Monologue

2006年12月09日(土) いきなり勝手にハッピーダイニング♪(『カブト』ネタです)

『ステーキのどん』CM
『おい!カブト編』の続編ぽく書いてみましたので、
なんとなくそんなノリでお読み下さい)

「お前・・・ステーキ喰いたいんだろ?」と尋いた途端、
『仮面ライダーカブト』こと天道総司は、
くるっと踵を返して走り去って行ってしまった。

(何なんだ?アイツ・・・)

一瞬、後を追い掛けようか・・?とも想ったが、
あいにく今はバイト中である。

いくら何でも途中で仕事を放り出して行く訳にはいかない。

天道の不可解な態度が気にはなったが、
加賀美はバイト先である『どん』の店内に戻った。


そう云えば、
先刻同時に二人の女性客から別々に呼ばれていたのに、
天道が店の外に居た為、そのままにしていた。

彼女達はどうしただろう?
・・・と、店内をキョロキョロ見廻していると、

「カガミ〜♪」

聴き慣れた声(だが普段より幾らかハイトーンで)に自分の名前を呼ばれ、反射的にそのテーブルを見ると、
何と、
ついさっき走り去った筈のカブトの中の人・・・じゃなかった、
天道がニコニコ微笑いながら、
大きく拡げた掌をひらひら振っているではないか!

(え?ま、まさか?)

想わず窓の外を振り返ってみたが、もちろん既に天道の姿は無い。

しかし店とは全く違う方向に走り去った筈の天道が、
何故ここにいるのだろうか?


ふと、加賀美はある考えに想い当たった。


「あ〜っ!お前、天道に擬態したワーム・・・ッ!」

大声を上げそうになって慌てて口ごもる。

たとえ相手がワームだとは云え、店内に居る限りは大切なお客様なのだ。
丁重に扱わなければこの店の方針に反する。

「い・・・いらっしゃいませ」

テーブルの傍に歩み寄り、45度の角度に頭を下げると、
瞳の前に座っている擬態天道はあどけなくニッコリと微笑む。
天真爛漫な彼の笑顔はまるで天使の様だ。

「ねェカガミ♪
蓮華に尋いたんだけど、
この店に来れば、ステキなモノが喰べられるんだって?」

「ステキなモノ・・・?
 それって・・・もしかしてステーキの事か?」

普段、彼女が作る料理(?)を考えれば、
蓮華がそう言ったであろう事は容易に想像が付く。

「ステーキってなぁに?ボク喰べた事ないや」

無邪気にニコニコ微笑いながら言う擬態天道の瞳の前にメニューを拡げ、
簡単に説明してやると、

「何でもイイよ♪カガミが作ってくれるモノなら♪」

(別に俺が作るんじゃないんだけどな・・・)

苦笑しながら、
加賀美はメニューの中で一番大きく写っている『リブロインステーキ』を
指し示した。

「では、こちらで宜しいですか?」
「うん!」

「焼き方はどうなさいますか?」

「焼き方????」

擬態天道は細っそりした首を傾げて、しばし考えた後、

「じゃあ!しょうが焼き!」

予想外の回答に加賀美は一瞬よろめいたが、瞬時に体勢を立て直すと、

「も、申し訳ございません、
生姜焼きは当店のメニューにはございませんので・・・」

「無いの?」

「はい」

「もぅ、しょうが無いなぁ!」

「・・・・・・・少々お待ち下さいませ」


数分後、
焼き上がったステーキを擬態天道のテーブルに運び、

「お待たせ致しました」

“ジュウジュウ”と肉と脂が焦げる音を立てている鉄板を瞳の前に置くと、
擬態天道は嬉しそうにキラキラと瞳を輝かせた。

「わぁ〜い♪ いっただきま〜す♪」

不慣れそうな手付きでフォークとナイフを持ち、
ステーキの肉片に当てて動かし始めたが、
擬態天道の手付きはぎこちなく肉が上手く切れない。

「あれ?あれ?あれ?
 このお肉・・・硬くて切れないよ?
 もしかしてカガミが焼いたからかな?」

その言葉を聴いた加賀美はヒクッと眉毛を顰めた。


「・・・ひょっとして
ガタックが焼いたから(硬)ックて切れないとでも言いたいのか?」

「あ、わかっちゃった?」

ニコニコニコと無邪気に微笑っている擬態天道の鼻先に、
“ビシッ!”と指先を突き付けると、

「“あ、わかっちゃった?”・・・じゃねェよ!
さっきから聞いてりゃつまんねぇダジャレばっかり言いやがって!
見ろ!周りのお客さんも、
すっかり引いちゃってるじゃねェか!」

「『どん』だけに、
 ど〜ん引き!と云うヤツだね♪」
 

(おあとがよろしいようで(^^;)
 ・・・と言いつつあまり今回は宜しくないなぁ、反省します)


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