沢の螢

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ワイドショーの見方
2005年09月15日(木)

うちは朝が遅いので、朝食時間にワイドショーを見ることが多い。
夫婦二人しかいないので、横並びに坐ってテレビを見る。
昭和58年の森田芳光監督、松田優作主演の「家族ゲーム」という映画で、家族が横に一列に並んで、食事をするところが何度も出てきたが、あれは、家庭崩壊の象徴として出てきた場面であった。
伊丹十三と由紀さおりの夫婦、それに二人の息子、家庭教師の松田優作が、全員横に並び、食事をするのだが、交わされる会話は、父親の一方的な話、それも息子の高校受験が中心。
ちっとも心の通わない家族の様子が、その場面に象徴的に現れていて、あれは、印象に残るシーンであった。
話が逸れたが、私たち夫婦は、もう子どもも独立して老後を平和に暮らしているわけで、テレビは、新聞を取っていない我が家には、重要な情報源であり、話のタネなのである。
朝のワイドショーでは、もっぱらフジテレビ小倉智昭の「トクダネ」。
なぜかというと、7,8年ほど前、「サッチー騒動」というのがあって、その時、どのテレビ局のワイドショーも、楽屋落ちにしか過ぎないような、一般視聴者と何の関係もない芸能人同士の、特定個人への怨念を話題にしたバカ番組を流していたときに、小倉さんは、「トクダネ」の新司会者でありながら、それらと一線を画して、比較的冷静な取り上げ方をしていたからである。
明けても暮れても、「サッチー」弾劾に終始したような民放テレビの、視聴者を侮ったあくどさ、くだらなさをつくづく感じたが、その頃、ブログというものがあったら、もう少し違う状況になったのではないだろうか。
ともかく、この時以来、朝のワイドショーは、小倉さんに決めている。
タイムリーな話題が主だが、割合に公正、かつ見識ある見方をしているように思う。
時々比較してみるのがテレビ朝日。
夫が好まないので、一緒にはあまり見ない。
鳥越俊太郎が出てきて、腕組みをすると、すぐチャンネルを変えてしまう。
腕組みをするというのは、相手を拒絶、あるいは見下したポーズだから、テレビで、こんなことをする人は、信用できないというのが、夫の持論である。
しかし、今朝のテレビ朝日は、ちょっと面白かった。
コイズミさんの、今回の選挙戦略と政治家としての資質を、作家の大下英治が、信長と比べて、分析しているのだが、なるほどと頷けるところがあった。
クールで、緻密な頭を持ったコイズミと言う見方、そして、信長と違うのは、明智光秀を作らないところだという。
コイズミさん自身も、自分を信長になぞらえているらしいが、何と、オカダさんの理想とする歴史上の人物も、信長だという。
片方は大勝利して、もう片方は惨敗。
同じ英雄をめざしながら、この違いはどこにあるのか。
当分は、その辺りの解釈を廻って、テレビ雀たちが、かまびすしいことであろう。



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