまう。


【感想】
圧倒的な支持で2006年ロッテルダム映画祭観客賞を受賞した作品だそうです。
ドイツ映画はここんとこ当たりが多い。多いけど監督の名前も役者の名前もぜーんぜんワカリマセン。まあ、知らない役者でも聞きなれないドイツ語でも面白ければ問題ないですけどネ。

「エロティック・キュイジーヌ」というコピーだけを見て、前知識ゼロで鑑賞。
何だかソワソワするようなネーミングですね。「エロティック・キュイジーヌ」かぁ〜(もあぁ〜ん♪)←アホ
映画冒頭から様々な食材の映像が流れるんですが、料理って確かに人間の五感の全てを楽しませてくれる唯一のものかもしれませんよね。そして料理って「性」を駆り立てられる、想像させるモノなのだなぁ♪と改めて認識させてくれます。
映画中にグレゴアの料理を食べに来たレストランのゲスト達(+エデンの夫)を見せるシーンがありますが、その様子がヘタなSEX描写よりもよっぽど「そそられる」恍惚の表情で、料理って何てエロいんだぁ!と思っちゃいますヨ(^-^;

主人公の「グレゴア」という天才料理人のキャラクターが秀逸です。
子供時代に妹を妊娠中だった母親のパンパンのお腹を見て「こんなステキなお腹になりたい!」と巨体希望になったという生い立ちからして並みの料理人とは一味も二味も違う(笑)
彼の怒ってるんだか困惑してるんだか読み取りきれない微妙な表情は秀逸でした。人付き合いが苦手だけど誠実に生きて来た天才肌の人なんだなぁ、というのがスクリーンから溢れています。

ところでエデンの立ち位置がかなりズルい。
彼女はグレゴアの料理の味に一目惚れならぬ「一口惚れ」し、彼の料理以外は口に出来なくなる程心酔してしまう。
でもグレゴアの元に通い詰める内に、明らかにグレゴアが自分に惚れてる事は判っているハズ。その彼の気持ちを手玉に取っているのか天然なのかは窺い知れませんが、事ある毎に夫婦仲のいい事を強調した挙句、それはグレゴアの料理のお陰だと言ってみたり「あなたは本当に仲のいい友達♪」と言ったりする。

「お前、そりゃーズルいだろー」と思うものの、「でもコレが現実なんだよなぁ」と思う冷めた目の自分もいるんです。
私はグレゴアの「料理」を愛しているけど、でも「オトコ」として愛しているのは当然だけどイケメンの夫なの♪そんなの当たり前の事じゃない?・・・というエデンの声が耳鳴りのように自分の頭の中にこだまする訳です(苦笑)

世の中そうは問屋が卸しませんヨ、という展開がお約束通りあるのですが、正直言って本作の話の展開や流れ自体はとりたてて感動する程でもなく、非常に凡庸なんです。
それどころかクライマックス?のエデンの夫vsグレゴアの追いかけっこの顛末なんて、サスペンスちっくにシリアスな状態が続くのにいきなり降って沸いたような(本当に降ったな)コミカルな展開(苦笑)

妙にまったり進行で、正直大して何も進展しない話なんですが・・・でも何故か優しい気持ちになれる作品でした。
「ハリウッド製ラブコメ」にも「韓流メロドラマ」にも「邦画泣かせ感動モノ」にもない、独特の雰囲気と空気感をまったりと楽しませてくれる「切なく、そして目にも美味しい」大人向けの・・・心のほっこりするドラマでしたね。







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2007年09月16日(日) フリーダムランド

監督:ジョー・ロス
出演:サミュエル・L・ジャクソン
    ジュリアン・ムーア
    イーディ・ファルコ、他
オススメ度:☆


【あらすじ】
ニュー・ジャージー州の黒人低所得者層が住むアームストロング団地を担当する刑事ロレンゾは、病院に両手を血まみれにした白人女性が保護されたとの通報を受けて病院へ急行する。保護された女性「ブレンダ」は、アームストロング団地内の公園を車で移動中に黒人男性のカージャックに遭い車が盗まれた、更に車には4歳になる息子が乗っていて一緒に連れ去られてしまったと言うのだ。しかし捜査を続けるロレンゾはブレンダの供述に不審を抱いていたのだった。


【感想】
全米で発刊されるや話題騒然となり、大ベストセラーとなったリチャード・プライス氏著の同名タイトル小説の映画化。
・・・って、この作品今年の1月に日本で劇場公開されていたんですね。全く知りませんでした。超久し振りに相方とレンタル屋に行ったら新作作品として本作のDVDが並んでいたんですよ。
「え・・・サミュエルとジュリアン・ムーアが共演してるサスペンスなのに、全く知らないよー!マジでー!?」
という驚愕と共にレンタル決定。いつの間にこんな豪華キャストの作品が公開されてたんすか?←だから1月って(苦笑)


どうして公開された事にすら気付かなかったのか、映画を見てよーく判りましたよ。

だって超絶クソ映画なんだもんっ! ←久々の赤文字、キター♪

そもそもね、この映画のキャッチコピーが頭に来るんですわ。
【「フライトプラン」「フォーガットン」に続く衝撃の結末!迷宮のサスペンススリラー!】・・・っていうのが本作のキャッチコピーなんですがね、もう本作の営業宣伝担当、ちょっと顔貸せや!(タコ殴り確定)って感じですよ。

一応キャッチコピーをアテにして鑑賞しているので「どんなどんでんオチだろ?」と思って見るじゃないですか。
でも全く「どんでんオチ」も「衝撃の結末」もないんですよ。映画前半辺りで相方と「平凡なオチなら○○が真犯人で、でもそう見せておいて実はめっちゃ驚くオチが来るって事だよね?」なんて話してたら、まんま「平凡なオチ」なんだから本当にサスペンスでも何でもない・・・いや、サスペンスの要素なんてただの1つもなかったじゃないですか(怒)

伏線なんだかブラフなんだか判りませんが、思わせぶりなセリフやシーンがチョロチョロとあったりはするんです。
でも惑わされるドコロか特に大した意味はなさそうです。どのネタも全く収拾付けずに流してましたから(苦笑)

展開のぬるぬるにいい加減イライラするんですが、元々ジュリアン・ムーアの神経質な顔が好きじゃないのに、彼女が微妙に精神を病んじゃってる系のイカレポンチを演じているのでイライラ度は更に加速。
彼女がイカレた女を熱演すればする程イライラ度は最高潮に達し、脚本や演出がクソなのも、何もかも彼女のせいなんじゃないかと勘違いしたくなる程不快感の募る作品でしたネッ(ふんっ)

もしかしたら原作小説はサスペンスではなく、黒人人種差別問題を扱ったヒューマン物なんじゃないか?と推察。
もっと言えば、本作は決してキャッチコピーのような「サスペンススリラー」ではなく、元々「人種差別物」として作られていたのではないか?とすら思うのですが。でも例え最初から「人種差別問題を扱ったヒューマン物」と聞かされて本作を鑑賞したとしても・・・やっぱりクソですわ(笑)

とにかく何もかも中途半端。主張したい主題が全く判らない。イライラ感MAX。結局ジャンルが何かすら理解出来ない。
どうしてこんなクソ映画にサミュエルやジュリアン・ムーアが出演しちゃうのか?ハリウッドって不思議がいっぱい(^-^;

こんなに手放しで吠えまくれる作品って、なかなかお目にかかれないです。ある意味貴重かもしれません(苦笑)







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2007年09月08日(土) HERO

監督:鈴木雅之
出演:木村拓哉
    松たか子
    松本幸四郎、他
オススメ度:☆☆+


【あらすじ】
東京地検城西支部に6年振りに戻ってきた久利生公平は、同僚の芝山が起訴した裁判を担当する事になった。容疑者は取調べ時には全面的に容疑を認めていたものの、初公判でいきなり容疑を全面否認して無罪を主張。しかも相手弁護士は刑事裁判無罪獲得率1位を誇る蒲生一臣だった。蒲生がこの簡単に終わるハズだった事件の弁護をする裏に、この容疑者が花岡代議士の汚職事件のキーマンだからだと知らされて愕然とする久利生達城西支部の面々だったが・・・


【感想】
フジTV系大ヒットドラマ「HERO」の映画化・・・って、説明するまでもないですよね。
ぴよは普段TVの連続ドラマって全く見ないのですが、この「HERO」は第一話から全て見ていました。市井の皆様と同じく思いっきりこのドラマにハマったクチです。
そして「お前、いい歳して恥ずかしいと思わねーか?」とツッコミが入るのは百も承知ですが、何だかんだでキムタク大好きのミーハー野郎です・・・ごめんね、こんなババアが「キムタクってカッコイイ♪」なんてはしゃいじゃって(^-^;

そんな訳で、当然ですが期待値MAXの鑑賞だったんですが・・・

もうこんな書き方したら「お前、何吠えるつもりなんだよ」と、またしてもツッコミが入るんでしょうが(苦笑)
正直言って、かなりガッカリしました。いや、勿論映画自体は面白かったですよ!TVドラマからのファンを十二分に満足させてくれる「お約束ネタ」はきちんと盛り込んでくれていますし、当然だけどキムタクのカッコ良さは半端じゃーない。
脇を固めるキャラの面々も磐石&芸達者揃いで文句垂れる筋合いなんて毛一本程もありません。ええ!

でもね・・・本作、どうして「映画」として金取って公開したんでしょう?
何度でも言いますがとても面白いですよ!でもね、正直言うけど「2時間特番TVドラマ」で充分でしょ?コレは(^-^;

韓国ロケをかなり強引に入れた事で、予算的に「映画」として公開しないと割に合わないという事でしょうか?
それにしても、韓国ロケのシーンなんて特に話の筋に絡む程のエピソードでもないし、映画館の大刷りポスターには顔出しで堂々と「イ・ビョンホン様」がクレジットされていますが、はっきり言うけどイ・ビョンホンの登場シーンなんて、予告編で9割は見せちゃってると言ったって間違いじゃないくらい少ないじゃないですか(苦笑)

花岡代議士を証人尋問するシーンが本作の最大のクライマックスなんですが、本件の事件内容を延々と久利生が思い入れたっぷりに語るシーンが間違いなく「ココ、みんな感動してね!泣いちゃって全然構わないから!」という、フジTVドラマお得意のテクなんでしょうが・・・ぴよはちょっと白けましたね。

敏腕弁護士の蒲生が「異議あり!本件の事件内容をココで今更説明する必要性を感じず、意図的に公判を引き伸ばすだけの時間稼ぎにしか感じられません!」くらい言うシーンが挿入されても良かったのに。
ってか、普通あのシーンで花岡お抱え弁護士の蒲生が何も言わずに検事に言わせたい放題って在り得ないでしょ。
せっかく大ヒットTVドラマを映画化する、しかも弁護士は重鎮・松本幸四郎さんが熱演している、そしてTVドラマ版では余り力を入れて見せなかった「裁判シーン」がメインの内容なんですから、もう少しだけリアリティを出してもらいたかった。

TVの2時間特番ドラマなら、本作は大絶賛出来ます。
でも金取って映画館で公開するなら、ドラマの延長だけではない「何か」が欲しいと思うのはぴよのワガママでしょうか?
期待し過ぎたのがいけなかったのか、それとも本当に本作は駄作(コラ)の域なのかは判りませんが・・・

まあ、TVドラマファンなら絶対に楽しめますから!
本作は「映画」だと思わずに「有料2時間TVドラマ」だと思って、割り切って思い存分楽しんで下さい!(^-^;






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2007年09月07日(金) ミス・ポター

監督:クリス・ヌーナン
出演:レニー・ゼルウィガー
    ユアン・マクレガー
    エミリー・ワトソン、他
オススメ度:☆☆☆☆


【あらすじ】
1902年ロンドン。上流階級の子女だったビアトリクスは子供の頃からの夢だった絵本を出版させたくて、出版社に持ち込みをしていた。青いジャケットを着たうさぎのピーターの絵に新人編集者ノーマンは魅了され、ビアトリクスと正に二人三脚で出版にこぎつけた。発売するやたちまちベストセラーになり、ピーターラビットはシリーズ化する事になった。そしてノーマンとビアトリクスは恋に落ち、ベアトリクスの両親から「身分違いだ」と大反対されるものの結婚をしようと約束をするのだが・・・


【感想】
全世界で最も多くの人に読まれている絵本「ピーター・ラビット」シリーズの作者ビアトリクス・ポターの半生を映画化。
監督は子豚を一躍スターダムにのし上げた「ベイブ」のメガホンを取ったクリス・ヌーナン氏。氏はベイブの大成功に溺れるどころか「ベイブを超えるテーマに出会うまではメガホンを取らない」と言い、なんと本作はベイブから11年経ってようやく生み出した監督第二作目なんだそうだ。

ピーター・ラビットを知らない人はまずいないでしょう。
特に女の子なら誰でも1度は子供の頃にあの愛らしいウサギさんの絵本を手に取った事があるハズ。実はぴよも子供の頃にピーターが大好きで、絵本全て買ってもらいました。
本作はあの可愛いピーターと仲間達の生みの親、ビアトリクス・ポターの半生という事なんですが・・・

時代設定等、相当入念に取材しているんでしょうね。小道具や衣装、建物など実に忠実に当時を再現しています。
それから本作は実際にビアトリクスが人生の大半を過ごした場所でロケをしているそうで、湖水地方の手付かずの美しい大自然がスクリーンから溢れ出ています。本当に美しいです。

ビアトリクスが生きた時代、上流階級の子女が仕事を持つなんて考えられなかった。お年頃になったら親が家柄に合う男性を連れて来てお見合いさせて、結婚して子供を産んで社交界で笑顔を振り撒いているのが一般的。子女は一人で街を歩く事すら許されず、必ず乳母をお供に従えて行動するのが常識だったようです。

そんな時代に結婚もせずに絵本作家になって印税で飯を食う良家の子女なんて、到底考えられなかったでしょう。
要するに、ピーターのあの愛らしい絵柄とは裏腹に、作者のビアトリクスは実に進歩的で破天荒で革新的で、当時の基準で言うトコロの「常識知らず・恥知らずな女」だったという事でしょう(笑)
レニーはこのビアトリクスという女性を、良家の子女らしいおっとりした育ちの良さを感じさせる風情でありながら、前向きで進歩的で地に足の付いた凛とした女性として上手く演じていたと思いますね。

実在する女性の半生を描いている、しかも世界中から愛されているあのピーター・ラビットの作者の半生という事で、とても気を遣って丁寧かつ忠実に再現させているのだろうなぁ、と思います。

でも、何かもう1つパンチが足らない感じはしなくもない・・・
真摯に作られている姿勢は非常に好感がもてるものの、映画としてはドラマティックさに欠けるきらいはありますね。
ノーマンとのやりとりや2人が惹かれ合っていくまでの様子等、もう少しエピソードを膨らませても良かったような気がしなくもないですし、避暑地から火急の連絡を受け取ってロンドンに戻りノーマンの家に駆けつけた辺りのシーン等は、もう少しだけドラマティックに描いても良かったんじゃないだろうか?という気はします。

でもね、この映画はとてもステキです♪
ビアトリクスがピーター達に語りかける様子、そしてピーター達がクルクルと目を動かしてスケッチブックから飛び出して来るシーンを見て、絵本を手にワクワクドキドキした子供の頃のあの感動がまざまざと蘇りましたよ。
それに、彼女の半生自体が・・・ビアトリクス・ポターという人の真っ直ぐで純粋な生き方、そして自分が子供の頃に大切な「お友達」と出会ったあの湖水地方を、そのままの状態で後世に残したいと願い活動した情熱、あの時代の女性としては本当に革新的な素晴らしい人だったと思いましたね。

正直もう後30分上映時間が長くていいから(本作の上映時間は1時間半程度と、最近の作品としては短め)エピソードを膨らませてドラマティックにして欲しかったという思いはありますが、子供の頃に・・・そして今も尚ピーター・ラビットが大好き♪という方には必見の一作です。








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2007年09月05日(水) ファンタスティック・フォー:銀河の危機

監督:ティム・ストーリー
出演:ヨアン・グリフィズ
    ジェシカ・アルバ
    クリス・エヴァンス、他
オススメ度:☆☆


【あらすじ】
ある強大なエネルギーが宇宙から彗星のような閃光となって地球にやって来た。駿河湾の水が干上がりロスで大停電が起こりエジプトに雪が降る等、地球規模で怪現象が起こる。トーチが彗星を追尾して、その正体が銀色のボードを操る地球外生命体「シルバーサーファー」だと判ったものの、シルバーサーファーに触れたトーチの体に異変が起こり・・・


【感想】
2005年に日本で劇場公開されたアメコミ映画「ファンタスティック・フォー」の続編。
前作では科学者と仲間達が超能力を手に入れてファンタスティック・フォーになるまでのドタバタを描いていましたが、本作ではすっかり世間で認知されて「人気超能力チーム」になったファンタスティック・フォーの面々が、いよいよ・・・ってかいきなり副題によると「銀河の危機」を救ってしまう!?

そもそもアメコミなので荒唐無稽な設定なのはお約束なんですが、前作がぬるいながらも(をい)結構面白くてですね、本作は予告編を見てもかなりスケールアップしてるし、正直かーなーりー楽しみにしていたんですよ。

まあ、この書き方で想像付くと思いますが・・・何かピンと来ない作りでした(薄涙)

何がダメってね(←いきなりダメ出しするか。苦笑)、全然「ファンタスティック・フォー」じゃないんですよ。
1作目でツボに入ったのは、4人ががっつりスクラム組んで助け合って危機を救うシーンなんです。4人が揃って一緒に戦うからこその「ファンタスティック・フォー」じゃないですか!
それなのに、本作は4人が揃って何か事を成しえるという事がなかった。1シーンだけ崩壊する観覧車を抑えて客を救うシーンが出てきますが、このシーンではトーチは厄介者でしかなかった。

で、トーチがシルバーサーファーと接触した事で得たある能力を使って、クライマックスはトーチの一人舞台化。
とにかくトーチが全面に押し出された作りでしたね。確かにリーダー?のリードにはイマイチ華がないのでイケメンのトーチを全面に押し出したいのは判るんですが、だったら何故「ファンタスティック・フォー」なのか?と言いたい。
もういっそトーチがあの能力のまま今後は「ファンタスティック・トーチ@1人勝ち」として生き残り、残りの3人は平穏に元の生活に戻って結婚でも何でもすりゃーいいぢゃねーか!って感じですわ。

そうそう。どうしてシルバーサーファーに接触して得た能力がなくなっちゃったの?訳わかんねーし(^-^;

で、シルバーサーファーが微妙においしいキャラなんですが、もうちょっと掘り下げて見せて欲しかった(薄涙)
それから肝心の黒幕?の存在感があるようで全くないっつーか・・・「敵」として捉えられない漠然とした存在なのが、見ていても「コイツが敵だなー!コノヤロー!ぶった切ってやるぜぇー!」って思えなくてモヤモヤするし。
それより何より、肝心の黒幕を倒した?のはファンタスティック・フォーじゃありませんからっ!意味ないじゃーん!(^-^;

延々と吠えまくりましたが、まあ映像は結構楽しめますよ。←今更感は拭えませんね(苦笑)
いやホント。予告編見て「おぉぉぉ!」と思った程度の映像は楽しめるように作ってありますし、何より本作は1時間半程度と上映時間が短いのがいいです。
予定調和な展開なので、グダグダ長ったらしく見せられるより、これくらい潔い上映時間の方がスッキリしていてOK。

あ、書くの忘れてた・・・Dr.ドゥームが何故か復活したんですけどね、もうコイツはどうでもいいです(笑)
多分更に続編作るつもり?な終り方してますが、このシリーズは今後持ち直してくれるのかなぁ〜?うーん。







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2007年09月04日(火) 夜の上海

監督:チャン・イーバイ
出演:本木雅弘
    ヴィッキー・チャオ
    西田尚美、他
オススメ度:☆☆−


【あらすじ】
カリスマ・ヘアメイクアーティストの水島は、仕事で上海を訪れた。仕事が終わった水島は着の身着のままでフラリと仕事場から散歩に出たが、いつの間にか迷子になってしまう。女性ドライバー・リンシーが運転するタクシーに接触されて気を失った水島は、リンシーのタクシーに乗り、夜の上海へと走り出す。言葉の全く通じない水島とリンシーだったが、それぞれに恋愛の悩みを抱える2人は触れ合う内に次第に心が癒されて行き・・・


【感想】
講談社刊の同名タイトルコミック?(未確認)の映画化。原作者は綾瀬 悠氏だと思います。(未確認)
日中合作の作品で、監督・脚本・撮影スタッフの殆どは中国人。出演している役者の多くは日本人。要するに日本が映画資金の多くを出して中国で撮影している、と考えればいいのか?(^-^;

舞台は今アジアで最も元気がいいと言われる商業都市・上海。
この地に仕事でやって来た日本人が、現地のお嬢さんとひょんな事から出会って・・・というロマンティック・ラブストーリーなんだろうと推察、って映画見ておいて「推察」もクソも(^-^;
まあ一応公式サイトやチラシ等には「旅恋」なんて、それらしいロマンティックなコピーも付いてますしネ♪

うーん。コレはー・・・かなり微妙な作品だなぁ、と。←またいきなり結論攻撃

正直言って「ラブストーリー」と言う程の話じゃないんですよね。
勿論映画中には沢山の「恋愛」が登場するのですが、普通「旅恋」なんてキャッチコピーを見ると、ほとんどの人が日本人男性と中国人女性が旅先で出会って恋に落ちる、と想像するじゃないですか。
本作は「旅先での恋」ではなくて、「旅先で出会った人達それぞれの恋の行方」という、「変則オムニバス群像劇」と言った方がしっくり来るような気がします。

で、何が「コレはかなり微妙〜」なのかと言うとですネ、
一番大きな要因は本作のどのキャラクターにも全く一片のカケラも感情移入が出来なかったという事ですね。だからスクリーンを見ながら「ふーん」ってな感じで単なる傍観者・その1以上でも以下でもない状態。コレってかなりお寒い状況だと思うのはぴよだけなのか?(苦笑)

何しろね、セリフ回しや様子(特に日本人キャラ)が絶対に「在り得ない」レベルなんですよ。
「こんな言い方する日本人、いる訳ねーだろっ!」ってツッコミまくりですわ。どうやら本作は脚本も監督さんが書いていらっしゃるようなので、要するに「中国人視点(思い込み?)の日本人の様子」なんでしょうねぇ。イマドキ本当にこんな言い回しの日本人はいませんからねっ!?<監督さん
ちなみに一番ドン引きだったのは、水島の彼女がストーカー?にキスされそうになった時の様子。ありゃーねーわ(笑)

キャラの掘り下げも何だかなぁ?な感じで、特に気になったのはまたしても水島の彼女とストーカー君の関係。
この2人って何が何だかさっぱり訳が判らなくて、見ていてイライラするんですよ。そもそも彼女とストーカー君はどういう関係でどこで知り合ってどうして彼女はストーキングされてるのか?何の説明もありません。
コレが本筋には全く絡まないアシスタントの恋愛話のエピソードなら許せますが、本作で彼女の存在というのはかなり重要な役割を果たしているハズなんですよ。少なくとも「悩める主人公の彼女@悩みの対象物」なんですから。
その重要キャラが訳の判らないキャラやってたんじゃーお話にならないじゃないですか(苦笑)

しかも、本作は「ロマンティック・ラブストーリー」と銘打ってる割に、ラストの展開が微妙に変則技を使っている。
あの・・・この手のロマ物のラストに、誰も「え?」なんて展開は期待してませんよ。普通に全てが丸く収まっちゃっても誰も文句言わないし、むしろ大団円じゃないと観客は納得しないでしょ。
どーしてこの監督さんはことごとく何もかもハズして来るかなぁ?グッと観客の心を掴まなきゃいけない場面では散々放置プレイしていたのに、誰もが「よしよし、ここは思いっきりロマンティックに2人は抱き合って復活〜!なのね♪」と思ってた場面で観客の予想を裏切りまくってスカ食らわしてくれるってーのは何なんだ?(苦笑)

まあある意味「最強のB級」なんですが・・・正直言って「グダグダのズブズブ」
モッくんが好きなだけに、久々の映画出演がコレってのはちょっぴり悲しかったですねぇ(溜息)








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2007年09月03日(月) レミーのおいしいレストラン

監督:ブラッド・バード
声の出演:パットン・オズワルト(レミー)
      ルー・ロマノ(リングイニ)
      ブラッド・ギャレッド(グストー)、他
オススメ度:☆☆☆+


【あらすじ】
レミーは並外れた嗅覚と味覚を持つネズミ。夢は憧れの名シェフ・故グストーのようなシェフになる事。ある嵐の夜に仲間とはぐれて1人ぼっちになってしまったレミーはパリに流れ着く。グストーの幻に促されるようにグストーが経営していたレストランにやって来たレミーは、そこで料理の全く出来ない見習いのリングイニと出会う。厨房の嫌われ者だけど料理がしたいレミーと料理が出来ないけどクビになりたくないリングイニ、1匹と1人は手に手を取って奇跡を起こす・・・


【感想】
言わずとしれたピクサーの最新作。
今頃鑑賞ですよぅ〜。夏の暑さにやられてすっかり映画館から足が遠退いてましたが、ちょっと涼しくなったので復活。
「この映画も公開終了かな?もうガラガラでしょ」と思ったら、意外に客が入ってましたね。もしかしたらぴよと同じように暑い間引きこもっていた人達が、9月になって映画館に舞い戻ってきたという事なんでしょうか?(苦笑)

ピクサーと言えば、まずはその映像美を褒め称えなければいけない。
毎回毎回ピクサー作品を見る度に「一作毎に進化して」等と陳腐な事ばかり書いていますが、新作を出す度に映像を進化させなければいけないという重圧は相当のものだろうと思います。ジブリなんてどんどん劣化してますしねぇ(をい)
それなのに、ピクサーったら本当に新作出す度に進化しちゃってる。コレは素直にスゴイ事だと思う。

そんな訳で本作の映像の美しさも正に筆舌に尽くし難い。
キャラクターの質感のリアルさは言うに及ばず、建物や風景等は「実写か?」と一瞬目を疑いたくなる程だし、なにより本作で重要な位置付けである「料理」が実に美味しそうに描かれているのはスゴイ。
実写でも料理を美味しそうに見せるのは難しいと思うのに、アニメーションでここまで美味しそうに料理を見せる事が出来るのは、世界広しと言えどやっぱりピクサーしかないだろうと思いましたね。

主人公がネズミという事で、ネズミ視点の映像が多い。コレも凄かった。
厨房をネズミの視点で低い位置から・高い位置から・食器越しから、様々な視点で見せてくれますが、ネズミの動きと視点を実に研究し尽くして手を抜かずに映像化している。もうこんな事出来るのってホントにピクサーしかないでしょー!

と、映像に関しては本当に手放しで大絶賛なんですが・・・話は至って凡庸。
「ネズミが高級レストランのシェフになる」という予告編を見ただけで、大体こんな展開になるんだろうな、と想像していたら本当に想像した通りの展開。何のヒネリもなければ何のサプライズもない。
しかも本作の原題は「Ratatouille(ラタトゥイユ)」と言うんだけど(映画見るまで原題知らなかった)、原題がスクリーンに映った途端にクライマックスの展開まで判っちゃったじゃないですか。

 ※ラタトゥイユ→南仏の超ポピュラーな家庭料理。高級レストランでメイン料理として出される事はまず在り得ない

所詮子供向けのアニメーションなんだから、ありきたりで誰もが判り易いハッピーな展開でいい?
ぴよはそうは思いませんよ。少なくともピクサーの作品についてはそうは思いません。ピクサーのスタッフは自分達が作り出すモノが子供にしかウケていないなんて思っていないでしょ?むしろ子供よりも大人の方が自分達の作ったモノに熱い視線を送っている事を充分承知しているでしょ。
ピクサーには大人をも唸らせる脚本や展開を提供する義務が既にあるんじゃないかとぴよは思います。

確かに大人だけが楽しめればいいってもんでもないので、この展開に文句を付けるのは筋違いだと思う。
でも、本作の設定やエピソード等はかなり大人も意識したものになっていると思うし、これだけのクオリティの映像を提供してくれちゃっているんですから・・・せめてもう少しキャラクターの心理描写を掘り下げて見せるとか、レミーとリングイニの心の結び付き部分、特に大人にウケそうなイーゴのキャラの掘り下げ(何故執拗にグストーの料理を叩いたのか?等)を丁寧に見せてくれれば良かったのにな、と思いましたね。

既にディスニー傘下だから、今後も「あくまで対象は子供向け」の作品しか作ってくれないんでしょうか・・・
一度でいいからピクサーには「R-12」位の(18禁とは流石に言わんよ)、本気で大人向けの作品を作って欲しい!!







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2007年09月01日(土) ラッシュアワー3

監督:ブレット・ラトナー
出演:ジャッキー・チェン
    クリス・タッカー
    真田広之、他
オススメ度:☆☆☆☆−


【あらすじ】
アメリカ・ロス。ハン大使の護衛をしていたリーは、WCC(World Criminal Court)のシンポジウム壇上で謎のチャイナ・マフィア「シャイシェン」の存在を突き止めた事を報告しているハン大使が狙撃され、向かいのビルから逃げる狙撃者を目撃したリーが追跡する。無線を聞きつけたカーターも車で追うが、狙撃者はリーがかつて「兄弟」と呼び合う程慕った旧知の仲の孤児院時代の同士「ケンジ」だったのだ。シャイシェンの正体を突き止めるべくパリに向かったリーとカーターだったが・・・


【感想】
ジャッキー×クリス・タッカーコンビがバカウケした「ラッシュアワー」シリーズ3作目。
とりあえず「ジャッキー命」と常日頃豪語しているぴよとしては、本作を見逃す訳にはいかないでしょう!

ジャッキーは本国の中国・香港のみならず、ハリウッドでも超有名な大スター!
でもきっと本国の次にジャッキーファンが多いのは、間違いなく日本だろうと思います。きっとそうです・・・そんな訳なのかどうかはよく判りませんが、本作では「ハリウッドで最近ちょっと目立ってきた日本人俳優」も起用して、お歳を召されてちょっとアクションにキレのなくなったジャッキー様だけでは日本人観客を引き込めないと踏んだのか?日本が誇る今や堂々と「ハリウッド・スター」と呼べる真田広之さん、そして工藤夕貴さんを登場させてくれました。

真田サンの出演は予告編で判っていましたが、いきなりすんげー厚化粧で工藤夕貴サンが登場した時には驚いた。
ってか、彼女かなりハードなアクションシーンもこなしているんですが、ジャッキーの身体能力が落ちた事も手伝っているとは思うものの(をいぃ〜)、アクションのキレはなかなか大したもので見応えは充分です。

でもなぁ〜。やっぱ真田サンでしょ!
本作の真田サンのカッコ良さは異常です。彼って本当に歳取らないですねぇ〜♪もう本当にカッコ良過ぎる!!
我が敬愛のジャッキー様なんて、ちょっと疲れた顔で椅子にドサッと腰掛けているお顔が一瞬「美川憲一」に見えて仕方なかったんですが(うへー!)、真田さんのあのキレのあるアクション、あの鋭い眼光、そしてハリウッド映画出演慣れしまくってるジャッキーよりもよっぽど流暢な英語使い、どれをとっても本作はどう考えても「真田様・ビバ!」な作り。

正直アクションシーンの見せ方がかなり稚拙で(元々このシリーズってアクションシーンのカット割がイマイチよね)
真田様(←最初は『サン』って呼んでたクセに。苦笑)の美しく流麗なソードファイトの動きがブツブツと切られるのには閉口してしまうものの、あくまでも本作はハリウッド映画。ジャッキーが常々香港ムービーでこだわっているアクションよりもキャラや脚本やノリで楽しませるのが先行の作品なのは百も承知しているので、「くそぉ。監督をオレにやらせろ」と心の中でつぶやきつつも何とか楽しめる仕様にはなっていると思います。

カーターの動きもなかなかいいしね。本筋に絡まない部分でも手を抜かずにきちんとアクションしてるのは好感触。
それよりさ、ハン大使親子ってこのシリーズの1作目で登場したあの親子でしょ?・・・娘のスーヤンって、あの1作目に出演してた誰の記憶にも残らないようなブスいお子ちゃまでしょ?
何がどう成長するとスーヤンがこんな超絶な美少女に成長してしまうのか!次作にもスーヤン出演を激しく希望!(笑)

このシリーズにしてはかなり脚本練れてると思いますし、ジャッキーのアクション云々は抜きに、誰が見ても楽しめる仕様になっていると思いましたね。
・・・ってか、真田様のハリウッドでの成長振りを今後も是非見守って行きたい!この部分だけでも日本人は必見の一作!








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