ぴよの映画めった斬りコーナー
ぴよが見た新作映画・ビデオ・DVDを個人的趣味でぶった斬るコーナー
ぴよと意見が合わないからっていじめないでぇ〜ん!(^_^;)
【ネタバレも含んでますので注意してねん♪】

2005年08月30日(火) 鳶がクルリと

監督:薗田賢次
出演:観月ありさ
    哀川翔
    宇津井健、他
オススメ度:☆☆−


【あらすじ】
大手企業で企画開発の仕事をするエリートOL・中野貴奈子は、取り組んできた企画が通らず凹んでいた。そこへ全く畑違いの「2週間でビルに巨大モニュメントを設置する」という仕事を任される。この仕事が成功すれば元のセクションに出世して復帰という条件を付けられて「鳶職人」探しに飛び回るものの、たかだか2週間の工期ではどこの業者も請けてくれない。「日本晴れ」という会社なら出来るかも・・・という噂を聞き付けて早速交渉に向かう貴奈子だったが。


【感想】
ヒキタクニオ氏著の同名小説の映画化。申し訳ないが、この作家さんもこの作品の事も全く知りません(^-^;
それよりも「観月ありさちゃん主演最新作」と言った方がアピール度は高いかもしれません。
もっと言うと「みんなの兄貴@相川翔アニキの出演最新作」と書いた方がVシネファンが喜ぶのかも?

エリートOLが、今までの人生で全く関わりのなかった「鳶職人」達と仕事上付き合わなければならなくなって、彼らの粋でいなせな生き方に翻弄されつつも飲み込まれて成長して行く・・・といった感じのヒューマン・コメディ。
翔アニキは鳶職人の中でも「隼(はやぶさ)」と呼ばれる、最も危険で鳶職人達の司令塔的な役割をする重要な役ドコロ。
コレはハマり役ですわー。いかにもですわー。こんなカッコいい職人さん、いそうでいないでしょー♪

さて、映画中の貴奈子も「鳶職人」という職業には門外漢でしたが、ぴよも友達や知り合いに鳶職人がいないので、この世界の常識や仕事の詳しい内容や日常がさっぱりワカリマセン。
そんな訳で「鳶職人ってこーいう仕事する人」「こんな生活してる人」「こんな価値観で生きてる人」という「鳶職人ガイド」として見るにはなかなか面白いなぁ〜と思いながら見ていたんですが。

まあ・・・それだけですね。
正直に言って「何でこの作品が映画化されたんだろ?」という感じしかしなかったです。←無茶苦茶言ってる(^-^;

観月ありさちゃんは可愛くて恐ろしく足が細くて長いんだけど、大企業のエリートOLっていうイメージとは程遠い。
それよりも、この映画を見ると鳶職人ってみんなすんごいモンモン(入れ墨)入れてて、元ヤンキーや少年院上がりみたいな荒っぽいヤツしかいなくて・・・コレって逆に偏見ぢゃないの?
話し方もすんごい時代掛かってるって言うか・・・任侠映画見てるみたいな感じだし。
世の中の鳶職人さんって、みんなこんな話し方してるんですか?(^-^;

小ネタでチョコチョコ笑わせたり、白々しい「貴奈子とツミ(←翔アニキの娘役)との心の交流」があったりしながらお約束の大団円に話が進むんですが・・・どーなんだろう?TVの2時間ドラマで充分な気がするんだがなぁ〜(苦笑)

ところで先に名前を出した「ツミ」を演じた通山愛里ちゃん。この子は何者なんでしょう!?
プロフィールを見ると2003年のクラリオンガールだったらしいが全く知らん・・・いやぁ〜!彼女、めっちゃくちゃ可愛い♪
猛烈に愛らしいベビーフェイスの彼女が乱暴な男言葉でギャンギャン吠えまくるんだけど、とにかく恐ろしい程瞳がキレイで一発ノックアウトされちゃいましたわー♪今後の彼女の成長に注目したい!

と言う訳で、本作の収穫は「通山愛里ちゃん」だけ。
観月ありさちゃんの神がかり的美しさは既に周知の事ですから、今更特筆するまでもありませんしネ(笑)







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2005年08月29日(月) ライフ・イズ・ミラクル

監督:エミール・クストリッツァ
出演:スラブコ・スティマチ
    ナターシャ・ソラック
    ヴク・コスティッチ、他
オススメ度:☆☆☆☆−


【あらすじ】
1992年ボスニア。国境近くののどかな村で鉄道技師の仕事をするセルビア人のルカは、息子のミロシュが徴兵された上に敵国の捕虜になってしまっていやがおうにも戦争に飲み込まれて行く。ある日友人トモがムスリム人女性サハーバを連れて来て「彼女とミロシュとの捕虜交換に使おう」と提案、サハーバを預かる事になったルカだったが・・・。


【感想】
「アンダー・グラウンド」「黒猫・白猫」等の名作を次々と発表し、2005年カンヌ映画祭で審査員長に選ばれたヨーロッパ映画界の巨匠エミール・クストリッツァ監督最新作。
監督の祖国・旧ユーゴスラビアの内戦時代を舞台にした作品。氏は過去にも祖国を題材にした作品を発表し続けていて、本作もそんな氏の一貫したメッセージ性の色濃い作りになっていると思う。

映画が始まってからまったりほのぼのとしたエピソードが延々続きましてネ、一体いつ予告編で見たような話の展開が起こるんだろう?と思いながら見ていたんですが、最初は「どーでもええやんか。こんなエピソード」と思ってた数々の小ネタが、見ている内に段々ハマって来て面白いんですわ。

この「まったりほのぼの」ってのが、本当に当時の現地の人達(特に田舎の人)のリアルな状態だったんだろうと。
彼らにとって戦争は決して身近なものではなく、どこかの国の絵空事でしかなかったんだろうと。
だから実際に爆撃が始まってドッカンドッカン砲撃されても、まだどこか他人事状態の主人公ルカ。
それが「たった1人の大切な息子が捕虜として捕らえられた」と知らされて、ようやく現実のモノとなる。

何となくこういう感覚、判らなくもないなーと思った。
例えば国内でとてつもない大災害が起こってTVの報道番組でリアルタイムに様子が伝えられても「まー、気の毒にぃ」と思いながらも、どこか「自分とは関係ない話」と冷めた目で・・まるでパニック映画のワンシーンを見ているような感覚でTV画面を見ている自分がいたりする。この作品の主人公も正にそんな状態だったんだろう、と。
自分の身内や知り合いが巻き込まれてみて、初めてその災害・事故・事件の当事者になるという感覚。

冷静に考えると物凄く切ない話なんだけど、この監督さんは自国の痛ましい過去を決して「お涙頂戴」にしない。
むしろ非常にユーモラスに、そして終始瑞々しく牧歌的な雰囲気で観客を楽しませてくれるからスゴイ。

美しい風景、ノスタルジックでいつまでも耳に残る音楽、ほのぼのとした素朴な人々のやりとり、妙に芸達者で思わずニックネームを付けたくなるような可愛らしい動物達。
何もかもが牧歌的なのに、それが「戦争」「内戦」という殺伐としたネタの中で繰り広げられる不思議。

もっとも不思議でも何でもないのかもしれない。
映画中でも「これは俺たちの戦争ではない」というようなセリフが出て来るけど、所詮戦争ってどこかの国のどこかの政治や経済や宗教のぶつかり合いから派生するもので、本来そこに息づいて穏やかな小さな幸せを願って生きている市井の人達には関係のない「遠い国の絵空事」でしかないのかもしれない。

この作品は「ロミオとジュリエット」的な恋愛を軸に描かれているけど、そこに描かれているのは紛れもない「戦争」に翻弄される市井の善意の人々の姿だったように思った。

2時間半近い割と長尺の作品なので、ダレる人も多いかもしれない。
でもこの作品が発するメッセージには妙に奥深いものがあって、本当に切ない話だったなーと思う。
見て損はないと思いますよ。妙に残虐映像を出して啓蒙しまくる反戦映画より、よっぽど説得力があります。








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2005年08月28日(日) 奥さまは魔女

監督:ノーラ・エフロン
出演:二コール・キッドマン
    ウィル・フェレル
    シャーリー・マクレーン、他
オススメ度:☆☆☆−


【あらすじ】
人気TVドラマ「奥さまは魔女」のリメイク版に再起を賭ける落ち目俳優ジャックは、自分が演じるダーリン役が引き立つようにサマンサ役を街で見かけた「イザベル」という素人女性をスカウト。ジャックに「君が必要なんだ!」と言われて有頂天でサマンサ役を引き受けるイザベルだったが、実は彼女は恋に憧れて人間界にやって来た本物の魔女だったのだ。


【感想】
往年の大人気TVドラマシリーズ「奥さまは魔女」をリメイク・・・ではなくて、「奥さまは魔女」のリメイク版を製作する人々の恋愛ドタバタを見せるコメディ。
サマンサ役に大抜擢された本物の魔女「イザベル」を、その美しさは折り紙つきのニコール・キッドマン。イザベルをスカウトする落ち目役者ジャックには、本国アメリカでは相当有名なコメディアンらしいけどぴよは全く知らないウィル・フェレル。
彼のフィルモグラフィを調べたら「ズーランダー」に出てた・・・あぁ、言われてみれば見た事あったかも?(^-^;

映画中の「イザベル」は、親元を離れて初めて自立して生活しようとするCUTEなお嬢ちゃま魔女♪
演じるニコール・キッドマンの神々しいまでの美しさと可憐な笑顔と言ったら!!
この方、言いたかぁ〜ないけど御歳38歳ですぜ!?絶対に40歳目前のおばちゃんには見えませんっ!(笑)

で、この神々しい美女イザベルがぽわぁ〜ん♪とホレちゃうジャックという売れない役者・・・コレがどー考えてもカケラも釣り合う部分が見つからない(強いて言えば身長が高い事くらいか)、全く魅力を感じないウィル・フェレル。
劇中でも市井の皆様にこてんぱんのめったクソにコケ下ろされてます。(^-^;
ま・・・この不釣合いなトコロがミソですね。イザベルは「ヘタレなダメ男に母性本能をくすぐられる」らしいですから。

ジャックがまたものすごーく鼻につくイヤぁ〜な野郎なんだけど、こーいうのはウィル・フェレル氏のお得意でしょ。
滑稽な程わざとらしいジャックの様子を見るにつけ、観客は「なんでコイツやねんっ!」と思いつつも益々イザベルの愛らしさに目を細めていくという構図が出来上がる・・・こりゃー相当計算されたキャラですな(笑)

そんな訳で、後は感想を書くまでもない「一山100円」な面白くも何ともないありきたりなラブコメ←をいをい
ニコールが主演じゃなかったら日本で劇場公開されるかすら怪しいシロモノですから。

そんなクソラブコメ(←言い過ぎだってば。滝汗)の割に、脇に出演してる役者が恐ろしくゴージャス!
劇中劇の「奥さまは魔女」でサマンサのママを演じるのがシャーリー・マクレーン←この方久し振りに見ましたワ
イザベルのパパ役には「バットマン・ビギンズ」でのステキ振りが記憶に新しい重鎮マイケル・ケイン。
マイケル・ケインのお茶目っぷりがまたイカす(死語)んですわー♪
まさか・・・とは思ったけど、あの「グリーン・ジャイアント」を見た時には腰が抜けたネッ(笑)

要するに、この作品はニコールファンの為の、もしくは名脇役の板に付いた演技を楽しむだけの映画って事ですな。
内容カラッポですし・・・つーか既に話の中身を忘れつつあったりするんだな。コレが(苦笑)








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2005年08月27日(土) 愛についてのキンゼイ・レポート

監督:ビル・コンドン
出演:リーアム・ニーソン
    ローラ・リニー
    クリス・オドネル、他
オススメ度:☆☆☆−


【あらすじ】
インディアナ大学の生物学助教授キンゼイ博士は結婚初夜にいきなり夫婦の性生活の危機に直面したものの、真面目なキンゼイは2人の関係を専門家医師に相談し、見事夫婦の危機を乗り越えた。その後自分と似たような悩みを抱える若い学生が多い事を知ったキンゼイは大学で「性行動」についての講座を開くが、学生達の質問が余りに多岐に渡り、この方面の分野がいかに未開拓なのかを実感。キンゼイは科学者として性行動の実態について調査しようと決意するのだが。


【感想】
1948年と53年にアメリカ人の性行動に関する調査報告書「キンゼイ・レポート」を発表し、性科学のパイオニアと言われた生物学・性科学の権威「アルフレッド・キンゼイ」氏の半生を描いた作品。
作品中に映し出される性器部分のアップをボカすかボカさないかでちょっと話題になりましたよね。
(結果的にボカさずに公開するっちゅー事でまたまた話題にもなりましたけど)

さて、そんな「モザイクなしのノーカット版♪」をお楽しみにして見に行った性衝動の押さえ切れない御仁には、はなはだ鼻白んでしまう事請け合いであろう(苦笑)非常に真面目に作られた伝記映画です。

そもそも何故生物学(しかもタマバチ研究の権威)のキンゼイ博士が「人間の性行動」に興味を持ったのか。
ここら辺りのキンゼイ博士の背景の描き方が非常に巧で、自分の実体験と世間の迷信とのギャップ、父親との確執、そしてキンゼイ氏の科学者らしいアカデミックな考え方をソツなく観客に見せて行きます。

話のキモは「科学者バカ」キンゼイ氏を、血の通った「心ある科学者」として成長させた妻の存在でしょう。
人間の性行動に関する調査を始めたキンゼイ氏は、時として「セックス」を科学する内に「心」が置き去りになって「セックス=生物の生理的行動」という記号化されてしまう。
何の悪気もなく「科学としての探究心」から堂々と浮気(しかも相手は男!)してしまうキンゼイに、泣きながら「愛」を説く妻の姿には心打たれる・・・つーか、コレって人として当たり前の事でしょ?と思ったんだけどサ(^-^;

要するに、本作はキンゼイ氏がセンセーショナルなレポートを作り上げる為の苦労・苦悩をドラマティックに見せたり、その衝撃的なレポート内容を提示する事で観客を煽ろうとしている訳ではなく(苦労・苦悩は勿論見せてくれるんだけど)
あくまでもキンゼイ氏がこの調査を通じて、人として科学者として成長していく様や妻との心の結び付きを見せたかったんだろうなぁ〜と思う訳です。

で、映画ラストの様子も何だか「はぁ?それで?」てな感じで拍子抜け(苦笑)
いや悪くはないんですけど、どうもピンと来ないというのか・・・言い方悪いんだけど「すげーセンセーショナルなネタなんだけど余りに真面目に作り過ぎて面白味を感じない」というのか。
まあ・・・ネタがセンセーショナルだから逆に努めてストイックに作ろうとしたんでしょうけどねぇ。
結果「いい話なんだろうけど面白くはない」という感想になってしまう訳で。(^-^;

でも、「タブーを破る・パイオニアになる」という事はいつの時代であってもとても大変な事なんだなーと思う。
世間の非難の中にあって、それでも己の信念を貫くという事の難しさ。

くじけそうになっても妻との「愛」があるから生きていける・・・面白味は感じなくても(←しつこい)いい話です。








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2005年08月24日(水) シンデレラマン

監督:ロン・ハワード
出演:ラッセル・クロウ
    レネー・ゼルウィガー
    ポール・ジアマッティ、他
オススメ度:☆☆☆☆


【あらすじ】
右ストレートを武器に「次期世界チャンプ」と誰もが信じたボクサー「ジム・ブラドッグ」は、右手を故障した事が原因で勝利から見放されて引退を余儀なくされてしまう。時は大恐慌時代のアメリカ、愛する妻と3人の子供達を養う為に日雇いの港湾労働を続けるジムに、ある日かつてのマネージャー・ジョーが新進ボクサーとの試合の話を持ち込んで来た。所詮は一夜限りの復活になるハズだったこの試合が、ジムにとって人生に与えられた「2度目のチャンス」になったのだ。


【感想】
「ビューティフル・マインド」でオスカーを手にしたロン・ハワード監督が、またしても「感動の実話を映画化」で二匹目のどじょうを狙うのか!?・・・主演は「ビューティフル〜」でタッグを組んだラッセル・クロウ@ハリウッドの暴れん坊、ジムを支えるラブリ〜な奥方はレネー@体重増減技はラッセル・クロウといい勝負、のお二人。

いかにもなメンツが揃っていかにもな感動ドラマ作ってますから、当然のよーに「本年度アカデミー賞最有力!」というキャッチコピーが踊る訳ですが。
・・・どうでしょうねぇ?昨年の「ミリオンダラー・ベイビー」もボクシング物でしたし、今年もまたボクシングってのは余りに芸がない気がして逆にアカデミー選考委員に敬遠されちゃうんじゃないでしょうか?(苦笑)
「大恐慌時代に人々に希望と勇気を与えた感動の実話」ってネタも、かつて公開されて大絶賛された「シービスケット」という作品がありましたよね?

そんな訳で(←どんな訳よ?苦笑)、誰もが納得出来る丁寧に作られた感動作品です。
いい話ですわ〜♪こんな熱いオヤジとラブリ〜なおかん夫婦、夢のよーですわ〜♪
しかも実話だっていうんだから、そりゃー感動もまたヒトシオですわよねぇ〜(^-^)

ま、そんな感じで。←なんだ?なんだ?この投げやりな感想わっ!?


いや、ぴよはこの作品はかなり好きな部類です。
はっきり言って世間で大絶賛だった「ミリオンダラーベイビー」よりもコッチの方が断然好き♪

「感動の実話」なんだからオチは見えてても、それでも誰もがボクシングシーンには手に汗握り、そして麗しい家族愛に誰もが爽やかな感動に浸れる。ジムを支えるかつてのマネージャーがまたオイシイ役どころをガッツリ演じていて好感持てるし、時代の風景や風俗の見せ方も丁寧でソツがない。
要するに何もかもが「予定調和」なので、ヒネリがない分気持ちよく感動に浸れるという直球ど真ん中ストレートな作品でしてね・・・こーいうのがダメだという人は多いでしょうけど、ぴよは「実話の映画化」は妙にヒネって欲しくないタイプなので、この作りの方が断然好感が持てましたね。

まあ・・・難癖付けるなら「レネーの甘ったるい喋り方が鼻に付く」事と、電気止められるくらいのド貧乏な生活をしている割にはレネー奥様一人だけコ洒落た格好が板に付き過ぎていた事くらいか(笑)

でも少なくともこの作品を見て「胸糞悪くて吐き気が止まらなかった!」という人はまずいないでしょ。


個人的にはポール・ジアマッティがイチオシです♪
今の所ぴよが今年見た作品の中では、彼が最もオスカー助演男優賞に近い役者なんじゃないかなー?って思うよ。
ラッセル君も別人みたいに体を絞って相変わらず体当たりの素晴らしい演技をしてくれてますが、どーも実生活の彼の様子と役の素晴らしい人格者キャラとのギャップが・・・って、よくよく考えると本来のラッセル君とはかけ離れた(をい)キャラクターをこれだけ違和感なく観客に見せてくれるとゆー事は、それだけラッセル君の演技能力が高いという事ですわね。

んー。でも主演男優賞はどーかなぁー?
ポール・ジアマッティの方が演技として際立つものがあったよーに思いますねー。

兎にも角にも誰もが安心して楽しめる感動作品。見て損はないです・・・って言うか積極的に見てやって下さい(笑)







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2005年08月12日(金) 亀は意外と速く泳ぐ

監督:三木聡
出演:上野樹里
    蒼井優
    岩松了、他
オススメ度:☆☆☆+


【あらすじ】
夫が海外赴任中の片倉スズメは、ペットの亀と単調な日々を送っている平凡で目立たない主婦。幼馴染みのクジャクはスズメとは正反対の大胆でスケールのデカい女だというのに・・・。そんなある日、ひょんな事で「スパイ募集」の広告を見つけて応募したスズメは、成り行きで某国のスパイの仲間入りをしてしまう。
スパイになったスズメに与えられた任務、それは「目立たないように平凡に暮らす事」だったのだ。


【感想】
「ダウンタウンのごっつええ感じ」「笑う犬の生活」「トリビアの泉」などの様々な伝説的ヒット番組を手掛けて来た構成作家、三木聡氏の監督・脚本作品。
映画界の新星アイドル(?)上野樹里ちゃんと蒼井優ちゃんの共演って事で、予告編見てから猛烈に期待してた一作♪

話のネタの核は「平凡に目立たないようにしろ、と言われると何が平凡なんだかワカンナイよね?」ってな感じでして。

とてつもなく平凡な主婦スズメは「スーパーで3000円前後の金額で目立たない買い物をしろ」とか「ファミレスで店員の記憶に残らないようなメニューを注文しろ」などというミッションを与えられて考え込んでしまう。
それまでの人生は、むしろ目立ちたくても誰にも気に留めてもらえないくらい平凡だったハズなのに、いざ目立たないように平凡にしろと言われると妙にギクシャクして逆に目立ってしまうという面白さ。

映画全編がこういう「普通の平凡な人の平凡過ぎる行動ほど面白い」というロジックで彩られてて、どーしようもない小ネタがただタラタラと続きながら「ぷぷぷっ!」と笑わせようという趣向。

だからぶっちゃけストーリー展開自体はどーでもいい感じ。
「平凡な奥様がスパイになる」という奇天烈な設定は、単に観客の関心を惹き付けるだけのエサでしかない。
どうやら見せたいのは「小ネタ」の数々みたい?で、要するに「平凡も過ぎれば非凡」という1つのテーマでオムニバスコントを見ているような感覚の作品です。

んな訳で、「映画としてストーリーを考えるとどーよ?」って聞かれると困るんだけど、「面白かった?」と聞かれればそれなりに面白かったし笑えたとは断言出来ますネ。すんごーく微妙な言い回しなんですが(苦笑)

そもそも予告編で「脱力系!」って銘打ってるんだし、この手の作品はストーリー構成や展開の妙を楽しませるつもりなんて最初からないんだ、そう割り切って「上野樹里ちゃんと蒼井優ちゃん出るしぃ♪なんだか可愛いし面白そーだしぃ♪」くらいのお軽い気持ちで見れば、充分に満足出来るまったりしたコメディになってると思いますヨ♪

ぴよ個人的に本作の一番の見ドコロは・・・・二枚目俳優「要潤クン」でしょう!コイツにはたまげたゼッ!!








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2005年08月08日(月) ヒトラー 〜最期の12日間〜

監督:オリヴァー・ヒルシュビーゲル
出演:ブルーノ・ガンツ
    アレクサンドラ・マリア・ララ
    コリンナ・ハルフォーフ、他
オススメ度:☆☆☆+


【あらすじ】
1945年4月20日ドイツ・ベルリン。ソ連軍の激しい砲火の中にあって、ヒトラーと彼の側近達は大統領官邸の地下要塞に避難していた。もはや誰もが敗戦を確信しながらも、既に正常な判断力を失ったヒトラーはありもしない軍力をあてに最後の巻き返しに躍起になっていた。狂気の独裁者を前に腹心達は自分の今後の身の振りの選択を迫られる。そんな地下要塞でずっとヒトラーに従ってきた秘書のユンゲは、ある日ヒトラーから遺言の口述筆記を頼まれたのだ。


【感想】
近代史において・・・いや、もしかしたら世界史上において?最も罪深き独裁者としてダントツのナンバーワンの座に君臨しているであろう「アドルフ・ヒトラー」の最期の12日間を描いた作品。
本作の脚本は歴史家ヨアヒム・フェスト著の「ダウンフォール:ヒトラーの地下要塞における第三帝国最後の日々」と、ヒトラーの秘書であり本作の語り部にもなっているトラウドゥル・ユンゲ嬢の回想録「最後の時間まで:ヒトラー最後の秘書」の2作が元ネタになってるそーです。

この映画が話題になっているのも、映画史上初めてヒトラーの「人間らしい部分」を描き出している事。それからドイツ人にとって最もタブーだとされているヒトラーネタを、ドイツ人が映画化したという事でしょう。
日本で考えると東条英機をヒーローにした映画を作るとか?それよりもっとタブーネタなのかな?

今どうしてヒトラーなんだろうなぁ?と考えてたんだけど、戦後60年経ってドイツ人にとってヒトラーという狂人に振り回された時代が既に過去のものとして語られるに足る物になったという事なのか。
それとも21世紀になっても尚世界で続く戦争に対して「戦争ほど人を狂気に陥れるバカげた事はない」という警鐘を誰かが鳴らすには、その狂気に翻弄されたドイツ人が自ら立ち上がって表現するしかない、と思ったのか。

「ヒトラーの人間らしさについて触れている」という事で、世界中で随分物議を醸し出している本作ですが、ぴよは見ていてヒトラーのプライベートな一面を見たからといって「だからヒトラーはそんなに悪い人じゃなかったんだ」とも「ドイツ国民に愛されたのも納得出来る」とも思えませんでしたがね。
犬を可愛がったり、愛する人と死の直前に入籍したり、女性や子供に優しい言葉を掛けたり・・・そんな事は彼が犯した数々の極悪非道な所業に見合う程の大層な事じゃない。「それくらいはやって当たり前」のレベル。

むしろ恐ろしいと思ったのは、あれだけヒトラーに忠誠を尽くした腹心やドイツ国民すらも、彼は事も無げに切り捨てて当たり前だというスタンスでいたという事でしょう。
恐ろしい程緻密に作られた「ヒトラーの理想のドイツ予定ジオラマ」を前に、彼は「国民なんてどーでもいい」とサラリと言ってのけるのだ。国民不在でこれだけの理想郷を作って、一体お前は誰の上に君臨したいと思っているのだ?

この戦況下において、本気なんだかやけっぱちなんだか「総統に最後まで着いて行きます!」と語るヤツから、冷静に状況を判断して早々に逃げ出すヤツ、はたまたヒトラーが自決したと判っていても尚受勲してみたりアカ狩りしてみたり・・・
戦争を知らない世代のぴよが見ると「アホちゃうか?コイツら」としか思えませんが(苦笑)、これこそが戦争がもたらす狂気なんだろうし、日本も時同じくして似たような状態だったのか?・・・と思うと、本当に寒気がしましたねぇ。

ヒトラーを演じたブルーノ・ガンツ氏の鬼気迫る演技には拍手喝采!
つーか、ヒトラーが蘇ったんじゃないか?と思えるくらい似てるんですけど・・・ホントに怖いくらい!!
本作、2時間半超えという結構長尺の作品ですが、少なくとも退屈するヒマはありませんでしたねぇ。

これは反戦作品なのか?それともヒトラー擁護作品なのか?単なる史実ドラマなのか?
ぶっちゃけぴよには製作者側の意図が判らなかったけど、これは受け手次第って事なのかな・・・








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2005年08月01日(月) 大いなる休暇

監督:ジャン=フランソワ・プリオ
出演:レイモン・ブシャール
    デヴィッド・ブータン
    ブノワ・ブリエール、他
オススメ度:☆☆☆☆−


【あらすじ】
カナダの小さな島サントマリ・ラモデルヌ島は、かつては漁業で栄えたものの今では島民のほとんどが生活保護に頼って暮らす貧しい島だ。そんな島に工場誘致の話が来て有頂天になったのも束の間、誘致条件「医師が島に常駐」の一文を見た無医島の島民達は、必死の医師獲得に乗り出す。そこに1人の医師が1ヶ月間だけこの島にやって来る事になったのだ。1ヶ月の間に何とか医師にこの島を気に入ってもらって定住してもらおうと、島民達の奮闘が始まるのだが・・・


【感想】
カナダ発、ほのぼの癒し系ムービー。
全編フランス語なので、映画見ながら「コレはフランス映画か?」と思ってたんだけど、よく考えるとカナダはフランス語圏でもありますよね。
監督さんも知らなければ出演してる役者さんも誰一人全く知らない。もしかしたらすごく有名な作品に出ているのかもしれないけれど、少なくともぴよは他の作品で見た記憶のない役者さんばかりでした。

話は上のあらすじに書いたとーり、工場誘致の為に無医島に医師を呼ぼう!と奮闘する貧しい島民たちの様子を、まったりとコミカルに見せてくれる「心温まるヒューマンドラマ」です。
予告編で想像したよりもグッとコミカルで楽しく、オチも予定調和って感じで磐石。いい話でしたぁ〜♪

・・・あれ?感想終わっちゃった(笑)

まあ、好き嫌いが結構出そうな予感の作りではあります。
そもそも出演している役者に全く華がないので(色男揃いの貧しい島なんて不気味だし。苦笑)、華やかで派手な展開を期待するハリウッド映画好きさんには全くオススメ出来ません。
医師獲得に向けて右往左往する島民のドタバタ劇が「在り得ないし鼻白む」という方もいるかもしれません。
でもぴよはこの作品、かなり好きなタイプでしたねー♪

盗聴したり、出来もしないクリケットに熱中するフリしたり、余りにわざとらしい(言い換えれば涙ぐましい)大ウソまるけの島民一丸となった「大芝居」が続くんですが、どうにもこうにも憎めないおっさん達です。

それにしても、ここまでウソ付きまくると見てて医師が気の毒になって来るんですが、映画の展開も観客に呼応するように騙してる島民側代表・ジェルマンが、段々医師に対して「自分達のウソが医師を傷付けるのでは・・・」と、遅まきながら良心の呵責に悩むようになる。
お前今まで率先して医師を騙くらかしてたやんか!と思いつつも、失恋して心傷付いた医師を何ともやるせない表情で見守るジェルマンの姿に、「お前も悪気があってウソついた訳ぢゃねーしな。気持ちは判るぜ。うん」と、思わず肩の一つも叩いてやりたくなる。

話のオチは見えてても、やっぱり見てて気持ちがいい。
あざとい下ネタも「田舎の素朴なおっさん達のする事だ」と許してやりたくなる・・・まるで自分がこの映画に登場する医師になったよーな気持ちで、思わず「しょーがねーなー」とほくそ笑みたくなる、そんな優しい気分になれるドラマでした。







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