ぴよの映画めった斬りコーナー
ぴよが見た新作映画・ビデオ・DVDを個人的趣味でぶった斬るコーナー
ぴよと意見が合わないからっていじめないでぇ〜ん!(^_^;)
【ネタバレも含んでますので注意してねん♪】

2002年12月28日(土) アイリス

監督:リチャード・エア
出演:ジュディ・デンチ
    ジム・ブロードベント
    ケイト・ウィンスレット、他
オススメ度:☆☆☆☆


【あらすじ】
作家で哲学者でもある「アイリス・マードック」彼女はある日、自分が同じ事を2度繰り返して話していた事に、何か不穏なモノを予感する。彼女の夫、作家であり文芸評論家の「ジョン・ベイリー」は『よくある事だ』と慰めるが、その後簡単な単語の綴りを思い出せなくなり、自分が何を話していたのかすら忘れてしまうようになる・・・アイリスはアルツハイマーに冒されて、彼女の命とも言える「言葉」を失っていくのだった。


【感想】
アイリス・マードック、彼女は「イギリスで最も素晴らしい女性」と形容される実在した作家なんだそーです。彼女の死後、夫のジョン・ベイリーが彼女について本に綴り、イギリスでベストセラーになった原作がこの映画の下地になっているそうです。
話はアイリスがアルツハイマーに冒され、そして2人が慈しみながらも静かにその生をまっとうしていく姿と、アイリスがジョンと出会い、そして愛し合うようになるまでの若き日の姿を重ね合わせるように進行して行くんだけど・・・

今の時代ならこれくらい奔放な女性というのはゴロゴロいるかもしれないけど、アイリスという女性は、生まれるのが50年早過ぎたんじゃないかと思えるくらい、当時ではずば抜けて垢抜けた・・・奔放な女性だったんだなぁと思わされましたわ。

彼女の奔放な恋愛感が、彼女独自の世界観を産み、育て、言葉になる様子が若き日のエピソードで少しずつ見せられて行くんだけど、それがアルツハイマーに冒された事で、言葉を1つずつ失い、怯え、そしてついには彼女の愛すべき人格すらも変貌させて行ってしまう様子は、見ていて絶えがたい物があったわ・・・

それでも人は愛する事が出来るのか?

その答えをこの映画は切なくも美しく表現してくれているのだけど、ぴよにはとても難しかった。
後10年、20年、いや30年ぴよが年をとってからこの映画を見たら、ジョンの気持ちを理解出来たのかもしれないけど、今のぴよにはただただ「なんて残酷な運命なんだろう」としか思えなかった。

それでも人は愛する事が出来るのか?

すっかり言葉を失い、人格すらも変貌してしまったアイリスが、ジョンに向かって「愛してる。あなたを」と語るシーンは、思わずじーんとした・・・けど、やっぱり今のぴよにはジョンのような気持ちにはきっとなれないな、としか言えないんだよね。


感動する、とかステキな夫婦愛だ、という言葉で片付ける気になれない・・・
ぴよには余りに切なく、余りに残酷な話だったとしか言いようがないんだよね。







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2002年12月25日(水) 運命の女

監督:エイドリアン・ライン
出演:リチャード・ギア
    ダイアン・レイン
    オリヴィエ・マルティネス、他
オススメ度:☆☆☆☆


【あらすじ】
「コニー」はもうすぐ9歳になる息子、そしてマンハッタンで会社経営をするハンサムで優しい夫「エドワード」と共に、何不自由なく幸せに暮らす専業主婦だった。
ところがある日、ひょんなきっかけでフランス人青年「ポール」と出会い、コニーの運命は大きく変わる。家庭に不満がある訳もないコニーだったが、ポールと密会を続け、情事を重ねるようになったのだ。エドワードはそんな妻の様子に不審を抱き探偵を雇ってコニーの不倫を知ってしまったのだが、事態は思わぬ方向へと向かって行ったのだ・・・


【感想】
ちなみに原題は「UNFAITHFUL」直訳すると「不誠実」って事かな。よーするに日本語だと「不倫」ってタイトルだと思っていいんだろーなぁ・・・をい。そのまんまやんけ(笑)
リチャード・ギアの新作なんだけど、リチャード・ギアが従来演じて来たキャラとは随分違う。かなり控えめな役ドコロで、こんな地味な役をよく彼が引き受けたなぁ・・と思うくらいだわ。

さて、映画はコニーが優男ポールと出会って不倫の関係になって、のめり込んじゃって・・ってトコロあたりが前半(コニーが主役っぽい)、その間に夫のエドワードがコニーの微妙な変化やコニーの話の辻褄が合わない部分に不信感を募らせて、彼女の不倫の事実を知ってしまってからが後半(エドワードが主役っぽい)って事になるんだと思う。

まー、巷に溢れ返るるヒマな主婦の不倫。これもその「一山100円」の不倫話そのまんまなんだけど、言い替えれば今のご時世の主婦のみなさんだったら、こういう事っていつ自分の身に起こってもおかしくない・・・くらいの親近感?は持てるんじゃないかと思うんだよね。(あはー♪)

コニーが初めてポールとベッドを共にした後、電車に乗って我が家に向かう、その列車の中で、さっきまでの自分の情事を思い出しながら、一人何とも言えない顔でほくそ笑むシーンがあるんだけど、これはうまいなぁ!と思ったね。
世の中の不倫主婦が、間男(←この言い方って古臭過ぎるぅ?苦笑)と情事を重ねた後って、きっとみんなこんな顔して思い出し笑いするんだろうなぁ・・って、妙に納得しちゃったわよ!(笑)

エピソードの繋がりもいいし、ダレる部分もなくてテンポもまずまず・・なんだけど、どーにもエドワードが不倫を知ってからの展開が納得行かなかったんだよなぁ〜(^_^;)
納得行かなかった、と言うよりも「そりゃねーんじゃねーの?」って気分かなぁ。うん。

不倫のツケはあまりのも大きかった・・という話だったら、もっとコニーがどん底状態になっちゃってもよさそーなもんだけど、何故か割を食うのは夫のエドワード(苦笑)
でも考えるとさ、実際不倫が発覚した夫婦って、結局追いかける立場の方が弱いんだよな。パートナーに裏切られた怒りや悲しみを、それでも愛するが故、それでも失いたくないが故、受け入れざるを得ないっちゅーか・・何だか切ない話だよなぁ。


どーでもいいけど、ダイアン・レインってすげー老けたね!久し振りに彼女見てびっくりしたわよ!!
彼女、今年37歳らしいんだけど・・・少なくとも日本人のイマドキの37歳の女の人よりもよっぽど老けてるよーな気がしたんだけどぉー!いや、それでもスタイルは抜群なんだけどさ(へへへっ)





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2002年12月20日(金) ブラッド・ワーク

監督:クリント・イーストウッド
出演:クリント・イーストウッド
    ジェフ・ダニエルズ
    ワンダ・デ・ジーザス、他
オススメ度:☆☆☆☆−


【あらすじ】
FBIベテラン捜査官「テリー・マッケイレブ」は、謎のメッセージを残す連続殺人鬼“コード・キラー”を追跡中心臓発作に襲われ、FBI引退を余儀なくされた。それから2年後、心臓移植をして一命を取り留め、ヨットで悠悠自適の生活をするマッケイレブの元に、1人の女性が「姉を殺した犯人を探して欲しい」とやって来た。マッケイレブに移植された心臓は、殺された彼女の姉の心臓だったのだ。


【感想】
クリント・イーストウッドと言えば「ダーティーハリー」シリーズでその精悍なタフガイ振りが今も目に焼き付く、クールでカッコいい名優というイメージ。
そんな彼も御歳72歳、押しも押されぬジイ様になってしまったのですねー!・・・なのに、このジイ様がまだまだ頑張っちゃうんだ!走る!語る!銃撃戦をこなす!そしてオネーチャンとベッドでいちゃいちゃする!(爆)

さすがに寄る年波には勝てないのか、この映画では実年齢にほぼ近いであろう役ドコロで、心臓移植手術を受けたばかりなので激しい運動や過度のストレス等を制限されながらも頑張る・・要するに、大して派手なアクションシーンがなくても仕方ないのヨ♪という設定にしてあるんですけど(苦笑)
だから、そんな彼がちょっと動いては胸を押さえ、ちょっと走っては青息吐息になり・・そんな姿をスクリーンで見ながら、往年のファンが「ジイ様、ガンバレー!」と応援したくなるよーな、正にクリント・イーストウッドのプロモーション映画。(^_^;)

話は割りと良く出来たサスペンスなんだけど、サスペンス慣れしてる人や映画慣れてる人が見たら、かなり早い段階でカラクリがわかっちゃう。実際ぴよも姉を殺されたと訴える女性「グラシエラ」が現れたトコロで「あぁ、なーるほどネ」と、ほとんどカラクリが判ってしまった(笑)
これってね・・・(以下、ネタバレかも?未見の方はドラッグしないよーにね)
映画のタイトルがいけませんわ。マッケイレブが特殊な血液型だったって所で、もう展開読めちゃうじゃんね(苦笑)

ま、サスペンスのオチが見えても、それでも楽しめる展開になってますから、影響ないっす。

正直言うと、前作「スペース・カウボーイ」に比べて、クリント・イーストウッドの脇を固める俳優陣がそれほどメジャードコロじゃないので、映画全体が「大作」っぽくならない。もっと言うと「小粒」
そのせいなのか、視線がただただクリント・イーストウッドに集中してしまい、決して悪い脚本だとは思わないのに(むしろぴよは結構面白い話だと思ったけど)映画の展開自体を楽しむ種類のモノにならなかったというのが、痛いと言えば痛いトコロだと思う。


今年の冬は大作映画が目白押しだからなぁ・・・悪くない映画なのに、上映映画館も少なければ上映期間も短い。
クリント・イーストウッドの名前だけでは集客出来なくなっているんでしょうかね。(しくしく)




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2002年12月19日(木) マーサの幸せレシピ

監督:サンドラ・ネットルベック
出演:マルティナ・ゲデック
    セルジョ・カステリット
    マクシメ・フェルステ、他
オススメ度:☆☆☆☆−


【あらすじ】
ドイツにあるフランス料理店でシェフとして働く30代独身女性「マーサ」、彼女は際立った料理センスと一流の腕前でありながらも、レストランのオーナーからは「街で2番目のシェフ」と呼ばれてしまう。その意味を知ろうとしないマーサは、他人との関わりを拒み、自分の殻に閉じこもり、レストランと自宅を往復するだけの生活を送っていた。
ところがある日、事故死した姉が残した8歳になる娘「リナ」を引き取る事になったのだ。母親を失ったショックで食べ物を口にしないリナ。時同じくしてレストランに陽気なイタリア人シェフ「マリオ」が入って来て、マーサの生活は一変するのだ・・・


【感想】
予告編のキャッチコピーからして、「至福のダイニング・ムービー」「幸せはほんのちょっとの匙加減」
ヒューマンと恋愛モノを絡めたハッピーになれる映画なんだろうなぁ〜・・・と予感させる映画で。

ある意味予告編で予感させる物を何1つ裏切らない、実に気持ちのいい映画だと言えるんだけど、ぴよは何故か入り込めなかったんだな。(^_^;)
たぶんこの映画を見て「イマイチだな」という人はほとんどいないと思う。むしろ「見てよかった!」という人がほとんどだと思う。確かにぴよも「見てよかった」とは思ったものの、映画を見終わってもこれと言って心に残る物がなかった・・・これはぴよの性格がヒネくれてるだけの事なんだと思う(きゃー)

母親を失ったショックで摂食障害になって、自分の殻に閉じこもってしまった8歳の少女「リナ」を預かるマーサ自身が、人に美味しい料理を提供する立場でありながらも、自身が摂食障害であるという設定。リナの心の殻を打ち破ってやる為には、自身の殻も打ち破らなければならない。
そこへ登場する陽気なイタリアン「マリオ」の存在。最初はその陽気な様子がマーサを苛立たせるものの、段々彼の魅力にリナもマーサも心を開いて・・・ここらのキャラの描き込みや設定は実に巧みで、文句の付けようがないんだけど。

マーサの性格と同じように、この映画も1分の隙もない程に神経質に木目細かく描かれ過ぎていて、正直言って面白味を感じなかったんだよな。あまりに完璧過ぎて、自分の感情を映画の中に投影させたり、共感させたりする隙間を与えられなかったと言うのか。

レストランが舞台なだけあって、美味しそうな料理が沢山出て来るんだけど、マーサの作る料理が全然美味しそうに見えなくて。つまらなそうな、気難しそうな顔で作られた料理が美味しく見えないのは当たり前。逆に陽気に鼻歌交じりに作るマリオの料理は実に食欲をそそる・・・こういう感想を持ったら、この映画的には大成功なんだとわかっていても、神経質なマーサの様子や、マーサの作る料理を見てイライラしちゃったぴよは、どーにもこーにもやるせない気分になっちゃうんだよね。

たぶんさ、マーサみたいな女性の事をぴよが好きになれなかったのが一番の原因なんだろーな。(^_^;)
映画見ながら「この女、絶対に友達になれねーわ」と思っちゃったから、彼女の何もかもがぴよを苛立たせちゃって・・・


本来なら、マーサがリナと心を通わせていく過程に共感したり、マリオに癒されて少しずつ心を開いていく姿に、ホッとしたり優しい気持ちにならなきゃいけないハズなのに(この映画のツボは正にここだと思う!)どーしてぴよはマーサにイライラしなきゃいけないんすかぁー!
・・・あぁ。だからぴよの性格がヒネ曲がってるって事っすか!?あらら〜ん。(涙)




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2002年12月17日(火) 犬夜叉 -鏡の中の夢幻城-

監督:篠原俊哉
声の出演:山口勝平
      雪乃五月
      辻谷耕史、他
オススメ度:☆☆+


【あらすじ】
宿敵「奈落」を追い詰めた犬夜叉達、「かごめ」の放った破魔の矢と「犬夜叉」の鉄砕牙によってついに奈落を仕留めたのだった。ところが不思議な事に、それから満月の夜が幾日も続く・・・
その頃、奈落の分身である「神楽」と「神無」が何やら集めていた。「天空の姫・神久夜(かぐや)」と名乗る謎の女に操られ、富士の裾野で怪しい行動を取り始めていたのだが、果たして神久夜とは一体何者なのか!?


【感想】
高橋留美子原作のコミック「犬夜叉」の劇場版。TVアニメ化されて人気らしく、劇場版もこれが2作目なんだそーだ。
ぴよはTVアニメも見てないし劇場版の1作目も見てないんだけどね。(^_^;)
マンガ喫茶で犬夜叉は結構読み進めてますから、キャラは説明されなくてもちゃんとわかるよーん♪(笑)

今回の劇場版用のオリジナルキャラは「神久夜(かぐや)」という謎の女。名前から想像付くと思うけど、誰もが1度は聞いた事のある古典「竹取物語」から題材を取ってます。

この「竹取物語」がネタになってるのはなかなか面白いと思ったんだけど、竹取物語に登場する5つの宝物(かぐや姫が求婚された人達に求めた品々)を集める役ドコロの「神楽」と「神無」の存在がどーにも浮いてる気がしなくもなく。(^_^;)
更に宝物の1つ「佛の御石の鉢」を持っていた謎の巫女さん(この人TV版には出て来るの?)も、どうしていとも簡単に神楽達に宝物渡しちゃった訳?その後巫女さんは犬夜叉を助けるよーな行動も取ってるけど、全くキャラクター設定が見えないんだよな。(苦笑)
TVアニメ版を見ている人には納得が出来るんでしょうか?ぴよにはすっごく浮いて見えるんすけど。

神久夜との戦いも苦労した割りにはクライマックスが多少お粗末な感も否めず。
基本的に「奈落」というキャラクターを大事にしたいという気持ちは判るんだけど、あんなに簡単に復活出来ちゃうくらい強いんだったら、とっくに半妖の犬夜叉達なんてやっつけられちゃっててもおかしくないと思うんだけどなぁ(笑)
別に神久夜の永遠の命なんて必要ないやんけ!・・あぁ、ツッコミどころ満載!!(爆)

やっぱりこの映画の一番の見ドコロは、今までの高橋留美子アニメには絶対にタブーだった、某シーンが挿入されているという所なんでしょうか(あは♪)
この映画、あのシーンの後に神久夜がやっつけられちゃって、そんでハッピーエンドでよかったよ。
・・あ。そーすると奈落の存在が浮いちゃうか?ふーむ。なかなか無理難題が詰め込まれた話だなぁ(笑)



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2002年12月16日(月) T.R.Y

監督:大森一樹
出演:織田裕二
    渡辺 謙
    黒木 瞳、他
オススメ度:☆☆


【あらすじ】
20世紀初頭、清朝崩壊寸前の中国上海。この街を闊歩する謎の日本人「伊沢修」は、ある中国大物武器商人をペテンにかけた事で、武器商人から刺客を送られ命を狙われるハメになってしまった。危うく刺客に殺されそうなところを中国人革命家「関」に助けられて一命を取りとめた伊沢。
ところが関は、命を助けた代わりに自分達の活動の手助けをしろと、とてつもない難題を吹っかけて来たのだ。それは日本陸軍から大量の武器弾薬を奪い取るという、途方もない計画だったのだ。


【感想】
織田ユージ君主演〜♪織田クン好きなのー♪好き♪好き♪(*^^*)
そんな織田ユージ君が、今回は数ヶ国語を自由に操り、上海で自由気ままに生きる謎の大物ペテン師の役だよー♪

つかね、

織田クン、ペテン師が全然役似合ってない!


あーん!大好きなのにいきなり吠えちゃダメぇ〜!(笑)

だってぇ。まずからして中国語が全然イケてないんだもーん!しかも途中で韓国語とかドイツ語とかチョロチョロ話すんだけど、どれも全然イケてないんだもーん!(^_^;)
更に加えるなら、織田クンと共演させなきゃいけないから、中国の役者さんにもかなり強引に日本語を喋らせているんだけど(劇中では日本に留学経験があるとか、そーいう設定だったな)これも非常に聞き取りにくいし、かなりの棒読み状態で。

この映画の見ドコロは何と言っても、織田クン演じる「伊沢修」が日本陸軍相手にかます大ペテンなんだけど、これは結構手が込んでて面白いと思った。割りと細部に渡って色々手を尽くしていて、そのカラクリを陸軍中将「東正信」が見破ったり、更にペテンをかけ合ったりするのは、なかなか見応えあります♪
・・・ま、脇を固めた「渡辺謙」や「黒木瞳」の演技に支えられてるトコロは多分に否めませんが(苦笑)

細かくエピソードを入れて、見せ場も多いハズなんだけど・・・どーにもこーにも「小粒」で「安っぽい」感じがして仕方ない。
日本陸軍をペテンにかけるんだから、相当規模の大きな話のハズなんだけど、何がいけなかったんだか?ちょっと軽妙過ぎたんでしょうか?それともやっぱり聞き取りにくい織田クンや向こうの役者さんの台詞に違和感が有り過ぎたのか?


やっぱり根本的に織田クンにペテン師役が似合ってなかったと言うしかないっす(あは♪)
もっとうんとおチャラけた映画にしちゃうか、それとも「踊る大走査線」よろしく、織田クン得意の熱血野郎で終始させちゃった方が、見てて安心して楽しめる作品になったんじゃないかと思うんだけど・・・

織田クーン!新境地なんて求めなくてもいいからぁ〜!(をいをい)




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2002年12月14日(土) マドモアゼル

監督:フィリップ・リオレ
出演:サンドリーヌ・ボネール
    ジャック・ガンブラン
    イザベル・カンドリエ、他
オススメ度:☆☆☆−


【あらすじ】
クレールは製薬会社のやり手女性営業マネージャー。会社のコンベンションに出席する為に、愛する夫と2人の子供と共に住むトゥールーズの街から、南仏のとある街にやって来ていた。そこでひょんな事からコンベンションの余興として呼ばれていた即興劇団の車に同乗する事になり、劇団の役者で戯曲も書いているという男「ピエール」と出会う。
視線を交わす2人。何不足ない満ち足りた生活をしていたハズのクレールの心に何かが生まれる・・・


【感想】
世界共通なんだろーか・・・幸せな結婚をして、愛する夫に不満はなく、子供にも恵まれ、仕事は順調。自分でも何も不自由がないと思っているハズなのに、それでも刺激的な恋愛を欲してしまうという女ゴコロ。(^_^;)
そーいう「大人のちょっと切ない恋」を、24時間という短い時間で「出会って」「恋に落ちて」そして「別れる」までをコンパクトにまとめた映画。

逆に言うと、24時間という時間限定の恋だから映画として成り立ったと言うのか・・これが何ヶ月も何年も続く話にしてしまったら、ただのドロドロの不倫劇になってしまう。

クレールとピエールが出会ってからお互いを意識するまでが、ほとんど会話らしい会話がなくて、何となく目線を交わしたりするだけなんだけど、こーいうのってすごくフランス映画っぽい感じ。自分の気持ちを雄弁に語るハリウッド系恋愛映画に馴染んでいる人が見ると、ちょっと物足らない気がしなくもないんじゃないかと思うんだけど、ぴよはこーいうの結構好きかも♪

コンベンションの余興で演じた「ピクルスの話」は面白かった。シャレが利いてていかにもフランスの小噺っぽくていい♪・・・でも、肝心の2人が惹かれ合うきっかけになった「灯台守の話」が、ぴよにはそれほどピンと来なかったんだよね。
この「灯台守の話」でググッと来ないと、クレールとピエールの「一瞬で落ちる大人の恋」に共感出来なくなってしまうと言うか・・・あうぅ。苦しい。(苦笑)

オフィシャルな時は金髪をくるりと巻き上げてアップにしているクレールが、プライベートで恋する女になった時、はらりと髪を下ろして「マドモアゼル」になる。
駅のカフェで給仕に「マドモアゼル」と呼びかけられて、クレールが「マドモアゼルなんて久し振りに言われた」と微笑むシーンが、この映画を象徴しているんじゃないかと思ったな。


いや・・それにしても、結局「大人の恋」って何ですかね?(^_^;)
そこんとこわかってないぴよがこの映画見ても、正に「猫に小判」「豚に真珠」ってトコロなんでしょうな(苦笑)




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2002年12月13日(金) イナフ

監督:マイケル・アプテッド
出演:ジェニファー・ロペス
    ビリー・キャンベル
    ダン・フッターマン、他
オススメ度:☆☆☆


【あらすじ】
しがないウエイトレスだった「スリム」が客だった男「ミッチ」と運命的な出会いをして結婚した。ミッチは資産家で、しかも自ら会社を経営する青年実業家。2人の間には可愛い娘も生まれ、誰もがうらやむ幸せな生活を送っているハズだった。
ところが娘が5歳になった頃、スリムはミッチの浮気を発見する。ミッチは謝るどころか開き直り、更にこの事がきっかけで激しい暴力を振るうようになったのだ。ついにスリムはミッチと決別する事に決め、友人達の手助けで夫の元から逃げ出すのだが、ミッチは執拗にスリムを追いかけ始めたのだった。


【感想】
DV(ドメスティック・バイオレンス)は、ここ数年日本でも随分取り上げられている問題。この映画は正にそのDVから逃れようとする女性を主人公にした社会派問題作・・・

だと勝手に見る前は思ってたんだけどね、なーんか全然違う気するわね。(^_^;)

結婚した直後からDVが始まるケースというのはきっと少ないだろうと思う。この映画でも、ミッチの浮気が発覚するまでは実に幸せな家族だった。でも幸せな家族の風景を描いていながらも、ちゃんとミッチのその後のDVに至る性質の一端を示すようなエピソードが描かれていて、ここら辺りまではなかなかいい作りしてたんだと思うんだよね。

ぴよがどーにも納得行かないのは、スリムがミッチの元から逃げ出してからだ。警察に行っても埒があかないというのはまだ認めたとして、せっかく友人が「施設に逃げなさい」と忠告しているにも関わらず、何故彼女はそれを拒否したのか?

スリム曰く「まだグレイシー(娘)は何もされていないし、このままでいたい」というのが言い訳なんだけど、その後のミッチの執拗なストーキングから逃れるには、やはりDVの駆け込み寺のよーな施設(日本にだってあるくらいなんだから、アメリカにはもっと沢山の民間団体等があるだろう)に逃げ込むのが当たり前だと思うし、それしか方法はないと思うし、もっと言えばその方が展開として納得が出来たと思うんだ。
もっとも、この映画の後の展開を考えると、施設に行ってしまってはああいう展開にはなり得ないので(?)ここはスリムに逃げまくってもらわなくてはいけなかったという事なんでしょうな(苦笑)

結局彼女は「逃げても逃げても先がないなら、正面から立ち向かうしかない」という選択をするんだけど、その後のクライマックスもどうにもぴよには納得がいかない・・つーか、お前はサイボーグか?と、小一時間問い詰めたい(爆)
こんな事ある訳ねーよ!これでDVと決着付けられるなら、世の中のDVに苦しむ女性はみーんな今頃「K1グランプリ」に出場してるっちゅーねん!(わはははは)


ま、「これはアクション娯楽映画だったんだ」と自分を納得させれば、クライマックスもなかなか楽しめる迫力ある映画だったんだよねー。ジェニファー・ロペスのアクションシーンもなかなか堂に入ってて見応えあったしさ♪
でもさ、根本的な事言っちゃうと、ジェニファー・ロペスにアクションやらせるって事が見ドコロの映画なんだったら、何もDVをテーマにしなくてもよかったんじゃないかと思うんだよね。

だってさ・・本当にDVに苦しんでる女性がすがる思いでこの映画見に行ったら・・みんな腰砕けますぜ?(^_^;)





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2002年12月11日(水) オールド・ルーキー

監督:ジョン・リー・ハンコック
出演:デニス・クエイド
    レイチェル・グリフィス
    ブライアン・コックス、他
オススメ度:☆☆☆☆


【あらすじ】
ジム・モリス、35歳。妻と子に恵まれ、高校教師をしながら廃部寸前の弱小野球チームの監督をする彼は、平凡だけど幸せな人生だった。子供の頃から憧れ続けたプロ野球選手の夢。それも若き頃マイナーリーグの選手にまでなったものの、決定的な肩の故障で引退を余儀なくされた彼にとっては遠き日の思い出でしかなかった。
ところが野球チームの少年達に言われた「監督の夢は?」の一言に、モリスの眠っていた夢が再び目を覚ますのだ・・・


【感想】
1999年メジャーリーグに彗星のごとくデビューした1人の投手、ジム・モリス。彼の半生を映画化した実話なんだそーだ。
実際にメジャーで活躍したのは2年しかなかったが、その後モリス本人が自分の半生を本にして出版するや、たちまち全米ベストセラーになり、映画化されれば全米超ロングランヒット。ジム・モリスという人は野球の才能もあったんだろーけど、商才にも長けた人なんだなぁ〜と。(笑)

何しろ実話ですからね(本当にスゴイ事だと思うけど)こーいうのってアメリカさん大好きだよね(笑)
ある意味安心して見ていられる・・つーか予告編見たまんまで、それ以上もそれ以下もない映画なんだけど、こういう映画って誰でも感動しちゃうじゃんね。(^_^;)
あ、いや、それがいけないって言うんじゃないんだけどね。(あは♪)

映画冒頭で、何もモリスとは関係のない「伝説の話」が語られるんだけど、これが後のクライマックスに上手に絡んでいて、なかなか気の利いた演出だなぁと思ったね。
「伝説の話」からモリスの子供時代、そして夢破れて大人になってからのモリスの人生が続くんだけど、本当に安心して見ていられる展開で。見ている内にモリスが自分の友達か知り合いみたいな気になって来るから、こーいう映画って感動しちゃうんだろーなぁ・・なんてちょっと冷めた目で見ちゃうぴよは、相当性格悪いと思いますわ。(苦笑)

モリスと父親との確執。厳格な軍人だった父親に反抗も出来ずに、野球を半ば父親のせいで断念させられた事が、後々彼の心にいつまでもトラウマとして残っている・・・ここら辺りのエピソードはなかなかよかったと思う。

一見悪者でしかないモリスの父親だけど、彼の言う事は決して間違っていない。モリスが再びプロ野球選手への道に進む事を悩んでいた時に、父親が語った助言「夢を追う前に男としての責任を果たせ」と言うのは、確かに後押しを必要としていたモリスにとってはただの意地悪にしか聞こえないかもしれないけど、核心を突いた一言だったとぴよは思う。
このセリフはこの映画で一番の名セリフだねぇ〜。

子供の頃、野球少年だった人なら誰でも一度は憧れた「プロ野球の選手」そんな人が見たら、感動しない訳がない!
正に「アメリカン・ドリーム」を気持ち良く体感させてくれる一本。

モリスがメジャーのマウンドに立つ瞬間、何だかんだ言ってもぴよもジーンとしちゃったもんね。





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2002年12月10日(火) ギャング・オブ・ニューヨーク

監督:マーティン・スコセッシ
出演:レオナルド・ディカプリオ
    キャメロン・ディアス
    ダニエル・デイ=ルイス、他
オススメ度:☆☆☆+


【あらすじ】
1846年ニューヨーク「ファイブ・ポインツ」、開拓先住民と新興移民者との激しい争いの末、先住民のリーダー「ビル」に目の前で父親を殺されたアムステルダム少年。自らもその後少年院に投獄され、15年もの歳月が流れた。
1861年、ようやく釈放されたアムステルダムは、父の仇を討つべくファイブ・ポインツに戻って来た。素性を偽りビルに近付き、彼の信頼を得たアムステルダム。だがビルが自分の父を深く敬愛していた事を知り、動揺が走る。そして道ならぬ運命の女性との出会いをした事でアムステルダムの計画は思わぬ方向に動くのだ・・・


【感想】
何しろ「構想30年、撮影270日、制作費150億円」だもんねー。本当なら昨年末には公開の予定だったのに、アメリカ同時多発テロの影響で、延び延びになってようやく晴れて公開っすよー!
(いや、ぴよは試写会で見てますヨ。一般公開は12月21日のハズです。はい・・・)

さてこの映画。実に上映時間2時間40分のかーなーりー長い映画なんですけど、これはたぶん構想に30年も費やしたが為に、構想練り過ぎて色んな事を詰め込み過ぎちゃったせいなんじゃないかと。(笑)

要するにネ、


主題が何なのかさっぱりわかんねーんだ(爆)


とにかく時代考証だったり当時の風俗、衣装、人々の生活ぶりなんかは滅茶苦茶細かく設定されてて、そりゃーすんごい出来になってんだけどサ。色々詰め込み過ぎなんだよ。うん。

この映画は父親の復讐に立ち上がった男の話?それとも19世紀アメリカの南北戦争に絡む当時の世相や人々の風俗の話?はたまた時代物ロマンス映画?・・・その全ての要素を、余りにもまんべんなく時間かけて見せてくれるもんだから、見終わっても何がこの映画の一番柱になってたのか、さーっぱりわかんないんだよネ。(^_^;)
予告編だけ見ると「親の仇討ちの話」がメインなのかなー?とも思えるんだけど、決してそーいう作りだとも言い難くて。

先に書いたけど、確かに映像はスゴイ!とにかく実に細部に渡って当時の世相を再現した素晴らしい映像には、思わず息を呑むね!呑むね、呑むんだけどぉー・・・エピソードが何もかも小さく感じるのはなぜ?(をい)
だってさー、本当にきっとすんごい大作なんだろーけど、見終わっても頭の中では「だから何だったんすか?」って疑問符が飛び交っちゃって、これと言った感想すら思い付かない状態なんだもーん!(わはは)


果たして「ギャング・オブ・ニューヨーク」のタイトルの意味するトコロは何だったのか?
この映画見て何か感じ取った方、アホなぴよにそっと教えて頂けないでしょうか?(苦笑)







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2002年12月09日(月) ボーン・アイデンティティー

監督:ダグ・リーマン
出演:マット・デイモン
    フランカ・ポテンテ
    クリス・クーパー、他
オススメ度:☆☆☆


【あらすじ】
マルセイユの沖合いで瀕死の状態で漁船に助けられた男。体には2ヵ所の銃創、そして体にはスイスの銀行口座を記したチップが埋めこまれていた。彼は身分を証明するものを何も身に付けず、そして記憶喪失になっていた。唯一の手掛かりであるスイスの銀行に行った男は、自分がどうやら「ジェイソン・ボーン」という名前である事を知るが、何故か銀行の貸金庫の中には数ヶ国の偽造パスポート、大金、そして拳銃が入っていたのだ。
一体自分は何者なのか?そして何故命を狙われるのか?自分の命を狙うのは一体誰・・?


【感想】
マット・デイモン主演のサスペンス・アクション。でもなぁ〜、正直言ってマット・デイモンってあんまりぴよの好みじゃなかったりしてな(いきなりこの言い方もどーかと。苦笑)

話は、記憶喪失の男が何故か命を狙われていて、自分に関する記憶は全くないんだけど、襲われると自然と体がそれに反応して、驚異的才能で相手をやっつけちゃったりなんかして・・・どうして自分の命が狙われているのか?そして自分は一体何者なのか?っていう「自分探し」の旅をする・・まー正直に言っちゃうと、かなり手垢の付いたネタなんですけどね。

観客は最初っから記憶喪失の男=ボーンが、実はCIAの特殊工作員で、ある人物の暗殺指令を受けて動いていたものの、失敗して瀕死の状態で海に放り出されていたって事が判ってるんだけど、この映画のサスペンスな部分(と言うか、謎解き?の部分)はそこじゃなくて「どうして腕利きの工作員ボーンが作戦に失敗したのか?」「どうして味方のハズのCIAに命を狙われるハメになっているのか?」って部分だと思うのよね。

これがねー、弱いんだなぁ。うん。オチが弱過ぎんだわよ。(^_^;)
だから見終わっても全然「なーるーほーどーねーっ!」って気分になれない。これは痛過ぎ。
正直言って「サスペンス」として成り立ってないと思うのよネ。だからスッキリしなくて尻がむず痒くなる(笑)

アクションシーンなんてCGの大奮発だから、そりゃー見応えあるものの、逆に言えばCG使っちゃえば誰でもこーいう派手なアクションシーンが撮れちゃうんだと思うと、何だか物足らない感じがしちゃって。
やっぱねー、ぴよは実力アクション支持派なんすよ!(だからジェット・リーが好きなの♪うふ♪)なのに、ここまで思いっきりアクションにCG使われちゃうと「これってアンソニー・ホプキンスでもこの役出来るんちゃうん?」って思えちゃうじゃんねー
(それはちょっと言い過ぎっすか?苦笑)

ボーンの「自分探し」をたまたま手助けする事になったドイツ人女性「マリー」との絡みは結構面白かったんだけど、如何せんネタに新鮮味がなさ過ぎましたわね。サスペンスオチがもうちょっと手が込んでるか、観客が納得出来て、且つ判り易いオチだったら、もっとこの映画は面白くなったんじゃないかと思うんだよね。


脚本が悪いかなぁー?見せ場シーンが多い映画だったものの、サスペンスとしてはあまりに弱過ぎたんだよねー。




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2002年12月08日(日) ダーク・ブルー

監督:ヤン・スヴィエラーク
出演:オンドジェイ・ヴェトフィー
    クリシュトフ・ハーディック
    タラ・フィッツジェラルド、他
オススメ度:☆☆☆−


【あらすじ】
1939年、ドイツ軍進攻により無抵抗で降伏したチェコは、軍基地をドイツ軍に接収された。チェコ空軍の教官「フランタ」は恋人にしばしの別れを告げ、若きパイロット「カレル」と共に英国に渡り、志願兵となって英国空軍に入隊する。
ある日ドイツ軍との戦闘中にカレルの飛行機が撃墜されたが、カレルは一命を取り留め、スーザンという英国人女性に助けられる。出兵したまま1年以上戦地で行方不明になった帰らぬ夫を待つスーザンに一目惚れしたカレル。ところが後日カレルに付き添ってスーザンの家に行ったフランタも、彼女に心奪われてしまうのだ・・・


【感想】
スタジオ・ジブリが提供してて、予告編でも宮崎サンが大絶賛してるからさー。こりゃ見ない訳にいかないだろーって♪それにしても今ってチェコがブームですかね?ハリウッド映画もロケで頻繁にチェコ使ってるし、チェコって今一番映画界で元気がいい土地なんでしょうか?

チェコでは戦中に祖国を離れ英国で戦った兵士達を、戦後「自由を取り戻す為に」と反乱を起こさせない為に、強制収容所に投獄したという歴史があるんだそーです。その迫害は延々と続き、収容所から解放されてもなお1991年まで続いたんだそーです・・・って、この映画見るまでチェコにそんな悲しい歴史があるとゆー事すら知りませんでした。
あうぅ。ぴよって大バカです。アホです。ごめんなさい。罵って下さい。(>_<)

さて、この映画は戦後のそんな強制収容所での不遇な待遇を受ける「フランタ」の様子から始まり、戦中の華々しい英国時代のエピソードとを交互に差し入れる形で話が進行して行きますが・・・

結局この映画の主題が見えなかったんすけどー(をい)


いや、たぶんフランタとカレルの「男の友情」ってのが一番の柱になると思うんだけど、それにしても2人がお互いの命を懸けるまでの友情を育んでいたという感じがしなかったんすよ。(^_^;)

大体からして、フランタとカレルは「上官と部下」という立場で、カレルがフランタを「信頼出来る上司」として慕っていたというのは納得が出来ても、フランタがカレルをそこまで特別に可愛がっていたのか?と問われると、ちょっと疑問が残る・・つーか、チェコに結婚を誓った彼女を残して来ているにも関わらず、カレルが惚れた女を横取りしちゃってるし(笑)

エピソードのネタ自体は決して悪くないんだけど、それが必ずしもフランタとカレルの「男の友情」という心の結び付きの部分を強調するものではなかった・・むしろ「男の友情」ぶち壊しなエピソードだし(わはは)

飛行機で上空から雲間に下界を見渡したショットとか、飛行機のエンジンかけて下草が風になびく感じ、それから空中戦の様子なんてモロに「紅の豚」を彷彿させてくれて。こーいう撮り方って宮崎アニメのお好みだよなぁ〜と、思わずジブリ提供を妙に納得したりなんかして(笑)


結局「因果応報」と言いたかったのか、それとも「男の友情はかくも美しく」を強調したかったのか・・・
どーにもこーにも中途半端と言うか、監督さんの意図するトコロが見えなくて。(^_^;)

もちょっと歴史のお勉強してから見た方が判ったのかしらん?




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2002年12月05日(木) ガーゴイル

監督:クレール・ドゥニ
出演:ヴィンセント・ギャロ
    ベアトリス・ダル
    トリシア・ヴェッセイ、他
オススメ度:☆☆−


【あらすじ】
新婚旅行でパリに訪れたアメリカ人シェーンとジューン夫妻。ところが旅行先をパリにしたのは訳があった。夫シェーンは、愛し合う相手の体を噛み、引き裂き、そして血まみれになる事に快感を覚えるという異常性癖があったのだ。自分の性癖を理解していたシェーンはどうしても妻が抱けない。パリに自分の性癖について論文を書いている医師がいる事を付き止めて、どうしても医師に合って自分の心の病を治して欲しかったのだ。
ところが医師がその論文を書いたのにも訳があった。医師の愛する妻がまさしくシェーンと同じ性癖の持ち主だったのだ。


【感想】
予告編見た時から「な〜んかヤバそーな映画だよなぁ」とは思ってたものの、逆にそれがどうしても気になって見に行っちゃったぢゃんね。んもー!ぴよったらマスコミの宣伝に躍らされ過ぎなんだってばぁー(^_^;)

ずーっとセリフのない(もしくは極力少ない)バラバラのシーンが次から次へと流れてね、人間関係も各々のシーンの繋がりも全然わかんなくって「???」の連続なんだけど、段々時間が経って来ると「あぁ、多少繋がりはあるんだけど、話の筋自体での繋がりはあんまりないのね」って判る。(をい)

つーかさぁ。


訳わかんねーんだよ!


ほらぁー。また吠えちゃったぢゃ〜ん。

簡単に言うと、異常性癖を持った2人の人間の各々の様子を、バラバラに見せてて、多少そのお互いに関わりのある人達の様子なんかも差し入れるんだけど、結局何が言いたいのかさーっぱりわかんなくって。

ぴよがアホだから?(うっ)

論文を発表した医師は、一応妻の異常性癖を治す為の治療薬を開発中らしいんだけど、結局シェーンは捜し求めた医師には出会えず、自分と同じ性癖を持つ医師の妻にだけ出会っちゃって
(ここからネタバレ?映画見てない人はドラッグしないよーにね)
医師の妻がこれぢゃ〜結局自分の性癖は治らない?つーか、逆にますます覚醒しちゃって、ホテルの女に欲情して殺して「やっぱ我慢はよくないねぇ〜!はぁ〜、すっきりした♪」で終り?・・って、そりゃオチなしぢゃねーかよう!(苦笑)

絵の撮り方とか結構キレイなんだよね。凄惨極まりないシーンもちょっとした絵画を見るような、シュールで官能的で・・
何しろ「ヴィンセント・ギャロ」だもん。こいつの顔って胡散臭さ爆発してんぢゃん?(爆)しかも同じ性癖を持つ医師の妻の役を「ベアトリス・ダル」が演じてるんだけど、彼女の眼力は凄みがあったよ。この役ハマってたさ!


でもね、結局この映画は何がいいたかったの?
人間の中に潜む異常な性衝動を赤裸々に表現する事で、何かその先はあるの?・・もーさっぱりわかんないぢゃんか!
この映画見て共感する人って、どこの部分に共感するのか教えて欲しいっすわぁ。

「あー。私も彼氏とエッチすると、よく噛み付いて殺しちゃうわぁー」とか?(をい)




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2002年12月04日(水) レッド・ドラゴン

監督:ブレット・ラトナー
出演:アンソニー・ホプキンス
    エドワード・ノートン
    レイフ・ファインズ、他
オススメ度:☆☆☆☆☆


【あらすじ】
フロリダ州マラソンで静かな生活を送る「ウィル・グレアム」は元FBIのトップ捜査官。彼の元にかつての上司ジャックが、最近起きた連続猟奇殺人事件の捜査協力を求めてやって来た。グレアムはその類希なる才能で「人食いハンニバル」と呼ばれた殺人鬼、ハンニバル・レクター博士の心を読み、彼を命懸けで逮捕したものの、精魂尽き果ててFBIを完全引退したという過去があったのだ。
上司の懇願に負けて現場を再検証したグレアム。だが犯人像のプロファイルに行き詰まった彼は、恐ろしい殺人鬼ではあっても優秀な犯罪心理学者のレクターに意見を求める事になってしまうのだ・・・


【感想】
「羊たちの沈黙」は今でもぴよの中で『歴代素晴らしいと思った映画ベスト10』に入る名作だ。
だから2作目の「ハンニバル」を見た時の落胆と言ったら・・・本当に映画館で暴れて吐いてやろーかと思った(苦笑)
そして、この映画「レッド・ドラゴン」だ。この映画は羊たちの沈黙の更に前の話、要するに「羊たちの沈黙・EP1」ってヤツだ。今度は失敗したら許さねーぜ!!と、期待半分・疑心半分で試写会に乗り込んだんだけど・・・


この映画はいい!めちゃいい!


あ。初めて誉め言葉で大文字使ったかも(笑)

まずお約束だから最初に書いておくけど、原作読んでないっす。だから原作ファンとは全然感想が違うと思う。(^_^;)
それにしても、この映画は映画としてのオイシイ要素を余すところなく表現された「極上のエンターテイメント」になってる!

前作「ハンニバル」の失敗は、ただただレクター博士というキャラに固執し過ぎて、猟奇的な部分だけに焦点を当て、これでもかとグロテスクな映像を垂れ流しにする事で観客を怖がらせようとした事だったと思う。
この映画はそうじゃない。多少は「ウッ!」と来る映像もあるものの、想像していたものよりもかなりソフトな描写だった。映像で怖がらせるよりも、むしろ個々の人物像や心理状態をきっちり表現する事で、じわじわと観客に恐怖感を与えてくる。ただレクターが話してるだけのシーン、猟奇殺人犯「フランシス」が悶えているだけのシーンなのに、何故かぴよは鳥肌が立って寒気すらした。

あくまでも「ハンニバル・レクター映画」にしなかったのが、この映画の成功した所だと思う。
猟奇殺人犯の心理状態や、彼のトラウマ、彼のこだわり、彼の心の葛藤を実に巧みに見せる事で、映画を何倍も盛り上げてくれたと思う。そしてフランシスの狂気をギリギリの部分で押し留める女性「リーバ」の存在感もよかった。彼女が盲目だった事が、フランシスのトラウマとうまく絡んで観客を納得させたり、ある意味殺人犯に共感すらさせてくれた。

誰もがもつトラウマ、誰もが持つ残虐性、誰もが持つ心の闇、そういうものをさらけ出し体感させてくれる秀作。
ぴよ的には「羊たちの沈黙」を見た時の衝撃程ではないが、「ハンニバル」の100倍はいい作品だったと思った!


何が嬉しかったってね、試写会行ったらお土産でマスコミ用のプレス・シートが貰えたんだなー♪
もうこれって家宝にするべき?めっちゃ嬉しかった!隅から隅まで読んで楽しんじゃうもーん♪(^-^)





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2002年12月03日(火) 8人の女たち

監督:フランソワ・オゾン
出演:カトリーヌ・ドヌーヴ
    エマニュエル・ベアール
    イザベル・ユペール、他
オススメ度:☆☆☆☆+


【あらすじ】
1950年代のフランスのとある大邸宅。クリスマス・イブの朝にこの家の主が殺された。邸宅は雪に閉ざされ、何者かによって電話線も切断され、車も壊されて警察に連絡も出来ず、かと言って外に出る事も出来なくなってしまった。容疑者はこの邸宅に残された女8人。果たして誰が犯人なのか・・・?


【感想】
フランスでは今年「アメリ」を抜くオープニング記録を樹立し、ベルリン国際映画祭ではキャスト8人全員が銀熊賞(最優秀芸術貢献賞)を受賞したという正に伝説的映画っす!

さてこの映画、舞台が家の中だけで展開していて、更にちょっとミュージカルちっくな構成になってる。だからちょっと見るとミュージカルの舞台劇を見ているような感じがするんだけど、これがすっごくキュートで面白い!
8人全員が一曲ずつ歌を披露してくれるんだけど、思わずぴよは歌に合わせて一緒に踊りそうになっちゃったぜ!(笑)

8人の女たちはこの邸宅で殺された主の妻、娘2人、妻の母と妻の妹、主の実妹とこの家のメイドとハウスキーパーという構成なんだけど、とにかく超豪華なキャストで各々のキャラが実に濃い!
誰が主役と言う訳でなく、8人全員がこの邸宅を舞台に主役を演じていて、それが全然しつこくなく、かと言ってお互いのキャラを薄めさせる訳でもなく、各々のエピソードや人間関係が実にうまく調和を取っていて絶妙なさじ加減になってるんだよね。

しかも肝心の殺されたこの邸宅の主が、顔も声も最後の最後まで出て来ない
(一瞬顔が写るシーンがあるけど、それは印象を残すものではなく、後姿やシルエットだけでしか出て来ない)
あくまでもこの映画は8人の女たちが主役でキャストで、それ以上もそれ以下もないという事なんだろうな・・・この潔さには本当に脱帽するしかないですよ!もし主の生前の姿形や声がリアルに登場していたら、この映画は決して「8人の女たち」にならなかったと思う。

舞台を1950年代に設定したのもいい。古き良き・・そしてキュートで豪華でオシャレな衣装やメイク、室内の装飾・・何もかもが粋で洗練されたフランスのエスプリを感じさせてくれて、見ていてすごく心地良い♪

ミステリー部分もなかなか面白くて、その意外なオチにはすっかりぴよは「してやられた!」って感じだったね。
古典的オチと言えばそれまでなのかもしれないけど、そこまでに至るエピソードやシャレた笑いがそのオチすらをオシャレなものにしていると思ったんだけどな♪いやぁ〜!この映画、本当にステキですよ♪


ラストのショットも粋ですわ。
本当にミュージカルの舞台を見終わったかのような高揚感を残してくれて、思わずスタンディング・オベーションした方がいいんじゃないかと思っちゃったくらいだもん♪実に気持ちのいい映画だったわ♪(^-^)





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