Sotto voce
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2009年03月19日(木) それでもいいと思える恋だった。

信号待ちの交差点
よせばいいのに見つめる右側
部屋の明かりを確かめて
君の家の前を通り過ぎる

カーテン越しに映る二つの人影
君のそばには愛しい人がいるんだね
君が思うあの女(ひと)を憎めたらいいのに
そしたらこんなに苦しまない

君が彼女から離れられないように
私も彼女と離れてしまうのが怖いんだ
そばにいたいならば
私は「妹」でなきゃいけない

なんでもない、と笑顔を作った
こみ上げてくる涙と
黒い思いを見て見ぬふりをした

それでもいい、と
そばにいることを選んだのは自分なのに
時々その選択を激しく後悔する

『それでもいい それでもいいと思える恋だった
戻れないと知ってても 繋がっていたくて』



時々考える
出会ったタイミング
それぞれの思い
心に去来する人の影

どれかひとつでもずれていたら
私たちはもっと違う立ち位置にいたのかな

『ひとりになると考えてしまう
あの時私 忘れたらよかったの?』



自分の思いに目をそむけていたら
早い段階で見切りをつけていたら
もっと楽に器用に生きられたかな
君を違う目線で見られたかな

『でもこの涙が答えでしょう? 
心にうそはつけない』


君を思う気持ちは紛れもない真実
でも私は嘘をついてしまっている
君にも 私たちの周りの人にも 自分自身にも

『もう二度と戻れなくても
いまはただあなた あなたのことだけで
あなたのことばかり』


でも いつか君を忘れて
誰かに恋をする日が来たなら
叶いもしない想いにいつまでも
それでもいい、と
わずかな可能性にすがって
繋がってるかどうかも分からない
『赤い糸』を信じるような
そんな恋はしたくない

もう二度と

もう、二度と


安積 紗月 |MAILHomePage

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