泡とガラス玉


2006年10月23日(月)      ソラゴト


かつて、忘れるのが怖いと思っていたものを
記憶のひきだしから引っ張りだしてみたら
なんとなくわかったのでした。

感情を表したら
見知らぬ人がそれに気づいて
手を振ったり
遠くで泣いたり
言葉を返したりしてくれました。

外見だけ整った絵なんか正直全然つまらない。
私には自信がもてません。
でも最近はそればかり追いかけていました。
昔どうやって絵を描いていたのか、
ということをすっかり忘れていました。
対処法などなくてもただ悩みの原因をつかんだので
少しは楽になれそうです。
忘れるということはとても恐ろしい。
ただ思い出したからといって元にもどすことはできない。

苦しみと引き換えに亡くなったのは一種の魔法です。

つまり
私の絵には感情がなくなって
物語も発生しなくなり
ただの絵になったのです。
そんな私の絵に
誰が応えてくれますか?
誰かのアンテナには何も届けられない。



2006年10月22日(日)      ワルツ


湖の向こうの月は
白く輝きながら
世界を照らしています
足元の草の艶やかな黒い光
夜はいつまでも続きます
安らかで永遠を見ているようです



2006年10月21日(土)      ミズイロ


やわらかい草を踏んで
薄色の空を仰ぐ時
脆い自分が一筋、頬を伝う

母性の悲しみと優しさに満ちた
本当に穏やかな午後


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