Monologue

2006年11月13日(月) 消失(『仮面ライダー・カブト40話感想)

ある脚本家が、
“突然、男の身体がふわりと空中に舞い上がり、
くるくるくる・・・と廻転しながらバラバラになって四散する“と云う
『ト書き』をついうっかり書いてしまい、
「映像ならともかく舞台の上で、こんな事が出来るのか〜?」と、
演出家は頭を抱えたそうだが、
制作&美術スタッフが総出でアイディアを出し、
結局ほぼそれを実現させたと云う逸話が有るのだが、

そんなエピソードを想起してしまった今回の名シーン(?)
『消し飛ぶ矢(さ)車』

このト書きを映像化し、
やさぐるまさんを消失させる為に思考錯誤するスタッフの方の裏話が、
とても興味深かった。
(『東映公式』参照)
映像だから・・・とは云え、やはり表現とは簡単に出来無いのだと云う事、
そして、どんな作品でも作り手がこだわればこだわる程、
面白さに違いが現れるのだと云う事を改めて実感。


こう云うバカみたいな事に真剣に取り組んでしまう
『カブト』のスタッフ様達が私は心底大好きである(←褒めてます)
私も凄〜く勉強して頑張ったら、そんな仕事が出来るかな?
(と、夢だけは大きく持っておくワタクシ)

だが、その代わりに、

前回予告で流れていた、
キューピッド剣が、岬×加賀美のデート指南をするシーン&天道君語録が消失してしまったのは非常に残念。

こう云う消失してしまったシーンはDVD版で復活したりしないのだろうか?

是非して欲しいなぁ・・・

『消失』と云えば、
前回ラストで『ハイパー・ゼクター』に拠って未来に飛ばされ、
消失してしまった天道君を、
加賀美君はどれだけ心配して探し続けていたのだろう?

「天道!」と嬉しそうに駆け寄る彼の姿に『愛』を感じてしまった。

いっそ
『心配する加賀美君』だけで一話位やっても良かったんではないかしら?と相変わらず『妄想』するワタクシ(^^;)


「ひより・・・」と泣きながら、
(泣いていたかどうかはイマイチ不明なのだが)
うなだれる天道君を、ただ黙って見つめるしかない加賀美君。

天道君とひよりの間には加賀美君すら入り込めない深い絆が有って、
それは誰にも、
もちろん加賀美君にも触れる事は出来ないのだと云う事を、
無言で感じ取っているであろう彼の行動だが、
加賀美君と天道君の間にも深くて暗い溝・・・ぢゃなかった
絆がちゃんと有るのだ。

(↑深読みし過ぎなのは『妄想』だから(^^;))


さて今回、深くて暗い溝が出来てしまいそうだった『地獄のホッパー兄弟』


登場シーンでは、

「仮面ライダードレイク・・・風間大介か。いいよなあお前は」

「メイクアップアーティスト、なんてオシャレだよねえ」

・・・なんて言いながら、
上手と下手からそれぞれ登場して、センターで方向転換、
左右対称の同じ動きでシンクロ『変身』・・・なんて、
一体どれだけ練習したのかしら?と想う様な名コンビぶりなのに、
麗奈嬢の瞳に闇を見てしまった矢車さんが、
彼女に惚れてしまった(らしい)瞬間から二人の間には深〜い溝が!!


「何故(間宮麗奈に)止めを刺さなかったの?
まさか惚れたんじゃないよね?・・・まさかね、俺達は闇の住民だもんね?」

影山君の言う『闇』が一体どんな世界なのか、非常に気になるワタクシ。

女に惚れちゃいけない世界なのか・・・

(あ、単に人を愛するなんて感情は不要だとかそう云う事だと想います)


『瞳の中に闇を宿した女』の事を考えているらしいのに、
道端の花を見てニコニコしている矢車さんが愛らしい。

ところでブラインド越しに、
麗奈嬢を庇う矢車さんを見る影山君の瞳にも
闇が見えたのは私だけだろうか?

その直後、
矢車さんの肩に手を掛ける仕草は、
どう見ても『浮気現場』を見ちゃった女のソレだし、
ワームと化した麗奈に消し飛ばされて戻って来た矢車さんに
「お帰りなさい」と掛ける台詞は、正に恋女房である。

それに「ただいま」と答えて元の鞘に納まる矢車さんも旦那っぽいし・・・

ところで彼らはやっぱり橋の下に住んでいるのだろうか?



さて、ゴンが発射した消火器の煙に怯んでしまったホッパー兄弟、
つまりドレイクよりも消火器の方が有効だと云う事なのだろうか?

カブトも冒頭でダーク・カブトに蹴り負けちゃったりしてるし、
(『ハイパー・ゼクター』に頼り過ぎだと想う)
また強い彼らが観たいなぁ・・・と想うワタクシ。
(まぁ今回はギャグ・パートだからと云うのも有るのでしょうが)


・・・なかなか話の骨幹に辿り着かないワタクシの感想(^^;)
いい加減、大介&間宮嬢の話をせねば・・・。

「大切な人がワームだった・・・それだけの事だ。
 お前にこの気持ちが判るか?」と大介に言われ、
「判るさ、オレにだって・・・」と呟く天道君。

彼にとってひよりは特別な存在だが、
ぼっちゃまに対しては容赦しないのだろうか?

最近の彼は大分人間らしくなっているし、
加賀美君が庇う剣の事をあっさり倒したりはしないとは想うが・・・

怖いのはドコで誰に『暴走スイッチ』が入ってしまうのか?と云う事だ。


(・・・あ、大介と麗奈嬢の話だった)

麗奈嬢の人間としての人格に触れて、
ワームの側の人格も大介に惹かれていたのではないか?

彼女は明らかに手加減していた、
いや、ワームの方の麗奈嬢も、
やはり大介に倒されたがっていたのではないか?と想う。

実はワームの方が本体なのだから、
『ライダー・シューティング』で
焼け焦げた彼女の姿があんなに美しい筈は無いし、
そもそも人間の形を保っていられる筈が無いのだが、
そんな事を云うのは野暮なので止めておこう。
(何だかエラそうですみません(涙)

自分の意思とは無関係に人間を殺す化物として生き続ける位ならば、
愛する人の手に拠って死にたいと云う望み通り、
大介の腕の中で眠る様に逝った麗奈嬢。

焼け焦げたワームの醜い姿は大介の記憶の中では跡形も無く消失し、
透き通る様に美しくメイクアップされていたのだろう。


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