うなごと
nyauko



 【脳味噌流出】のコト。

「心ダケじゃ ダメなのかな」

呟いてから 少し後悔した。
思ってるコトが 口から漏れてる。

[脳味噌が 流出してる]と
私が形容するコト。

同僚が PCの画面から 目を上げる。
困惑した表情で。
「え?」 そりゃそうだよね。

疲れていた 酷く。ココロも カラダも。
忙しいことを理由に 友人との約束も
連絡も 途切れ途切れ。

コレで私は 何人の友人を
邪険にしてるんだろ。

昔「忙しいって
ココロを失うって 書くんだよ」なんて
お節介の友人が 言ってたっけ。

メルも電話も 減った。
カラダ。不調のまま 検査に行かず仕舞。
ココロ。ギスギスしてるかな。
言葉。気を付けないと 尖ってしまう。

・・・あぁ。コレがそういうことか。

「頑張ってもさ 結果出さなきゃ
意味無いコト 多いじゃん?
経過は 重視されないっていうか」

「気を遣っても 気を遣っても
無碍にされると かなり凹むよね」

「私のやってるコトって
 結局なんなのかな とかさ」

脳味噌は 流れ続ける。

これはただの 一時の感傷。
分かってるのに。

「例えば 時間を割いて ある人に
贈り物を 選ぶじゃない?

渡した時に すぐ開けて
”アリガトウ”言ってくれる人と
適当に返事して 傍らに置いて
そのままの人とさ。

包装紙まで 取って置いて
くれる人と。目の前で 包装紙
ビリビリにして 捨てる人とさ。

例えば そういうの」

期待している 訳じゃ無い。
例え話は キリが無い。くだらない。
些細なコトで 傷つくフリはしたくない。

隙をついて 出た言葉たち。
何処へ 行く?

目の前の彼女だって 来月には辞める。
此処には 居なくなる。同世代の 同性。
1年半ダケの同僚。また 一人になる。

こんな話は 今迄二人でするコト
あまり 無かったね。

「ゴメン。喋りすぎた」

「・・・分かります。でも そういうの」

彼女が 弱々しく微笑む。

「あ。そういや○○サン。
彼処のマッサージ 知ってます?
行きたいですよね」

彼女にしては 上手い 話の逸らし方。

【みんな それぞれの思いや
言い分を 抱えてるから】

誰かの言葉を 思い出していた。

2002年02月23日(土)
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