Monologue

2006年09月05日(火) 砦をめぐる攻防

『戸惑いの日曜日〜アパッチ砦の攻防〜』(三谷幸喜作・佐藤B作演出の舞台)をサンシャイン劇場にて観覧。

それにしても『サンシャイン60』は、何でああも判り辛い構造になっておるのだ!(怒)
あやうく開演前に辿り着けない処だったぢゃないか!そんなにテロが怖いのかっっ!!
(閑話休題)

まぁ何とかギリギリ間に合ったので気を取り直して舞台の感想を・・・

西郷輝彦さん演じる鴨田が4日前に購入した、とある高級マンションの一室、
そこへ鴨田の妻(細川ふみえ)に頼まれてTVの修理にやって来た鏑木(佐藤B作)。

実は鏑木は4日前までこの部屋の持ち主だったのだ。
だが、事業に失敗し、抱えた借金を返済する為、仕方無くこの部屋を手放さなければならなくなってしまった。

ところが、何とその部屋へ別居している娘(中澤裕子)が婚約者を連れて尋ねて来ると言うではないか!
久し振りに会う娘に、実は今は四畳半のアパートで暮らしているのだと、恥ずかしくて言えない鏑木は
電気屋のフリをして鴨田の部屋に入り込み、言葉巧みに彼と彼の妻を追い出した。

鴨田達が不在の間に、
いかにも自分がこの部屋に住んでいる様な顔をして、娘とその婚約者への挨拶を済ませてしまおうとするのだが、
突然、娘が母親(鏑木にとっては昔離婚した元妻)を呼び出したり、
婚約者が自分の両親を連れて来てしまったり、
また鴨田にマンションの自治会長を押し付け様と企む隣人や、
鴨田の妻と浮気している不動産屋の男やら、
鴨田の娘やら、本物の電気屋やら、腰が痛くて帰って来た鴨田やら・・・が次から次へと出たり入ったりを繰り返して、
事態はどんどんどんどん加速度的にエライ事になって行く・・・・・・

事態を収拾しようとすればする程、却って取り返しがつかない事へと展開して行くのがレイ・クーニーっぽいなと感じた。
今、日本でこれ程までに全てが計算されつくした最高級にエンタティメントドタバタコメディ!な脚本を書けるのは三谷幸喜さんしかいらっしゃらないだろう。

(この物語・・・ちゃんと収集が付くのかしら?)と懸念しつつ大笑いしながら観ていたが、私の心配など無用の産物だと言わんばかりに、物語は、ほんの少しの切なさを残して、見事に大団円を迎えたのであった。


役者さんでは、ちゃっかりしたお父さん鏑木を演じた佐藤B作さんと鏑木の愛人『正体不明のビビアン』役の女優さんが特に良かった。


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